2008年 10月 02日
吾輩の主人の部屋 番外編 |
この家の猫は、いつも主人の隣で寝ています。もう、何年もまえからここに居着いているように大きな顔をしています。私が来るといやな顔をする。折角の寝床を取られるからでしょう。
この家の主人とは、中学生の時からの友人だから、そろそろ50年を迎えます。お互いに年とったものです。先日も大阪から今一人の同級生が訪れたときに三人並んで記念写真を撮ったのですが、写真を頼んだ家人が、室内だから暗いけどフラッシュは反射するから焚けないわねと、嬉しそうに笑っていました。憮然としたのですが、お互いを見渡すと自分のことは棚に上げて納得してしまいました。気持ちは何時までも若いのですが、外見は還暦を過ぎたおじさんがそこには居たからです。
先日、買ったばかりのデジタル一眼レフを持って、彼の家に遊びに行きました。お互いカメラ好きですから。もっとも彼の方はライカとローライだから、少々し悔しいのでうすが。私もライカの名前が付くのを持っていますが、実際に製造したのは、ミノルタだからライカとは名ばかりのものです。ライカのレンズも持っていますが、あえてロッコールの方が色合いが良いと負け惜しみを言ってます。しかし、本物のライカは実に実在感がありますね。手の小さい日本人には少々重たく大きい感じもしますが、撮ったときの安定性は抜群です。
彼も鉄道少年でした。あの頃の少年は皆、鉄道マニア(テッチャン)ですが、勿論ホルモン焼きではありません。彼もマミヤの大型の二眼レフを三脚にくくりつけ、中山峠から、十勝峠まで全国を亡くなりつつSLを追い掛けて撮りに回ったものです。いまでも、雪の峠を力強く駆け上ってくる、重連の力強く重い響きが耳に残っています。
そういえば、彼の家の音も、どことなく蒸気機関車の響きがします。存在感のある重い低音や、蒸気バルブを全開したような豪快なサウンドは、北海道の大地、いや遠く満鉄のアジア号にも似た響きなのでしょう。私は残念ながらアジア号の響きを聞いたことは有りませんが、SLも標準軌の大きさになるとスケールが違います。ヨーロッパのSLを見たときに感じてました。蒸気機関車は止まっているときにも、何かがうごめき、熱い蒸気が漏れてきます。背後で加熱されて、爆発するような大きなエネルギーがそこには有ります。彼の家のサウンドを表現しようとすると、蒸気機関車の例えると良いのかも知れません。
ライカに限らず、ドイツ音楽好きの主人は、ドイツものも好きです。車も何代にも渡ってゴルフを乗り継いでいますし、現在のGolf/GTIのDSGが来るまでは、それもすべてマニュアル車でした。低いギアで力強く走るのが好きだと言っています。燃費にはうるさいわりには矛盾していますが、わからぬ訳でもありません。今のGTIも、ショックとスタビライザーは安定するものに変えて乗っています。そういえば蒸気機関車もドイツ車もEMT927+SPU-Aも皆同じカテゴリーなのかも知れませんね。
彼はCDは嫌いです。カーステレオに最初からついていても、CDも一枚も持っていないぐらい、頑固です。意地っ張りなのでしょう。それも一途に!
必然的に聴く音楽はLPレコードだけになる。それも50年代、60年代に限定されてきます。SX68のカッターが出現してから以降の音は、貧弱で聴いていられぬそうです。勝手な造語ですが、重厚超大、崇高峻厳な音を求めています。ドイツ的なものに対する憧れが有るのであるのでしょう。もっとも、一度も外国に出かけていない今時珍しい存在でもあります。海外といえば沖縄どまりでしょうか。それとも八丈島なのかも知れません。実際にドイツに行ったら、あれほどの憧れは持てぬのかも知れないですね。故郷は遠きに在りて思うものなのかも。
50年代のレコードといえば、必然的にモノラルです。カートリッジももの中心になってきました。愛用のCA-25も年代によって音はまったく違います。後期になるほど高音は出てきますが、骨太ではなくなります。またシェルに寄ってもまったく音が違ってくるようです。アームもEMT仕様のオルトフォンですが、モノにはオリジナル仕様のアームがやはりいいようです。オーディオ装置はやはり入力が大事ですね。音のエネルギーは後からでは足せないモノですから。彼のレコードコレクションはいつか詳しく書きましょう。
この家の主人とは、中学生の時からの友人だから、そろそろ50年を迎えます。お互いに年とったものです。先日も大阪から今一人の同級生が訪れたときに三人並んで記念写真を撮ったのですが、写真を頼んだ家人が、室内だから暗いけどフラッシュは反射するから焚けないわねと、嬉しそうに笑っていました。憮然としたのですが、お互いを見渡すと自分のことは棚に上げて納得してしまいました。気持ちは何時までも若いのですが、外見は還暦を過ぎたおじさんがそこには居たからです。
先日、買ったばかりのデジタル一眼レフを持って、彼の家に遊びに行きました。お互いカメラ好きですから。もっとも彼の方はライカとローライだから、少々し悔しいのでうすが。私もライカの名前が付くのを持っていますが、実際に製造したのは、ミノルタだからライカとは名ばかりのものです。ライカのレンズも持っていますが、あえてロッコールの方が色合いが良いと負け惜しみを言ってます。しかし、本物のライカは実に実在感がありますね。手の小さい日本人には少々重たく大きい感じもしますが、撮ったときの安定性は抜群です。
彼も鉄道少年でした。あの頃の少年は皆、鉄道マニア(テッチャン)ですが、勿論ホルモン焼きではありません。彼もマミヤの大型の二眼レフを三脚にくくりつけ、中山峠から、十勝峠まで全国を亡くなりつつSLを追い掛けて撮りに回ったものです。いまでも、雪の峠を力強く駆け上ってくる、重連の力強く重い響きが耳に残っています。
そういえば、彼の家の音も、どことなく蒸気機関車の響きがします。存在感のある重い低音や、蒸気バルブを全開したような豪快なサウンドは、北海道の大地、いや遠く満鉄のアジア号にも似た響きなのでしょう。私は残念ながらアジア号の響きを聞いたことは有りませんが、SLも標準軌の大きさになるとスケールが違います。ヨーロッパのSLを見たときに感じてました。蒸気機関車は止まっているときにも、何かがうごめき、熱い蒸気が漏れてきます。背後で加熱されて、爆発するような大きなエネルギーがそこには有ります。彼の家のサウンドを表現しようとすると、蒸気機関車の例えると良いのかも知れません。
ライカに限らず、ドイツ音楽好きの主人は、ドイツものも好きです。車も何代にも渡ってゴルフを乗り継いでいますし、現在のGolf/GTIのDSGが来るまでは、それもすべてマニュアル車でした。低いギアで力強く走るのが好きだと言っています。燃費にはうるさいわりには矛盾していますが、わからぬ訳でもありません。今のGTIも、ショックとスタビライザーは安定するものに変えて乗っています。そういえば蒸気機関車もドイツ車もEMT927+SPU-Aも皆同じカテゴリーなのかも知れませんね。
彼はCDは嫌いです。カーステレオに最初からついていても、CDも一枚も持っていないぐらい、頑固です。意地っ張りなのでしょう。それも一途に!
必然的に聴く音楽はLPレコードだけになる。それも50年代、60年代に限定されてきます。SX68のカッターが出現してから以降の音は、貧弱で聴いていられぬそうです。勝手な造語ですが、重厚超大、崇高峻厳な音を求めています。ドイツ的なものに対する憧れが有るのであるのでしょう。もっとも、一度も外国に出かけていない今時珍しい存在でもあります。海外といえば沖縄どまりでしょうか。それとも八丈島なのかも知れません。実際にドイツに行ったら、あれほどの憧れは持てぬのかも知れないですね。故郷は遠きに在りて思うものなのかも。
50年代のレコードといえば、必然的にモノラルです。カートリッジももの中心になってきました。愛用のCA-25も年代によって音はまったく違います。後期になるほど高音は出てきますが、骨太ではなくなります。またシェルに寄ってもまったく音が違ってくるようです。アームもEMT仕様のオルトフォンですが、モノにはオリジナル仕様のアームがやはりいいようです。オーディオ装置はやはり入力が大事ですね。音のエネルギーは後からでは足せないモノですから。彼のレコードコレクションはいつか詳しく書きましょう。
by TANNOY-GRF
| 2008-10-02 22:35
| 行ったり来たり
|
Comments(8)
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(Y)
at 2008-10-04 00:12
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やはりハンマートーンはいいなあ! 不思議と和室に合います。その匂いまで伝わってきそうな写真です。しかも僕もモノラル好きなのでたまりません。番外編と言わず、続きをどうぞよろしくお願いします。
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hiablm2
at 2008-10-05 21:33
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私は、SLのサウンドが大好きでした。
FM放送の番組などでの長野の坂道などをあえぎながら登る様子や大迫力の2重連3重連の通過音とか、貨物の前で引く機関車の汽笛に、後ろから押す機関車が、遠くから答える会話のような汽笛の音など、ワクワク、ゾクゾクしながら聴いていました。
また、昔からドイツにあこがれ、今でも車や文化など大好きです。(しかし、車も生活もきわめて和風ですが・・・)
そして、アマチュアオーケストラでオーボエを吹いていて、ドイツのオーケストラのオーボエの音に、恋いこがれています。
そんなこんなで、広いご趣味について読むのを楽しみにしております。
FM放送の番組などでの長野の坂道などをあえぎながら登る様子や大迫力の2重連3重連の通過音とか、貨物の前で引く機関車の汽笛に、後ろから押す機関車が、遠くから答える会話のような汽笛の音など、ワクワク、ゾクゾクしながら聴いていました。
また、昔からドイツにあこがれ、今でも車や文化など大好きです。(しかし、車も生活もきわめて和風ですが・・・)
そして、アマチュアオーケストラでオーボエを吹いていて、ドイツのオーケストラのオーボエの音に、恋いこがれています。
そんなこんなで、広いご趣味について読むのを楽しみにしております。
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宮崎のE
at 2008-10-07 07:42
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とても楽しく読んでいます。素晴らしい文章と写真。何よりもご主人宅の様子が彷彿として伝わってきます。ボクのスタジオKコンプレックスも吹っ飛んでしまいます(^^ゞ
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GRFの部屋
at 2008-10-07 21:45
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やはり、ハンマートーンは良いですね!
本当は、下地の凸凹を隠すために、寅模様にしたのですが、時代を感じさせる風合いが好きです。
私の家では、STUDERのB62だけになってしまいましたが、、、。
私の部屋でもこの秋はモノラル中心に行きたいと思っています。
本当は、下地の凸凹を隠すために、寅模様にしたのですが、時代を感じさせる風合いが好きです。
私の家では、STUDERのB62だけになってしまいましたが、、、。
私の部屋でもこの秋はモノラル中心に行きたいと思っています。
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GRFの部屋
at 2008-10-07 22:25
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Eさん、ご無沙汰しています。無断に逸話を使ってごめんなさい。この頃の「主人宅」の音は卓越しています。
旧いレコードのファンは、一度は聴いてみるべきですね。またレコード収集のポイントもぶれずにますます深化しています。
拙宅とは対極にあるにも関わらず、音に共通性が有るのが、不思議です。同じユニットを使っているから当たり前とも言えるのですが、、、
旧いレコードのファンは、一度は聴いてみるべきですね。またレコード収集のポイントもぶれずにますます深化しています。
拙宅とは対極にあるにも関わらず、音に共通性が有るのが、不思議です。同じユニットを使っているから当たり前とも言えるのですが、、、
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GRFの部屋
at 2008-10-08 05:33
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私も40年間国産車に乗り続けてきました。具体的にはプリンスから旧プリンス系の日産車です。そして、中島飛行機という意味では、スバルのレガしーにも乗っていました。
しかし、燃費の点から常用の二台は1.4L と2L のVWになりました。ドイツ出張の度にレンタカーで燃費の良さを実感していたからです。
吝嗇な自分は、燃費コンテストを毎回行い喜んでいますが、両車とも、抜群の高速安定性と燃費で際だっています。
日本車の方向性が少し心配になるほど差がありますね。
しかし、燃費の点から常用の二台は1.4L と2L のVWになりました。ドイツ出張の度にレンタカーで燃費の良さを実感していたからです。
吝嗇な自分は、燃費コンテストを毎回行い喜んでいますが、両車とも、抜群の高速安定性と燃費で際だっています。
日本車の方向性が少し心配になるほど差がありますね。
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(Y)
at 2008-11-01 18:43
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つい先日、名古屋のS店でSTUDERのB62に対面しました。10年間使われていないので、これからメンテナンスになるかその筋の大家のところに入院になるかという状態のようでしたが、間近に見るとその存在感の凄いこと! 久々に物欲が沸々とわいてきました(笑)。
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GRFの部屋
at 2008-11-02 08:36
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有りましたか!実在感が凄いでしょう!なかなか程度の良いのがないのですが、専門のオーバーホール出来るところを知っています。物欲が湧かれたら、居抜きでご購入ください(笑)。