2012年 03月 20日
改めて感じたSD05の不思議 |
GRFを鳴らすとき使用するのは、Sound DesignのSD05です。このブログをはじめる切っ掛けになった記念すべきアンプです。長い間、眠っていたGRFを表舞台に出し、この部屋を「GRFのある部屋」と命名させました。それほどインパクトのあるアンプです。いや、正確に言うと、SD05はアンプ=Amplifierの通常の意味の、拡大するとか、増幅器という動作をしているわけではなく、いわば、大理石の原石から、瞬間瞬間に大理石像を刻んでいるといった方が正しいのです。ですから、製作者の石田さんは、SD05をデジタルアナログ変換電力供給機器と呼んでいます。
この数年のデジタル技術の普及は目覚ましいもので、SD05で使われている、PWM変換方式もLEDの明かりの増減に使われて、ごく一般的な技術に普及しました。しかし、 制御する相手がLED素子ではなく、空気を振動させるスピーカーが相手ですと、いろいろな影響が出てきます。PCM方式のデジタル信号を、PWM方式にデジタル変換させて、このアンプのために開発されたと言ってもいい、ハイスピード(768KHz)パワーMOS FETを使用してアナログ信号に変換しているのです。
この変換方式の肝は、早く正確な信号の切り替えにあります。その為、当初100w仕様で出されていたSD05は、200台を完売する頃には、スイッチング時の波形のロスを限界まで追い求めて、50wにして、歪みやノイズにも影響するクロックを改良した仕様になりました。初期の100w仕様、中期の50w〜75w仕様、そして、クロックアップした50wクロック改モデルの、おおよそ、三種類のバリエーションがあります。
音が正確で、様々な色が再現される最後の50wクロックアップモデルを、例えば、1670万色のビデオカードしますと、当初の100Wモデルは32000色の様な表現力になります。細かい色彩の変化では無く、色が濃く、力強いとも言えるのです。勿論、音の細かさ、正確さでは劣るのですが、鳴らすスピーカーの性格や製造の時代によっては、その方が味わいがある音がする場合もあり、面白いですね。
例えば、昔の1760万色に対応していないブラウン管のモニターで、細かい信号を入れると、再現できず、モヤモヤになっていた時代がありましたね。あまりに正確で、細かい信号が入っても対応しきれないような、、、。昔のSPに現在の細かい信号を入れると、時たまこの様な現象が起きることもあります。分厚い油絵の具で、力感を表現して、少し離れたところから、全体の印象を眺めてる、大型の油絵を、近くで部分的に見ているようなものです。
故に、私のところでは、その3種類のヴァージョンを、SPに合わせたり、聴く音楽の正確に合わせ、交換して聴いたりしています。こんな事が出来るのも、その性能に対して、極めて良心的な価格だったので、モノブロックのパワーアンプを一組の価格で、SD05が何台も購入できたからです。その発展に合わせて、少しずつ増えていったので、負担は少なくて済みました。現在でも、ディープなファンは、複数台所有されている方が多いようです。マニアの心理としては、仕方がないことですが、それだけオーナーの数は少なくなっているのも事実ですね。自分のことは完全に棚に上げていますが(爆)。
さて、今回、椀方さんが大阪に戻られる前に、短い時間ですが、GRFを聴いていただくにあたり、どのアンプで再生するか考えました。いろいろと、試した結果、やはり開発された時間軸通りに聴いていただくのが、進歩の意味が解って貰えていいだろうと思うようになりました。最初は、大編成のオーケストラから入り、途中で声楽とか、ピアノの時に、50wクロックアップにして、それで、また大編成を聴いていただくようにしました。
結果は、やはり、後から聴いた50wクロックアップヴァージョンが気に入っていただけたようです。音のフォルムや色合いを考えると、その通りです。でも、私自身は、色は少ないけど、幾分太い筆を使った墨絵のような、枯淡の風も吹く100wも好きです。
しかし、昨日の夜も今日もいろいろ聴き直しましたが、SD05とGRFが奏でるコンサート会場の響きは、何度聞いても、不思議です。やはり、NFBの干渉と、クロストークが無いと言うことが、他のアンプとの大きな差でしょう。その為、会場のアンビアンスが、自然に再現されるからだと思います。でも、旧いGRFからこの音がするのが、いつ聴いても不思議ですね。
この数年のデジタル技術の普及は目覚ましいもので、SD05で使われている、PWM変換方式もLEDの明かりの増減に使われて、ごく一般的な技術に普及しました。しかし、 制御する相手がLED素子ではなく、空気を振動させるスピーカーが相手ですと、いろいろな影響が出てきます。PCM方式のデジタル信号を、PWM方式にデジタル変換させて、このアンプのために開発されたと言ってもいい、ハイスピード(768KHz)パワーMOS FETを使用してアナログ信号に変換しているのです。
この変換方式の肝は、早く正確な信号の切り替えにあります。その為、当初100w仕様で出されていたSD05は、200台を完売する頃には、スイッチング時の波形のロスを限界まで追い求めて、50wにして、歪みやノイズにも影響するクロックを改良した仕様になりました。初期の100w仕様、中期の50w〜75w仕様、そして、クロックアップした50wクロック改モデルの、おおよそ、三種類のバリエーションがあります。
音が正確で、様々な色が再現される最後の50wクロックアップモデルを、例えば、1670万色のビデオカードしますと、当初の100Wモデルは32000色の様な表現力になります。細かい色彩の変化では無く、色が濃く、力強いとも言えるのです。勿論、音の細かさ、正確さでは劣るのですが、鳴らすスピーカーの性格や製造の時代によっては、その方が味わいがある音がする場合もあり、面白いですね。
例えば、昔の1760万色に対応していないブラウン管のモニターで、細かい信号を入れると、再現できず、モヤモヤになっていた時代がありましたね。あまりに正確で、細かい信号が入っても対応しきれないような、、、。昔のSPに現在の細かい信号を入れると、時たまこの様な現象が起きることもあります。分厚い油絵の具で、力感を表現して、少し離れたところから、全体の印象を眺めてる、大型の油絵を、近くで部分的に見ているようなものです。
故に、私のところでは、その3種類のヴァージョンを、SPに合わせたり、聴く音楽の正確に合わせ、交換して聴いたりしています。こんな事が出来るのも、その性能に対して、極めて良心的な価格だったので、モノブロックのパワーアンプを一組の価格で、SD05が何台も購入できたからです。その発展に合わせて、少しずつ増えていったので、負担は少なくて済みました。現在でも、ディープなファンは、複数台所有されている方が多いようです。マニアの心理としては、仕方がないことですが、それだけオーナーの数は少なくなっているのも事実ですね。自分のことは完全に棚に上げていますが(爆)。
さて、今回、椀方さんが大阪に戻られる前に、短い時間ですが、GRFを聴いていただくにあたり、どのアンプで再生するか考えました。いろいろと、試した結果、やはり開発された時間軸通りに聴いていただくのが、進歩の意味が解って貰えていいだろうと思うようになりました。最初は、大編成のオーケストラから入り、途中で声楽とか、ピアノの時に、50wクロックアップにして、それで、また大編成を聴いていただくようにしました。
結果は、やはり、後から聴いた50wクロックアップヴァージョンが気に入っていただけたようです。音のフォルムや色合いを考えると、その通りです。でも、私自身は、色は少ないけど、幾分太い筆を使った墨絵のような、枯淡の風も吹く100wも好きです。
しかし、昨日の夜も今日もいろいろ聴き直しましたが、SD05とGRFが奏でるコンサート会場の響きは、何度聞いても、不思議です。やはり、NFBの干渉と、クロストークが無いと言うことが、他のアンプとの大きな差でしょう。その為、会場のアンビアンスが、自然に再現されるからだと思います。でも、旧いGRFからこの音がするのが、いつ聴いても不思議ですね。
by TANNOY-GRF
| 2012-03-20 13:21
| オーディオ雑感
|
Comments(4)
Commented
by
HY
at 2012-03-20 20:12
x
>様々な色が再現される最後の50wクロックアップモデル
色数の多さ、最近一番感じていることです。
色数の多さ、最近一番感じていることです。
HYさん すべて50WのClock upがいいのかというと、これが難しいのですね。録音の善し悪しを露わにしてしまうからです。
50Wの時は、音の良いCDを選んで聴いているような気もします。ところが、これが厳密な意味では、なかなか見付からないのですね。
50Wの時は、音の良いCDを選んで聴いているような気もします。ところが、これが厳密な意味では、なかなか見付からないのですね。
Commented
by
Sugar
at 2012-04-19 11:32
x
> なかなか見付からないのですね
す、す、鋭すぎる。
とはいえ、旧吹込の盤をしっかりいい音で鳴らすために、やはり電源ケーブル、デジタルケーブルを選びますねぇ。というか、100W時にベストだったケーブルが50Wクロックアップで駄目だったのは、ちょっとショック。約3ヶ月経ち、現在絶好調。音楽聴くのが楽しい!!
す、す、鋭すぎる。
とはいえ、旧吹込の盤をしっかりいい音で鳴らすために、やはり電源ケーブル、デジタルケーブルを選びますねぇ。というか、100W時にベストだったケーブルが50Wクロックアップで駄目だったのは、ちょっとショック。約3ヶ月経ち、現在絶好調。音楽聴くのが楽しい!!
Sugarさん その通りです。SD05のようなパワーDACでは特にそうですが、アンプは電源の音を聴いているからです。時としてスピードの遅い電源が、良い音だと言われたりしていますが、放水路の水のように、絶え間なく、大量の水を送り込まなければ、音楽のダイナミックは再現できません。
典型的なアナログ伝送である、デジタル伝送ケーブルと電源ケーブルが音のすべてを決めています。それに比べるとSPケーブルは、それほど大きな影響が無いのが、SD05の特徴でもあります。
私は、SD05のオーナーは本当に幸せ者だと思います。これだけ、音楽に専念できて楽しめるアンプは少ないですよ。
ところで、今年の那須の例会は、何時も通り五月の最終週の26日に行います。是非、お越しください。
典型的なアナログ伝送である、デジタル伝送ケーブルと電源ケーブルが音のすべてを決めています。それに比べるとSPケーブルは、それほど大きな影響が無いのが、SD05の特徴でもあります。
私は、SD05のオーナーは本当に幸せ者だと思います。これだけ、音楽に専念できて楽しめるアンプは少ないですよ。
ところで、今年の那須の例会は、何時も通り五月の最終週の26日に行います。是非、お越しください。