2016年 11月 23日
向かい合わせる方法で蘇ったHartley |
家でHartleyの音を聴かれたことのある方は、その自然で、美しい音に驚かれました。特に、五年前の大震災と原発事故のあったあと、このHartleyの慈悲深い音にどれほど心が救われたことでしょう。Hartleyの音は、横浜のMさんが言われるように、音が詰まっているのではなく、どこか隙間がある様な音なのです。その隙間を心地よいかぜが通り過ぎるような癒しの音を奏でてくれます。それ一つで充分全音域をカバーする30センチのスコーカーと17センチもあるツィーターの基本的には2ウェイに最低域を61センチのスーパーウーファーが受け持ち、それにPHILIPS製のドームツィーターが最高域と空気感を出しています。
音に過不足はなく、どなたが聴かれても素晴らしい音に感動していただきました。しかし、それがどうして主役のSPになれなかったというと、ひとえに音のサービス範囲の狭さにあります。左右のSPの中央で聴けば、全ての音が聞こえてきます。しかし、中央から一人分左右にずれると、その寄ったほうのSPだけがきこえてくるのです。ステレオを聴ける範囲が極端に少ないのです。それは同じSPをお使いのI.Kさんのお宅でもそうでした。
その為に、30畳にならんとする大空間を必要とします。その空間に音が消えていく様は、例えようにありません。しかし、その音を享受できるのは、中央に座られた一人だけなのです。原因は、三つのSPが左右に展開している配置にあります。これが、上下に配置されていれば、左右のサービス範囲は相当拡大されたと思うのですが、61センチの大ウーファーの為のおおきなキャビネットの幅に対応できたかの問題もあります。
Hartleyの真価を出すには、横に6メートル以上の幅を要します。初めて聴いた時の是枝さんの試聴室も広い空間を目一杯使われていました。GRFもあるので、どうしても縦長で使わざるを得ないHartleyを寝かしておくのはもったいないので、大阪に持って来たのですが、六畳の和室とリヴィングを繋いだ14畳の空間を確保するのが精一杯でした。隣の八畳・六畳と押し入れを全部リニューアルして大きな部屋にすれば、32畳の大空間になるのですが、将来を考えるとそうも行きません。
この配置ですと、横幅が二間ですからやはり間隔が狭くなります。音がこもり、東京でなっていたときのような開放的な音が出ませんでした。使用しているSD05も初期の100Wヴァージョンなので、豪快さはあるのですが、緻密さには50Wクロックアップ版には負けるので、それもならしてみたのですが、やはり部屋の影響からは逃れられませんでした。後面は、吸音材を介して開放なので、後ろのスペースも重要です。聴くときは、重いSPを前に出して聴いていたのですが、それでも音の開放感が無く、音が鳴ればいいと言う段階で自分を納得させていました。
350枚分のCDが収納されているハードディスクをSSDに換装したHD-1を持って行ったのですが、仕事にかまけて箱からも出していない状態が二回程続いていました。是枝さんの真空管アンプを持って来ないとダメかとも悩んでいたのです。その場合は、プリアンプも必要ですから大掛かりの物になってしまいます。HDプレーヤーとプリメインアンプであるSD05だけというこれ以上シンプルな構成にはならない組み合わせで聴いているからこそ、意味があるのですが・・・・
先日、kikiさんから向かい合わせの手法を教わってから、T4でいろいろ実験を重ねました。友人にもすすめて追実験をしていただきました。その中で、タンノイのIIILZで上手くいったとの報告があり、ホーン型のIIILZでもその効果が出るのなら、マルチSPだけどHartleyでも上手く行くのではと思いました。
茅野の家の修繕に立ち会い、冬じまいを終えてから大阪まで走りました。途中、自動運転のありがたさを実感して、大阪に着いたのは、10時近くでした。早速、重いSPを動かして、対向法に向き合わせました。大きなSPが向かい合わせに置かれるとお相撲さんの蹲踞に入る前ににらみ合う仕切みたいです。少し仰け反っているから琴奨菊みたいですね(笑)。迫力が有ります。とりあえず、前に出してみました。
夜遅いので、小さな音で微調整です。こんなにおおきなSPなのに、1mm違うとまったく違う音になるのがビックリです。 特に手前に開く開口は少しの違いにより大きく音場が異なります。厳密に合わせるのは明日の朝にしてとりあえず聴いてみました。
いいですね〜!横置きにしていた時のすがすがしい音が戻って来ました。アンプが替わったようです。気がつくと12時を回っています。低い音の入った音楽は出せないのですが、こんな時に、フローティング盤は効きますね。マンションでは必需品でしょう。俄然やる気になってきました。微調整を繰り返し満足行く音がではじめたのは、午前二時を回った頃でした。小さな音しか出せませんので、とても繊細な調整になりました。
明くる朝、5時間ほどの睡眠(爆睡)で目が醒めました。早速、コーヒーを入れて、コンビニのおにぎりを囓り、三角関数の計算サイトから、厳密に算出してその寸法に合わせます。この開口度が音場の出方を左右します。ただ、簡単に向かい合わせにすればいいという物ではありません。最低域の音場を再現するとリアリティが増します。違いは、下の写真ぐらいな物ですが。
この差で、音場の位置、深さ、高さが変わります。コンサートホールの大空間が出現しました。どこで聴いても同じ音です。Hartleyの繊細さを残して、音場が出現したのです。近く聴いても離れても変わらないのは、音場が出現しているからでしょう。
今日ははじめて兵庫県立文化センターに行きます。東京では手に入らなかったヤンソンスのマーラーの第九番です。楽しみですね。その予習をし始めました。演奏スタイルは違いますが、クレンペラー・フィルハーモニアの録音です。40年前の演奏が昨日録音されたように聞こえます。まったく旧さは感じませんね。クレンペラーの演奏は、通常よりゆっくりしていますが、その分細部が解り、音楽は大河のように悠揚として流れていきます。フィルハーモニアの金管群と打楽器はマーラーの音楽には欠かせません。そのティンパニーの動きが見えるようです。二楽章など見事な物です。今日のバイエルンにも期待しましょう。
音に過不足はなく、どなたが聴かれても素晴らしい音に感動していただきました。しかし、それがどうして主役のSPになれなかったというと、ひとえに音のサービス範囲の狭さにあります。左右のSPの中央で聴けば、全ての音が聞こえてきます。しかし、中央から一人分左右にずれると、その寄ったほうのSPだけがきこえてくるのです。ステレオを聴ける範囲が極端に少ないのです。それは同じSPをお使いのI.Kさんのお宅でもそうでした。
その為に、30畳にならんとする大空間を必要とします。その空間に音が消えていく様は、例えようにありません。しかし、その音を享受できるのは、中央に座られた一人だけなのです。原因は、三つのSPが左右に展開している配置にあります。これが、上下に配置されていれば、左右のサービス範囲は相当拡大されたと思うのですが、61センチの大ウーファーの為のおおきなキャビネットの幅に対応できたかの問題もあります。
Hartleyの真価を出すには、横に6メートル以上の幅を要します。初めて聴いた時の是枝さんの試聴室も広い空間を目一杯使われていました。GRFもあるので、どうしても縦長で使わざるを得ないHartleyを寝かしておくのはもったいないので、大阪に持って来たのですが、六畳の和室とリヴィングを繋いだ14畳の空間を確保するのが精一杯でした。隣の八畳・六畳と押し入れを全部リニューアルして大きな部屋にすれば、32畳の大空間になるのですが、将来を考えるとそうも行きません。
この配置ですと、横幅が二間ですからやはり間隔が狭くなります。音がこもり、東京でなっていたときのような開放的な音が出ませんでした。使用しているSD05も初期の100Wヴァージョンなので、豪快さはあるのですが、緻密さには50Wクロックアップ版には負けるので、それもならしてみたのですが、やはり部屋の影響からは逃れられませんでした。後面は、吸音材を介して開放なので、後ろのスペースも重要です。聴くときは、重いSPを前に出して聴いていたのですが、それでも音の開放感が無く、音が鳴ればいいと言う段階で自分を納得させていました。
350枚分のCDが収納されているハードディスクをSSDに換装したHD-1を持って行ったのですが、仕事にかまけて箱からも出していない状態が二回程続いていました。是枝さんの真空管アンプを持って来ないとダメかとも悩んでいたのです。その場合は、プリアンプも必要ですから大掛かりの物になってしまいます。HDプレーヤーとプリメインアンプであるSD05だけというこれ以上シンプルな構成にはならない組み合わせで聴いているからこそ、意味があるのですが・・・・
先日、kikiさんから向かい合わせの手法を教わってから、T4でいろいろ実験を重ねました。友人にもすすめて追実験をしていただきました。その中で、タンノイのIIILZで上手くいったとの報告があり、ホーン型のIIILZでもその効果が出るのなら、マルチSPだけどHartleyでも上手く行くのではと思いました。
茅野の家の修繕に立ち会い、冬じまいを終えてから大阪まで走りました。途中、自動運転のありがたさを実感して、大阪に着いたのは、10時近くでした。早速、重いSPを動かして、対向法に向き合わせました。大きなSPが向かい合わせに置かれるとお相撲さんの蹲踞に入る前ににらみ合う仕切みたいです。少し仰け反っているから琴奨菊みたいですね(笑)。迫力が有ります。とりあえず、前に出してみました。
夜遅いので、小さな音で微調整です。こんなにおおきなSPなのに、1mm違うとまったく違う音になるのがビックリです。 特に手前に開く開口は少しの違いにより大きく音場が異なります。厳密に合わせるのは明日の朝にしてとりあえず聴いてみました。
いいですね〜!横置きにしていた時のすがすがしい音が戻って来ました。アンプが替わったようです。気がつくと12時を回っています。低い音の入った音楽は出せないのですが、こんな時に、フローティング盤は効きますね。マンションでは必需品でしょう。俄然やる気になってきました。微調整を繰り返し満足行く音がではじめたのは、午前二時を回った頃でした。小さな音しか出せませんので、とても繊細な調整になりました。
明くる朝、5時間ほどの睡眠(爆睡)で目が醒めました。早速、コーヒーを入れて、コンビニのおにぎりを囓り、三角関数の計算サイトから、厳密に算出してその寸法に合わせます。この開口度が音場の出方を左右します。ただ、簡単に向かい合わせにすればいいという物ではありません。最低域の音場を再現するとリアリティが増します。違いは、下の写真ぐらいな物ですが。
この差で、音場の位置、深さ、高さが変わります。コンサートホールの大空間が出現しました。どこで聴いても同じ音です。Hartleyの繊細さを残して、音場が出現したのです。近く聴いても離れても変わらないのは、音場が出現しているからでしょう。
今日ははじめて兵庫県立文化センターに行きます。東京では手に入らなかったヤンソンスのマーラーの第九番です。楽しみですね。その予習をし始めました。演奏スタイルは違いますが、クレンペラー・フィルハーモニアの録音です。40年前の演奏が昨日録音されたように聞こえます。まったく旧さは感じませんね。クレンペラーの演奏は、通常よりゆっくりしていますが、その分細部が解り、音楽は大河のように悠揚として流れていきます。フィルハーモニアの金管群と打楽器はマーラーの音楽には欠かせません。そのティンパニーの動きが見えるようです。二楽章など見事な物です。今日のバイエルンにも期待しましょう。
by TANNOY-GRF
| 2016-11-23 10:24
| オーディオ雑感
|
Comments(2)
Commented
by
S.Y
at 2016-11-24 12:08
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GRFさま
Hartley で可能ということは、拙宅のブロッグマンでも可能ということでしょうか?
最近、スピーカーが前に出たい、対向したいと訴えているようです。(爆)
現在、交差法で僕なりには良い結果が出ていると思っています。(自己満足?)
美音です。しかし、リスニング・ポジションが動くと音像も動きますね。つまり“真の音場”ではないということでしょう。
交差法の現状をGRFさんに確認していただいたあとで対向法に挑戦と思ったのですが・・・。
まあ、交差法はいつでも再現できると思うので、やっちまいましょうかね。(笑)
ところで、Hartley も仰角をとっているのですね。
ブロッドマンの場合、トールボーイなので、不安定になるでしょう。
KiKiさんからは横に寝かせれば、というご指示をいただいているのですが・・、格好悪いですよね。
S.Y
追伸。本日、中央高速は積雪です。もしもご利用のような場合はくれぐれも、お気をつけて。
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by
TANNOY-GRF at 2016-11-25 16:21
S.Yさん 最近のドイツ系のSPは、ウーファーが欲のでているのが多くなってきました。ウーファー部分が対向していることになります。
VAでは上手くいっているようですから、お宅のSPでも対向法は有効なのではないでしょうか?難しくはないので、まずは腕試しに試されたら如何でしょうか?
VAでは上手くいっているようですから、お宅のSPでも対向法は有効なのではないでしょうか?難しくはないので、まずは腕試しに試されたら如何でしょうか?