2016年 05月 06日
翌日は快晴の田園都市線で そねさん邸へ |
昨日の晩、厚木から戻ってきてから半日も経っていないのですが、今日も地下鉄を乗り継ぎ、田園都市線の長津田まで遠征してきました。長津田の駅は横浜のvafanさんと待ち合わせたり、駅前で飲んだりしたことがあるので、土地勘があり、駅の出口近くにあるお弁当やさんの前で、はじめてお会いする「そねさん」と待ち合わせを致しました。
そねさんは、Filewebの訪問記で知ることが出来ました。そして、そねさんご自身のPhile-webの記事を拝見させていただきました。その中で、私の記事を読んでいただき、平行法を実践されておられるました。拝見すると、その平行法に使われているのはピエガのトールボーイ型で、別に交差法として使われている小型のSPの方が、平行法に向いているのでは思いました。そこで、厚木まで遠征する勢いをかりて、急遽ご連絡をとり、長津田まで出かけて来たというわけです。
明け方まで雨を降らしていた寒冷前線が通り過ぎた街は、5月の風に吹かれて、新緑の木々の葉が、きらきらと輝く美しい日でした。定年退職されてから、この地に引っ越してこられたそねさん宅は、駅から程無い新しいマンションの一階で、オーディオ的には、階下の家に気兼ねがないので、随分と楽な環境だと思いました。大きくひらけた窓からは、庭の緑が風に揺られて輝いていました。
お部屋に入ると、所狭しと、ケーブルや電源が置かれています。久し振りにみる男の実験場と言う感じです(笑)。SPは二種類で、スイスのPIEGA TC70X というアルミのキャビネットにリボンツィーターとスキャンスピークスのウーファーがメインに採用されています。今一つは、イーディオ特製の小型SPで、モレルのツィーターにオーディオテクノロジーのウーファーですから、T4とほぼ同じ様な構成です。違いは、キャビネットの大きさでしょうか。
早速、メインのピエガの音を聴かせていただきました。平行法ですが、比較的後ろの方で、SPの間隔も狭めです。実在感の有る良い音です。ただ平行法としては、SPの間隔が狭く、位置も後ろの壁に近いので、後方にのびのびと展開する平行法の持ち味はあまり出ていないようです。音場は左右のSPの間だけに展開しているからです。
18畳から20畳近くある広い部屋なのですが、反射板が多く配置され、部屋を小さく使っています。壁の反射や定在波を気にされる方が、音を乱反射させる音響板を使われていますが、SPの位置を正確に配置すれば、部屋の定在波の影響を小さくすることが可能です。その場合は、反射板や拡散用の棒はなどは、逆に音に影響を与えてしまいます。とりあえず、試聴位置の椅子の後ろの反射板を廊下に出してみました。大分スッキリします。
その平行法の横に、交差法で45度配置された小型SPが配置されていました。それを少しだけ移動していただき、ピエガの前に、平行法で配置していただきました。左右の間隔の目安は、後ろの壁の中央にとSP後方のコーナーを結んだ線に、SPの外側の線が入るぐらいに配置すると、良いようです。一番後ろに行った時は、コーナー直前で交差法になります。手前に持ってくると、SPの間隔は徐々に狭まってきます。それでも、一般的なイメージからすると、左右に開いているように感じるかもしれません。置いて見るとこんな感じになります。
そして、モノラル録音のヴォーカルで、いつもの様にセンター合わせを行います。サイドプレス方式のスタンドの下は、シナ・アピトンの合板ですから、音は申し分ありません。その板ごと微調整を行い、モノラル音源が左右の中央にしっかり定位して、尚かつ薄っぺらの中央集権主義?ではなく、立体的に音が鳴るようにします。このあたりの微妙な音は、調整している課程を聴いていただくしか説明出来にくいところですね。しかし、ここまでは、当然の調整でもあるのです。しかし、モノラル音源でピッタリと調整したあと、ステレオ音源を掛けていただくと、ご自分の部屋が、魔法に掛かったようにコンサートホールになっているのに驚かれるでしょう。
この瞬間のお顔を拝見するために、一時間半も電車を乗り継いで来たのです。まったく違う、小型SPだと思っていたのが、見違えるように深く、柔らかなとに変身しているのです。お金は全く掛かりません。ただ、調整すれば良いのですから。しかし、問題はこの変化をご自分の部屋で体験して貰わないと、実感として感じられないことです。コツは、最初のモノラル音源での調整と、部屋のどの位置に置くかですね。それは後から、試行錯誤して頂けばいいのです。最適なポイントを発見するのは、ご自分の部屋の中の宝島を探すようなことです。どの部屋にも必ずあります。あとは順列組み合わせを行う根気だけですね。
この後は、お持ちのCDを次から次へと掛けていただき、今までの音との差を感じていただければいいのです。楽しい、驚きに満ちた時間でした。いつも常用にされている、PC音源がソフトのフリーズで使えなくなり、CDだけの比較を行いました。ソフトのフリーズは、立ち上げるには時間が掛かります。今回は、ここまでで、おいとますることにしました。ご自分で、今日の再現が出来るようになれば、後は、音楽の世界を自由に飛び回れます。クラシックばかりでなく、スタジオ録音でも正しいバランスで鳴り始めますから、全く違った音の世界を出現させると思います。
お持ちの装置の選定や電源がまともだったので、思うような音が出現したのだと思います。最後は、後ろのSPを壁際まで下げてみました。予想通り、奥行きが一層深まったようです。
5月の爽やかな日差しは午後になっても輝いており、乾いた空気は、心地よく木々の緑を揺らしていました。長津田の駅に戻っていく間、道路の細かなゴミを拾っている、おじさんに会いました。自分の街をきれいに保ちたい、こういう方がいる内は、日本は大丈夫だと思いました。爽やかな5月の美しい街と、素敵なサウンドステージの出現に、とても気持ち良く帰りの電車に乗ることが来ました。
追伸
そねさんから交差法にされた後の写真が送られてきました。二つのSPの関係は、上手くいっているようです。
そねさんは、Filewebの訪問記で知ることが出来ました。そして、そねさんご自身のPhile-webの記事を拝見させていただきました。その中で、私の記事を読んでいただき、平行法を実践されておられるました。拝見すると、その平行法に使われているのはピエガのトールボーイ型で、別に交差法として使われている小型のSPの方が、平行法に向いているのでは思いました。そこで、厚木まで遠征する勢いをかりて、急遽ご連絡をとり、長津田まで出かけて来たというわけです。
明け方まで雨を降らしていた寒冷前線が通り過ぎた街は、5月の風に吹かれて、新緑の木々の葉が、きらきらと輝く美しい日でした。定年退職されてから、この地に引っ越してこられたそねさん宅は、駅から程無い新しいマンションの一階で、オーディオ的には、階下の家に気兼ねがないので、随分と楽な環境だと思いました。大きくひらけた窓からは、庭の緑が風に揺られて輝いていました。
お部屋に入ると、所狭しと、ケーブルや電源が置かれています。久し振りにみる男の実験場と言う感じです(笑)。SPは二種類で、スイスのPIEGA TC70X というアルミのキャビネットにリボンツィーターとスキャンスピークスのウーファーがメインに採用されています。今一つは、イーディオ特製の小型SPで、モレルのツィーターにオーディオテクノロジーのウーファーですから、T4とほぼ同じ様な構成です。違いは、キャビネットの大きさでしょうか。
早速、メインのピエガの音を聴かせていただきました。平行法ですが、比較的後ろの方で、SPの間隔も狭めです。実在感の有る良い音です。ただ平行法としては、SPの間隔が狭く、位置も後ろの壁に近いので、後方にのびのびと展開する平行法の持ち味はあまり出ていないようです。音場は左右のSPの間だけに展開しているからです。
18畳から20畳近くある広い部屋なのですが、反射板が多く配置され、部屋を小さく使っています。壁の反射や定在波を気にされる方が、音を乱反射させる音響板を使われていますが、SPの位置を正確に配置すれば、部屋の定在波の影響を小さくすることが可能です。その場合は、反射板や拡散用の棒はなどは、逆に音に影響を与えてしまいます。とりあえず、試聴位置の椅子の後ろの反射板を廊下に出してみました。大分スッキリします。
その平行法の横に、交差法で45度配置された小型SPが配置されていました。それを少しだけ移動していただき、ピエガの前に、平行法で配置していただきました。左右の間隔の目安は、後ろの壁の中央にとSP後方のコーナーを結んだ線に、SPの外側の線が入るぐらいに配置すると、良いようです。一番後ろに行った時は、コーナー直前で交差法になります。手前に持ってくると、SPの間隔は徐々に狭まってきます。それでも、一般的なイメージからすると、左右に開いているように感じるかもしれません。置いて見るとこんな感じになります。
そして、モノラル録音のヴォーカルで、いつもの様にセンター合わせを行います。サイドプレス方式のスタンドの下は、シナ・アピトンの合板ですから、音は申し分ありません。その板ごと微調整を行い、モノラル音源が左右の中央にしっかり定位して、尚かつ薄っぺらの中央集権主義?ではなく、立体的に音が鳴るようにします。このあたりの微妙な音は、調整している課程を聴いていただくしか説明出来にくいところですね。しかし、ここまでは、当然の調整でもあるのです。しかし、モノラル音源でピッタリと調整したあと、ステレオ音源を掛けていただくと、ご自分の部屋が、魔法に掛かったようにコンサートホールになっているのに驚かれるでしょう。
この瞬間のお顔を拝見するために、一時間半も電車を乗り継いで来たのです。まったく違う、小型SPだと思っていたのが、見違えるように深く、柔らかなとに変身しているのです。お金は全く掛かりません。ただ、調整すれば良いのですから。しかし、問題はこの変化をご自分の部屋で体験して貰わないと、実感として感じられないことです。コツは、最初のモノラル音源での調整と、部屋のどの位置に置くかですね。それは後から、試行錯誤して頂けばいいのです。最適なポイントを発見するのは、ご自分の部屋の中の宝島を探すようなことです。どの部屋にも必ずあります。あとは順列組み合わせを行う根気だけですね。
この後は、お持ちのCDを次から次へと掛けていただき、今までの音との差を感じていただければいいのです。楽しい、驚きに満ちた時間でした。いつも常用にされている、PC音源がソフトのフリーズで使えなくなり、CDだけの比較を行いました。ソフトのフリーズは、立ち上げるには時間が掛かります。今回は、ここまでで、おいとますることにしました。ご自分で、今日の再現が出来るようになれば、後は、音楽の世界を自由に飛び回れます。クラシックばかりでなく、スタジオ録音でも正しいバランスで鳴り始めますから、全く違った音の世界を出現させると思います。
お持ちの装置の選定や電源がまともだったので、思うような音が出現したのだと思います。最後は、後ろのSPを壁際まで下げてみました。予想通り、奥行きが一層深まったようです。
5月の爽やかな日差しは午後になっても輝いており、乾いた空気は、心地よく木々の緑を揺らしていました。長津田の駅に戻っていく間、道路の細かなゴミを拾っている、おじさんに会いました。自分の街をきれいに保ちたい、こういう方がいる内は、日本は大丈夫だと思いました。爽やかな5月の美しい街と、素敵なサウンドステージの出現に、とても気持ち良く帰りの電車に乗ることが来ました。
追伸
そねさんから交差法にされた後の写真が送られてきました。二つのSPの関係は、上手くいっているようです。
by TANNOY-GRF
| 2016-05-06 22:22
| 行ったり
|
Comments(3)
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TANNOY-GRF at 2016-05-09 10:56
そねさん 平行法は良い音でなりましたね。その左右にあるボードも、この位置では必要ないと思われますので、外されると音が寄り自然になると思います。ケーブルの寸法が一杯一杯なので、もう少し、余裕のある長さにしてアンプの位置なども変えると、より良いと思われます。
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そねさん
at 2016-05-09 16:07
x
GRF様
先日は、遠路拙宅まで足をお運びいただきご指導を頂戴し誠にありがとうございました。
さて、リスナー側に引き出し平行法にて設置した小型2wayですが、柔らかく立体感のあるダイナミックな表現力で、昨日のオフ会でも好評でした。パワーを加えていくと、「これが13cmのミドルウーハーの音?」と思わず確認したくなる程の音となり、JAZZ等のベースの表現には十分なものがあります。これまで価格的にメインとしてきたPIEGAを凌駕する表現に、嬉しやら悲しいやらやや複雑な思いです。^^
ただマンション・集合住宅ではひとたび音量にクレームがついたら取り返しがつきません。ここはマナー違反とならないよう、音量を絞ったときでも満足感を得られるヴォリューム位置とバランスするSP間の間隔を決めていきたいと思っています。
また、アドバイスを頂戴した音響パネルですが、外した方が音場の透明感が高くなり、自然で見通しのよい音場になりますね。オフ会に向けて、自分一人で外せるパネルはすべて外して行いました。
一方、設置場所的にはメインの座を降り、部屋隅にコーナー型交差法で設置したPIEGAですが、こちらはSP位置が音場の端になり部屋を縦使いする拙宅での音場は小型2wayより狭くなりますが密度感が濃い、とのオフ会評価です。
イメージ的には、印象派絵画の輪郭感の平行法、劇画調の輪郭感の交差法といった感じでしょうか。ですので、音楽を聴くという観点からはどちらがメイン・サブということはなく、楽曲やその日の気分で聴きわけるという使い方になると思います。が、やっぱり平行法の小型2wayがメインになっていくのでしょうね。
課題としては、従前の設置位置に合わせてケーブル類を必要最小限の長さにしてしまったため、機材が適切に配置できないことです。DACの位置を僅か5㎜程動かしただけで音場の透明感が増すというGRFマジックをこの目で見て聴いてしまった小生としては、機材の配置はなんとかせねばと強く思うところです。
今後ともよろしくお願い致します。
そね拝
先日は、遠路拙宅まで足をお運びいただきご指導を頂戴し誠にありがとうございました。
さて、リスナー側に引き出し平行法にて設置した小型2wayですが、柔らかく立体感のあるダイナミックな表現力で、昨日のオフ会でも好評でした。パワーを加えていくと、「これが13cmのミドルウーハーの音?」と思わず確認したくなる程の音となり、JAZZ等のベースの表現には十分なものがあります。これまで価格的にメインとしてきたPIEGAを凌駕する表現に、嬉しやら悲しいやらやや複雑な思いです。^^
ただマンション・集合住宅ではひとたび音量にクレームがついたら取り返しがつきません。ここはマナー違反とならないよう、音量を絞ったときでも満足感を得られるヴォリューム位置とバランスするSP間の間隔を決めていきたいと思っています。
また、アドバイスを頂戴した音響パネルですが、外した方が音場の透明感が高くなり、自然で見通しのよい音場になりますね。オフ会に向けて、自分一人で外せるパネルはすべて外して行いました。
一方、設置場所的にはメインの座を降り、部屋隅にコーナー型交差法で設置したPIEGAですが、こちらはSP位置が音場の端になり部屋を縦使いする拙宅での音場は小型2wayより狭くなりますが密度感が濃い、とのオフ会評価です。
イメージ的には、印象派絵画の輪郭感の平行法、劇画調の輪郭感の交差法といった感じでしょうか。ですので、音楽を聴くという観点からはどちらがメイン・サブということはなく、楽曲やその日の気分で聴きわけるという使い方になると思います。が、やっぱり平行法の小型2wayがメインになっていくのでしょうね。
課題としては、従前の設置位置に合わせてケーブル類を必要最小限の長さにしてしまったため、機材が適切に配置できないことです。DACの位置を僅か5㎜程動かしただけで音場の透明感が増すというGRFマジックをこの目で見て聴いてしまった小生としては、機材の配置はなんとかせねばと強く思うところです。
今後ともよろしくお願い致します。
そね拝
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TANNOY-GRF at 2016-05-10 09:18
そねさん
交差法のPiegaを拝見致しました。アンプ類もきれいに片付いていますね。今少し、壁から離された方が、低音が自然位なると感じました。どうしてもコーナーに近すぎますと、低域が持ち上がってきます。このあたりの調整が肝ですね。
交差法のPiegaを拝見致しました。アンプ類もきれいに片付いていますね。今少し、壁から離された方が、低音が自然位なると感じました。どうしてもコーナーに近すぎますと、低域が持ち上がってきます。このあたりの調整が肝ですね。