2007年 02月 14日
想いでの名曲・ Aznavour 東京公演(1) |
アズナヴールの公演が始まりました。ゆっくりと舞台上手から歩んでくるアズナヴール。80歳を過ぎてもなお、歌い続けるシャンソンの第一人者。引退の文字はないと断言される永遠の若者。第一声を聴いて、驚きまた安心しました。全く衰えを感じさせない歌声だったからです。テンポはいぜんから比べるとゆっくりしていますが、キーは変わらず、音程も音量も全く変わりません。アレンジも原曲のイメージを損なわず、美人揃いの弦楽四重奏団を上手に配し一曲づつゆっくりと歌い込んでいきます。
自分のルーツを歌った第一曲の「移民たち・Les emigrants」は、聴衆の反応を探るかのように静かに始まりました。つづく「悲しみのヴェニス ・Qu c'est triste Venise」は言わずも知れた名曲中の名曲です。会場に詰めかけた古くからのファンは、この曲を聴いて安堵の気持ちのなったのが感じられました。同時に身のこころに、様々な想いが去来したのです。早くも隣の女性が、声を殺してすすり泣きを初めました。私も懐かしさに舞台がにじみ始めました。第三曲は「これからは・Desormais」これからは今までの想いを捨て新たに人生を切り開いていくという、「遠い想い出」のアルバムの中に有った大好きな曲です。今での人生を変えていく強い決意が感じられるます。大好きな「想いでの瞳」より一歩踏み越えた曲ですね。
そして、帰り来ぬ二十歳の日々を歌った「青春という宝・Sa jeunesse」のしみじみとした歌い方に、聴衆の想いもその頃の日々へと帰っていきます。過ぎてしまわなければ価値の判らぬ若さという価値。無駄に過ごすことが若さの特権だった日々、、。ゆったりとしたテンポで歌うアズナヴールの深い声に魅了されていました。音程はとても安定して、シナトラのような安心感が感じられます。高域も全く破綻無く伸びていく声に、驚き続けました。
次の曲は「コメディアン・Les comediens」です。想いでの歌の後は一転して明るいでもペーソスを感じさせる曲の構成になっているようです。コメディアンたちが去っていくとき、後ろ向きになって横へ滑るように歩いていく演出も昔の通りでした。もっとも、前のように身は軽くはありませんから、滑るようにとは行きませんが、昔の舞台を彷彿とさせてくれました。一旦舞台の袖に消えた彼は、ゆっくりと凱旋してきます。そして、打楽器がうち鳴らされ、オレンジ色に舞台が染まると、名曲「ラ・マンマ・La Mamma」です。ママが偉大なままが世を去っていく、親戚中が皆集まり別れを告げに来る。
そのママの死につづいて歌われたのは、ラテン風の明るい曲でした。知らない曲でしたので、帰ってから調べました。そして、驚きました。今年の衝撃の新曲「地球は死んでいく・La terre meurt」でした。私の知るかぎりいままでアズナヴールは、これほど社会性を顕わにした曲は作ってこなかったはずです。五月革命も愛の側面から訴えていました。しかし、事は母なる地球の死です。ラ・マンマに引き続いて歌われたのには、大きな意味がありました。
そして、いよいよ「街角の瞳・Et moi dans mon coin」です。11月の私のブログの中でも書いたとおり彼の曲の中の白眉です。特にピアノの伴奏との絡みは絶妙ですね。今回のピアニストも良かったですが、私には68年の実況録音盤のアンリビルスの演奏が耳から離れません。
この稿まだまだつづきます。
そして、帰り来ぬ二十歳の日々を歌った「青春という宝・Sa jeunesse」のしみじみとした歌い方に、聴衆の想いもその頃の日々へと帰っていきます。過ぎてしまわなければ価値の判らぬ若さという価値。無駄に過ごすことが若さの特権だった日々、、。ゆったりとしたテンポで歌うアズナヴールの深い声に魅了されていました。音程はとても安定して、シナトラのような安心感が感じられます。高域も全く破綻無く伸びていく声に、驚き続けました。
そのママの死につづいて歌われたのは、ラテン風の明るい曲でした。知らない曲でしたので、帰ってから調べました。そして、驚きました。今年の衝撃の新曲「地球は死んでいく・La terre meurt」でした。私の知るかぎりいままでアズナヴールは、これほど社会性を顕わにした曲は作ってこなかったはずです。五月革命も愛の側面から訴えていました。しかし、事は母なる地球の死です。ラ・マンマに引き続いて歌われたのには、大きな意味がありました。
そして、いよいよ「街角の瞳・Et moi dans mon coin」です。11月の私のブログの中でも書いたとおり彼の曲の中の白眉です。特にピアノの伴奏との絡みは絶妙ですね。今回のピアニストも良かったですが、私には68年の実況録音盤のアンリビルスの演奏が耳から離れません。
この稿まだまだつづきます。
by TANNOY-GRF
| 2007-02-14 22:49
| 演奏会場にて
|
Comments(4)
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SwingingFujisan
at 2007-02-15 21:30
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トラックバックありがとうございます。当ブログではスパム対策として、コメントもトラバも私のところで一度チェックしておりますので、公開が遅れましたこと、申し訳ありません。
私は、TANNOY-GRFさんほど詳しくありませんので、全部の曲名がわかったわけではありませんが、とにかく非常に感動しました。
私は、TANNOY-GRFさんほど詳しくありませんので、全部の曲名がわかったわけではありませんが、とにかく非常に感動しました。
トラックバックありがとうございました。勝手ながらこちらからもトラックバックさせていただきます。
こちらのブログは本物志向のオーディオマニアの格調の高さを感じます。同じアズナブール好きをご縁にリンクを張らさせていただいて光栄の至りです。時々、よらさせていただきます。
こちらのブログは本物志向のオーディオマニアの格調の高さを感じます。同じアズナブール好きをご縁にリンクを張らさせていただいて光栄の至りです。時々、よらさせていただきます。
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GRFの部屋
at 2007-02-17 00:39
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SwingingFujisan さん、壮大な零さん、コメントとトラックバックありがとうございました。久しぶりのアズナヴールに興奮冷めやらず、しばらくブログは続きます。ご笑覧ください。
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GRFの部屋
at 2007-02-21 11:50
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bliss28さん、こちらこそトラックバックをしていただきありがとうございます。これkらも、美しいお花や夕焼けの景色を楽しませていただきます。クレンペラーの話はこれから本格的にするつもりです。お楽しみに。