2009年 10月 18日
オーディオの本流-1 |
冒頭から真空管マニア垂涎の光景です。これが40年もスタジオで使われて来た機械に見えますか?真空管式テープレコーダーStuderのC-37の内部です。 素晴らしい構成ですね。
10インチのリールが小さく見えます。
外部は永年の使用で、経年変化が見られますが、内部のきれいさは、新品同様の輝きです。
全体の雰囲気は、下の写真のB-62に似ているのですが、出てくる音は全く別の次元の製品です。正直聴かなければ良かったと後悔しています(苦笑)
C-37の伸びやかな音を聴くと、B-62はやはり音は固く(ソリッドステート!)柔らかさも違うのは仕方が無い事でしょう。60年代の屈託の無い録音アルバムは殆ど、この機器が作り出しています。EMIのアービーロードスタジオでの使用は有名ですね。この機器も英国から送られて来たそのマスターテープを再生してレコード作りに使用されていました。今年になって放出されたそうです!
B-62の向こうに見えるのは、TelefunkenのM-15Aです。デュプリケート用に二台使用されています。Studerの力感溢れる音と比べると、少し細身ではありますが、弦楽器の再現性では定評があります。現在はNABカーブにされたそうですが、ヨーロッパのマスターテープをコピーされていた時はCCIRでの再生と録音カーブで使用されていました。現在、私の機器のOHもお願いしている専門家にメンテナンスされていました。隅々まできれいで、動きもスムースで特にヘッドの輝きは見事です。この機器で、デュプリケートされた、昔のオペラの名演のコピーを頂きました。
4トラックテープの再生には、ルボックスの名器E-36と懐かしいワンモーターのターンバーグもありました。 これらの名器に囲まれたオーディオはまさにオーディオ冥利に尽きます。しかし、オーディオはハードを集める事ではありません。ハードはお金と時間を掛ければある程度収集で来ますが、ソフトは長い期間、愛情と情熱を注ぎ、そこに僥倖が訪れなければ出会う事はないのです。この素敵な部屋のオーナーOさん[音楽人さん]がもっとも情熱を注ぎ込んだのは、そのテープの収集でした。 永年に渡り収集されて来た貴重なマスターテープのごく一部です。コピーされるだけで大変な情熱が必要ですね。私もこの広大で奥行きの深い、世界にようやく足を踏み入れられたのかと思うと、胸が弾みます。前回のCさん、今回のOさんの情熱を垣間見てますます、ヒートアップしてきそうです。
全体の雰囲気は、下の写真のB-62に似ているのですが、出てくる音は全く別の次元の製品です。正直聴かなければ良かったと後悔しています(苦笑)
by TANNOY-GRF
| 2009-10-18 11:47
| 行ったり来たり
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Comments(10)
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(Y)
at 2009-10-18 12:11
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口、あんぐり…。
言葉が出ません…。
しかしこういった過去の遺産は、結局個人の情熱でしか守って行くことができないのですね。
言葉が出ません…。
しかしこういった過去の遺産は、結局個人の情熱でしか守って行くことができないのですね。
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TANNOY-GRF at 2009-10-18 12:34
このシリーズは、まだ続きます。
テープレコーダーの向こうに見える機器類を語り始めたら止まりません。
東名集中工事の中、渋滞に耐えてようやくたどり着いた目的地です。これでも冷静にお伝えしているのですよ(爆)
テープレコーダーの向こうに見える機器類を語り始めたら止まりません。
東名集中工事の中、渋滞に耐えてようやくたどり着いた目的地です。これでも冷静にお伝えしているのですよ(爆)
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(Y)
at 2009-10-18 12:51
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おっしゃる通り、デッキの向こうにはマランツのアンプ群、フィリップスの業務用CDブレーヤーがズラズラッと並び、トーレンスもあれもこれも…。今後のご報告が楽しみでもあり怖くもあり(笑)。
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UNICORN
at 2009-10-18 19:22
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凄まじい・・・の一言です!!
何十年と念じているのでしょうね、収まるところに収まるとは良く言った
ものです。
何十年と念じているのでしょうね、収まるところに収まるとは良く言った
ものです。
スケジュールの件ではご迷惑をおかけしております(汗)、、、やっとこの時間で一段落いたしました、、、それにしても、何だかスゴイ感じですね、写真に写った数々の機器たち。
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NEXTNEXT
at 2009-10-19 09:35
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GRFさん
こんにちはNEXTNEXTです
お写真を拝見して、マスターテープをコレクションされている方があるのに驚きました
これまでテープの話題がピンと来なかったのですが、なるほどマスターテープならこれ以上の音源はないなあと納得です
こういうのは雑誌でも見たことがないです、ありがとうございました
失礼します
こんにちはNEXTNEXTです
お写真を拝見して、マスターテープをコレクションされている方があるのに驚きました
これまでテープの話題がピンと来なかったのですが、なるほどマスターテープならこれ以上の音源はないなあと納得です
こういうのは雑誌でも見たことがないです、ありがとうございました
失礼します
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TANNOY-GRF at 2009-10-19 11:34
NEXTNEXTさん
本来は、決して表に出ないコレクションです。日本には深いマニアがおられると安心しました。
>こういった過去の遺産は、結局個人の情熱でしか守って行くことができないのですね。
その通りです。このままでは逸散して行きます。個人の情熱が支えているのです。
本来は、決して表に出ないコレクションです。日本には深いマニアがおられると安心しました。
>こういった過去の遺産は、結局個人の情熱でしか守って行くことができないのですね。
その通りです。このままでは逸散して行きます。個人の情熱が支えているのです。
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TANNOY-GRF at 2009-10-19 11:44
UNICORNさん
ここに写っているのは、オーナーの愛情です。
何十年にわたり愛情を持続する事が一番大事ですね。
オーディオに限りませんが、、、。
ここに写っているのは、オーナーの愛情です。
何十年にわたり愛情を持続する事が一番大事ですね。
オーディオに限りませんが、、、。
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C
at 2009-10-19 16:55
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すばらしい逸品ですね、またGRFさんの画像も素晴らしい。今聴くとこの時代の録音は、現代とは違っておおらかな印象にもかかわらず音楽の骨格をしっかりと表現しているようです。録音エンジニアも音楽で学位を持つほどのスペシャリストもいました。もう一方の雄Ampexの350とともに数多くのレコード(記録)を作ったマシンですね。それにしてもメンテナンスが大変なことでしょう、身につまされます。
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TANNOY-GRF at 2009-10-19 23:38
八月の暑い日に、Cさんのところで拝見した、T-AudioとTelefunkenが脳裏に焼き付いています。メンテナンスの事も詳しくお聴きしました。
Oさんの素晴らしいのは、何と行ってもテープのコレクションです。少しずつ、壮大な計画が動き出しました。是非ご協力ください。
Oさんの素晴らしいのは、何と行ってもテープのコレクションです。少しずつ、壮大な計画が動き出しました。是非ご協力ください。