2016年 02月 15日
日曜日は宇都宮まで 神尾真由子さんを |
日曜日は、低気圧が発達して大荒れの天気になりました。当初は、新宿湘南ラインのグリーン車でのんびり宇都宮まで行くつもりでしたが、風の影響で電車が止まる恐れも出てきたので、仕方なく車で行きました。車だと仕事の延長のような気がして休んだ気になりません。
しかし、生暖かく強い南風が吹き込んでくると、天気は大荒れの兆候を見せてきました。ラジオでは、湾岸線や京葉線が強風のために止まったと報じています。一部でも止まると全部のダイヤに影響が出てくるのが電車です。そのニュースを聞きながら、車は仕方が無いと思いました。気温がどんどん上がり、窓の外が曇ってきます。
風の影響を避けるために、いつもよりかのんびりと走りました。鹿沼のインターを降りたときは、一瞬、仕事モードに入りますね。ここらあたりはいつもで掛けてきていたからです。宇都宮の街はインターからは遠く、また、市内に入る道はたくさんあります。古い NAVIでは出てこない新しい道が、携帯の案内では出て来ますね。最近は、あたらしい道用には携帯も併用しています。便利な世の中になりました。
宇都宮に来ると大谷石で出来た蔵や倉庫が沢山あります。オーディオルームに使ったらどんなに良いだろうと何時も思います。インターから、県庁に行き地下の駐車場に車を止めました。ホールに来た人は、最初の二時間は無料だそうです。それならば、周辺の有料駐車場より安くなりますね。
栃木県総合文化センターは名前のごとくいかめしい建物でした。裁判所の様な感じですね。水戸とは大違いです。総合文化センターですから、収容人数も多く1600人だそうです。今日はヴァイオリンソナタの演奏会ですから500名入ればいい方でしょう。昨日のフィリアホールも500人ですから、少し少ないかもしれません。あとから数えたら450名は入っていたでしょうか。
少し上がった右側のゾーンの前の方に座りました。平間は低いですから、丁度良い位置です。音も、どんどん来ました。先日の水戸の音よりよく感じました。楽器がロシア的な河村さんに合っている響きです。
チャイコフスキーコンクールの優勝者の神尾真由子さんは、諏訪内さん以来の日本人のヴァイオリン部門の優勝者です。優勝者は、ピアノの上原彩子さん以外にはいませんから、いかに大変なことだか分かると思います。その実力は、普通の演奏者とどのくらい違うかという興味本位もありました。彼女が優勝した2007年の第三位は、現在ドレスデン歌劇場のコンサートミストレスの有希・マヌエラ・ヤンケさんです。
河村さんは、共演者がいると徹底して音を合わせてきます。一人で弾くときは、自分の内面の声と闘っているようにも思えますが、共演の場合は、譜面を見る目力が増します。そして全身耳にして共演者の音を聴いているように思えます。栃木のホールのピアノは、水戸より調子がよかったように思いました。河村さんのロシア的な響きとあっていました。
第一曲のモーツァルトでは度肝を抜かれました。何という美しい響きでしょうか?少し大きめなホールに音が拡がり吸い込まれていきます。彼女らのスケールの大きな演奏は、このような大ホールの方がマッチするのかも知れません。
二曲目のラヴェルも相当期待して聴き始めました。ただ、私には、ピアノとの連携が今一つあっていないようにも聞こえました。これは感覚の問題です。体質的なことなのかも知れません。
休憩を挟んだ、フランクのソナタは、完璧でした。白熱して演奏自体は、完璧で非の打ち所がありません。隅々まで行き届いた音色のコントロール、完璧な技巧、河村さんも負けじと深いところまで入っていきます。二人のバトルを感心して聴いていました。しかし、第四楽章にはいったときの柔らかな、どこか懐古的にも聞こえる音色のコントロールは二人とも見事でした。今週の白眉でしたね。
前日の紀尾井のオーケストラにやはり感じていた、アンサンブルの名の下の自主性の少なさは全く感じず、シュテンファン・ドールの天空を行くホルンのように突き抜けた音でした。1735年製グァルネリ・デル・ジェスの音色は本当に素敵でした。
アンコールも完璧でフォーレの「夢のあとに」 とマスネの「タイスの瞑想曲」 でした。これ以上のアンコール曲はありません。水戸でも感じていたどこか琴線に触れずじまいの河村さんの音色や演奏も、最後のフランクの演奏で私自身の溜飲が下がりました。河村さんは、アンサンブルの方が本気モードになるのでは無いでしょうか?もっとも相手次第でしょうが、、、
サイン会にも並び、でも先頭近くだったので、河村さんとも話が出来たし、相変わらずのおじさん殺しのスマイルに、やられましたが、県庁の地下駐車場から4時過ぎに出た車は、自宅に六時過ぎには戻っていました。良い演奏を聴いたあとは、精神も高揚しているのでしょうか?木曜日から、水戸と紀尾井と宇都宮の豪華な週になりました。
蛇足ですが、
紀尾井ホールのワインの量は、またまた少なくなってきました。係りの人次第で違っては困ります。ドイツ人のようにワイングラスに線を引いて貰いたいです。今週の演奏会でお酒が飲めたのは、紀尾井だけでしたので、一層感じました。勿論、飲ベイの繰り言ですが(爆)
ちなみに、ワインの質と量は、銀座の王子ホールと上野の石橋メモリアルがよく、量だけならは築地の第一生命ホールでしょうか?青葉台のフィリアも多いように思います。しかし、サントリーが経営しているサントリーホールは本職ですから、一層の奮起を望みます。さて、次はミューザです。あそこはシャンパンかな?
しかし、生暖かく強い南風が吹き込んでくると、天気は大荒れの兆候を見せてきました。ラジオでは、湾岸線や京葉線が強風のために止まったと報じています。一部でも止まると全部のダイヤに影響が出てくるのが電車です。そのニュースを聞きながら、車は仕方が無いと思いました。気温がどんどん上がり、窓の外が曇ってきます。
風の影響を避けるために、いつもよりかのんびりと走りました。鹿沼のインターを降りたときは、一瞬、仕事モードに入りますね。ここらあたりはいつもで掛けてきていたからです。宇都宮の街はインターからは遠く、また、市内に入る道はたくさんあります。古い NAVIでは出てこない新しい道が、携帯の案内では出て来ますね。最近は、あたらしい道用には携帯も併用しています。便利な世の中になりました。
宇都宮に来ると大谷石で出来た蔵や倉庫が沢山あります。オーディオルームに使ったらどんなに良いだろうと何時も思います。インターから、県庁に行き地下の駐車場に車を止めました。ホールに来た人は、最初の二時間は無料だそうです。それならば、周辺の有料駐車場より安くなりますね。
栃木県総合文化センターは名前のごとくいかめしい建物でした。裁判所の様な感じですね。水戸とは大違いです。総合文化センターですから、収容人数も多く1600人だそうです。今日はヴァイオリンソナタの演奏会ですから500名入ればいい方でしょう。昨日のフィリアホールも500人ですから、少し少ないかもしれません。あとから数えたら450名は入っていたでしょうか。
少し上がった右側のゾーンの前の方に座りました。平間は低いですから、丁度良い位置です。音も、どんどん来ました。先日の水戸の音よりよく感じました。楽器がロシア的な河村さんに合っている響きです。
チャイコフスキーコンクールの優勝者の神尾真由子さんは、諏訪内さん以来の日本人のヴァイオリン部門の優勝者です。優勝者は、ピアノの上原彩子さん以外にはいませんから、いかに大変なことだか分かると思います。その実力は、普通の演奏者とどのくらい違うかという興味本位もありました。彼女が優勝した2007年の第三位は、現在ドレスデン歌劇場のコンサートミストレスの有希・マヌエラ・ヤンケさんです。
河村さんは、共演者がいると徹底して音を合わせてきます。一人で弾くときは、自分の内面の声と闘っているようにも思えますが、共演の場合は、譜面を見る目力が増します。そして全身耳にして共演者の音を聴いているように思えます。栃木のホールのピアノは、水戸より調子がよかったように思いました。河村さんのロシア的な響きとあっていました。
第一曲のモーツァルトでは度肝を抜かれました。何という美しい響きでしょうか?少し大きめなホールに音が拡がり吸い込まれていきます。彼女らのスケールの大きな演奏は、このような大ホールの方がマッチするのかも知れません。
二曲目のラヴェルも相当期待して聴き始めました。ただ、私には、ピアノとの連携が今一つあっていないようにも聞こえました。これは感覚の問題です。体質的なことなのかも知れません。
休憩を挟んだ、フランクのソナタは、完璧でした。白熱して演奏自体は、完璧で非の打ち所がありません。隅々まで行き届いた音色のコントロール、完璧な技巧、河村さんも負けじと深いところまで入っていきます。二人のバトルを感心して聴いていました。しかし、第四楽章にはいったときの柔らかな、どこか懐古的にも聞こえる音色のコントロールは二人とも見事でした。今週の白眉でしたね。
前日の紀尾井のオーケストラにやはり感じていた、アンサンブルの名の下の自主性の少なさは全く感じず、シュテンファン・ドールの天空を行くホルンのように突き抜けた音でした。1735年製グァルネリ・デル・ジェスの音色は本当に素敵でした。
アンコールも完璧でフォーレの「夢のあとに」 とマスネの「タイスの瞑想曲」 でした。これ以上のアンコール曲はありません。水戸でも感じていたどこか琴線に触れずじまいの河村さんの音色や演奏も、最後のフランクの演奏で私自身の溜飲が下がりました。河村さんは、アンサンブルの方が本気モードになるのでは無いでしょうか?もっとも相手次第でしょうが、、、
サイン会にも並び、でも先頭近くだったので、河村さんとも話が出来たし、相変わらずのおじさん殺しのスマイルに、やられましたが、県庁の地下駐車場から4時過ぎに出た車は、自宅に六時過ぎには戻っていました。良い演奏を聴いたあとは、精神も高揚しているのでしょうか?木曜日から、水戸と紀尾井と宇都宮の豪華な週になりました。
蛇足ですが、
紀尾井ホールのワインの量は、またまた少なくなってきました。係りの人次第で違っては困ります。ドイツ人のようにワイングラスに線を引いて貰いたいです。今週の演奏会でお酒が飲めたのは、紀尾井だけでしたので、一層感じました。勿論、飲ベイの繰り言ですが(爆)
ちなみに、ワインの質と量は、銀座の王子ホールと上野の石橋メモリアルがよく、量だけならは築地の第一生命ホールでしょうか?青葉台のフィリアも多いように思います。しかし、サントリーが経営しているサントリーホールは本職ですから、一層の奮起を望みます。さて、次はミューザです。あそこはシャンパンかな?
by TANNOY-GRF
| 2016-02-15 22:43
| 演奏会場にて
|
Comments(7)
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by
(Y)
at 2016-02-16 00:06
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>ドイツ人のようにワイングラスに線を引いて貰いたいです。
なるほど、こういう時のためのものなのですね(笑)。
レストラン、個人の台所を問わず、全てのグラスやコップの類にビーカーのような目盛りが入っているのに、本当にびっくりしたことを思い出しました。小さなショットグラスまで入っていますよね。
ビールは泡の位置まで指定が有った記憶があります。
もっとも移民政策の結果、最近ではドイツらしさが失われ、勤勉で几帳面、チリひとつ落ちていないと言うのは今は昔の話の様なので、グラスの線もいつか無くなるかもしれませんね。。
なるほど、こういう時のためのものなのですね(笑)。
レストラン、個人の台所を問わず、全てのグラスやコップの類にビーカーのような目盛りが入っているのに、本当にびっくりしたことを思い出しました。小さなショットグラスまで入っていますよね。
ビールは泡の位置まで指定が有った記憶があります。
もっとも移民政策の結果、最近ではドイツらしさが失われ、勤勉で几帳面、チリひとつ落ちていないと言うのは今は昔の話の様なので、グラスの線もいつか無くなるかもしれませんね。。
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at 2016-02-17 03:04
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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Bellwood
at 2016-02-17 10:11
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1600席の大ホールで500人ほどでひとり占めというのはぜいたくですね。
何年か以前に、栃木市のホールで鈴木雅明さんのチェンバロリサイタルを聴いたことがあります。こちらも1200席の大ホール。あまりにお客さんが少ないので主催者の粋なはからいでステージに客席をしつらえてくれました。先着順の自由席。全員がステージに上がりましたから多くてもせいぜい200人ほどだったのでしょう。ホールのエアボリュームはたっぷりあって、客席は空ですので響きがとても豊かで、しかも、演奏者間近に聴けてとてもぜいたくなコンサートでした。
何年か以前に、栃木市のホールで鈴木雅明さんのチェンバロリサイタルを聴いたことがあります。こちらも1200席の大ホール。あまりにお客さんが少ないので主催者の粋なはからいでステージに客席をしつらえてくれました。先着順の自由席。全員がステージに上がりましたから多くてもせいぜい200人ほどだったのでしょう。ホールのエアボリュームはたっぷりあって、客席は空ですので響きがとても豊かで、しかも、演奏者間近に聴けてとてもぜいたくなコンサートでした。
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TANNOY-GRF at 2016-02-17 14:33
Bellwoodさん
おかげさまで、先週は楽しい週になりました。神尾さんと河村さんは、例えて言えば、世界の大舞台でトップクラスの活躍をしているアスリートのパフォーマンスを栃木のホールで満喫出来たようなものです。
河村さんのピアノの音の良さも特筆モノでしたが、何と言っても神尾さんのグァルネリの響きとそれを引き出す演奏技術に感嘆しました。大ホールに響いた音のレヴェルは、極めて高く、ミューザでのみどりさんに次ぐ経験でした。行って、本当によかったです。
おかげさまで、先週は楽しい週になりました。神尾さんと河村さんは、例えて言えば、世界の大舞台でトップクラスの活躍をしているアスリートのパフォーマンスを栃木のホールで満喫出来たようなものです。
河村さんのピアノの音の良さも特筆モノでしたが、何と言っても神尾さんのグァルネリの響きとそれを引き出す演奏技術に感嘆しました。大ホールに響いた音のレヴェルは、極めて高く、ミューザでのみどりさんに次ぐ経験でした。行って、本当によかったです。
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GRF
at 2016-02-18 08:14
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大阪で久しぶりにCさんにおあいしました。Cさんは、ご自身もヴァイオリンを弾かれます。先日の記事からヴァイオリンの音色の話になりました。Cさんは、グァルネリよりストラジヴァリウスの方が音がいいと言われます。軽く弓を当てるだけでラクラクと音が持続するそうです。較べるとグァルネリは音が暗く、音が途切れ気味になるといわれました。弾く側と聴く側の違いが出て面白い話でした。私は華やかなストラジヴァリウスより、陰影が出るグァルネリの方がすきです。
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GRF
at 2016-02-18 08:32
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続いて、神尾さんの話しになりました。才能は確かにあり、だからこそチャイコフスキーコンクールでも優勝したのだが、諏訪内さんやポリーニの様にしっかり勉強し直さないと、この先の伸びしろが少ないなるのではと、愛情に満ちた辛口のコメントを言われます。確かに大きな賞を取った後の精進が大切ですね。こちらは同感しました。コンクールで3位だった有希・マヌエラ・ヤンケさんは、ドレスデン歌劇場のコンサートミストレスになって大きな飛躍を果たしています。ソリストの道は厳しく、絶対的な音を確立して行かなければなりません。これからも機会があれば聴いていこうと思いました。1888
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TANNOY-GRF at 2016-02-18 15:40
神尾さんの音色の音色の変化には驚かされました。特に、弱音の美しさは、特筆モノです。音が小さくても、全体のフォルムは崩れません。例えは、適当ではないかもしれませんが、62センチのウーファーが静かになるHartleyの悠然たる響きを思い出しました。河村さんもその変化に追従して、音量や音色を変化させて行きます。室内楽の醍醐味ですね。また、聴きたいですね。