2009年 10月 11日
アームの取り付け |
モーターの交換を終えてから二週間経ちました。相変わらずの出張続きで一向に時間が出来ません。去年、ユニコーンが導入されたとき、入れ替わりで引き取っていただいたシーメンスやチャトワース、WADIAのプレーヤー等々の差額でSME-Vのアームをお願いしようと思っていました。それで、追加のアームボードを頼んだら前回の予期せぬモーター交換になった訳です。
頼んであったSMEのアームは、以前と比べても価格も上がったのですが、なかなか現物が手に入りません。現用のシリーズVは、LINNのプレーヤー一式と交換した様な記憶があります。アナログプレーヤーは、デジタルや現在遊んでいるテープレコーダーに比べても、格段に費用がかかります。現在の有名なプレーヤーの価格を見ると驚く様な価格帯になっています。電源やアクセサリーで、一昔前のプレーヤーが一式購入で来ますね。オーディオが高級車並みの価格になり、それでなければ良い音が出ないと思い込まされているのではないでしょうか?
銀線のこのケーブルもシリーズVの重要な構成部品です。先日のモーター交換の時に工程ごとに記録を撮って助かったので、今回も手順を記録するために写真を撮って行きました。これでアームの準備は終わり。
しかし問題はこれからです。
このアームベースは、アルミの無垢材からくりぬいた製品です。問題は、SMEのアームコードがアームと90度曲がった方向につけなくてはいけない事です。普通のアームの様に下向きなら最後に付けられるのですが、このひねくれた構造ゆえ、当初からコードを取り付けてからアームを設置しなければなりません。
そのため、仮に取り付けたアームベースを一旦取り外し、アームを取り付けてから、今一度ベースを本体に取り付け無くては行けません。このターンテーブルは大変重く40キロあります。その重い本体を持ち上げ下に崩れない様なしっかりとしたハードカバーの本を何段か挟み込み、その数を調整しながら持ち上げる角度を少しずつ変えて、下部にあるボルトを取り外し、取り付けなくてななりませんでした。
とても、重く危険な作業です。途中で写真を撮る余裕はありませんでしたので、揚々とリ付けた後からの話になります。
カートリッジは、これも15年以上使っているベンツルビーのオリジナルです。針先に少しゴミが付いていますね。それに、使い込んだボディーも貫禄が出てきました。しかし、このルビーだけは甘く、柔らかい音がして格別です。針交換をすると今のシリーズの音になってしまいます。それはそれで良いのですが、初代だけが持っている甘美な世界は格別ですね。それをヘッドアンプは使わず、インピーダンスの相性が合う、トランスとマッチングさせます。それは必ずしも指定のインピーダンスとは限りません。トランスの一次側インピーダンスは、二次側の負荷によって変るからです。
高さ調整は、とても簡単で、高さ調整用ネジをアームの根元に差し、下げる場合はそのネジを緩めてから、アーム全体を押し込み高さを下げます。反対に上げる時は、そのネジを回して行くとアームが持ち上がって行きます。単純だけど巧妙ですね。ネジ式のジャッキみたいです。
昔の評論家で、オーバーハングなど問題ないと、ストレートアーム等を作って発表していた人がいますが、とんでも無い話です。このようないい加減な実験がどれほど、オーディオの本質から人を遠ざけ、自分で追実験もしない風潮を作ってしまったか!それは、いまだに高級雑誌の評論家の言う事を鵜呑みにしている人たちが多いかでも判ります。オーディオの趣味は、自分で触るから面白いのです。触れば必ず音は変ります。ただし、変わった方向が必ずしも良いとは限りません。時間をおいて逆順で実験をしたり、時には友人達の協力を得て、ブラインドテストで確かめる勇気も必要ですね。変ればいいと、基本的な調整(いま行なっている様な事です)も行なわず、ケーブルを変え、インシュレーターを変えて喜んでいます。それも自分で実験すれば良いのに、アクセサリーにも権威主義に走り、高価な物が高級だと単純に思い込んでいるのです。
話がそれました。
アームの根元もしっかりと締めたら、最後にオイルダンプ用のシリコンオイルを注入します。少しずつ慎重に作業しないと溢れ出しえらいことになります。昔はよくその失敗をやりました。純正のオイルはとても高いですから気をつけましょう。
完成です。針圧を調整、インサイドフォースキャンセラーも針圧より少し軽めにかけて音を聴きます。私は何度も聴いていますから、数値が判っていますが、これは経験を重ね、レコードを聴き込み決めてください。よく、私の家を訪れた方々が、針音やレコード特有の雑音がしないと言われますが、ちゃんとアームの調整をして、針圧とインサイド調整合っていれば、針先はしっかりと溝の中に入ります。その場合は、表面だけなめている音とは全く違った深い音がしてきます。レコード表面の多少に傷や、レコードが旧くなったとき聞こえるという、寝ぼけた音も、針先の汚れだったり、溝に入っていない音だからです。私の家のレコードは、勿論何十年も前に購入した物も沢山有りますし、時には何十年も掛けていないレコードもあります。それでもちゃんと溝に入っていれば、同じ様に素晴らしい音でなってくれます。
勿論、だからといって、初版と再版が同じ音がする訳は無いのですが、、、。
頼んであったSMEのアームは、以前と比べても価格も上がったのですが、なかなか現物が手に入りません。現用のシリーズVは、LINNのプレーヤー一式と交換した様な記憶があります。アナログプレーヤーは、デジタルや現在遊んでいるテープレコーダーに比べても、格段に費用がかかります。現在の有名なプレーヤーの価格を見ると驚く様な価格帯になっています。電源やアクセサリーで、一昔前のプレーヤーが一式購入で来ますね。オーディオが高級車並みの価格になり、それでなければ良い音が出ないと思い込まされているのではないでしょうか?
しかし、SMEのシリーズVでなければ調整できない音を二十年以上聴いて来ると、ショートアームでは他にありません。大変高価ですが、旧くなった機器と交換する時が、一番チャンスなのかもしれませんね。これから、また20年以上つかえる本物の機器だからです。この頃は、アームだけ取り付ける人が少なくなったようで、定価から考えると、とても良心的な価格で求められました。
頼んであったアームが来るとまだ、ハーマンのシールが張ってありました。
頼んであったアームが来るとまだ、ハーマンのシールが張ってありました。
銀線のこのケーブルもシリーズVの重要な構成部品です。先日のモーター交換の時に工程ごとに記録を撮って助かったので、今回も手順を記録するために写真を撮って行きました。これでアームの準備は終わり。
しかし問題はこれからです。
このアームベースは、アルミの無垢材からくりぬいた製品です。問題は、SMEのアームコードがアームと90度曲がった方向につけなくてはいけない事です。普通のアームの様に下向きなら最後に付けられるのですが、このひねくれた構造ゆえ、当初からコードを取り付けてからアームを設置しなければなりません。
そのため、仮に取り付けたアームベースを一旦取り外し、アームを取り付けてから、今一度ベースを本体に取り付け無くては行けません。このターンテーブルは大変重く40キロあります。その重い本体を持ち上げ下に崩れない様なしっかりとしたハードカバーの本を何段か挟み込み、その数を調整しながら持ち上げる角度を少しずつ変えて、下部にあるボルトを取り外し、取り付けなくてななりませんでした。
とても、重く危険な作業です。途中で写真を撮る余裕はありませんでしたので、揚々とリ付けた後からの話になります。
カートリッジは、これも15年以上使っているベンツルビーのオリジナルです。針先に少しゴミが付いていますね。それに、使い込んだボディーも貫禄が出てきました。しかし、このルビーだけは甘く、柔らかい音がして格別です。針交換をすると今のシリーズの音になってしまいます。それはそれで良いのですが、初代だけが持っている甘美な世界は格別ですね。それをヘッドアンプは使わず、インピーダンスの相性が合う、トランスとマッチングさせます。それは必ずしも指定のインピーダンスとは限りません。トランスの一次側インピーダンスは、二次側の負荷によって変るからです。
高さ調整は、とても簡単で、高さ調整用ネジをアームの根元に差し、下げる場合はそのネジを緩めてから、アーム全体を押し込み高さを下げます。反対に上げる時は、そのネジを回して行くとアームが持ち上がって行きます。単純だけど巧妙ですね。ネジ式のジャッキみたいです。
そして、オーバーハングです。この調整も実に巧妙で、カートリッジの針先を、専用の治具の針のポイントに入れて、アームの根元の前後調整用のネジを前にやったり、後ろに戻したりして、真上から見た時、治具に印刷されたアームの位置に合わせるだけです。
調整が合うとこのような感じにアームと治具の印刷が重なります。この調整は楽しい作業です。リニアトラッキングアームと違い、オーバーハングの調整が、音質を決める大きな要因となるからです。長ければきつめに、短ければ間の抜けた音になります。ちょうどいいという調整が、SMEの出現以前にはありませんでした。それ以降も在りません。コンマ何ミリでも音は違うのに、その調整が出来ないし、音の比較すら出来ないのです。アームの型番ではよく、212とか309とか言う数字を聞きますね。それは、ターンテーブルの軸の中心から、アームの中心までの長さです。厳密に合わせなければ音は変りますが、他のアームでは調整のしようがないのです。
昔の評論家で、オーバーハングなど問題ないと、ストレートアーム等を作って発表していた人がいますが、とんでも無い話です。このようないい加減な実験がどれほど、オーディオの本質から人を遠ざけ、自分で追実験もしない風潮を作ってしまったか!それは、いまだに高級雑誌の評論家の言う事を鵜呑みにしている人たちが多いかでも判ります。オーディオの趣味は、自分で触るから面白いのです。触れば必ず音は変ります。ただし、変わった方向が必ずしも良いとは限りません。時間をおいて逆順で実験をしたり、時には友人達の協力を得て、ブラインドテストで確かめる勇気も必要ですね。変ればいいと、基本的な調整(いま行なっている様な事です)も行なわず、ケーブルを変え、インシュレーターを変えて喜んでいます。それも自分で実験すれば良いのに、アクセサリーにも権威主義に走り、高価な物が高級だと単純に思い込んでいるのです。
話がそれました。
アームの根元もしっかりと締めたら、最後にオイルダンプ用のシリコンオイルを注入します。少しずつ慎重に作業しないと溢れ出しえらいことになります。昔はよくその失敗をやりました。純正のオイルはとても高いですから気をつけましょう。
完成です。針圧を調整、インサイドフォースキャンセラーも針圧より少し軽めにかけて音を聴きます。私は何度も聴いていますから、数値が判っていますが、これは経験を重ね、レコードを聴き込み決めてください。よく、私の家を訪れた方々が、針音やレコード特有の雑音がしないと言われますが、ちゃんとアームの調整をして、針圧とインサイド調整合っていれば、針先はしっかりと溝の中に入ります。その場合は、表面だけなめている音とは全く違った深い音がしてきます。レコード表面の多少に傷や、レコードが旧くなったとき聞こえるという、寝ぼけた音も、針先の汚れだったり、溝に入っていない音だからです。私の家のレコードは、勿論何十年も前に購入した物も沢山有りますし、時には何十年も掛けていないレコードもあります。それでもちゃんと溝に入っていれば、同じ様に素晴らしい音でなってくれます。
勿論、だからといって、初版と再版が同じ音がする訳は無いのですが、、、。
出て来た音は苦労のしがいがありました。LP EBONYのキレのある音と比べると、幾分柔らかな感じがしますが、TD124とSME3009で聴いていた音とは明らかに違い、深い音が聴こえてきます。モーターが二台で、余裕を持って駆動しているのもあるのかもしれません。
さあ、後一日ある連休は久しぶりにレコード三昧と行きましょう。
さあ、後一日ある連休は久しぶりにレコード三昧と行きましょう。
by TANNOY-GRF
| 2009-10-11 22:43
| オーディオ雑感
|
Comments(2)
Commented
by
(Y)
at 2009-10-11 23:43
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いよいよ完成ですか! まさに威風堂々と言う感じですね。また訪問する楽しみがひとつ増えました(笑)。
Commented
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TANNOY-GRF at 2009-10-12 08:54
ダブルモーターに引き続き、アームも二本にしたら、一遍にウィングが広がったようで、貫禄が出てきました。
このプレーヤーの最大の特徴は、やはりS/N比が良い事ですね。
ダブルモーターにしたら、低域が豊かになったのが不思議です。
このプレーヤーの最大の特徴は、やはりS/N比が良い事ですね。
ダブルモーターにしたら、低域が豊かになったのが不思議です。