2017年 07月 14日
Karajan/BPOの第九 1963年盤 |
先日来のアナログレコードを調整するときに使っていたレコードは、カラヤンの第九のリハーサル盤、第四楽章の冒頭です。チェロとコントラバスのユニゾンの旋律を他の楽器を止めて、チェロとコントラバスだけでリハーサルを重ねていきます。カラヤン・ベルリンフィル特有の美しい低弦の響きと、ベートーヴェン特有の深いコントラバスの本当の響きが聞こえてきます。
SACD特有のアナログ的な弦楽器の質感はなかなかのものでしたが、オリジナルのレコードと比べると、音が上滑りに聞こえるのは仕方ないのでしょうか?
レコードも、二版以降は、初版の持つ、暖かなイエスキリスト教会の響きや最低域の深さが聞こえなくなります。
レコードの全集の二版は、オリジナルが持っている暖かさと深さが無くなるのです。その意味では、ドルビーも無かった頃の初期のカセットの方が、オリジナルの音がそのまま入っています。ヒス音が気にならなかったら、音は最高かもしれませんね。カセットの4.75のスピードが低域には良いからです。
そして、大本命はやはり4トラックテープですね。
このリハーサル盤は非売品で、全集を買ったり、プロモーションの時に、特典を集めて貰ったりしていた盤です。SACDで、このベートーヴェン全集が出たとき、リハーサル盤も復刻されました。
こちらが、アメリカ盤で、
こちらが、日本盤です。
レコードと違って、日本盤はダビングが丁寧(あまり生産しなかった)ので、音がきれいです。AMPEX盤は、大量生産という感じが否めませんが、音の深さ、情報、低域の充実感、何をとっても、レコードよりは上手です。しかし、Cさんにお願いしていた4トラックテープからのDSDへの変換がこれほどまで、音を出してくるとは、すべてのメディアを聞き比べるとテープの優位性がわかりますね。
by TANNOY-GRF
| 2017-07-14 08:35
| 好きなテープ
|
Comments(5)
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C
at 2017-07-15 17:15
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プロから見れば「たかが4トラ、しかも19cm/s」に過ぎない上に半世紀も前に発売されたメディアからこんなすごい演奏が最新のデジタルメディアにまさるクオリティで再現されるとは、驚き以外の何物でもありません。
GRFさんとともに進めているデジタルアーカイブの意義を改めて感じました。
まだまだ再発見の旅は続きそうです。
このような機会を与えていただいたGRFさんに感謝します。
GRFさんとともに進めているデジタルアーカイブの意義を改めて感じました。
まだまだ再発見の旅は続きそうです。
このような機会を与えていただいたGRFさんに感謝します。
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TANNOY-GRF at 2017-07-16 10:34
4トラックテープの音は、現在ではほとんどの人が聴いたことがない音だと思います。ましてや、ドルビーの無いカセットテープの音などは、おじいちゃん、おばあちゃんの家にいって、カラオケ用に残っているぐらいでしょう。
しかし、聴いてみると驚きの音が展開します。レコード派の人は、テープヒスの音が気になると言われます。それをリダクションする装置もあるのですが、同時に失われる音もあるので、取り除くのは一長一短ですね。
そうちが良くなり、SPの応答性も増してくると、だんだん気にならなくなります。それよりも、テープでしか聞こえない音の動きや、こうだいなダイナミックレンジを聴いてみて下さい。
しかし、聴いてみると驚きの音が展開します。レコード派の人は、テープヒスの音が気になると言われます。それをリダクションする装置もあるのですが、同時に失われる音もあるので、取り除くのは一長一短ですね。
そうちが良くなり、SPの応答性も増してくると、だんだん気にならなくなります。それよりも、テープでしか聞こえない音の動きや、こうだいなダイナミックレンジを聴いてみて下さい。
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Bellwood
at 2017-07-17 17:47
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カラヤン/ベルリン・フィルの2回目の来日は、この全集が完成した後の1966年の4月のこと。私は中学3年生でした。
ベートーヴェン交響曲全曲が演奏され、時々刻々TVで実況中継されましたが、第九の放送はちょうど修学旅行の真っ最中。
観光から宿泊先の旅館に戻ると、まだ間に合うと玄関先の大部屋に置いてあった家具調の大型TVの前に陣取りました。初めは私と友人との3、4人だけでしたが、一人、二人と次第にと級友たちが集まってきて10数人に。何事かといぶかった旅館のスタッフもそのまま画面に釘付けになり、第四楽章の頃には気がつくとTVの前には黒山の人だかりになっていました。
この録音をGRFさんに言われて聴いてみたら、とんでもないほど生々しさにそんな思い出が突然よみがえってきてちょっと涙ぐんでしまいました。
第四楽章でバスバリトンが立ち上がった刹那に、それまでずっと目をつぶって指揮していたカラヤンが突然かっと目を見開いたのを昨日のことのように思い出しました。
ベートーヴェン交響曲全曲が演奏され、時々刻々TVで実況中継されましたが、第九の放送はちょうど修学旅行の真っ最中。
観光から宿泊先の旅館に戻ると、まだ間に合うと玄関先の大部屋に置いてあった家具調の大型TVの前に陣取りました。初めは私と友人との3、4人だけでしたが、一人、二人と次第にと級友たちが集まってきて10数人に。何事かといぶかった旅館のスタッフもそのまま画面に釘付けになり、第四楽章の頃には気がつくとTVの前には黒山の人だかりになっていました。
この録音をGRFさんに言われて聴いてみたら、とんでもないほど生々しさにそんな思い出が突然よみがえってきてちょっと涙ぐんでしまいました。
第四楽章でバスバリトンが立ち上がった刹那に、それまでずっと目をつぶって指揮していたカラヤンが突然かっと目を見開いたのを昨日のことのように思い出しました。
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TANNOY-GRF at 2017-07-17 20:12
Bellwoodさん
中学校の修学旅行中に旅館で見たなんて凄いですね。その情景が、演奏を聴いていたら生々しく思い出されたのですね。それも凄いです。
私も四楽章になって、歌がはじまるとカラヤンが目を開いたのを思い出しました。
この63年盤はいろいろな思い出が詰まっています。輸入盤を初めて見たのも、買ったのもカラヤンのベートーヴェンのレコードでしたね。ファクトリーシールドと書かれたレコードを包んでいた分厚いビニールも思い出しました。
そういえば、アルヒーブの三つ折りのレコードも素敵でしたね。
中学校の修学旅行中に旅館で見たなんて凄いですね。その情景が、演奏を聴いていたら生々しく思い出されたのですね。それも凄いです。
私も四楽章になって、歌がはじまるとカラヤンが目を開いたのを思い出しました。
この63年盤はいろいろな思い出が詰まっています。輸入盤を初めて見たのも、買ったのもカラヤンのベートーヴェンのレコードでしたね。ファクトリーシールドと書かれたレコードを包んでいた分厚いビニールも思い出しました。
そういえば、アルヒーブの三つ折りのレコードも素敵でしたね。
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at 2017-09-19 18:59
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