2017年 10月 14日
ひよっこロス |
ひよっこが終わってから、そろそろ二週間が経ちます。ひよっこロスと言われていますが、まだ真っ最中です。でも、最終回が終わった次の週は、あの世界は、50年前の出来事だと思いました。番組が進行しているときは、タイムマシンに入ったようで、1964年から1967年の四年間を一緒に楽しんでいたのです。10月に入ったとたんにそれがやはり50年も前の事だったのだと知らされました。浦島太郎になった気分です。
赤ちゃんができた秋田の優子さんが、皆さんにお知らせのはがきを書いたときの住所もよく見ると、高島先生と一緒に住んでいる幸子さんの団地が、「調布市夕陽が丘の陳代団地」となっています。これはつつじヶ丘の神代団地ですね。古くからの団地です。澄子が住んでいた両国のアパートは、いまは公園に面したマンションが建っています。兼子のアパートは、葛飾区の青砥付近だと思います。中川のくねった川が流れる下町ですね。赤坂とは大違いです。
成功してスター街道を歩み始めた時子は、目黒のマンションです。目黒駅の東側は港区ですから「東目黒」という地名はないのですが、目黒区の東側というと、東横線と山手線と東急目黒線で挟まれた地域ですから、都心ですね。その時このマンション名は「成上マンション」というのも遊び心があって面白いです。このシーンは、1秒ぐらいしか写っていませんから、あとからストップして見るしかないのですが、隅々まで気が張っていてスタッフの充実度も解りますね。
当分、ビデオを見直している限りひよっこロスは感じないのですが、番組が終わってしますと、あの世界が一瞬に50年前の話だったと気づかされます。遠い時代の事だったのだと。
おそらく、続編の番組も作られるでしょうが、皆が前向きで頑張っていた時代は、やはり60年代だと思うのです。70年代からは、バブルへの道を歩み始めます。こんなに善人ばかりではなくなるのでしょうね・・・
みね子は、昭和21年生まれの設定です。番組が大団円したときは、昭和42年ですから、みね子と時子は21歳になった時です。もう結婚したのですから、早いほうですね。でも、高校出の人たちは、社会に出てから三年も経っているのですから、私たちの世代でも何名かいて驚いたものです。当時は、大荒れの学生運動の頃ですから、このひよっこの社会とは全く違う環境にいました。
新宿騒乱、東大紛争、三島事件、1968年から70年までの怒濤の3年間の直前の時代です。昭和三十年代の後半、昭和より五年遅れで35年から始まる1960年代の10年間で、戦争後の日本から大きく変わっていった時代だったのですね。
みね子の家に想定された場所は、茨城県の北部、高萩の奥にあります。実際にはビニールハウスや車庫、トラクター置き場?、などもありますが、撮影の時は撤去したのでしょうか?
その奥茨城村から東京までは、随分と時間が掛かった頃です。みね子の家からバス停までは、一時間ぐらい、そこからバスで高萩駅まで40分ぐらい、高萩から上野までは準急で二時間半、各停で三時間半でした。半日掛かりです。もっとも、今でもそんなには変わりませんね。高速バスで東京駅から高萩までは三時間ですから。やはり遠い所です。
ロスを埋めるために、撮りだめしていたひよっこの録画を見ていました。すると、気がつかなかったことが随分と見えてきて、二度楽しめました。この番組は至る所に伏線がちりばめられていて面白いですね。まずはあのユニークなタイトルバックと桑田佳祐の特徴ある歌です。この前も書きましたが、最初の語尾が何を言っているか解りませんでした。「リル」が「いる」にも「ある」にも聞こえたからです。
私たちの年代では、かれが「渚のシンドバッド」でデビューしたときから、才能とエネルギーには驚嘆しましたが、日本語の発音ではない歌い方には、反発していました。もっとも、彼の歌を標準語で歌っても面白くはないのですが。その為、今回の主題歌も毎日聴いてはいたのですが、意味が通じずよくわかりませんでした。それが判明したのは、「SONGS」で歌詞を見たからです。
そこで、タイトルに流れているのは、元の曲の抜粋だと解りました。また、週の初めの月曜日のタイトルは、スタッフの名前が出ていて、15秒ほど長めのバージョンだと言うことも、普段は出演者だけの短めのバージョンだと言うことも解ってきたのです。普段は1分20秒ほどでまとめています。昭和の感覚があふれるおもちゃやお菓子がならんだタイトルは、ビデオでじっくり見なおすと、隅々まで凝っていて本当に楽しいのです。最終回の最後に出てきたエンディングのタイトルロールでは、ストーリーの進行に合わせて、みね子と愛子さんの名字が変わっていました。そういう細部への気の配り方が素敵ですね。
by TANNOY-GRF
| 2017-10-14 10:45
| 昭和三十年代
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Comments(3)
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mydeerlife310
at 2017-10-22 00:23
機会があったら、みね子の家へ行ってみましょう。
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TANNOY-GRF at 2017-10-22 03:28
奥茨城に美味しいお蕎麦を食べに行くツアーなんかが出来て、観光客で溢れかえるようにならなければ良いのですが・・・私もいつかは行ってみたいです。
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TANNOY-GRF at 2018-01-10 00:13
年末の紅白にひよっこの番外編が放送されましたが、いかにも紅白用に作られた即席で、50年前と今の次元がゆがみ、がっかりしました。特別番組には、浜口庫之助は要らなかったと思います。紅白が終わって年が変わったら、ひよっこの世界は、50年前に戻っていきました。