2011年 08月 28日
QUAD ESL57の音 |
GRFのある部屋では、空間を必要とするQuadの平面スピーカーは置けないので、茅野の家に置いてあります。月に二回ほどの関西出張の行き帰りに中継地点として利用しています。東京からは、たった二時間ほどのアドヴァンテージなのですが、その二時間が貴重で、茅野からですと関西圏のどこでも、お昼には入れますので、午後一番から仕事に取りかかれることになります。これが東京からだと、午前6時前には出なくてはいけないので、早朝からエネルギーを使ってしまいます。そんなとき、茅野は大変重宝しています。
帰りも、夕方関西圏で仕事を終えて帰京する場合も、天候や時間によっては、茅野で泊まって、翌早朝東京に戻るパターンが増えました。例の節電とやらで、高速道路の照明が消されて、危険になったこともあります。第一、歳を取ると暗いときの動体視力が落ちて見えない所為でもあります。とほほ、、。
茅野に泊まったときは、当然Quad ESL57の美音を聴くのが楽しみです。CDプレーヤーは、工藤氏の手が入ったマランツCD80と石田氏の手が入ったSONYのXA1200ESです。このプレーヤーはSACDも掛けられます。しかし、ESL57に音質的に合うのは、マランツの方です。ソフトフォーカスと工藤氏によってアナログ回路を強化したCD80と補間関係にあるのか、良くマッチしています。1200 を繋ぐとコンデンサーSP特有の音と1200の繊細な音が相乗されれて、バランスが高域よりになります。面白いモノですね。
この家は、出来合いの建て売り住宅なので、床の補強が弱く、IIILZを鳴らすと床が盛大になって、44のプリで相当低域を絞って使っていました。おまけに絨毯ですからどうしても音が甘くなるのです。ところが、ESL57を鳴らした場合、その欠点が美点になり、音のバランスが良くなります。そして、オーケストラの重厚な低域も楽々と再現されるのには驚きです。Quadの44+405IIは、大量に製造されたので、両方でも10万前後で購入できます。この57も程度の良いのが、ペアでも20万しないでしょう。そうすると30万前後でこのクオリティが手に入ることになります。これは、脅威のコストパフォーマンスですね。
使いこなしのポイントは、左右のSPの間隔と位相合わせです。これは、モノのCDを使えば誰でも合わせられます。後は、実際にオーケストラ等を機器ながら、左右の一体感が出るように微調整するだけです。
ただし、この平面型のコンデンサーSPからは、音場は出てきません。平行法の後方に拡がる音場も、交差法の前に飛び出してくる、心はずむような立体音場は出ないのです。その代わり、この平面SPの位置が、あたかもドラえもんのどこでもドアの入り口の様に異次元への扉になります。ですから、このSPをステージ上に配置すれば、このSP自身がオーケストラになるのです。仮想イメージを作るのではなく音を出しているのです。その意味では、このSPを5枚使用した5.1チャンネルは大変な効果が出るでしょう。2008年のコロラドのオーディオショーで、キンバーケーブルが、新しいQuadの大型平面SPをスタックして四方に配置して壮大な音の実験を行っていました。
何時も、ここに来るとバーンスタインのNYフィルとのマーラー全集と、マゼールがウィーンで録音した同じくマーラー全集を聴いています。60年代前半と80年代前半の録音ですが、まったく古さは感じません。それどころか、現代の演奏にはない、スケールの大きな演奏が、箱鳴りがない平面SPの雄大な低域で再現されると、GRFやハートレーとは違った意味で、必要充分なサウンドだと感じています。ティンパニーや大太鼓の見事さは、何時聴いても驚きです。10畳以上の空間とエアーボリュームが取れれば、どこでもこの音は再現できると思います。
今一度言いますが、このSPは音場が出ません。ですからリニア・フィールドでは鳴らないし、近くで聴いてもスケールは出ないのです。似た音質で音場を求める方はESL63の方を使ってください。
しかし、フルオーケストラの大迫力とスケール感はどこから来るのでしょうか?各楽章の終わりの全合奏になっても音が混濁しません。あたかもこのスピーカー自身がオーケストラになったような素晴らしい音です。Quad57をご自宅で鳴らされている方でそんな音はしないぞ?と思われている方は、是非ご連絡ください。時間を作ってお宅までお伺いしましょう(笑)。上手く鳴らすにはちょっとしたコツを知ればいいので。デジタルの時代になって、ようやくこのSPの真価がでてきたともいえます。
日差しはまだ夏ですが、入道雲や日陰の感じが、夏の終わりを感じさせます。南アルプスの上に湧いている入道雲は遠い昔にみた風景と重なり、いっそうの淋しさをまします。
帰りも、夕方関西圏で仕事を終えて帰京する場合も、天候や時間によっては、茅野で泊まって、翌早朝東京に戻るパターンが増えました。例の節電とやらで、高速道路の照明が消されて、危険になったこともあります。第一、歳を取ると暗いときの動体視力が落ちて見えない所為でもあります。とほほ、、。
茅野に泊まったときは、当然Quad ESL57の美音を聴くのが楽しみです。CDプレーヤーは、工藤氏の手が入ったマランツCD80と石田氏の手が入ったSONYのXA1200ESです。このプレーヤーはSACDも掛けられます。しかし、ESL57に音質的に合うのは、マランツの方です。ソフトフォーカスと工藤氏によってアナログ回路を強化したCD80と補間関係にあるのか、良くマッチしています。1200 を繋ぐとコンデンサーSP特有の音と1200の繊細な音が相乗されれて、バランスが高域よりになります。面白いモノですね。
この家は、出来合いの建て売り住宅なので、床の補強が弱く、IIILZを鳴らすと床が盛大になって、44のプリで相当低域を絞って使っていました。おまけに絨毯ですからどうしても音が甘くなるのです。ところが、ESL57を鳴らした場合、その欠点が美点になり、音のバランスが良くなります。そして、オーケストラの重厚な低域も楽々と再現されるのには驚きです。Quadの44+405IIは、大量に製造されたので、両方でも10万前後で購入できます。この57も程度の良いのが、ペアでも20万しないでしょう。そうすると30万前後でこのクオリティが手に入ることになります。これは、脅威のコストパフォーマンスですね。
使いこなしのポイントは、左右のSPの間隔と位相合わせです。これは、モノのCDを使えば誰でも合わせられます。後は、実際にオーケストラ等を機器ながら、左右の一体感が出るように微調整するだけです。
ただし、この平面型のコンデンサーSPからは、音場は出てきません。平行法の後方に拡がる音場も、交差法の前に飛び出してくる、心はずむような立体音場は出ないのです。その代わり、この平面SPの位置が、あたかもドラえもんのどこでもドアの入り口の様に異次元への扉になります。ですから、このSPをステージ上に配置すれば、このSP自身がオーケストラになるのです。仮想イメージを作るのではなく音を出しているのです。その意味では、このSPを5枚使用した5.1チャンネルは大変な効果が出るでしょう。2008年のコロラドのオーディオショーで、キンバーケーブルが、新しいQuadの大型平面SPをスタックして四方に配置して壮大な音の実験を行っていました。
何時も、ここに来るとバーンスタインのNYフィルとのマーラー全集と、マゼールがウィーンで録音した同じくマーラー全集を聴いています。60年代前半と80年代前半の録音ですが、まったく古さは感じません。それどころか、現代の演奏にはない、スケールの大きな演奏が、箱鳴りがない平面SPの雄大な低域で再現されると、GRFやハートレーとは違った意味で、必要充分なサウンドだと感じています。ティンパニーや大太鼓の見事さは、何時聴いても驚きです。10畳以上の空間とエアーボリュームが取れれば、どこでもこの音は再現できると思います。
今一度言いますが、このSPは音場が出ません。ですからリニア・フィールドでは鳴らないし、近くで聴いてもスケールは出ないのです。似た音質で音場を求める方はESL63の方を使ってください。
しかし、フルオーケストラの大迫力とスケール感はどこから来るのでしょうか?各楽章の終わりの全合奏になっても音が混濁しません。あたかもこのスピーカー自身がオーケストラになったような素晴らしい音です。Quad57をご自宅で鳴らされている方でそんな音はしないぞ?と思われている方は、是非ご連絡ください。時間を作ってお宅までお伺いしましょう(笑)。上手く鳴らすにはちょっとしたコツを知ればいいので。デジタルの時代になって、ようやくこのSPの真価がでてきたともいえます。
by TANNOY-GRF
| 2011-08-28 16:25
| オーディオ雑感
|
Comments(6)
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pat_mthny7205 at 2011-08-28 20:24
GRFさま
お疲れ様です。コーン型SPのしっかりとした調整がなされた個体から出た音をも聴いたことがない私にとって、残念ですがQuad ESL57の音は想像もつきません。
タイプの違うSPでも「基本的」な調整方法は変わりがないように見受けられますが、でもそれは誰でもできることではないことなのでしょう。
長野にあるシステムも他のシステムも音を出す時間は違えど皆同じ愛情を注がれているのが文を読んでいてとてもわかります。
長野ですかぁ。以前何度か上田や佐久へ行ったことがあります。冬の夕方、日が落ちる頃の山々や暗くなった後も星空を見ているのが好きでした。特にあの独特のさみしさがいまではなかなか味わえないのが残念です。
お疲れ様です。コーン型SPのしっかりとした調整がなされた個体から出た音をも聴いたことがない私にとって、残念ですがQuad ESL57の音は想像もつきません。
タイプの違うSPでも「基本的」な調整方法は変わりがないように見受けられますが、でもそれは誰でもできることではないことなのでしょう。
長野にあるシステムも他のシステムも音を出す時間は違えど皆同じ愛情を注がれているのが文を読んでいてとてもわかります。
長野ですかぁ。以前何度か上田や佐久へ行ったことがあります。冬の夕方、日が落ちる頃の山々や暗くなった後も星空を見ているのが好きでした。特にあの独特のさみしさがいまではなかなか味わえないのが残念です。
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TANNOY-GRF at 2011-08-28 21:06
pat_mthnyさん、そちらもすこしづつ進歩しているようですね。焦る必要はありません。今の装置が、朗々となるポイントまで今少しと思われます。楽しんでください。
信州は、秋から冬がいいのです。一度、茅野にも来てください。家族旅行の途中でも構いませんよ。
信州は、秋から冬がいいのです。一度、茅野にも来てください。家族旅行の途中でも構いませんよ。
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リウー
at 2011-08-28 21:08
x
こんばんは。
うちのESL57では、ホールの壁に穴が開いたような感じです。上下に関しては、天井の低さもあるのでしょうが、左右は録音によっては、ESL57の幅を超えて広がることがあります。録音の新旧よりも、録音方法?による変化が大きい感じです。
話は変わりますが、空気が乾いて引き締まったら、再度伺わせてください。
うちのESL57では、ホールの壁に穴が開いたような感じです。上下に関しては、天井の低さもあるのでしょうが、左右は録音によっては、ESL57の幅を超えて広がることがあります。録音の新旧よりも、録音方法?による変化が大きい感じです。
話は変わりますが、空気が乾いて引き締まったら、再度伺わせてください。
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TANNOY-GRF at 2011-08-28 21:37
リウーさん、
>うちのESL57では、ホールの壁に穴が開いたような感じです。
これが普通のESL57何ですが、最適ポイントになると、自分も同じホール内にいるようになります。
空気が乾き、音が引き締まってくるのは、温度も重要です。早くても11月ですね。
>うちのESL57では、ホールの壁に穴が開いたような感じです。
これが普通のESL57何ですが、最適ポイントになると、自分も同じホール内にいるようになります。
空気が乾き、音が引き締まってくるのは、温度も重要です。早くても11月ですね。
ESLでしっとりと小音量で極上の音楽を楽しむ これ以上の幸せはないですね 私は実験ばかりしているのでなかなかこの世界には...うらやましいです♪
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TANNOY-GRF at 2011-09-01 14:05
SEEDさん コメントありがとう。でも、実は大音量でフルオーケストラを聴いているのです。それが素晴らしい。もっとも、よるは消音量でテレビも聴いています。