2010年 11月 18日
羨ましすぎるぞ! |
GRFさま
昨日は突然お伺いして失礼しました。神だか悪魔だか?ともかく、とんでもないものが舞い降りたと聞いてこれはぜひ聞いておかねばと焦っていました。私の興味は実は神以外に二つありました。
一つは以前何度か"Consequence"をマッキントッシュで鳴らすのを聞いておりこれがどう違って鳴っているのか?以前の音はどちらかと言うとコンサートホールの音というよりは70mmが登場した時の映画館の音を思い出させるものでした。どこかの部分に誇張があったのでしょう。随分とめりはりの利いたコントラストの強い音だった記憶があります。
もう一つは"GRF"との違いです。SD05で鳴らす"GRF"はそれこそ今まで聞いた中では一番コンサート会場の雰囲気を良く醸し出しており、私にはこれ以上何がいるのといったしごく満足できる音だったからです。本当にこれ以上何を付け加えるというのでしょうか??
そしていよいよ"Consequence"の再登場です。見慣れたその姿から出てきた音はまったく何の誇張も演出もない音でした。それはまさしくコンサートホールに行ってその場で聞いているように聞こえたのです!これは通常だと形容句でして、良くオーデイオ雑誌などに登場するのですが、今回は形容句ではありません。まさしくそのままなのです。これはもはやオーデイオ装置が出す音では無い!これが第一印象です。そしてこの印象が最後まで続きました。
PAを使ったコンサートの再現は100%可能だと思いますが、クラシックなどのマイクを使わない声や楽器の再現は一度電気信号に置き換えた時点で、たとえどんな装置を使おうとその完璧な再現は不可能だと思っていました。まあ、たかをくくっていたわけです。実際そんな音が聞いたことがありません。オーデイオに必要なのはいくばくかの想像力!それが私の信条でした。
ところがどうでしょう。コンサート会場と寸部違わない空間が現実にそこに存在するのです。ここで空間という表現を使ったことにご注目、音ではなくそれはまさしく奥行きのある空間なのです!私の耳では目隠しして連れてこられたら本物のコンサート会場にいるのと区別がつかないと思われます。いや私の席はいつも遥か後ろなので、普段聞いているコンサートよりむしろ細部がはっきりとし、さらに迫力があるように聞こえます。
こうなるとオーデイオ的な語彙、低音がどうとか高音がどうとか、もはやそんな言葉がまったく虚しくなります。それでも無理して書いてみますと、特長的なのは実在感のある低音と天空まで伸びていくような高音でしょう。
やっぱり低音と高音じゃないか!という突っ込みはごもっともですが、普通このような大型SPだとどうしても低音が重くなります。"GRF"もSD05で鳴らすことにより初めて風のように軽やかななオーケストラの低弦が出るようになったと記憶しています。
ところがどうでしょう。この"Consequence"の鳴らす低音は同じように軽やかさを保ちながら恐ろしいほどの実在感があるのです。マーラーの交響曲は楽器編成が大きく使われる楽器が多いので生演奏を聞くに限るといわれているのですが、そのドロドロとなる大太鼓、不安が盛り上がって行くようなテインパニー、フォルテッシモで打ちおろされる一撃。それがまるで本物のようなエネルギーで聞こえます。そしてその音の収束の早さ!コントラバスなどの低弦の支え(これがオケのキモなのですが)、ピチカートの音色、これもまことに見事です。
同じように驚くのが高音の透明感です。トライアングルなどのチーンと言う音が他の楽器とまったく混じることなく、限りない透明感を持って会場に広がり空に昇って行くのです。
コンサートに行くとこの二つの楽器の音が自宅で聞く音とあまりにも違うのでやっぱり生は良いな、と満足しているのですが、ここではそれさえ再現されてしまうのです。この二つが"GRF"と一番違うところのように感じます。
もうひとつの特徴は音がけして混ざらないということです。これは器楽曲だと、たとえばスーッと静かになりオーボエが特徴のあるメロデイーを吹きだす。それにフルートが重なり、さらにクラリネット、ファゴット、そして金管楽器が加わって、最後に打ち寄せる波のように弦が湧き出してくる。こんな時音が混ざらないことがどんなに気持ちが良いか!
それが自宅で再現できるなんて、羨ましすぎるぞ!
そしてコーラス、これもそれぞれのパートがまったく混濁することなくはっきりと聞こえるのです。これも驚きです。オーデイオ装置でこんな風にコーラスを聞こえたことはありません。こんな風とはまさにコーラスグループがそこで歌っているように聞こえるということです。今回は聞くことができませんでしたが、次回はぜひマタイを聞かせてください!!
そしてオペラのアリアやリートでの声のエネルギーの自然さ。もうひとつの大きな特徴は音にきつさとか誇張がないということです。特に声の自然さはそれこそバリトリがそこに来て目の前で歌っていると言ってもおかしくないほど。
こうやってオーデイオ的な印象を書いているつもりでしたが、、実はこれはオーデイオ的なことではなくて、コンサートでは私にはこういう風に聞こえます!!ということを書いているだけだと言うことがわかりますね。つきるところコンサートで聞こえるように聞こえるのです!!最初の印象を繰り返し書いているにすぎません。すごいですね。これは。
あまりにも凄すぎて難癖をつけるとすれば一つ。それはコンサートホールが自宅に出現してしまうと気楽に聞くことが出来なくなってしまうのでは?ということ。クレンペラーが目の前で振って、ルードヴィッヒが目の前で歌っているのに、その前で寝そべっておせんべつまみにウイスキー片手に聞くわけにはいきませんよね!
いやはや大変な事態になりました。
SEIBO
**********************************
seiboさん
昨日は、グッドタイミングでした。出張から羽田に戻り、出口を出たところで入れたばかりの携帯が鳴りました。seiboさんからでした。所用で近くまで来ているので、タイミング合えば寄りたいとの事。一時間半後ぐらいならと返事をしました。seiboさんのお宅は湘南ですから、こちらに出てくるだけでも大変です。
帰りの道は夕方の渋滞もあり、ほとんど準備の時間がないまま、seiboさんが来られました。二日間聴いていなかったのと、急に寒くなったので、音の動きが少し重い様に感じました。それは装置の所為ではなく、飛行機で気圧の変化を受けた私の耳の所為だとあとから聴いているうちに気がつきました。それまでは、いつものヴォリュームの位置より角度にして10度ぐらい大きな音で鳴らしていたようです。
曲の音量に併せて、また曲の性格に合わせて音量を調整するのは、オーディオ再生の一番の肝です。ほんの少しの差でも音楽の印象はがらりと変わります。もっとも、それが必要なのは、主にはスタジオ録音の場合です。クラシックのホールで収録した録音では、あたかも会場で前の方の席に座るか、後ろの方に座るかぐらいの差です。
先々週からの、『神様が舞い降りた』日以来、タイミングが合わずお待たせしましたが、これも神様のお引き合わせでしょう。過分な感想を書いていただきましたが、自分の音を自分では褒める訳には行きませんが、seiboさんの驚きは、いままで感想を述べていただいた皆様の驚き、そして私自身の驚きを的確に表現していただきました。
今週末にあとお二組が来られたら、いっぺん仕舞うつもりです。ここで得られたノウハウをGRFやT4、ユニコーンでも試してみたいからでもあります。"Consequence"だけで実現しても、一般的ではないですから。
寒い中、わざわざ、お越しいただきありがとうございました。私自身でも不思議な神様のご光臨、いつまで滞在していただけるのでしょうか?飽きっぽい自分に神様が問いかけをしてくれているのかもしれませんね(笑)
昨日は突然お伺いして失礼しました。神だか悪魔だか?ともかく、とんでもないものが舞い降りたと聞いてこれはぜひ聞いておかねばと焦っていました。私の興味は実は神以外に二つありました。
一つは以前何度か"Consequence"をマッキントッシュで鳴らすのを聞いておりこれがどう違って鳴っているのか?以前の音はどちらかと言うとコンサートホールの音というよりは70mmが登場した時の映画館の音を思い出させるものでした。どこかの部分に誇張があったのでしょう。随分とめりはりの利いたコントラストの強い音だった記憶があります。
もう一つは"GRF"との違いです。SD05で鳴らす"GRF"はそれこそ今まで聞いた中では一番コンサート会場の雰囲気を良く醸し出しており、私にはこれ以上何がいるのといったしごく満足できる音だったからです。本当にこれ以上何を付け加えるというのでしょうか??
そしていよいよ"Consequence"の再登場です。見慣れたその姿から出てきた音はまったく何の誇張も演出もない音でした。それはまさしくコンサートホールに行ってその場で聞いているように聞こえたのです!これは通常だと形容句でして、良くオーデイオ雑誌などに登場するのですが、今回は形容句ではありません。まさしくそのままなのです。これはもはやオーデイオ装置が出す音では無い!これが第一印象です。そしてこの印象が最後まで続きました。
PAを使ったコンサートの再現は100%可能だと思いますが、クラシックなどのマイクを使わない声や楽器の再現は一度電気信号に置き換えた時点で、たとえどんな装置を使おうとその完璧な再現は不可能だと思っていました。まあ、たかをくくっていたわけです。実際そんな音が聞いたことがありません。オーデイオに必要なのはいくばくかの想像力!それが私の信条でした。
ところがどうでしょう。コンサート会場と寸部違わない空間が現実にそこに存在するのです。ここで空間という表現を使ったことにご注目、音ではなくそれはまさしく奥行きのある空間なのです!私の耳では目隠しして連れてこられたら本物のコンサート会場にいるのと区別がつかないと思われます。いや私の席はいつも遥か後ろなので、普段聞いているコンサートよりむしろ細部がはっきりとし、さらに迫力があるように聞こえます。
こうなるとオーデイオ的な語彙、低音がどうとか高音がどうとか、もはやそんな言葉がまったく虚しくなります。それでも無理して書いてみますと、特長的なのは実在感のある低音と天空まで伸びていくような高音でしょう。
やっぱり低音と高音じゃないか!という突っ込みはごもっともですが、普通このような大型SPだとどうしても低音が重くなります。"GRF"もSD05で鳴らすことにより初めて風のように軽やかななオーケストラの低弦が出るようになったと記憶しています。
ところがどうでしょう。この"Consequence"の鳴らす低音は同じように軽やかさを保ちながら恐ろしいほどの実在感があるのです。マーラーの交響曲は楽器編成が大きく使われる楽器が多いので生演奏を聞くに限るといわれているのですが、そのドロドロとなる大太鼓、不安が盛り上がって行くようなテインパニー、フォルテッシモで打ちおろされる一撃。それがまるで本物のようなエネルギーで聞こえます。そしてその音の収束の早さ!コントラバスなどの低弦の支え(これがオケのキモなのですが)、ピチカートの音色、これもまことに見事です。
同じように驚くのが高音の透明感です。トライアングルなどのチーンと言う音が他の楽器とまったく混じることなく、限りない透明感を持って会場に広がり空に昇って行くのです。
コンサートに行くとこの二つの楽器の音が自宅で聞く音とあまりにも違うのでやっぱり生は良いな、と満足しているのですが、ここではそれさえ再現されてしまうのです。この二つが"GRF"と一番違うところのように感じます。
もうひとつの特徴は音がけして混ざらないということです。これは器楽曲だと、たとえばスーッと静かになりオーボエが特徴のあるメロデイーを吹きだす。それにフルートが重なり、さらにクラリネット、ファゴット、そして金管楽器が加わって、最後に打ち寄せる波のように弦が湧き出してくる。こんな時音が混ざらないことがどんなに気持ちが良いか!
それが自宅で再現できるなんて、羨ましすぎるぞ!
そしてコーラス、これもそれぞれのパートがまったく混濁することなくはっきりと聞こえるのです。これも驚きです。オーデイオ装置でこんな風にコーラスを聞こえたことはありません。こんな風とはまさにコーラスグループがそこで歌っているように聞こえるということです。今回は聞くことができませんでしたが、次回はぜひマタイを聞かせてください!!
そしてオペラのアリアやリートでの声のエネルギーの自然さ。もうひとつの大きな特徴は音にきつさとか誇張がないということです。特に声の自然さはそれこそバリトリがそこに来て目の前で歌っていると言ってもおかしくないほど。
こうやってオーデイオ的な印象を書いているつもりでしたが、、実はこれはオーデイオ的なことではなくて、コンサートでは私にはこういう風に聞こえます!!ということを書いているだけだと言うことがわかりますね。つきるところコンサートで聞こえるように聞こえるのです!!最初の印象を繰り返し書いているにすぎません。すごいですね。これは。
あまりにも凄すぎて難癖をつけるとすれば一つ。それはコンサートホールが自宅に出現してしまうと気楽に聞くことが出来なくなってしまうのでは?ということ。クレンペラーが目の前で振って、ルードヴィッヒが目の前で歌っているのに、その前で寝そべっておせんべつまみにウイスキー片手に聞くわけにはいきませんよね!
いやはや大変な事態になりました。
SEIBO
**********************************
seiboさん
昨日は、グッドタイミングでした。出張から羽田に戻り、出口を出たところで入れたばかりの携帯が鳴りました。seiboさんからでした。所用で近くまで来ているので、タイミング合えば寄りたいとの事。一時間半後ぐらいならと返事をしました。seiboさんのお宅は湘南ですから、こちらに出てくるだけでも大変です。
帰りの道は夕方の渋滞もあり、ほとんど準備の時間がないまま、seiboさんが来られました。二日間聴いていなかったのと、急に寒くなったので、音の動きが少し重い様に感じました。それは装置の所為ではなく、飛行機で気圧の変化を受けた私の耳の所為だとあとから聴いているうちに気がつきました。それまでは、いつものヴォリュームの位置より角度にして10度ぐらい大きな音で鳴らしていたようです。
曲の音量に併せて、また曲の性格に合わせて音量を調整するのは、オーディオ再生の一番の肝です。ほんの少しの差でも音楽の印象はがらりと変わります。もっとも、それが必要なのは、主にはスタジオ録音の場合です。クラシックのホールで収録した録音では、あたかも会場で前の方の席に座るか、後ろの方に座るかぐらいの差です。
先々週からの、『神様が舞い降りた』日以来、タイミングが合わずお待たせしましたが、これも神様のお引き合わせでしょう。過分な感想を書いていただきましたが、自分の音を自分では褒める訳には行きませんが、seiboさんの驚きは、いままで感想を述べていただいた皆様の驚き、そして私自身の驚きを的確に表現していただきました。
今週末にあとお二組が来られたら、いっぺん仕舞うつもりです。ここで得られたノウハウをGRFやT4、ユニコーンでも試してみたいからでもあります。"Consequence"だけで実現しても、一般的ではないですから。
寒い中、わざわざ、お越しいただきありがとうございました。私自身でも不思議な神様のご光臨、いつまで滞在していただけるのでしょうか?飽きっぽい自分に神様が問いかけをしてくれているのかもしれませんね(笑)
by TANNOY-GRF
| 2010-11-18 05:41
| 来たり
|
Comments(2)
Commented
by
(Y)
at 2010-11-19 00:37
x
あ、来週に伺う前に、もう神様は帰ってしまわれるのですか…。うーん、残念です。でも聴かない方がいいかもしれませんね。そういうことだと自分に言い聞かせることにしましょう(笑)。
Commented
by
TANNOY-GRF at 2010-11-19 03:34
大丈夫です!神様は待ってくれていますよ(笑)。でも、聴かない方が良かったといわれた方もおられます。私的には、今回の出来事以前をBC、以後をADと呼びたいぐらいです。