2015年 04月 19日
高崎までの小旅行 にら邸訪問記 |
今日は先週来ていただいた「にらさん」のお宅のある高崎まで行きます。高崎に行くルートは三通りで、新宿からこの湘南新宿ラインで行くか、大宮まで埼京線でいき、高崎線か北陸新幹線でいくのと、東京駅から新幹線にのる方法です。最短で一時間半、最長でも二時間ちょっとです。その三十分の差に3000円の差が生まれます。如何に新幹線が高いかですね。午前中は元気だし、乗ったことがないので好奇心もあり、新宿駅から高崎行きの湘南新宿ラインに、780円奮発してグリーン席の二階に乗りました。
新宿駅を10時13分発です。山手線の貨物線を走る列車は、池袋で埼京線と別れ、田端の手前から東北線の貨物線へと入り大宮までは、東北線、京浜東北線、湘南ライン(貨物線)と3ラインが平行に走ります。そのあたりの線路の行き来が面白いですね。特に大宮駅のまでは、上り下りが入り乱れます。その大宮を過ぎるとようやく高崎線を走るようになり、篭原駅で、前の五両を切り離して、そこから各駅停車の普通になります。深谷を過ぎるとき、線路に平行して有名な桜並木が見えました。
各駅停車の駅名は、初めて聞く名前も多く、興味津々で見ていました。駅に着くごとにアナウンスで、ドアの開閉をする場合はボタンを押してくださいと言われます。終点の高崎駅についても、自動ではドアは開かず、先頭の人はじっと待っていました。終着駅では、自動で開けて欲しいですね。
高崎駅の周辺は、どんどん再開発で生まれ変わっている最中です。この街にこんなに大きな施設を作って大丈夫なのかと言うぐらいの箱物行政がまだ行われているそうです。「にらさん」のお宅は駅から歩いても五分ぐらいの近さですが、空は一遍に大きくなり、家の混み具合なども、とてもそんな近い距離にあるとは思えないほど、余裕がある街並みです。
その中の、ひときわモダンな造りの素敵なお宅が目的地でした。チャイムが解らずドアをノックしたら、おばちゃんが開けてくれました。中に入り、勝手に進んでいくと奥の部屋が、にらさんのリスニングルームです。中から音楽がきこえてきます。一時間ほど先行して来られたSさんが、音を聞かれているからでした。
にらさんからは、何年も前からGRFのある部屋にメールを頂き、平行法のご相談を受けていました。お部屋は、六畳有るかどうかの大きさだと伺っていましたが、実際に入ってみると実質五畳ぐらいの大きさです。今まで、いろいろなお宅を拝見してきましたが、一番小さい部屋ですね(笑い)。半地下的な構造なので、天井は高く取れていて、3.3m有るそうです。それがかえって視覚的にも部屋の大きさを小さく見せているのかも知れません。
この様に写真を撮ろうと思っても、iphoneのカメラでは、充分な広角ではないので、入り切りませんでした。仕方がなく二枚に別れています。その部屋を横位置に使われています。今までも、縦にしたり、横にしたり試行錯誤をされてきたそうです。その部屋で、一時間先行して聞いてきたSさんは、大体問題点が分かったと言われました。Sさんが、早く来られたのには理由があり、夕方に澁谷であるピアノリサイタルに戻らなくてはならないからです。私の到着時間に合わせていたのでは、お昼を食べに言っていると時間が無いので、一時間早く来られていたのです。こちらの方面ですと阿佐ヶ谷と赤羽の差が出ます。
早速聞かせて貰いました。この場所は、寸法的に場所を選び、置かれた場所だそうです。たしかに見た目は殆ど合っているのですが、音のステージが、中心から反時計回りに3〜5度ぐらい回転している様にきこえました。Sさんも同じ事を話されていたそうです。そこで、左側のSPを少し後ろに戻し、音を時計回りに回転して音像のずれを直して見ました。左後方に装置があるので、空間が狭く、反対側の右側がその分音が希薄に感じるので、あえて、右のSPを気持ち内振りにして、音を濃い方向に持って行っているそうです。
モノラルのエラ&ルイを使って音の中心を探ると、まだ、少しだけ左に寄っています。それで、今少し、左側のSPを押してピントを合わせてみました。まだ細部までは合わせていませんが、大分聞きやすい領域に入ってきました。グリモーのモーツァルトのピアノ協奏曲も大分バランスがよくなっきました。
そのあたりで、滞在時間が短いSさんの時間節約のため、高崎名物の美味しいトンカツを奥さんがテイクアウトしてこられました。久しぶりに美味しいトンカツでした。これはランチ用の厚さなので、単品用はもっと美味しいとのこと、今度はお店に出かけて、豚汁も頂かなければなりませんね。
テイクアウトを頂いたのは、明るい食堂です。ベランダの開放がとても素敵で、Sさんとまるで、渡辺篤のお宅訪問にでてくるようなお宅だと意見があったぐらいです。食べながらも、Sさんは、もうすこし左右の間隔を狭めたらどうかと言われます。
食事を終えて、再度聴いていたら、殆ど時間が無くなったので、東京に戻る彼の替わりに、SPの間隔を狭めてみました。3センチぐらいずつ狭めてみたのですがすると中央部に音が集まり、少し音が窮屈になり、厚みが出過ぎます。そこで、すこし戻して、元の位置より1センチぐらいずつ寄った位置で、ぴたりと左右の音場が合いました。そのあたりで、精密な調整も試みます。それは目の前で、SP自身を左右に少し動かし、音が一番大きく聞こえたところに合わせるのです。微妙な差でも、音は変わります。絨毯の上でゴム足を動かすので、下の位置と、上に乗っているSPの中心線がずれてきます。
それを最後に合わせてみたところ、にらさんもご満足いただけるスポットに入ったようです。そうなれば何のCDを掛けても、問題なく音楽が楽しめるようになります。にらさんも、この音は以前も鳴ったことがあるのですが、再現出来なかったとのこと。そこで、基準の位置からどのくらいずらすとこの音になるのかと質問されました。しかし、それは反対で、基準の印は必要ですが、いくら寸法をとってそれに合わせても、温度、湿度、気圧、によっても、位置は変わって来ます。今の位置は今日の結果であって、その寸法が大事なのではなくて、実際に音を聞きながら合わせていく過程と、調整方法をでてきた音で覚えれば、自分でその音を再現することが出来るようになるとご説明しました。経験を積んで頂くしかないのです。
今日のSさんとの会話で、同じ様に音場を聞いているし、彼が行っている調整の方法も同じです。経験を積まれ、その差が見えてきたのです。そして、ご自分の中に、基準の音がなっているのですね。にらさんには、今鳴っている音でなるべく様々な分野のCDを聞いていただき、その音を憶えていくしかないとご説明しました。
先日来られた時に、ユニコーンで聴いていただいた、ハイティンク・シカゴのマーラーの第三番・第一楽章。タッドさんのアルゼンチンの教会で録ったSerá Una Noche。トニーベネットのブルースのデュオアルバムから、ダイアナ・クラールとビリー・ジョエルをきいて、満足していただきました。部屋の狭さを全く感じない、大空間が生まれています。面白いですね〜
帰りも駅まで送って頂き、駅中のビアーホールで、こんにゃくのペペロンチーノを頂きました。面白い味ですし、カロリーを気にしなくても良い料理で、面白いと思いました。にらさん、いろいろとごちそうさまでした。狭かった五畳の部屋が、広大なコンサートホールに化けていると思います。ピッタリ合えば、そこにコンサートホールへのどこでもドアが出来ます。ぜひ、今の音を憶えて楽しんでください。
帰りは、頂いたビールで気が大きくなり、新幹線で東京駅まで戻って来ました。事実上野では誰もおりませんでした。上野の替わりにターミナルである赤羽駅に新幹線が止まってくれる方が便利なのですが、、。
休みの日は中央線の快速は、高円寺・阿佐ヶ谷には止まりません。荻窪駅まで行って、丸ノ内線で戻ってくるのが、一番早いようです。高崎までの小旅行の記念に、荻窪の駅ビルで、シュウマイ弁当と富山の鱒鮨を買ってきて、家に戻ってから、駅弁として食べました。今日は、食べ過ぎですね(笑)。
新宿駅を10時13分発です。山手線の貨物線を走る列車は、池袋で埼京線と別れ、田端の手前から東北線の貨物線へと入り大宮までは、東北線、京浜東北線、湘南ライン(貨物線)と3ラインが平行に走ります。そのあたりの線路の行き来が面白いですね。特に大宮駅のまでは、上り下りが入り乱れます。その大宮を過ぎるとようやく高崎線を走るようになり、篭原駅で、前の五両を切り離して、そこから各駅停車の普通になります。深谷を過ぎるとき、線路に平行して有名な桜並木が見えました。
各駅停車の駅名は、初めて聞く名前も多く、興味津々で見ていました。駅に着くごとにアナウンスで、ドアの開閉をする場合はボタンを押してくださいと言われます。終点の高崎駅についても、自動ではドアは開かず、先頭の人はじっと待っていました。終着駅では、自動で開けて欲しいですね。
高崎駅の周辺は、どんどん再開発で生まれ変わっている最中です。この街にこんなに大きな施設を作って大丈夫なのかと言うぐらいの箱物行政がまだ行われているそうです。「にらさん」のお宅は駅から歩いても五分ぐらいの近さですが、空は一遍に大きくなり、家の混み具合なども、とてもそんな近い距離にあるとは思えないほど、余裕がある街並みです。
その中の、ひときわモダンな造りの素敵なお宅が目的地でした。チャイムが解らずドアをノックしたら、おばちゃんが開けてくれました。中に入り、勝手に進んでいくと奥の部屋が、にらさんのリスニングルームです。中から音楽がきこえてきます。一時間ほど先行して来られたSさんが、音を聞かれているからでした。
にらさんからは、何年も前からGRFのある部屋にメールを頂き、平行法のご相談を受けていました。お部屋は、六畳有るかどうかの大きさだと伺っていましたが、実際に入ってみると実質五畳ぐらいの大きさです。今まで、いろいろなお宅を拝見してきましたが、一番小さい部屋ですね(笑い)。半地下的な構造なので、天井は高く取れていて、3.3m有るそうです。それがかえって視覚的にも部屋の大きさを小さく見せているのかも知れません。
この様に写真を撮ろうと思っても、iphoneのカメラでは、充分な広角ではないので、入り切りませんでした。仕方がなく二枚に別れています。その部屋を横位置に使われています。今までも、縦にしたり、横にしたり試行錯誤をされてきたそうです。その部屋で、一時間先行して聞いてきたSさんは、大体問題点が分かったと言われました。Sさんが、早く来られたのには理由があり、夕方に澁谷であるピアノリサイタルに戻らなくてはならないからです。私の到着時間に合わせていたのでは、お昼を食べに言っていると時間が無いので、一時間早く来られていたのです。こちらの方面ですと阿佐ヶ谷と赤羽の差が出ます。
早速聞かせて貰いました。この場所は、寸法的に場所を選び、置かれた場所だそうです。たしかに見た目は殆ど合っているのですが、音のステージが、中心から反時計回りに3〜5度ぐらい回転している様にきこえました。Sさんも同じ事を話されていたそうです。そこで、左側のSPを少し後ろに戻し、音を時計回りに回転して音像のずれを直して見ました。左後方に装置があるので、空間が狭く、反対側の右側がその分音が希薄に感じるので、あえて、右のSPを気持ち内振りにして、音を濃い方向に持って行っているそうです。
モノラルのエラ&ルイを使って音の中心を探ると、まだ、少しだけ左に寄っています。それで、今少し、左側のSPを押してピントを合わせてみました。まだ細部までは合わせていませんが、大分聞きやすい領域に入ってきました。グリモーのモーツァルトのピアノ協奏曲も大分バランスがよくなっきました。
そのあたりで、滞在時間が短いSさんの時間節約のため、高崎名物の美味しいトンカツを奥さんがテイクアウトしてこられました。久しぶりに美味しいトンカツでした。これはランチ用の厚さなので、単品用はもっと美味しいとのこと、今度はお店に出かけて、豚汁も頂かなければなりませんね。
テイクアウトを頂いたのは、明るい食堂です。ベランダの開放がとても素敵で、Sさんとまるで、渡辺篤のお宅訪問にでてくるようなお宅だと意見があったぐらいです。食べながらも、Sさんは、もうすこし左右の間隔を狭めたらどうかと言われます。
食事を終えて、再度聴いていたら、殆ど時間が無くなったので、東京に戻る彼の替わりに、SPの間隔を狭めてみました。3センチぐらいずつ狭めてみたのですがすると中央部に音が集まり、少し音が窮屈になり、厚みが出過ぎます。そこで、すこし戻して、元の位置より1センチぐらいずつ寄った位置で、ぴたりと左右の音場が合いました。そのあたりで、精密な調整も試みます。それは目の前で、SP自身を左右に少し動かし、音が一番大きく聞こえたところに合わせるのです。微妙な差でも、音は変わります。絨毯の上でゴム足を動かすので、下の位置と、上に乗っているSPの中心線がずれてきます。
今日のSさんとの会話で、同じ様に音場を聞いているし、彼が行っている調整の方法も同じです。経験を積まれ、その差が見えてきたのです。そして、ご自分の中に、基準の音がなっているのですね。にらさんには、今鳴っている音でなるべく様々な分野のCDを聞いていただき、その音を憶えていくしかないとご説明しました。
先日来られた時に、ユニコーンで聴いていただいた、ハイティンク・シカゴのマーラーの第三番・第一楽章。タッドさんのアルゼンチンの教会で録ったSerá Una Noche。トニーベネットのブルースのデュオアルバムから、ダイアナ・クラールとビリー・ジョエルをきいて、満足していただきました。部屋の狭さを全く感じない、大空間が生まれています。面白いですね〜
帰りも駅まで送って頂き、駅中のビアーホールで、こんにゃくのペペロンチーノを頂きました。面白い味ですし、カロリーを気にしなくても良い料理で、面白いと思いました。にらさん、いろいろとごちそうさまでした。狭かった五畳の部屋が、広大なコンサートホールに化けていると思います。ピッタリ合えば、そこにコンサートホールへのどこでもドアが出来ます。ぜひ、今の音を憶えて楽しんでください。
帰りは、頂いたビールで気が大きくなり、新幹線で東京駅まで戻って来ました。事実上野では誰もおりませんでした。上野の替わりにターミナルである赤羽駅に新幹線が止まってくれる方が便利なのですが、、。
休みの日は中央線の快速は、高円寺・阿佐ヶ谷には止まりません。荻窪駅まで行って、丸ノ内線で戻ってくるのが、一番早いようです。高崎までの小旅行の記念に、荻窪の駅ビルで、シュウマイ弁当と富山の鱒鮨を買ってきて、家に戻ってから、駅弁として食べました。今日は、食べ過ぎですね(笑)。
by TANNOY-GRF
| 2015-04-19 08:49
| 行ったり
|
Comments(0)