2015年 05月 01日
横浜のMさんの新しい音 |
横浜のMさんところで新しい世界をみてきました。今回は、Toubadour 80と使っているウーハーのTW2の足を替えたので,その使い勝手と正確な位置調整のお手伝いにお伺いしました。Mさんの豪華な部屋の床はしっかりとした厚手のカーペットが敷かれています。そのカーペットに、トラバドール用に作られた重いウーハーの四角い足が食い込み、一人では動かせなくなっていました。それを、一人でも動かせる様にと、接地面を緩い球面に加工した足に交換したのです。Mさんの二つのSPの位置は、パラゴンをならすときには、前にあるToubadour 80が少しだけ邪魔をします。そのほんの少しの移動も、今までは、ひとりでは無理でしたが、今回は、微妙な位置調整も出来るようになりました。
私がお邪魔できたのは、夕方近くでしたが、大山君は、お昼頃から来て、Toubadourの配線とか、スーパーツイターの実験とかいろいろされていたようです。emmの Henryさんも来られて、DACの修理が終わった確認と、DACのファームソフトのヴァージョンアップの結果を確認に来られたのです。私は今回は、電源部の交換も行われているので、前のソフトのままで,一旦、音を確認してから、新しいヴァージョンとの比較が出来ると思ってきたのですが、家のボードと同じ様なタイプだったので、ヴァージョンアップをするには、内部のボードも新しいヴァージョンになっている必要があり、そのボード交換もファームソフトも既に新しくなっていました。
今日のTW2のセッティングは、低域のアンプが、今までのSD05かブライトンのパワーのあるアンプに変わっていましたが、一聴したところ、いつもの包まれるような音がしません。Mさんも幾分顔が曇り気味です。
確かに、音は堅く、音楽に伸びが無く、いつもなら会場に消えていく残響の響きまできこえるのが、その音が途中で切られたように無くなります。音が不自然なのです。二、三枚CDを替えて聞いて見ましたが、その傾向は同じです。家の和室ではスケールが大きくなったのに,逆な音になっています。
今までと違った点は、どこかと、探してみると、
1. まだ厳密には合わせていない、SPの位置。
2. 専用のおしゃもじ状のボードの替わりに、フローティングボードに乗っている
3. 低音駆動用のアンプが、SD05からブライトンになっている
4. 音が全体に左に寄って、ヴォーカルがどうしても中央に来ない
5. EMM DAC2Xの電源部が新品交換されている
6. EMM DAC2Xのデジタル・インターフェースボードが新しくなっている
7. DACの修理期間の二週間ほど、CD系は鳴らしていない
というところでしょうか?
そこで、一つ一つ検証です。まず、この段階でもSPの位置を詰めてみました。右の横に置いてある反響調整用のSylvanの位置を調整しました。パラゴン用の位置になっていたからです。これでだいぶ左右のアンバランスは直ってきました。マランツ7のバランスを1mmほど右にしていたのを元に戻しました。左右のバランスがあってくると、低音の躍動感が戻って来ます。
しかしまだ音が堅いのです。
CDを変えて聞いても、その傾向は同じです。無理矢理ウーハーが鳴らされているような感じです。ブライトンには、音量調整用のボリュームがないため、マランツ7からでた音は、また、EARの912プリアンプを通って、パワーアンプに運ばれます。その二重性と、インピーダンスの問題かもと思い、元のSD05に戻して頂きました。派手さはないのですが、本当に下の方まで音が抵抗なく伸びていきます。この段階で、まだ全体に音はこじんまりとしているのですが、音質的にはだいぶ元の音に近づいて来ました。またSylvanの微妙な位置調整をしました。
Mさんは、まだ、納得いかない顔をされています。これでは前の一体型のタイプと同じ様だといわれるのです。私も全く同感なので、Henryさんに、これはエージングの足りない所為なのか、電源部が変わったからほぐれるまで時間がどのくらい掛かるのだろうか?とかいろいろ質問してみました。新品でも三日間鳴らせばほぼ満足いく音になるとのことです。今回は、全部交換したわけではないので、1日半も鳴らせば、調子が上がってくるはずだと、彼の答えも歯切れが悪くなります。
これでは、まえのヴァージョンに戻さなければ、ダメかと思い始めました。しかし、家では、新しいバージョンの方が、明らかに良いのです・・・。
突然、Henryさんが、メガネケースを取り出し、中のマイクロファイバークロスを出してきて、一遍STリンクのグラスファイバーケーブルの先端を磨いてみましょうと言い出しました。というのも、DACが修理に出されていた二週間ほどの間、STケーブルは、キャップがないまま、放置されていたので、ひょっとしたら変わるかも知れないと言われるのです。まあ、確かに言われるとおりだけれど、先端がそんなに汚れるのだろうかと思いました。おまじないのように、先端を軽く磨くと、元の接続に戻されました。
一聴して驚きました。
今までの音は一体何だったんだと言うぐらい変わりました。Mさんも、私も、大山君も顔を見合わせました。Henryさんはホッとしています。いままでの堅い、スケールの小さかった音は、光ケーブルの先端の汚れだと言う事になります。二週間放置されてたことで、先端部分に大気の汚染が付いたのかも知れません。また先端がこすれてなにかが付いていた可能性もあります。
気をよくした我々は先程から聞いていたCDをすべて聴き直しました。音が柔らかく、ソフトのバージョンアップで聞こえるはずのアナログ的な音がしてきました。良い音になって来ました。誰が聞いても、これが普通のCDが鳴っているとは、思えないでしょう。
ここで、TroubadourとTW2の間のフローティングボードを外し、オリジナルのボードに変えました。音の一体感が出ます。リアリティも向上します。どんどん音が良くなります。ようやく、左右のSPの厳密な位置調整をする気になりました。それを聞いていたHenryさんは、今一度、ソフトをインストールし直そうと言うのです。車のファームソフトと同じで、自動的にハードとのマッチングをとているので、正常に戻った段階で、いまいちどソフトを白紙に戻してみようと言うのです。これはかなりマニアックです。変わらないかもしれないが、やってみる価値はあるというのです。またUSBを繋いで、再インストールを行いました。
やはり、変わった気がします。
微妙な差ですが、このくらい微妙な調整を行っているのですから、当たり前ですね。それからも、Troubadourの位置も、また0.5mmぐらい動かして、音の出方をスムーズにしました。音をならしながら、ユニットから聞こえてくる微妙な音量の差を聴いて位置を決めます。そして真ん中に来ると、ヴォーカルがピッタリと中央に浮かび上がっているのです。そうなる周辺音が変わり、雰囲気が一変します。おとが立体的に展開して、楽器の位置関係が空間に浮かび上がるのです。
Mさんが、満足したお顔に変わりました。ワインは白にするそれとも赤?と聞いてこられました。どちらでも!とHenryさんも私も同時に答えました。
いま目の前で鳴っている音は、聞いたことのがないと全く想像が付かない音の領域に入っています。三次元の空間がSPの後ろにも前にも横にも展開しているのですから。360度放射のTroubadourの真価が発揮されてきました。
満足した、私達は急にお腹が減ってきました。もう、八時を回っています。お腹が減って当たり前ですね。ゆっくりと食事をして、歓談しいました。Henryさんのお話しは面白い話ばっかりです。音にも、食事にも満足して、帰りは大山君の車の横で新しい、新しいトンネルをくぐって帰って来ました。横浜から、40分ぐらい戻れるようになりました。驚きの近さですね。
翌る日、Mさんからいまスイッチを入れたんだけど、昨日よりすごい音が鳴っていると喜びの声が聞こえました。連休にMさんのお宅を訪れる人にも、楽しんで頂けると思うと、嬉しくなりました。
私がお邪魔できたのは、夕方近くでしたが、大山君は、お昼頃から来て、Toubadourの配線とか、スーパーツイターの実験とかいろいろされていたようです。emmの Henryさんも来られて、DACの修理が終わった確認と、DACのファームソフトのヴァージョンアップの結果を確認に来られたのです。私は今回は、電源部の交換も行われているので、前のソフトのままで,一旦、音を確認してから、新しいヴァージョンとの比較が出来ると思ってきたのですが、家のボードと同じ様なタイプだったので、ヴァージョンアップをするには、内部のボードも新しいヴァージョンになっている必要があり、そのボード交換もファームソフトも既に新しくなっていました。
今日のTW2のセッティングは、低域のアンプが、今までのSD05かブライトンのパワーのあるアンプに変わっていましたが、一聴したところ、いつもの包まれるような音がしません。Mさんも幾分顔が曇り気味です。
確かに、音は堅く、音楽に伸びが無く、いつもなら会場に消えていく残響の響きまできこえるのが、その音が途中で切られたように無くなります。音が不自然なのです。二、三枚CDを替えて聞いて見ましたが、その傾向は同じです。家の和室ではスケールが大きくなったのに,逆な音になっています。
今までと違った点は、どこかと、探してみると、
1. まだ厳密には合わせていない、SPの位置。
2. 専用のおしゃもじ状のボードの替わりに、フローティングボードに乗っている
3. 低音駆動用のアンプが、SD05からブライトンになっている
4. 音が全体に左に寄って、ヴォーカルがどうしても中央に来ない
5. EMM DAC2Xの電源部が新品交換されている
6. EMM DAC2Xのデジタル・インターフェースボードが新しくなっている
7. DACの修理期間の二週間ほど、CD系は鳴らしていない
というところでしょうか?
そこで、一つ一つ検証です。まず、この段階でもSPの位置を詰めてみました。右の横に置いてある反響調整用のSylvanの位置を調整しました。パラゴン用の位置になっていたからです。これでだいぶ左右のアンバランスは直ってきました。マランツ7のバランスを1mmほど右にしていたのを元に戻しました。左右のバランスがあってくると、低音の躍動感が戻って来ます。
しかしまだ音が堅いのです。
CDを変えて聞いても、その傾向は同じです。無理矢理ウーハーが鳴らされているような感じです。ブライトンには、音量調整用のボリュームがないため、マランツ7からでた音は、また、EARの912プリアンプを通って、パワーアンプに運ばれます。その二重性と、インピーダンスの問題かもと思い、元のSD05に戻して頂きました。派手さはないのですが、本当に下の方まで音が抵抗なく伸びていきます。この段階で、まだ全体に音はこじんまりとしているのですが、音質的にはだいぶ元の音に近づいて来ました。またSylvanの微妙な位置調整をしました。
Mさんは、まだ、納得いかない顔をされています。これでは前の一体型のタイプと同じ様だといわれるのです。私も全く同感なので、Henryさんに、これはエージングの足りない所為なのか、電源部が変わったからほぐれるまで時間がどのくらい掛かるのだろうか?とかいろいろ質問してみました。新品でも三日間鳴らせばほぼ満足いく音になるとのことです。今回は、全部交換したわけではないので、1日半も鳴らせば、調子が上がってくるはずだと、彼の答えも歯切れが悪くなります。
これでは、まえのヴァージョンに戻さなければ、ダメかと思い始めました。しかし、家では、新しいバージョンの方が、明らかに良いのです・・・。
突然、Henryさんが、メガネケースを取り出し、中のマイクロファイバークロスを出してきて、一遍STリンクのグラスファイバーケーブルの先端を磨いてみましょうと言い出しました。というのも、DACが修理に出されていた二週間ほどの間、STケーブルは、キャップがないまま、放置されていたので、ひょっとしたら変わるかも知れないと言われるのです。まあ、確かに言われるとおりだけれど、先端がそんなに汚れるのだろうかと思いました。おまじないのように、先端を軽く磨くと、元の接続に戻されました。
一聴して驚きました。
今までの音は一体何だったんだと言うぐらい変わりました。Mさんも、私も、大山君も顔を見合わせました。Henryさんはホッとしています。いままでの堅い、スケールの小さかった音は、光ケーブルの先端の汚れだと言う事になります。二週間放置されてたことで、先端部分に大気の汚染が付いたのかも知れません。また先端がこすれてなにかが付いていた可能性もあります。
気をよくした我々は先程から聞いていたCDをすべて聴き直しました。音が柔らかく、ソフトのバージョンアップで聞こえるはずのアナログ的な音がしてきました。良い音になって来ました。誰が聞いても、これが普通のCDが鳴っているとは、思えないでしょう。
ここで、TroubadourとTW2の間のフローティングボードを外し、オリジナルのボードに変えました。音の一体感が出ます。リアリティも向上します。どんどん音が良くなります。ようやく、左右のSPの厳密な位置調整をする気になりました。それを聞いていたHenryさんは、今一度、ソフトをインストールし直そうと言うのです。車のファームソフトと同じで、自動的にハードとのマッチングをとているので、正常に戻った段階で、いまいちどソフトを白紙に戻してみようと言うのです。これはかなりマニアックです。変わらないかもしれないが、やってみる価値はあるというのです。またUSBを繋いで、再インストールを行いました。
やはり、変わった気がします。
微妙な差ですが、このくらい微妙な調整を行っているのですから、当たり前ですね。それからも、Troubadourの位置も、また0.5mmぐらい動かして、音の出方をスムーズにしました。音をならしながら、ユニットから聞こえてくる微妙な音量の差を聴いて位置を決めます。そして真ん中に来ると、ヴォーカルがピッタリと中央に浮かび上がっているのです。そうなる周辺音が変わり、雰囲気が一変します。おとが立体的に展開して、楽器の位置関係が空間に浮かび上がるのです。
Mさんが、満足したお顔に変わりました。ワインは白にするそれとも赤?と聞いてこられました。どちらでも!とHenryさんも私も同時に答えました。
いま目の前で鳴っている音は、聞いたことのがないと全く想像が付かない音の領域に入っています。三次元の空間がSPの後ろにも前にも横にも展開しているのですから。360度放射のTroubadourの真価が発揮されてきました。
満足した、私達は急にお腹が減ってきました。もう、八時を回っています。お腹が減って当たり前ですね。ゆっくりと食事をして、歓談しいました。Henryさんのお話しは面白い話ばっかりです。音にも、食事にも満足して、帰りは大山君の車の横で新しい、新しいトンネルをくぐって帰って来ました。横浜から、40分ぐらい戻れるようになりました。驚きの近さですね。
翌る日、Mさんからいまスイッチを入れたんだけど、昨日よりすごい音が鳴っていると喜びの声が聞こえました。連休にMさんのお宅を訪れる人にも、楽しんで頂けると思うと、嬉しくなりました。
by TANNOY-GRF
| 2015-05-01 23:40
| 行ったり来たり
|
Comments(4)
Commented
by
椀方
at 2015-05-03 09:22
x
写真からも迫力ある音楽が聴こえてくるようです。
エアボリュームのあるリスニング環境では、やはりUnicornではなくTroubadourとウーファの組合わせに軍配が上がりますね。
高次元の微調整の結果更に高みに至った音楽を聴いてみたいものですね。
エアボリュームのあるリスニング環境では、やはりUnicornではなくTroubadourとウーファの組合わせに軍配が上がりますね。
高次元の微調整の結果更に高みに至った音楽を聴いてみたいものですね。
Commented
by
TANNOY-GRF at 2015-05-03 14:09
確かに横浜のMさんの様な、大きな部屋で、大音量で鳴らす場合は、このTroubadour 80と特注ウーハーの組み合わせはベストでしょう。しかし、ここまでの音量を鳴らさないのなら、低域特性の優れたアンプとケーブルで,迫力有る音がunicorn からも鳴り響きますよ。
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by
プー博士
at 2015-05-03 15:12
x
低域特性の優れたアンプってパーツ表や仕様書を見ればわかりますか?
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by
TANNOY-GRF at 2015-05-03 18:38
プー博士 解りません。人の中身が成績表や診断表で解らないのと同じです。解れば苦労しないのですが・・・。