2010年 03月 07日
テープのある週末 |
冷たい雨の降るあいにくの週末でしたが、熱く燃えている私たちには、ちょうどいい気候になりました。このところの外国出張でまとまった時間が取れず、昨年末から延び延びになっていた横浜のMさんのお宅にお邪魔させていただき、テープ三昧の週末を送ったからです。Mさんと知り合ってからもう4年も経ちましたが、音の判断の基準がマスターテープにあるので、このところの私のテープ騒動を何時も見守っていただいています。そのMさんが、愛用のパラゴンにくわえて昨年末にはGIYAのG1を導入されました。それを巨大なVIOLA Bravoで駆動しています。特筆すべきはプリアンプで、敢えて真空管のMarantz7で鳴らしているのです。音を支配的に決めているのはそのMarantz7で、暖かい音がしていました。
愛用のAMPEX440です。コンソールにおさめられた姿は本当に決まっています。StuderのB-62もお持ちですが、今回はTape Projectのマスターテープを聴く夜だったのでCCIRのかかるNagraのT-Audioでの試聴となりました。しかし、NABと聴き比べた結果この装置ではNABのイコライザーカーブで再生した方がいい音がしました。
Nagraの横の押し入れ収納タンスみたいのがViolaのBravoです。日本の家にはサイズが大きすぎますね。でも音はこのSPにとても合っていました。G1-GIYA は、同じ設計者のNautilusとは全く違うサウンドです。豊かな低音に支えられた音は、リッチなサウンドで演奏会場の雰囲気が出現します。今までに聴いたことが無い音がしていました。よく違うSPを使っていても、その持ち主の音がすると言いますが、中央にあるパラゴンから出ていると言われても納得する響きです。でも決してパラゴンからは出ない新しい音がしているのですが。その意味でMさんの好きな音が鳴っているのですね。
MさんのG1は、暖かみのあるBorollo Redと呼ばれている赤です。落ちついた色でこの部屋とマッチしています。インテリアコーディネーターもMさんのお仕事の一つです。左右の間隔は6メーター以上でしょうか、広大な部屋を目一杯広げ実物大のスケールで鳴っています。Mさんは以前は演奏会のPAの専門家で、外国からのミュージシャンのご指名が掛かったほどの腕前です。音作りとバランス感覚は抜群で、SPの位置調整もぴったりの位置で鳴らされていました。
CDでも、音楽的な響きは充分です。しかし、アナログにはアナログしか出せない音があります。特に低域の深さ、定位感は38センチ/2トラックならではの次元の違った音が鳴りました。優れたソースを手に入れて、Tape Projectみたいなテープを配布して行くのと、一方で5.6MHzのワンビットファイルをハードディスクにして提供するプロジェクトを立ち上げたいと話し合いました。実現にはいくつものハードルがありますが、今回ほど入力の質の差が最終的な音に影響を及ぼしていると感じた事はありません。
何時もお話ししている通りMさんもこの奇跡の様なアズナヴールの演奏を聴かれています。感性の方向が一緒の人とオーディオを話すのはこの上ない一時となりますね。赤ワインも二本目のボトルが開けられました、、、。
by TANNOY-GRF
| 2010-03-07 16:07
| 行ったり来たり
|
Comments(3)
Commented
by
横浜m
at 2010-03-08 16:04
x
週末はありがとうございました。美味しいワインももちろんですがGRFさんがお持ちになったナグラのデッキ!おおいに楽しめました。別次元に鳴り響いたマスターテープならではの音楽を聴きながら絶滅品種化したオーディオのこれからの楽しみはこれしかないと再確認しました。やっぱり質の高いソースを聴くことにつきますね~マスタークオリティーの普及~これからは長い間お世話になった趣味のオーディオの灯を消さないよう一緒に活動(遊び)ましょう!
Commented
by
GRFの部屋
at 2010-03-09 06:26
x
Mさん、楽しい週末でしたね。今回、何よりも驚いたのはG1GIYAの音が、まるでパラゴンが鳴っているように響いたことです。勿論、あの素晴らしい部屋の音がしているわけですから同質の響きがしても当然なのですが、ゴージャスと言う言葉がぴったりな音を聴いて、何時も生の音を聴かれている人が追い求めた音があると確信しました。
マスターテープのこの上ない音を聴いても、CDを聴いてもMさんの音がしていて、それが極めて気持ちのいい音に出来上がっていました。今回再確認したのは、オーディオの根幹は鳴っている部屋の質であり、入力のソースの質そのものです。それを求めれば最短で最良の答えを得られます。その反対をオーディオだと勘違いされている人のいかに多いことか!ケーブルやコネクターなど、枝葉末節です。そんな暇があったら、優れたソース(音楽)を探すことですね。Mさん、一緒に「マスタークオリティーの普及」に全力を投じましょう!
マスターテープのこの上ない音を聴いても、CDを聴いてもMさんの音がしていて、それが極めて気持ちのいい音に出来上がっていました。今回再確認したのは、オーディオの根幹は鳴っている部屋の質であり、入力のソースの質そのものです。それを求めれば最短で最良の答えを得られます。その反対をオーディオだと勘違いされている人のいかに多いことか!ケーブルやコネクターなど、枝葉末節です。そんな暇があったら、優れたソース(音楽)を探すことですね。Mさん、一緒に「マスタークオリティーの普及」に全力を投じましょう!
Commented
by
UNICORN
at 2010-03-09 19:23
x
やはりナグラは別物と考えていた方が良さそうですね・・・
Tapeだからと、単純に捉えて<昔やったけど・・・>的発想な
方が出でこないことを願うばかりです。
小生はOさん、Mさん、GRFさんの3者連合でPC-Audioに革命を!!の意気込みで優れたソースの配布/頒布会を希望いたします。
Tapeだからと、単純に捉えて<昔やったけど・・・>的発想な
方が出でこないことを願うばかりです。
小生はOさん、Mさん、GRFさんの3者連合でPC-Audioに革命を!!の意気込みで優れたソースの配布/頒布会を希望いたします。