2017年 09月 07日
先日はありがとうございました |
八月のお盆明けの日曜日、Decolaがお嫁にでた日の午後に、ロンドンからのびーさんが、到着されました。羽田から荷物を置いただけで直行されました。何時もお忙しいのびーさんは、その後、大阪に向かい、ロンドンに戻ってからすぐに、リヨンへグルメ旅行をされてきたそうです。先週末にようやくロンドンに戻り、あの日のご感想を送ってこられました。
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羽田から都内に入り荷物を開封後休む間もなく、GRF邸に伺いました。今回は、価値を再発見されたというDCCを中心に拝聴しました。何度かお邪魔したリスニング・ルームに入るなり、部屋の主のごとく正面に鎮座していたDecolaが居なくなりびっくり。そのDecolaはほんの数時間前に搬出されたと伺いまたびっくりです。あれだけコンディションの良いDecolaはイギリスでも見たことが無いので密かに狙っていたのですが...
さてDCCの音ですが、一言で申せば「テープの音」がします。DCCはデジタル・アウトされMola MolaのDACでDA変換された音を聴いています。同音源(のはず)のCDのデジタル・アウトを同じDACでDA変換した音とも明らかに差があります。CDはやはり「CDの音」がします。GRFさんによれば、接触型のテープと非接触型のCDの読み取り方式の違いが音に効いているとのことですが、理由はともかくDCCの「テープの音」は驚きです。
DCCの技術的な背景は忘れてしまいましたが、デジタルとしては大したスペックではなく、おまけに圧縮されているとのこと。しかしながら古いデッキの内蔵DACを使用せず、最新のMola MolaのDACでDA変換した音は安定感抜群で、微妙なニュアンスの再現性に優れています。特に、音の豊かさというか一段と広い音場が魅力です。DCCはテープ・メディアとしては最後発ですから、使用されているテープは保磁力も高く保存性も優れているのではないでしょうか。
おまけにDecolaが無くなり音場が前後に一段と深く展開します。低音の沈み込みも増したようです。以前のGRFサウンドは(座る位置で調整できましたが)コンサート・ホールの2階最前列のような音でしたが、1階席に降りてきたような感じです。無指向性のTroubadourですから普通のシステムより敏感なのでしょう。 Arau・Davis・Dresdenの「皇帝」、若きKissinがKarahan-Berline Philと共演したチャイコフスキーの1番と立て続けでしたが、演奏も録音も素晴らしいのでいずれも最後まで聴いてしまいました。
今回は、私の持参したレコードとCDも聴かせて頂きました。我が家でもそれなりに鳴るソースがGRF邸でどれほどのパフォーマンスか興味津々です。意外にも我が家で聴くのと大差ありません。持参したものは一般的に「高音質/好録音」と言われるものなのですが...概してGRF邸ではオリジナル・プレスは広大な音場とナチュラルな定位感、質感で鳴りますが、高音質リマスターの類は「大したこと」ありません。推測ですが、オリジナルは大掛かりな編集や加工を施していないことが奏功しているのではないでしょうか?
GRFサウンドは、最初の訪問以来、この1年間で一段と進化しました。自分の音は比較すると厳しいものがありますが、GRFさんの音の遍歴をブログやお話で伺えば、この進化はそれなりの「回り道」を経たからこそ獲得出来たようです。私も「回り道」を苦にせずオーディオを楽しもうと思った次第です。
GRFさん、ありがとうございました。
のびー
by TANNOY-GRF
| 2017-09-07 20:26
| 行ったり来たり
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Comments(3)
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TANNOY-GRF at 2017-09-08 09:40
「高音質リマスターの類は「大したこと」ありません。推測ですが、オリジナルは大掛かりな編集や加工を施していないことが奏功しているのではないでしょうか?」
その通りですね。私がオリジナルの盤を重要視していますのが、当初は収録されていた微妙な音が、ダビングや編集を重ねることにより失われていくからです。メリハリが強調されて、画像で言えばシャープになっていく方向では、繊細な音が消えていくからだと思います。
DCCが良い音がするのは、その微妙な信号をCDよりも磁気テープでダイレクトで拾えているからだと思います。圧縮されているのは、大きな音の所ですが、それも正しく再現されています。MolaMolaのDACのようにデジタルの再現力が上がって、dccやCD本来のポテンシャルが出てきたのだと思われます。おもえば随分と時間は掛かったモノです。
その通りですね。私がオリジナルの盤を重要視していますのが、当初は収録されていた微妙な音が、ダビングや編集を重ねることにより失われていくからです。メリハリが強調されて、画像で言えばシャープになっていく方向では、繊細な音が消えていくからだと思います。
DCCが良い音がするのは、その微妙な信号をCDよりも磁気テープでダイレクトで拾えているからだと思います。圧縮されているのは、大きな音の所ですが、それも正しく再現されています。MolaMolaのDACのようにデジタルの再現力が上がって、dccやCD本来のポテンシャルが出てきたのだと思われます。おもえば随分と時間は掛かったモノです。
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BO
at 2017-09-10 11:05
x
アナログ盤は勿論ですが、CDでも80年代の西独製初期盤が良いように思います。音が素直で奥行きがあり、細かい情報まで入っています。ディジタルも、コピーをするほどに音が鈍るように感じます(技術者の方は否定されるかもしれませんが)。
オーディオ誌の宣伝にのせられて何度もリマスター盤を買いましたが、宣伝文句とは裏腹に改善されていることはあまりないようです。「今回のリマスターで、こ~んなに音が良くなった!」の類は信用できませんね。初期盤は音が硬いという先入観を植えつけられ、せっかく持っていた古いCDを売ってしまったものも多く、いまでは後悔しています。
オーディオ誌の宣伝にのせられて何度もリマスター盤を買いましたが、宣伝文句とは裏腹に改善されていることはあまりないようです。「今回のリマスターで、こ~んなに音が良くなった!」の類は信用できませんね。初期盤は音が硬いという先入観を植えつけられ、せっかく持っていた古いCDを売ってしまったものも多く、いまでは後悔しています。
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TANNOY-GRF at 2017-09-10 14:25
BOさん その通りですね。30年前にCDが世に出た頃、音が悪いとさんざん言われました。最初の頃のCDを今聴くと、音が自然で柔らかく、細かな情報が入っているのがわかります。録音という行為は、収録するのは簡単ですが、それを忠実に再生するのが難しいのですね。それはアナログもデジタルも同じです。
そして、オリジナル盤(この場合はオランダ製)と日本で作られた音の差が大きいのも、レコードやCDと同じです。
そして、オリジナル盤(この場合はオランダ製)と日本で作られた音の差が大きいのも、レコードやCDと同じです。