2011年 12月 10日
コンセルトヘボーの音は |
今週は、コンサートホールの響きについて、書いてきました。この一週間は、またオランダとベルギー、ドイツを転戦していました。一月前と違って12月のヨーロッパは、暗くなかなか夜が明けません。身体の時間は、正直で朝になれば目が覚めますが、夜はまったく明けません。他の季節に比べると移動も時間も限られ、いきおい明るくなってからの移動ですから、朝の時間が長く、その時間を利用してコンサートホールの音について書いてきました。
最終日は、アムステルダムに戻ってきました。同行した人達が、お土産を買いに行っている間に、近くのコンセルへボーに、売れ残りの券があるか聞きに行きました。コンセルトヘボーの本拠地でも、コンセルトヘボーオーケストラの券を買うのは、なかなか難しいのですが、今夜はまだまだ売れ残っているのに驚きました。上演案内を見ると、常任のマリス・ヤンソンスの休演により、急遽、英国人の指揮者で、今年の5月にN響を振ったジェームズ・ジャッドの代演に変わったからです。マリス・ヤンソンスとジェームズ・ジャッドでは、まったく音楽の傾向が違いますから、これは仕方がないでしょう。そのおかげで、当日でも入れたのですから。
今日の曲は、シェーンベルクの「浄夜」とホルストの「惑星」です。シェーンベルクはともかく、ホルストの方は、ロイヤルフィルともCDを出していますから、イギリスの指揮者としては、18番なのかも知れません。
開演は八時十五分です。冬でも時間は変わりません。この時間なら、先に少し食べてから来れるのですが、私の場合は、一週間の転戦の疲れもあるし、時差の影響も残り、夜はすぐ眠くなりますので、何も食べずに出かけることにしました。出かけもホテルでジントニックを飲んだぐらいです。北海の湿気を含んだ冷たい風が吹いている表は、8時近くになるとあまり人通りもありません。
開演40分前から入場できます。中に入ってもまだ、ほとんど人影はありません。
前回は、最後の一枚のステージ裏の方だったし、あまり時間がなかったので、内部をゆっくり見ることが出来ませんでした。今回は、時間があるので、中をゆっくりと歩いてみました。
いつ見ても独特の構造です。ステージは高く、前の方の席では良くステージが見えません。
一番後ろからはこの様に見えます。後ろの方まで音は、届きますので、今回はど真ん中だったのですが、もう少し後ろの方が、音のバランスが良いと思います。私の好きな席は、この柱の二三列前ですが、そこが一番早く売れるようです。
人が入ってくると、会場中に音が響き、相当うるさい感じになります。音が反響して響くのですね。寒さが厳しくなる今頃から、音は冴え渡ってきます。最初の曲は、「浄夜」ですから、弦楽六重奏曲です。コントラバスは、中央後方に展開していました。とても美しい曲ですが、疲れが出て寝てしまわないか恐々でした。かろうじて夢とうつつの境目を漂っていましたが、このホールでは、弦楽器は本当に甘い音になります。昨年のベルギー国立の弦楽器の方が、分厚い音がしていましたが、コンセルトヘボーはこの美音が特徴ですから、眠りの誘惑は最高潮でした。
休憩時間には、飲み物はただで配られます。白ワインを気付けで飲み、表の空気を吸って目を覚ましました。余談ですが、サービスの白ワインでも、グラスになみなみと注がれます。ワイングラスの下の方に少しだけという、日本のワイン商法は、まったくガッカリです。いっそ、ドイツのようにグラスに線を引き、正一合の販売をして貰いたのですが、、。
ホルストは、イギリス風の演奏でした。コンセルトヘボーと言うよりも、ロイヤルフィルと言われても解らないでしょう。この会場では、音が柔ら過ぎて、この曲には合わないのかもしれませんね。
最後のコーラスは、どこから聞こえてくるのか解らない演出でした。曲が終わったら、階段をコーラスの人達が下りてきました。サウンドはSPから聞こえているような音でした。
コンサートが終わると、もう10時を回っていました。ロッカーで上着を貰うとき、大変混んでいて、預けたコートが無い人もいて時間が掛かりました。市電で戻っても良いのですが、場所も解っているし、待っている時間も掛かるので、歩いて戻ってきました。段々冷えてきましたが、凍える前にはホテルまで戻ってこられました。でも、近くのレストランに行ったら、もう火を落としてしまったとのこと。ホテルに戻ったら、11時を回っていて、結局朝まで何も食べずに寝てしまいました。食べ過ぎの一週間でしたから、歩いたのと一食抜いたので、体調管理にはちょうど良かったようです(笑)。
これから、飛行場です。明日の朝には東京にいるでしょうから、世界は本当に小さくなったものです。これで、時差さえなかったら、しょっちゅう来ているのですが、、、。
最終日は、アムステルダムに戻ってきました。同行した人達が、お土産を買いに行っている間に、近くのコンセルへボーに、売れ残りの券があるか聞きに行きました。コンセルトヘボーの本拠地でも、コンセルトヘボーオーケストラの券を買うのは、なかなか難しいのですが、今夜はまだまだ売れ残っているのに驚きました。上演案内を見ると、常任のマリス・ヤンソンスの休演により、急遽、英国人の指揮者で、今年の5月にN響を振ったジェームズ・ジャッドの代演に変わったからです。マリス・ヤンソンスとジェームズ・ジャッドでは、まったく音楽の傾向が違いますから、これは仕方がないでしょう。そのおかげで、当日でも入れたのですから。
今日の曲は、シェーンベルクの「浄夜」とホルストの「惑星」です。シェーンベルクはともかく、ホルストの方は、ロイヤルフィルともCDを出していますから、イギリスの指揮者としては、18番なのかも知れません。
開演は八時十五分です。冬でも時間は変わりません。この時間なら、先に少し食べてから来れるのですが、私の場合は、一週間の転戦の疲れもあるし、時差の影響も残り、夜はすぐ眠くなりますので、何も食べずに出かけることにしました。出かけもホテルでジントニックを飲んだぐらいです。北海の湿気を含んだ冷たい風が吹いている表は、8時近くになるとあまり人通りもありません。
人が入ってくると、会場中に音が響き、相当うるさい感じになります。音が反響して響くのですね。寒さが厳しくなる今頃から、音は冴え渡ってきます。最初の曲は、「浄夜」ですから、弦楽六重奏曲です。コントラバスは、中央後方に展開していました。とても美しい曲ですが、疲れが出て寝てしまわないか恐々でした。かろうじて夢とうつつの境目を漂っていましたが、このホールでは、弦楽器は本当に甘い音になります。昨年のベルギー国立の弦楽器の方が、分厚い音がしていましたが、コンセルトヘボーはこの美音が特徴ですから、眠りの誘惑は最高潮でした。
休憩時間には、飲み物はただで配られます。白ワインを気付けで飲み、表の空気を吸って目を覚ましました。余談ですが、サービスの白ワインでも、グラスになみなみと注がれます。ワイングラスの下の方に少しだけという、日本のワイン商法は、まったくガッカリです。いっそ、ドイツのようにグラスに線を引き、正一合の販売をして貰いたのですが、、。
ホルストは、イギリス風の演奏でした。コンセルトヘボーと言うよりも、ロイヤルフィルと言われても解らないでしょう。この会場では、音が柔ら過ぎて、この曲には合わないのかもしれませんね。
最後のコーラスは、どこから聞こえてくるのか解らない演出でした。曲が終わったら、階段をコーラスの人達が下りてきました。サウンドはSPから聞こえているような音でした。
コンサートが終わると、もう10時を回っていました。ロッカーで上着を貰うとき、大変混んでいて、預けたコートが無い人もいて時間が掛かりました。市電で戻っても良いのですが、場所も解っているし、待っている時間も掛かるので、歩いて戻ってきました。段々冷えてきましたが、凍える前にはホテルまで戻ってこられました。でも、近くのレストランに行ったら、もう火を落としてしまったとのこと。ホテルに戻ったら、11時を回っていて、結局朝まで何も食べずに寝てしまいました。食べ過ぎの一週間でしたから、歩いたのと一食抜いたので、体調管理にはちょうど良かったようです(笑)。
これから、飛行場です。明日の朝には東京にいるでしょうから、世界は本当に小さくなったものです。これで、時差さえなかったら、しょっちゅう来ているのですが、、、。
by TANNOY-GRF
| 2011-12-10 18:45
| 音楽旅行
|
Comments(6)
Commented
by
SEIBO
at 2011-12-10 19:05
x
ほんとに美しいホールですね。やっぱりヨーロッパならではの華麗さですね。新しく出来た日本のホールは入り口やホワイエが狭くて窮屈な感じのところが多いですね。日本で広々した感じがあるのは文化会館だけですかね?あとは神奈川県立音楽堂も似たような雰囲気で好きです。同じ設計者だからあたりまえですね。
日本でも欧米の真似をするのが得意なら、全く同じ建物を立ててくれたらと、このホールの写真を見るとそう思わずには居られません。
チケット写真を拝見すると20.15uurと見えますが、これは入場料でしょうか?
もしそうなら本当に安い!
しかも>休憩時間には、飲み物はただで配られます。・・・余談ですが、サービスの白ワインでも、グラスになみなみと注がれます。
これも羨ましいサービスですね。
もっとも小生も幕間でこんなにナミナミト注がれたのを飲んでしまったら睡魔にやられてしまいますが(笑)
チケット写真を拝見すると20.15uurと見えますが、これは入場料でしょうか?
もしそうなら本当に安い!
しかも>休憩時間には、飲み物はただで配られます。・・・余談ですが、サービスの白ワインでも、グラスになみなみと注がれます。
これも羨ましいサービスですね。
もっとも小生も幕間でこんなにナミナミト注がれたのを飲んでしまったら睡魔にやられてしまいますが(笑)
Commented
by
TANNOY-GRF at 2011-12-11 20:06
ごめんなさい、開演が八時十五分です。この席はやはり高く95ユーロです。
€ 22,50 € 45,00 € 60,00 € 77,50 € 95,00とあります。真ん中は、77.5か95ユーロですね。だから空いていたのでしょう。でも同じコンサートを22.5ユーロからみれるのですからやはり安いですね。
ちなみに、昨年のベルギー国立はステージ裏側の席で、40ユーロぐらいでした。コンセルトヘボー管弦楽団で無いと少し安いみたいです。
私には、なみなみと注がれた白ワインが気付けになりました。もう一回並べば、何倍でも飲めます。シャンペンもあるのですが、さすがに回りますね(笑)
€ 22,50 € 45,00 € 60,00 € 77,50 € 95,00とあります。真ん中は、77.5か95ユーロですね。だから空いていたのでしょう。でも同じコンサートを22.5ユーロからみれるのですからやはり安いですね。
ちなみに、昨年のベルギー国立はステージ裏側の席で、40ユーロぐらいでした。コンセルトヘボー管弦楽団で無いと少し安いみたいです。
私には、なみなみと注がれた白ワインが気付けになりました。もう一回並べば、何倍でも飲めます。シャンペンもあるのですが、さすがに回りますね(笑)
> この席はやはり高く95ユーロです。
ある意味で安心しました(笑)
95ユーロならN響のA席が7千円クラスですから納得もします。
しかもワインつきですからね。
ある意味で安心しました(笑)
95ユーロならN響のA席が7千円クラスですから納得もします。
しかもワインつきですからね。
Commented
by
SEED
at 2011-12-13 21:53
x
これがあの有名なコンセルトヘボーですか♪音とのイメージの格差がありますね とんでもなく広くそれでいて何もないようなイメージでしたが、非常に絢爛豪華ですね
素晴らしいですね♪
素晴らしいですね♪
Commented
by
TANNOY-GRF at 2011-12-18 10:37
SEEDさん 音のイメージは確かにそうですね。残響がきれいに響き、音の減衰が素直なホールだからですね。中庸の美とでも言うのでしょうか?
旧い木造のホールです。今までの名演がしみこんでいるようです。
旧い木造のホールです。今までの名演がしみこんでいるようです。