2012年 01月 09日
お正月休みの最後の一日 |
実際には、お正月は明けて仕事も始まっているのですが、この第二週の始めが振替休日になると、今日までがクリスマスから続いていた長い休みの最後みたくなります。この時期と5月の連休、そしてお盆の時期が、オーディオを気兼ねなく聴ける数少ない時期ですね。今年は、年末に大勢集まった会があったので、部屋も比較的?片付いています。広々とした部屋で久しぶりに小さく見える「GRF」で音楽を聴いていると、時空を超えて演奏会場を訪れ、その会場の空気と同化するのが最大の喜びです。
部屋を暗くして聴いていると、演奏会場が見渡せる位置に浮遊して聴いている感じがしてきます。マイクロフォンのある位置ですね。実際にはあり得ないベストポジションで聴いているわけです。昨日のGRFもその様な音がしていました。最近はマーラーを聴くことが多いのですが、マーラーの交響曲は、どれ一つとして、単純ではありません。とくに昨日聴いた第七番は、常識では考えられない展開の曲です。六番もそうですね。第一楽章が終わると一曲終わった気がするのは、ブラームスの4番の一楽章も同じですが。七番では、従来使われない楽器や弾き方が特徴的です。その意味では極めてオーディオ的な曲でもあるのです。
家の装置では、どのSPでも、どこでもドアーを開けたらそこは演奏会場を心がけていますが、世界各地のホールがみな違う音を奏でるのと同じに、各スピーカーもそれぞれの特徴をだした音場を展開するのです。しかし、いっぺんには一緒には鳴らせませんから、日を決めて、時間を決めてどのSPで聴くかを決めているわけです。贅沢な悩みだと思います。いわば、「大奥」状態ですが、それなりに、各々のSPの特徴をとらえてて、うまく鳴らしてやらなければなりません。ただ換えれば済むという訳にはいかないのです。
しかし、これほど特徴のあるSPも、結局は同じような音で鳴るのは、同じ人間が自分好みの音を目指す限り、同じ音がしてくるのも当然です。また、オーディオの好みも千差万別で、様々な音が好きなのも当然です。その意味で、他の人の装置がいくら良い音で鳴っていても、自分の好みに100%あっている訳は無いし、その違いの追求こそが、自分の音を確立する面白さなのですね。蓼食う虫も好き好きでしょうか?
ところで、私が「OFF会」という言葉が嫌いなのは、ネット上では「OFF」かも知れませんが、現実にその人に遇う、会う、合う、会合の方を「ON」会と呼んで欲しいからです。そこで、自らの違いを認識するからこそ、面白いのですね。文章上饒舌な人は、実際には輪を掛けて饒舌な人と寡黙な人の二つのタイプに分かれるようです。文章は過激なのに、ご本人は至って紳士な方も多く、私はその反対でしょうか?(笑)そのギャップが面白いですね。
私たちの世代は、物心ついたときは、テレビも無く、レコードも78回転のSPでした。それがLPやEPに変わり、やがてステレオになり、テープやカセットが普及し、30代の半ばでCDが出現しました。CDが出てからでも来年には30周年を迎えます。この頃の欧米では、ネット配信がCDの販売を上回ってきました。我々の世代では、実体のないものを買うのは、いまだに抵抗があるのですが、それも、現実にはリッピングしたハードディスクから聞いている現在は、CDの現物はただのプラスティック廃棄物なのかも知れません。
SACDをリッピングしたファイルとCDからリッピングしたファイル、元のマスターテープからリッピングしたファイルを同条件で再生して聞き比べると、各々のメディアの特徴は聞こえますが、それよりもマスターリング(音作り)の差の方が遙かに大きいといえます。SACDがいまだに、数十年前のアナログ音源を何遍も売っているのは、笑止千万です。少しでも、音が良ければ金に糸目をつけない顧客を作るために、膨大な広告料が支払われているのは周知の事実の筈ですが、、。
良い音を再現して、自らの装置として使いこなしているベテランの方々は、ただやみくもに特性の優れた機器を揃える方向には行ってないはずです。お金があって金さえ払えば良い音が手に入ると思っているごく一部の金持ちを相手に、展開しているハイエンド(この言葉が一番嫌いです!)ショップでも、いい音はお金では買えないのです。音に音を足す方法では、うまくいかないのは皆分かっているはずなのですが。
オーディオ機器を販売して商売をしているお店では、絶対聞けない言葉が、「引き算のオーディオ」です。連休最後の今日の午後は、Divaをお使いのMさんが、GRFの音を聴かれに来られます。お気に入りの声楽のCDを聴かせていただくのが、楽しみです。
部屋を暗くして聴いていると、演奏会場が見渡せる位置に浮遊して聴いている感じがしてきます。マイクロフォンのある位置ですね。実際にはあり得ないベストポジションで聴いているわけです。昨日のGRFもその様な音がしていました。最近はマーラーを聴くことが多いのですが、マーラーの交響曲は、どれ一つとして、単純ではありません。とくに昨日聴いた第七番は、常識では考えられない展開の曲です。六番もそうですね。第一楽章が終わると一曲終わった気がするのは、ブラームスの4番の一楽章も同じですが。七番では、従来使われない楽器や弾き方が特徴的です。その意味では極めてオーディオ的な曲でもあるのです。
家の装置では、どのSPでも、どこでもドアーを開けたらそこは演奏会場を心がけていますが、世界各地のホールがみな違う音を奏でるのと同じに、各スピーカーもそれぞれの特徴をだした音場を展開するのです。しかし、いっぺんには一緒には鳴らせませんから、日を決めて、時間を決めてどのSPで聴くかを決めているわけです。贅沢な悩みだと思います。いわば、「大奥」状態ですが、それなりに、各々のSPの特徴をとらえてて、うまく鳴らしてやらなければなりません。ただ換えれば済むという訳にはいかないのです。
しかし、これほど特徴のあるSPも、結局は同じような音で鳴るのは、同じ人間が自分好みの音を目指す限り、同じ音がしてくるのも当然です。また、オーディオの好みも千差万別で、様々な音が好きなのも当然です。その意味で、他の人の装置がいくら良い音で鳴っていても、自分の好みに100%あっている訳は無いし、その違いの追求こそが、自分の音を確立する面白さなのですね。蓼食う虫も好き好きでしょうか?
ところで、私が「OFF会」という言葉が嫌いなのは、ネット上では「OFF」かも知れませんが、現実にその人に遇う、会う、合う、会合の方を「ON」会と呼んで欲しいからです。そこで、自らの違いを認識するからこそ、面白いのですね。文章上饒舌な人は、実際には輪を掛けて饒舌な人と寡黙な人の二つのタイプに分かれるようです。文章は過激なのに、ご本人は至って紳士な方も多く、私はその反対でしょうか?(笑)そのギャップが面白いですね。
私たちの世代は、物心ついたときは、テレビも無く、レコードも78回転のSPでした。それがLPやEPに変わり、やがてステレオになり、テープやカセットが普及し、30代の半ばでCDが出現しました。CDが出てからでも来年には30周年を迎えます。この頃の欧米では、ネット配信がCDの販売を上回ってきました。我々の世代では、実体のないものを買うのは、いまだに抵抗があるのですが、それも、現実にはリッピングしたハードディスクから聞いている現在は、CDの現物はただのプラスティック廃棄物なのかも知れません。
SACDをリッピングしたファイルとCDからリッピングしたファイル、元のマスターテープからリッピングしたファイルを同条件で再生して聞き比べると、各々のメディアの特徴は聞こえますが、それよりもマスターリング(音作り)の差の方が遙かに大きいといえます。SACDがいまだに、数十年前のアナログ音源を何遍も売っているのは、笑止千万です。少しでも、音が良ければ金に糸目をつけない顧客を作るために、膨大な広告料が支払われているのは周知の事実の筈ですが、、。
良い音を再現して、自らの装置として使いこなしているベテランの方々は、ただやみくもに特性の優れた機器を揃える方向には行ってないはずです。お金があって金さえ払えば良い音が手に入ると思っているごく一部の金持ちを相手に、展開しているハイエンド(この言葉が一番嫌いです!)ショップでも、いい音はお金では買えないのです。音に音を足す方法では、うまくいかないのは皆分かっているはずなのですが。
オーディオ機器を販売して商売をしているお店では、絶対聞けない言葉が、「引き算のオーディオ」です。連休最後の今日の午後は、Divaをお使いのMさんが、GRFの音を聴かれに来られます。お気に入りの声楽のCDを聴かせていただくのが、楽しみです。
by TANNOY-GRF
| 2012-01-09 10:59
| 行ったり来たり
|
Comments(2)
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by
リウー
at 2012-01-09 12:58
x
うーん、厳しいけど正論ですね。
当初は、音楽が聴けることが、最も素晴らしいことだったのに、ラジオからレコードやテープと進んで、手軽に高音質、更に携帯化と欲望には切りがない訳ですが。
これまでもあったのですが、10代から20代にかけて聴いた懐かしい曲を、現在のオーディオで聴くと、音は良いのですが、何かちょっと違和感のようなものを感じる事があります。
私にとって音や匂いは記憶と強く結びついているようで、おんぼろだった誰かの車のラジオで聴いたあの曲が、今、自分の部屋で聴く音よりも何倍も良く聴こえていた様な気がするのです。
結局、オーディオ環境以外の何かが記憶の音には、強く影響しているのでしょう。少しプルーストの気持ちがわかった様な気がします。苦笑
当初は、音楽が聴けることが、最も素晴らしいことだったのに、ラジオからレコードやテープと進んで、手軽に高音質、更に携帯化と欲望には切りがない訳ですが。
これまでもあったのですが、10代から20代にかけて聴いた懐かしい曲を、現在のオーディオで聴くと、音は良いのですが、何かちょっと違和感のようなものを感じる事があります。
私にとって音や匂いは記憶と強く結びついているようで、おんぼろだった誰かの車のラジオで聴いたあの曲が、今、自分の部屋で聴く音よりも何倍も良く聴こえていた様な気がするのです。
結局、オーディオ環境以外の何かが記憶の音には、強く影響しているのでしょう。少しプルーストの気持ちがわかった様な気がします。苦笑
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by
TANNOY-GRF at 2012-01-10 22:45
リウーさん
失われた時を求めては、私のオーディオの道しるべですね。
どんどん、昔の音に遡っています。それを聴きにまた遊びに来てください。
失われた時を求めては、私のオーディオの道しるべですね。
どんどん、昔の音に遡っています。それを聴きにまた遊びに来てください。