2017年 08月 22日
広くなった部屋で |
日曜日の朝、一時間ほど思い出のレコードを掛けて、その音を記憶に納めました。9時から始まったデコラのお引っ越しは順調にすすみ、10時過ぎには無事に出発いたしました。広くなった部屋をみても、しばらくは、片付ける気も起こりませんでした。
今日の午後は、ロンドンから今朝到着するのびーさんが、先月に引き続き来られます。今回はご自分のレコードやCDもロンドンから持ち込まれるそうです。いったん、デコラの通り道を作るため移動したTroubadour80+TW3を元に戻さなければなりません。デコラが無くなった分、部屋の響きが変わることでしょう。
一時間ほど休んでから、再調整を始めました。結線を慎重に戻し、Troubadour80をTW3の上に戻し、慎重に位置を決めていきます。TW3の位置も、覚えていたところに戻しましたが、もちろん1mm違っても音は変わるので、調整はこれからです。
何時ものリタ・シュトライヒをかけてセンターの調整をしました。TW3の位置決めと、80の位置を微妙にうごかして、音を聴きながら詰めていくのです。調整をしながらすぐ気がつきました。音の広がりが全く違うと。後ろにあったDecolaのキャビネットが、共鳴し、反射して、部屋の体積も変えていたのでしょう。音がひろびろとしてコンサートホールの大きさが変わったようです。
午後は、だいぶ暑くなってきたようです。昨日の大雨の影響か、湿気が満ちている気がします。部屋を24度ぐらいまで下げて、のびーさんを待ちました。今日は、音合わせで使ったチョン・ミョンフンとコンセルトヘボウのプロコイエフのロミオとジュリエットから始めましょう。オーケストラの爆発するような全奏から始まり、ピアニシモから、フォルテシモの金管の重厚な咆哮から始まります。その低い響きが相当変わって聞こえてきました。
二時間ほど、変わった音をのびーさんと楽しみました。その変化の大きさとdccのスケールのある音に驚いていただいていると、Hさんが、病院のお見舞いの帰り道に立ち寄っていただきました。テープ党のHさんもはじめて聴かれるdccの音にビックリ!早速感想を送っていただきました。
はじめに、聴かせていただいたDCCテープですが、私は知りませんでした。調べて見たら、1991年頃から出たメデイアだったんですね。バブル最盛期から終わりがけの頃の機器だったんですね。私は、丁度、仕事が本当に忙しくて、オーディオから遠ざかっていた頃だったんで、この頃のオーディオは、行っておりませんでした。
昨日、初めてDCCテープの音を聞きました。アラウ・デーヴィス・ドレスデンのベートーベンのピアノ協奏曲5番を聞かせてもらいました。同じ演奏のCDと同時並行で聞かせてもらいました。CDの方は、何時もの聞き慣れた(実際は変化していたのですが)音でした。しかし、DCCは、明らかにテープの持つ音の厚み豊かさがあり、しかも、ヒスノイズが無い、CDのようなSNが際立っていい、全く今まで経験したことのない音でした。
DATの音よりもっとテープ寄りの音とでも言うのでしょうか。厚みと音全体の豊かさがあり、マスターテープとCDとの中間の音ととでも言うのでしょか、そんな私には魅力的な音でした。写真で言えば、クリアな透明でなはなく、少しセピア色がかっている芳醇な絵と言うか写真のような世界でした。また、その世界に浸りたい気持ちにさせてくれました。
さて、オーディオルームですが、部屋の奥に設置されていたデコラが無くなったその日にお邪魔したのです。先ほど、CDは、聞き慣れた音と言いましたが、それは、ほぼ同じ装置で聞いているので、そう言ったことであって、デコラが無くなってからのGRF邸のオーディオルームは、なんと言う広がりなんでしょうか。
あのデコラがこれほどまでに音に影響していたとは。奥行きに淀みがなく、縦方向にも大きく広がりが出て来ました。以前を知らない人はこの違いが分からないと思いますが、デコラ一つであの奥行き、縦方向の広がりが制限を受けていたのですね。部屋の大きさが、2倍に広がった感じでした。元々の部屋の持つ実力を見せつけられた感じでした。
私の秋葉原のオーディオルームもほぼ同じ装置ですが、部屋の実力の差が歴然です。音の精密さと言うのでしょうか、いわゆる高級な音とでもいうのでしょうか。秋葉原も音の広がりがありますが、どうしても、部屋が普通なので、普通の音に聞こえてしまいます。GRF邸のオーディオルームの知恵と技術の結晶には、脱帽しかありません。余計なものがなくなったことで、部屋の実力の差をはっきりと認識出来ました。ああ、聞かなければ良かったと言う感じですね。でも、気を取り直して、音楽を楽しむ事に神経を集中させて行こうと思いました。
いい体験をさせて頂き、ありがとうございました。
H
とご感想を送っていただきました。
その後も、のびーさんとはレコードも、またCDに戻してもいろいろと聞きつづけ、暗くなってからは有機テレビで、4KHRD60Pの最高画質の「宮古島」を見ていただき、現在最高峰の画質も楽しんでいただきました。最後は、近くのイタリアンで、二本目の白ワインをゆっくりと開けました。のびーさんの時差ぼけ解消になったでしょうか?
by TANNOY-GRF
| 2017-08-22 21:57
| 来たり
|
Comments(2)
Commented
by
BO
at 2017-08-22 22:32
x
Decolaのあの美しい箱が音の広がりにはかなり影響していたのですね。あれだけの存在感ですから、さもありなんです。
でも、やはりDecolaが居なくなったのは寂しいです。豪華かつ瀟洒な佇まいは家具としても素晴らしい。なんといっても、あの驚きのステレオ音場。本当に所有する喜びを感じさせる音響機器ですね。あのような素敵な再生装置はもう二度と生まれないでしょう。
GRF邸で伝説の銘機の実物に触れられて、そのサウンドを聴けたことは、なによりも嬉しく貴重な体験でした。本当に有り難うございました。あの豊かな立体音響は、聴いたことのない人には想像できないでしょう。いやあ、事情が許せば欲しかったですが...
でも、やはりDecolaが居なくなったのは寂しいです。豪華かつ瀟洒な佇まいは家具としても素晴らしい。なんといっても、あの驚きのステレオ音場。本当に所有する喜びを感じさせる音響機器ですね。あのような素敵な再生装置はもう二度と生まれないでしょう。
GRF邸で伝説の銘機の実物に触れられて、そのサウンドを聴けたことは、なによりも嬉しく貴重な体験でした。本当に有り難うございました。あの豊かな立体音響は、聴いたことのない人には想像できないでしょう。いやあ、事情が許せば欲しかったですが...
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by
TANNOY-GRF at 2017-08-23 00:09
B.Oさん
いろいろ考えましたが、これからの時間を考えますと、若い世代の方にお譲りして、長い期間ご愛用していただける道を選びました。
Decolaが去る朝、今まで良くかかったレコードをかけて、別れを記憶にとどめました。
あれだけ有名な機械ですが、実際にあの素晴らしい音を聴かれた方が少ないと思います。K.O.さんの美しいお宅でこれからも聴けます。一緒に聴きに行きましょう!
いろいろ考えましたが、これからの時間を考えますと、若い世代の方にお譲りして、長い期間ご愛用していただける道を選びました。
Decolaが去る朝、今まで良くかかったレコードをかけて、別れを記憶にとどめました。
あれだけ有名な機械ですが、実際にあの素晴らしい音を聴かれた方が少ないと思います。K.O.さんの美しいお宅でこれからも聴けます。一緒に聴きに行きましょう!