2017年 01月 31日
大山さんがよられて |
今一段のSPシステムの進化を目指し、ネットワークのブラッシュアップを大山さんと考えています。もちろん、実験をまた重ねていかなければならないので、今日明日の話ではありません。なんだか、その分だけ命が延びた感じです(笑)。
一通りの打ち合わせを終えてから、いまいろいろとやっているレコードの音を聞いていただきました。最初は、クラシックのレコードを掛けて、レコードの針の洗浄の違いとレコード自身の洗いの違いも聞いていただきました。よほど汚れていなければ、先を磨いた静電気除去のブラシRELAXだけで充分きれいになります。静電気がきれいにとれて、ほとんどパチパチノイズはしなくなります。それでも汚れている場合や大事にするレコードは、本格的に洗って洗浄をします。それで掛けると今まで聴いたことのない音がし始めるのです。
アームはSMEのシリーズ5を30年ぐらい愛用しています。その頃も、高い価格で50万近くしていたように思います。その頃輸入品も扱っていた中古屋さんから、新品のシリーズ5を比較的安価で求められました。その後、二本目のアームも名古屋のサウンドピットさんで見つけました。その頃にはほとんど品物がなく探していたのを思い出します。
このアームほど、調整を簡単にできるアームを知りません。アーム長の調整も、脱着式の六角レンチで簡単にできます。高さ、水平、ダイナミック型の安定した針圧負荷。0.01g単位で合わせられる針圧とともに、インサイドフォースキャンセラーの正確さは、触るのが楽しくなるほどです。それをかすかに動かして、左右に離れたSPの中央に定位したヴォーカルを10センチ単位で微妙に動かすことも可能です。加えて、オイルダンピング装置も備えていて、アームの調整に必要なあらゆるムーヴメントが簡単に調整できるのです。
このアームほど、調整を簡単にできるアームを知りません。アーム長の調整も、脱着式の六角レンチで簡単にできます。高さ、水平、ダイナミック型の安定した針圧負荷。0.01g単位で合わせられる針圧とともに、インサイドフォースキャンセラーの正確さは、触るのが楽しくなるほどです。それをかすかに動かして、左右に離れたSPの中央に定位したヴォーカルを10センチ単位で微妙に動かすことも可能です。加えて、オイルダンピング装置も備えていて、アームの調整に必要なあらゆるムーヴメントが簡単に調整できるのです。
昨今では、アームの支点をフリーにしたり、アーム自身をオイルで浮かすタイプのアームもありますが、音の安定性という点で、私はあまり気持ちよく聞いていられません。支点がないことで、音の安定性もなくなるような気がします。オートフォーカスの写真機のように、どこにでもピントが合っているようで、じつはどこにも焦点があっていないような気がします。溝にしっかりと入ったアームの安定した動きは、聞くとすぐわかります。音が微動だもせず、エネルギーがあります。
カートリッジは、SMEのアームに正確に取り付けた、BenzMicroのRubby EbonyとL04の二種類を聞いていただきました。Jazzやヴォーカルが聞きやすい04は、出力も大きい評判のよいカートリッジですが、今回MolaMolaで聞くとその差が明らかになります。低音は豊かで出力もあり迫力有る音を聴かせてくれたいたのですが、今回のEQでは、やはり最低域の再現が物足りません。その点Enoboyは、大変奥行きのある定位感溢れる音に聞こえます。驚くのはその定位感の良さです。最低域まで再現された音は、とてもレコードの再生音とは思えません。この深い音は今までの長いレコード歴の中でも初めての音です。ぼんぼんと響く低音ではなく、深く柔らかな低域です。コントラバスやオルガンの時しか聞けない音ですね。そして驚きは、その低域に裏付けられた音楽のダイナミックレンジの広さです。音が生き生きとして、音楽の中に引き込まれます。
大山さんのリクエストで、いつも掛けている越路吹雪のライブ盤を掛けて一番驚いたのは、私自身でしょう。CDの音を基本に三次元の立体感を出そうというTroubadour80+TW3の組み合わせが、レコードでも立体的な実在感がある音が出たのに、驚いたのです。
ふたりで顔を見合わせて、これは、越路吹雪を聞く会を開かなければと頷きあったのでした。
by TANNOY-GRF
| 2017-01-31 22:54
| 来たり
|
Comments(3)
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by
049/大山
at 2017-02-02 15:39
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1967年から1979年までの実況録音盤を何枚も聴かせて頂きました。
実在感の有る立体的な音が、当時のLPからこれほどまでに再現されるとは
驚くと同時に、色んな事を考えさせられる事態となりました。
マスターテープを聴いているような低域の充実感、安定感と
各楽器や声の持つエネルギーには圧倒されましたね。
部屋の温度が一気に上がるような熱い演奏が、次から次へと掛かる様は
まさにオーディオの醍醐味ですね。
実在感の有る立体的な音が、当時のLPからこれほどまでに再現されるとは
驚くと同時に、色んな事を考えさせられる事態となりました。
マスターテープを聴いているような低域の充実感、安定感と
各楽器や声の持つエネルギーには圧倒されましたね。
部屋の温度が一気に上がるような熱い演奏が、次から次へと掛かる様は
まさにオーディオの醍醐味ですね。
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by
C
at 2017-02-02 17:20
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日頃はテープ音源のデジタルファイルばかり聴いて耳が退化!しているのではないかと心配です。アナログ、しかもビニールディスクがテープの音質にどう迫っている(凌駕している)のか拝聴するのが楽しみです。
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by
GRF
at 2017-02-02 20:15
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大山さん 本当に驚きましたね。このLPは20年近く愛聴盤でもあり、検聴盤としても聴いてきました。その記憶を完全に塗り替える音にはビックリです。この音は一度DSDファイルにして聴き比べて見たいと思いました。出来たら、また聴きに来てください。一番の驚きは音の立体感と実在感ですね。