2009年 10月 13日
Cさんとの質疑応答 |
先日のコメント欄にCさんのコメントが掲載されました。
皆さんのコメントに刺激され、積み上げていたヴィンテージテープを改めて聴き直しています。古いソースでも少し補正すれば音質の良さと情報量の多さに驚きます。迫力では米プリント、音場の正確さでは国産プリントでしょうか。広大なD・Fレンジの2トラ38に比べ4トラテープの音はホッと和みますし、バランスの良さは音楽を楽しむに充分です。
久しぶりにeBayを覗いて相場が上がっているのに驚きました。単なるノスタルジーではなく再生機器の進化によって、改めてアナログ音源の良さが光を放ちだしたかのようです。ほめすぎるとますます相場が上がりそうですが・・
その記事を受けて(Y)さんから、Cさんへのお問い合わせがありました。
C様
やはりアメリカ・プリントは迫力がありますね。ところで英プリントなのですが、なかなかうまく鳴らず苦戦しています。こういう楽しみは久しぶりなので、あれこれ想いを巡らせています。あまり病気が重篤にならないように注意していますが、GRFさんが強力なウイルスをお持ちなので(笑)。
Y様
かつてSPからLP移行期にさまざまなイコライザカーブが存在したようにテープにも新旧いろんな規格があります(ました)。テープイコライザ規格も米日はNAB、英欧はCCIRが基本ですが、時代によって規格が随分変わっており互換性の面で問題があります。NAB-米・日向けマシン-でCCIR録音テープを再生すれば低域上昇、反対に高域は上昇・下降いずれのケースもあり得ます。それにテープ自身の自己減磁で大抵は高域が落ちています。ご自分の耳で確かめながら400~1000Hzをそのままで、低域50Hzあたり、高域3000Hz以上を上下してみると適正なポイントが見つかると思います。新旧・国産・海外のテープとテレコを適正に再生するにはトーンコントロール機能は必要ですが、これもテープ再生の楽しみの一つと思ってください。
C様
貴重なアドバイスありがとうございます。うちはディスクの方は古いものが多いので、プリアンプがいろいろなイコライザーカーブを調整できるようなものを使用しています。要はその要領ですね。レコードもメーカーにより時代により本当に様々で、またそのベストポイントを見つけ出すのが古い音源を聞く楽しみのひとつですが、仰る通りテープも同様だということを教えて頂き感謝です。色々と楽しんでみます。ありがとうございました。
実は、私も以前同じ様な質問をCさんにお尋ねしたところ、お忙しい中下記の様なご返事を頂きました。(Y)さんのご質問への、より詳しいご回答になりますので、Cさんのご了承を経て転載させていただきます。
Q:お借りしている、IV-Sのマニュアル を読んでみましたが、 CCIRとNABの切り替えが出来るのかが、今イチよく解りません。特性のところには、書いてあるのですが、調整の時に合わせられるだけなのでしょうか?
A: テープレコーダー規格は以前はJIS・BTS・NAB・ICE・DIN・CCIRなど複雑です。また、それぞれに互換性と聴感の点からいくつかの補正カーブが規格化されており、そのための機能と思われます。普通のユーザーは使う機会はほとんどないでしょう。注意することはレコーダーの録再規格が NAB なのか CCIR なのか知っておくことです。同じレコーダーでの録再は問題ありませんが、異機種、とくにヨーロッパ製機種間の録再は注意が必要です。それを知らずに、例えば、NAB で録音されたテープをCCIR 規格のレコーダーで再生するとハイ上がりになりますし逆に CCIR で録音されたテープを NAB レコーダーで再生するとハイ下がりとなり、音質やデッキの評価まで左右しかねません。Nagra を低く評価する人は案外キチンとセットされていない音を聴いているのかもしれません。
その CCIR 規格も、その後変更されて CCIR と NAB の中間のIECが規格化され、現在ではプロ規格として IEC2(NAB)・ IEC1(新CCIR)、ホームユースとして NAB・RIAA・EIA があり事態は複雑怪奇なことになっています。しかも38と19の場合は新旧の規格が混在しておりさらにややこしいことになります。
38cm、IEC2(NAB)=3150+50μs、IEC1(新CCIR)=∞+35μsの場合
NAB 機で録音されたテープを CCIR 機で再生すると高域低下、10kでー2.5dB 、20kでー2.8dB。 逆に CCIR 機で録音されたテープを NAB 機で再生すると高域上昇
19cm、IEC2(NAB)=3150+50μs、IEC1(新CCIR)=∞+50μsの場合。
NAB・CCIR とも低域を除いて高域特性は同じですが、問題は CCIR 機のやや古い機種のばあい時定数が∞+70μSでセットされたケースが多いのでその時は、NAB 機で録音されたテープを CCIR 機で再生すると高域上昇、10kで+2.4dB 、20kで2.5dB。(メリハリが効いた音になる場合このケースかもしれません)逆に CCIR 機で録音されたテープを NAB 機で再生すると高域低下(ヨーロッパ製のレコーデッドテープがこのケース)
大ざっぱには、38の場合 NAB 録音テープを CCIR で再生すると高域低下。19ではNAB 録音テープを CCIR で再生すると互換性に問題なしのケースと高域上昇するケースがあるということです。Nagra の場合同じ機種であっても、新旧によってどちらのケースもあり得ます。テストテープあるいは聴感で高域の上昇・低下を判断し補正する必要があります。
かつてLP 創世期にいろんな規格が混在しましたが、テープレコーダーは録音・再生のプロセスで二重に変わりますのでさらに複雑化します。プロ機の評価が低い場合、案外こんなところに原因があるのかもしれません。耳だけで判断できると一番いいのでしょうが・・
余談ですが、他の機械との互換性はありませんが、Nagra 同士でダビングし Nagraで聴く場合は「Nagramaster」がベストです。時定数が13.5μs(以前は20μs)となっているので高域の補償量が小さくダイナミックレンジが改善されます。欧米ではライブ録音で IV-S+ QGB を Nagramaster で収録し、そのままマスタリングしているケースがあるようです。
参考までに基準周波数(これすらも375〜1kHzとよく変わっていますが、現在はほぼ1kHz)からー3dBの高域時定数と周波数の関係は、90μsー1770Hz、70μsー2270Hz、50μsー3180Hz、35μsー4550Hz、13.5μsー11800Hzです。当たり前の結論ですが、要は自分の耳を頼りに音楽的なセンスや経験値をもとに再生する際に補正することです。
Q: Dolby Bのテープに付いてお伺いしたいのですが、ケルテスのブラームスを購入したのですが、さぞハイ上がりと思っ て再生したところ、殆どそのままで掛かります。これは73年の新しいテープですが、CCIRで聴いている所為でしょうか?
A: DolbyBはヒスノイズを低減させるためのノイズリダンクションですから、周波数帯域とレベルによってエンコード・デコード量が変化します。おおよそシグナルレベルが低く(-20dB以下)てヒスノイズが耳につく4kHz以上の帯域の場合で効果が現れます。フルオーケストラの曲など音量差が大きくて、フルートやVnなど高音域の楽器のPPやソロなどの場合に効果が発揮され、テュッティなどフルボリュームの時は全く動作しません。つまり、音量レベルが高いときはリダクションの効果はなく(必要ない)、フラットな周波数特性で録音されています。通常の音量で高域を強調してエンコードされているわけではありません。音量が平均している器楽曲や室内楽では顕著な効果があるわけではありません。カセットとオープンでは基準点が全く違いますのでカセットほど劇的な効果があるわけでもありません。私はDolbyエンコードテープの再生はユニットを介さず、ほんの少しだけ高域端を落として再生します。それだけでほとんど問題なく再生できます、ただエンコードが強いソフトでは音量変化が激しいときにブレスノイズのような不自然さが耳につくことがたまにありますが・・。いずれにしてもあまり気にする必要はないかと存じます。
Q: 先日購入したテープを聴いていて気がついたのですが、左側のヴァイオリンの音がが少ないので気になり、レベル計をみたら6 dbほど小さかったです。B面側は問題有りません。こんな事は初めてです。B面を掛けるとたしかにハイ上がりですが、聴けないほどでは有りま せん。
A: 海外プリントではよくあるケースで、左右・往復の音量差やハイ落ちは日常茶飯事です。通常プリントは8~16倍速で往復同時(裏面は逆方向)でおこなわれるため、スレーブ(プリント側)のヘッドの汚れやゴミの付着に弱い宿命を持っており、ハイ落ちやレベル差はよく見られます。ご自分の耳を信じて適当に補正して聴かれることをおすすめしますし、テープボックスに音量差などメモっておくと結構便利です。その点日本プリントはレベル変動やドロップアウトが少なく、私の好みは同じアルバムなら音質や特性の素直さでは国産、多少問題があっても平均レベルが高く豪快・ダイナミックさで海外プリントと評価します。
秋の夜長をテープサウンドで過ごしましょう。
Cさん、ありがとうございました。とても詳しく、丁寧なご説明で判りやすいです。これからもよろしくお願いいたします。
皆さんのコメントに刺激され、積み上げていたヴィンテージテープを改めて聴き直しています。古いソースでも少し補正すれば音質の良さと情報量の多さに驚きます。迫力では米プリント、音場の正確さでは国産プリントでしょうか。広大なD・Fレンジの2トラ38に比べ4トラテープの音はホッと和みますし、バランスの良さは音楽を楽しむに充分です。
久しぶりにeBayを覗いて相場が上がっているのに驚きました。単なるノスタルジーではなく再生機器の進化によって、改めてアナログ音源の良さが光を放ちだしたかのようです。ほめすぎるとますます相場が上がりそうですが・・
その記事を受けて(Y)さんから、Cさんへのお問い合わせがありました。
C様
やはりアメリカ・プリントは迫力がありますね。ところで英プリントなのですが、なかなかうまく鳴らず苦戦しています。こういう楽しみは久しぶりなので、あれこれ想いを巡らせています。あまり病気が重篤にならないように注意していますが、GRFさんが強力なウイルスをお持ちなので(笑)。
Y様
かつてSPからLP移行期にさまざまなイコライザカーブが存在したようにテープにも新旧いろんな規格があります(ました)。テープイコライザ規格も米日はNAB、英欧はCCIRが基本ですが、時代によって規格が随分変わっており互換性の面で問題があります。NAB-米・日向けマシン-でCCIR録音テープを再生すれば低域上昇、反対に高域は上昇・下降いずれのケースもあり得ます。それにテープ自身の自己減磁で大抵は高域が落ちています。ご自分の耳で確かめながら400~1000Hzをそのままで、低域50Hzあたり、高域3000Hz以上を上下してみると適正なポイントが見つかると思います。新旧・国産・海外のテープとテレコを適正に再生するにはトーンコントロール機能は必要ですが、これもテープ再生の楽しみの一つと思ってください。
C様
貴重なアドバイスありがとうございます。うちはディスクの方は古いものが多いので、プリアンプがいろいろなイコライザーカーブを調整できるようなものを使用しています。要はその要領ですね。レコードもメーカーにより時代により本当に様々で、またそのベストポイントを見つけ出すのが古い音源を聞く楽しみのひとつですが、仰る通りテープも同様だということを教えて頂き感謝です。色々と楽しんでみます。ありがとうございました。
実は、私も以前同じ様な質問をCさんにお尋ねしたところ、お忙しい中下記の様なご返事を頂きました。(Y)さんのご質問への、より詳しいご回答になりますので、Cさんのご了承を経て転載させていただきます。
Q:お借りしている、IV-Sのマニュアル を読んでみましたが、 CCIRとNABの切り替えが出来るのかが、今イチよく解りません。特性のところには、書いてあるのですが、調整の時に合わせられるだけなのでしょうか?
A: テープレコーダー規格は以前はJIS・BTS・NAB・ICE・DIN・CCIRなど複雑です。また、それぞれに互換性と聴感の点からいくつかの補正カーブが規格化されており、そのための機能と思われます。普通のユーザーは使う機会はほとんどないでしょう。注意することはレコーダーの録再規格が NAB なのか CCIR なのか知っておくことです。同じレコーダーでの録再は問題ありませんが、異機種、とくにヨーロッパ製機種間の録再は注意が必要です。それを知らずに、例えば、NAB で録音されたテープをCCIR 規格のレコーダーで再生するとハイ上がりになりますし逆に CCIR で録音されたテープを NAB レコーダーで再生するとハイ下がりとなり、音質やデッキの評価まで左右しかねません。Nagra を低く評価する人は案外キチンとセットされていない音を聴いているのかもしれません。
その CCIR 規格も、その後変更されて CCIR と NAB の中間のIECが規格化され、現在ではプロ規格として IEC2(NAB)・ IEC1(新CCIR)、ホームユースとして NAB・RIAA・EIA があり事態は複雑怪奇なことになっています。しかも38と19の場合は新旧の規格が混在しておりさらにややこしいことになります。
38cm、IEC2(NAB)=3150+50μs、IEC1(新CCIR)=∞+35μsの場合
NAB 機で録音されたテープを CCIR 機で再生すると高域低下、10kでー2.5dB 、20kでー2.8dB。 逆に CCIR 機で録音されたテープを NAB 機で再生すると高域上昇
19cm、IEC2(NAB)=3150+50μs、IEC1(新CCIR)=∞+50μsの場合。
NAB・CCIR とも低域を除いて高域特性は同じですが、問題は CCIR 機のやや古い機種のばあい時定数が∞+70μSでセットされたケースが多いのでその時は、NAB 機で録音されたテープを CCIR 機で再生すると高域上昇、10kで+2.4dB 、20kで2.5dB。(メリハリが効いた音になる場合このケースかもしれません)逆に CCIR 機で録音されたテープを NAB 機で再生すると高域低下(ヨーロッパ製のレコーデッドテープがこのケース)
大ざっぱには、38の場合 NAB 録音テープを CCIR で再生すると高域低下。19ではNAB 録音テープを CCIR で再生すると互換性に問題なしのケースと高域上昇するケースがあるということです。Nagra の場合同じ機種であっても、新旧によってどちらのケースもあり得ます。テストテープあるいは聴感で高域の上昇・低下を判断し補正する必要があります。
かつてLP 創世期にいろんな規格が混在しましたが、テープレコーダーは録音・再生のプロセスで二重に変わりますのでさらに複雑化します。プロ機の評価が低い場合、案外こんなところに原因があるのかもしれません。耳だけで判断できると一番いいのでしょうが・・
余談ですが、他の機械との互換性はありませんが、Nagra 同士でダビングし Nagraで聴く場合は「Nagramaster」がベストです。時定数が13.5μs(以前は20μs)となっているので高域の補償量が小さくダイナミックレンジが改善されます。欧米ではライブ録音で IV-S+ QGB を Nagramaster で収録し、そのままマスタリングしているケースがあるようです。
参考までに基準周波数(これすらも375〜1kHzとよく変わっていますが、現在はほぼ1kHz)からー3dBの高域時定数と周波数の関係は、90μsー1770Hz、70μsー2270Hz、50μsー3180Hz、35μsー4550Hz、13.5μsー11800Hzです。当たり前の結論ですが、要は自分の耳を頼りに音楽的なセンスや経験値をもとに再生する際に補正することです。
Q: Dolby Bのテープに付いてお伺いしたいのですが、ケルテスのブラームスを購入したのですが、さぞハイ上がりと思っ て再生したところ、殆どそのままで掛かります。これは73年の新しいテープですが、CCIRで聴いている所為でしょうか?
A: DolbyBはヒスノイズを低減させるためのノイズリダンクションですから、周波数帯域とレベルによってエンコード・デコード量が変化します。おおよそシグナルレベルが低く(-20dB以下)てヒスノイズが耳につく4kHz以上の帯域の場合で効果が現れます。フルオーケストラの曲など音量差が大きくて、フルートやVnなど高音域の楽器のPPやソロなどの場合に効果が発揮され、テュッティなどフルボリュームの時は全く動作しません。つまり、音量レベルが高いときはリダクションの効果はなく(必要ない)、フラットな周波数特性で録音されています。通常の音量で高域を強調してエンコードされているわけではありません。音量が平均している器楽曲や室内楽では顕著な効果があるわけではありません。カセットとオープンでは基準点が全く違いますのでカセットほど劇的な効果があるわけでもありません。私はDolbyエンコードテープの再生はユニットを介さず、ほんの少しだけ高域端を落として再生します。それだけでほとんど問題なく再生できます、ただエンコードが強いソフトでは音量変化が激しいときにブレスノイズのような不自然さが耳につくことがたまにありますが・・。いずれにしてもあまり気にする必要はないかと存じます。
Q: 先日購入したテープを聴いていて気がついたのですが、左側のヴァイオリンの音がが少ないので気になり、レベル計をみたら6 dbほど小さかったです。B面側は問題有りません。こんな事は初めてです。B面を掛けるとたしかにハイ上がりですが、聴けないほどでは有りま せん。
A: 海外プリントではよくあるケースで、左右・往復の音量差やハイ落ちは日常茶飯事です。通常プリントは8~16倍速で往復同時(裏面は逆方向)でおこなわれるため、スレーブ(プリント側)のヘッドの汚れやゴミの付着に弱い宿命を持っており、ハイ落ちやレベル差はよく見られます。ご自分の耳を信じて適当に補正して聴かれることをおすすめしますし、テープボックスに音量差などメモっておくと結構便利です。その点日本プリントはレベル変動やドロップアウトが少なく、私の好みは同じアルバムなら音質や特性の素直さでは国産、多少問題があっても平均レベルが高く豪快・ダイナミックさで海外プリントと評価します。
秋の夜長をテープサウンドで過ごしましょう。
Cさん、ありがとうございました。とても詳しく、丁寧なご説明で判りやすいです。これからもよろしくお願いいたします。
by TANNOY-GRF
| 2009-10-13 20:59
| オーディオ雑感
|
Comments(11)
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(Y)
at 2009-10-13 21:30
x
C様、GRF様
どうも有り難うございます。永久保存板です。プリントアウトして保存しておきます。いろいろと疑問に思われていたことが、すっきりしました。こんな話が惜しげもなく伺うことが出来るなんて、本当に有り難い限りです。そして、目の毒の写真の数々! これでNagraウイルスが蔓延しないわけが有りません(笑)。くわばら、くわばら。
どうも有り難うございます。永久保存板です。プリントアウトして保存しておきます。いろいろと疑問に思われていたことが、すっきりしました。こんな話が惜しげもなく伺うことが出来るなんて、本当に有り難い限りです。そして、目の毒の写真の数々! これでNagraウイルスが蔓延しないわけが有りません(笑)。くわばら、くわばら。
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TANNOY-GRF at 2009-10-13 21:38
(Y)さん、凄いでしょう!
このような詳しい情報は得られませんね。Cさんに大感謝です。
昨日、UNICORNさんが来られ、よせば良いのにGRFでStuderB-62で例のナットキングコールの禁断の音を聴かれました。ふふふ。
このような詳しい情報は得られませんね。Cさんに大感謝です。
昨日、UNICORNさんが来られ、よせば良いのにGRFでStuderB-62で例のナットキングコールの禁断の音を聴かれました。ふふふ。
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(Y)
at 2009-10-13 22:24
x
本当にCさんに大感謝です。こういう情報というか知識と言うかノウハウと言うか、もうどんどんと世の中から消えて行くので、大切にしたいと思います。重ねてCさんにはお礼申し上げます。
それはそれとして、
>昨日、UNICORNさんが来られ、よせば良いのにGRFでStuderB-62
>で例のナットキングコールの禁断の音を聴かれました。
また罪なことを!(笑) 最初から横綱級の音源は禁じ手ですよ。それにしても、時同じくして西で東でB-62とナットキングコールは大活躍ですね。
それはそれとして、
>昨日、UNICORNさんが来られ、よせば良いのにGRFでStuderB-62
>で例のナットキングコールの禁断の音を聴かれました。
また罪なことを!(笑) 最初から横綱級の音源は禁じ手ですよ。それにしても、時同じくして西で東でB-62とナットキングコールは大活躍ですね。
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C
at 2009-10-14 10:27
x
回りくどい説明で恥ずかしい限りです。過去のテープに関する文献資料を大分整理しましたので、間違っている記述もあるかもしれません。その際はご容赦とご指摘をお願いします。また、私は決して周波数特性フラット主義ではありませんのそのあたりもご理解ください。
GRFさんのブログにたどり着いたおかげで次々に古いテープを聴いていますが、マイク・スピーカー以外に機械的トランスデューサーを介さない音は耳だけではなく五感全体にやさしいようですぐに居眠りしてしまいます。
B62はほかの上級機やプロ機を含め私が聴いた中では、最も音楽的なテレコです。西欧音楽はこのマシンでしか表現できないとも言えるくらいですし、最後に手許に置きたい2台のうちの1台です。
GRFさんのブログにたどり着いたおかげで次々に古いテープを聴いていますが、マイク・スピーカー以外に機械的トランスデューサーを介さない音は耳だけではなく五感全体にやさしいようですぐに居眠りしてしまいます。
B62はほかの上級機やプロ機を含め私が聴いた中では、最も音楽的なテレコです。西欧音楽はこのマシンでしか表現できないとも言えるくらいですし、最後に手許に置きたい2台のうちの1台です。
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bloed402sinn
at 2015-10-22 21:35
amadeusと申します。小生も長年に亘り2トラ38を楽しんでおります。他のソースでは再生できない圧倒的な情報量がすばらしいと感じている次第です。そしてあなた様のこの記事は大変参考になりました。心より感謝です。
我が家にはプロ用、民生用のオープンデッキが数台ありますが、TEACのR–313CにはCCIR(とNABのどちらかが選べたようです)と速度別にBTS(「またはJIS規格に準じており」と取説には書いてあります)のイコライザーが備えられています。そこでお訊ねですが、「BTSとNABの互換性」についてご教示願えるとありがたいです。
今まではTOAのテープはNAB規格のためほとんどDENONのDN-3603で聴いております。
お忙しいなかと存じますが、なにとぞよろしくお願いします。
我が家にはプロ用、民生用のオープンデッキが数台ありますが、TEACのR–313CにはCCIR(とNABのどちらかが選べたようです)と速度別にBTS(「またはJIS規格に準じており」と取説には書いてあります)のイコライザーが備えられています。そこでお訊ねですが、「BTSとNABの互換性」についてご教示願えるとありがたいです。
今まではTOAのテープはNAB規格のためほとんどDENONのDN-3603で聴いております。
お忙しいなかと存じますが、なにとぞよろしくお願いします。
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C
at 2015-10-23 17:53
x
amadeus様、「BTSとNABの互換性」について横から失礼します。
R-313は真空管テレコの頂点に位置するデッキで、広大なダイナミックレンジ(デジタル全盛の今では死語に近いですが)を誇りTEAC製の4トラテープのマスター収録にも使われた名器ですね。Ampexの350シリーズの日本版といったところでしょうか。
このデッキが発表された1960年代後半から70年代にかけてはNABやIEC-CCIR、JISの改訂がありプロ・業務ユースのテープレコーダ規格が混乱していた時代です。
お訊ねの「BTSとNABの互換性」ですが、放送プログラムの技術交換基準であるCCIRとBTSは共通性が多く38cm/sの高域時定数は同じ35μsとなっています。一方、JISでは19cm/sはNABと同じ高域時定数は50μsですが、38cm/sの規定はありません。ちなみにNABでは38・19cm/sともに50μsとなっています。
結論を言えば「互換性はない」になりますが、テストテープで有名なMRLのWeb http//home.comcast.net/~mrltapes/choo&u.pdf にはNABとIEC1(CCIR)のレベル偏差が記載されており、32Hz -5.56dB, 63Hz -2.31dB, 500Hz -0.18dB, 1kHz 0dB ,4kHz +1.43dB, 8kHz +2.33dB, 10kHz +2.51dB 16k +2.74dBとされています。前にも書かせてもらいましたが、トーンコントロールがあれば低域を下げ、高域をやや持ち上げこのカーブに近づければほとんど支障なく再生できます。ぜひ、名デッキR313でも再生してみてください。
R-313は真空管テレコの頂点に位置するデッキで、広大なダイナミックレンジ(デジタル全盛の今では死語に近いですが)を誇りTEAC製の4トラテープのマスター収録にも使われた名器ですね。Ampexの350シリーズの日本版といったところでしょうか。
このデッキが発表された1960年代後半から70年代にかけてはNABやIEC-CCIR、JISの改訂がありプロ・業務ユースのテープレコーダ規格が混乱していた時代です。
お訊ねの「BTSとNABの互換性」ですが、放送プログラムの技術交換基準であるCCIRとBTSは共通性が多く38cm/sの高域時定数は同じ35μsとなっています。一方、JISでは19cm/sはNABと同じ高域時定数は50μsですが、38cm/sの規定はありません。ちなみにNABでは38・19cm/sともに50μsとなっています。
結論を言えば「互換性はない」になりますが、テストテープで有名なMRLのWeb http//home.comcast.net/~mrltapes/choo&u.pdf にはNABとIEC1(CCIR)のレベル偏差が記載されており、32Hz -5.56dB, 63Hz -2.31dB, 500Hz -0.18dB, 1kHz 0dB ,4kHz +1.43dB, 8kHz +2.33dB, 10kHz +2.51dB 16k +2.74dBとされています。前にも書かせてもらいましたが、トーンコントロールがあれば低域を下げ、高域をやや持ち上げこのカーブに近づければほとんど支障なく再生できます。ぜひ、名デッキR313でも再生してみてください。
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bloed402sinn
at 2015-10-24 18:57
C様、さっそくご丁寧な回答をいただきありがとうございます。小生はずーっとR313とDN–3603の両方でTOA音工房が出していた2トラ38のミュージックテープを聴いていました。しかしDENONの方がより明快な響きになりますので徐々に出番が多くなり、TEACの方は4トラックテープの再生を主にするようになりました。
ところで、小生はより高い鮮度の再生音を求めて、「入力から出口までよりシンプルに」という方向でやってきましたので、ここ数年はいわゆるプリアンプを使っていません。従ってグラフィックイコライザーのようなものももっていませんので、残念ながらトーンをコントロールすることができません。解決法としては、いっそのことR313のイコライザーをNABに変更した方が良いのかもしれませんね。NABの標準デープを入手すれば調整できるものなのでしょうか?もしご存知でしたらご教示いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
ところで、小生はより高い鮮度の再生音を求めて、「入力から出口までよりシンプルに」という方向でやってきましたので、ここ数年はいわゆるプリアンプを使っていません。従ってグラフィックイコライザーのようなものももっていませんので、残念ながらトーンをコントロールすることができません。解決法としては、いっそのことR313のイコライザーをNABに変更した方が良いのかもしれませんね。NABの標準デープを入手すれば調整できるものなのでしょうか?もしご存知でしたらご教示いただけるとありがたいです。よろしくお願いします。
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C
at 2015-10-25 10:22
x
・NABへの変更をお勧めします。
国内ではCCIR-BTSによる2Tr38cmのパッケージソフトはほぼ皆無ですので、NABへの変更をお勧めします。実機と回路図がないので断言できませんが簡単な変更改造でできるはずです。素子の変更が必要な場合もありますが、ディップスイッチの設定や接続換えだけですむかもしれません。一度マニュアルでご確認ください。
ちなみにR313は4トラ再生ができますが、通常は4トラ19cmはNABで設定されていると思われますが、その場合高域時定数は38cmと同じ50μsです。
・変更調整
場合によってはイコライザ素子の変更交換なども伴いますのでテストテープだけの調整では難しいと思います。東京周辺でしたら信頼できる工房がありますので、その他のチェックもかねてメンテナンスされるほうが望ましいでしょう。
国内ではCCIR-BTSによる2Tr38cmのパッケージソフトはほぼ皆無ですので、NABへの変更をお勧めします。実機と回路図がないので断言できませんが簡単な変更改造でできるはずです。素子の変更が必要な場合もありますが、ディップスイッチの設定や接続換えだけですむかもしれません。一度マニュアルでご確認ください。
ちなみにR313は4トラ再生ができますが、通常は4トラ19cmはNABで設定されていると思われますが、その場合高域時定数は38cmと同じ50μsです。
・変更調整
場合によってはイコライザ素子の変更交換なども伴いますのでテストテープだけの調整では難しいと思います。東京周辺でしたら信頼できる工房がありますので、その他のチェックもかねてメンテナンスされるほうが望ましいでしょう。
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bloed402sinn
at 2015-10-25 20:55
C様、またまたご丁寧なアドヴァイスをいただきありがとうございます。マニュアルには書いてありませんが、回路図はあった様な気がしますので一度確認してみます。しかし、いずれにせよ専門家にみていただく必要がありそうですね。再生だけでなく録音のこともありますので(30年以上も昔に一度メンテをしていただきました)。名古屋に住んでおりますので、みていただける人が近くにいればよいのですが・・・。貴重なテープのためにもデッキのためにも、そして私自身のためにも最上の状態で鳴らしたいです。
ありがとうございました。
このR313の再生音は「どっしりと太いのに繊細で温かな音色をもっている」ので解像度以外ではDENONより優れていると思います。予備に新品の録・再ヘッドをもっていますのでDENONのヘッドをいつかこちらに替えてみたいという願望ももっています。
ありがとうございました。
このR313の再生音は「どっしりと太いのに繊細で温かな音色をもっている」ので解像度以外ではDENONより優れていると思います。予備に新品の録・再ヘッドをもっていますのでDENONのヘッドをいつかこちらに替えてみたいという願望ももっています。
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bloed402sinn
at 2015-11-19 21:10
c様、いろいろ貴重な情報をありがとうございます。このページの本文にございます「38cm、IEC2(NAB)=3150+50μs、IEC1(新CCIR)=∞+35μsの場合
NAB 機で録音されたテープを CCIR 機で再生すると高域低下、10kでー2.5dB 、20kでー2.8dB。 逆に CCIR 機で録音されたテープを NAB 機で再生すると高域上昇」という部分について教えていただきたいのですが、この「IEC1(新CCIR)」は何年に以前の旧CCIR規格から変更になったのでしょうか。そしてそれ以前の旧CCIR規格と当時のNAB規格との各周波数ポイントの「差」についてご教示願えるとありがたいのですが・・・。なにとぞよろしくお願いします。
NAB 機で録音されたテープを CCIR 機で再生すると高域低下、10kでー2.5dB 、20kでー2.8dB。 逆に CCIR 機で録音されたテープを NAB 機で再生すると高域上昇」という部分について教えていただきたいのですが、この「IEC1(新CCIR)」は何年に以前の旧CCIR規格から変更になったのでしょうか。そしてそれ以前の旧CCIR規格と当時のNAB規格との各周波数ポイントの「差」についてご教示願えるとありがたいのですが・・・。なにとぞよろしくお願いします。
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bloed402sinn
at 2015-12-17 10:13
GRF様、C様
このブログに出会ったおかげでC様から貴重なアドヴァイスをいただき、我が家のR−313Cの再生規格をCCIRからNABに変更(予備としてとってあったアンプ基板のイコライザーが幸いにもNABタイプでしたので交換)することができました。
再生音を標準テープでテストした結果、20KHzまで軽く伸び、低域のだぶつきもまったくなくなりました。これほど響きが変わるとは本当に驚きです。予想をはるかに超えていました。
時節柄クリスマスオラトリオ(全6巻!)などの2トラ38の世界を堪能しています。本当にありがとうございました。
C様にもどうか感謝の気持ちをお伝えください。よろしくお願いします。
このブログに出会ったおかげでC様から貴重なアドヴァイスをいただき、我が家のR−313Cの再生規格をCCIRからNABに変更(予備としてとってあったアンプ基板のイコライザーが幸いにもNABタイプでしたので交換)することができました。
再生音を標準テープでテストした結果、20KHzまで軽く伸び、低域のだぶつきもまったくなくなりました。これほど響きが変わるとは本当に驚きです。予想をはるかに超えていました。
時節柄クリスマスオラトリオ(全6巻!)などの2トラ38の世界を堪能しています。本当にありがとうございました。
C様にもどうか感謝の気持ちをお伝えください。よろしくお願いします。