2010年 02月 19日
3¾と7½の差は? |
お正月からビートルズのモノラルテープを倍速の19センチや時には38センチにダビングしながら、9.5センチのハーフトラックモノラル盤を何巻も聴いて来ました。またた、昨年購入した大量のテープを聴いていると、3¾インチの速度のテープがかなり混じっていました。当初は19センチではないのでさほど音質は期待していなかったのですが、9.5センチを聴き込んで来ると何だかとても音が優しい事に気がつき始めました。4トラックの9.5センチですから、先日の2トラ/38とは次元は全く違う音がします。それでもレコードとは違った安定した音がテープの取り柄ですね。
巻き始めこそテープの状態に左右されがちですが、少し聴き込んで行くとその音楽的な音に引き込まれて行きます。低音部の充実感は、9.5センチの方に一日の長がある様に思えて来ます。さすがに高音部は落ちますが、それでも必要十分な音がするのです。その必要充分が音楽に落ち着きを与えて実に聴き易い音になっています。ちょうど、Quad や昔のIIILZで聴いている様な安定感のある音と言えばお分かり頂けるでしょうか?HiFiだけがオーディオじゃないぞと言われている気がします。
だからこそ、38/2トラのマスターテープの音は次元を超越しています。この音を聴くとオーディオに一喜一憂しているのが、いかに本末転倒な事なのかが誰にも解ってしまうからです。そのマスターテープの方は、プロジェクトが進んでいる事をお話ししましたが、翻って日常聴く音は、この膨大な数のコレクションをどのようにして聴くかに掛かっています。その中での9.5センチテープの話なのです。メディアには特有の個性があります。一長一短と言えば良いのでしょうか、38/2トラの短所は、コストだけですね。後は圧倒的です。
その9.5センチ・3¾インチのテープはクラシックではキャピトル系に多い様です。キャピトル系のテープの音は一番安定していますし、音もゴージャスです。ポピュラーのシナトラやナットキングコールもその中に入ります。後はEPICぐらいしか見ませんね。CBSも、RCA Victorも、Londonも19センチばかりで9.5は無いからです。
9.5センチですと一巻に二つのアルバムが楽々と入ります。最大は、エンジェルから出ている、ケンペ・ウィーンフィルのワーグナー/ローエングリーンです。一巻で3時間半も入っています。レコードは5枚組ですからコストパフォーマンスはすごいですね。ワーグナーの長大な楽劇を聴く場合にはこの圧倒的な長尺は大きな長所になります。
巻き始めこそテープの状態に左右されがちですが、少し聴き込んで行くとその音楽的な音に引き込まれて行きます。低音部の充実感は、9.5センチの方に一日の長がある様に思えて来ます。さすがに高音部は落ちますが、それでも必要十分な音がするのです。その必要充分が音楽に落ち着きを与えて実に聴き易い音になっています。ちょうど、Quad や昔のIIILZで聴いている様な安定感のある音と言えばお分かり頂けるでしょうか?HiFiだけがオーディオじゃないぞと言われている気がします。
だからこそ、38/2トラのマスターテープの音は次元を超越しています。この音を聴くとオーディオに一喜一憂しているのが、いかに本末転倒な事なのかが誰にも解ってしまうからです。そのマスターテープの方は、プロジェクトが進んでいる事をお話ししましたが、翻って日常聴く音は、この膨大な数のコレクションをどのようにして聴くかに掛かっています。その中での9.5センチテープの話なのです。メディアには特有の個性があります。一長一短と言えば良いのでしょうか、38/2トラの短所は、コストだけですね。後は圧倒的です。
9.5センチですと一巻に二つのアルバムが楽々と入ります。最大は、エンジェルから出ている、ケンペ・ウィーンフィルのワーグナー/ローエングリーンです。一巻で3時間半も入っています。レコードは5枚組ですからコストパフォーマンスはすごいですね。ワーグナーの長大な楽劇を聴く場合にはこの圧倒的な長尺は大きな長所になります。
by TANNOY-GRF
| 2010-02-19 23:45
| 好きなテープ
|
Comments(5)
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(Y)
at 2010-02-20 10:55
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テープは9.5cm、19cm、38cmそれぞれに持ち味がありますね。テープスピードの違いが単純に音の善し悪しにつながらないのが面白いです。これがレコードだと、歴然とした違いが出るのですが。それとテープはジェネレーションの差が少ないですね。ハードの維持、テープ保管場所の確保、生テープ入手の難しさなど悩ましい点も多々ありますが、それ以上に魅力が上回るから仕方ないですね。
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desire_san at 2010-02-20 17:14
記事を楽しく読ませていただきました。大変勉強になりました。
私もブログにワーグナー 楽劇「ニーベルングの指環」第2日
楽劇「ジークフリート」の記事を書きましたので是非読んでください。
http://desireart.exblog.jp/10008918/
よろしかったらブログの中に書き込みして下さい。
何でも気軽に書き込んでください
私もブログにワーグナー 楽劇「ニーベルングの指環」第2日
楽劇「ジークフリート」の記事を書きましたので是非読んでください。
http://desireart.exblog.jp/10008918/
よろしかったらブログの中に書き込みして下さい。
何でも気軽に書き込んでください
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TANNOY-GRF at 2010-02-21 14:20
desire_sanさん
コメントありがとうございました。
早速ブログを拝見しました。厳冬期の北八ヶ岳の写真素晴らしいです。今の体力では行けない世界で懐かしく、ちょっぴり寂しくも感じました。
コメントありがとうございました。
早速ブログを拝見しました。厳冬期の北八ヶ岳の写真素晴らしいです。今の体力では行けない世界で懐かしく、ちょっぴり寂しくも感じました。
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TANNOY-GRF at 2010-02-21 14:32
(Y)さん、テープの線速度を考えていたら、当然レコードの線速度も思い起こしました。SPの78は圧倒的ですが、今ひとつ大事なのは、カッティングのピッチ間隔とレベルです。1インチあたりの密度は、SPは30〜40,45回転は200,33回転は240ぐらいです。EP盤の最外周での線速度は29センチですが、それより遅い33回転のLPでも、最外周では50センチ以上有ります。
私は、線速度だけではなく、適したレベル設定とEP盤特有のイコライザー技術であのような音の差が出ているのだと思います。アルバムと違い、その曲に掛ける関係者の熱い思いが音に現れているのではないでしょうか?
私は、線速度だけではなく、適したレベル設定とEP盤特有のイコライザー技術であのような音の差が出ているのだと思います。アルバムと違い、その曲に掛ける関係者の熱い思いが音に現れているのではないでしょうか?
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(Y)
at 2010-02-22 02:00
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GRF様
>アルバムと違い、その曲に掛ける関係者の熱い思いが音に現れているのではないでしょうか?
おっしゃる通りですね。けっきょく人間そのものの差が、結果としての音の差につながる気がします。理屈ではないものを感じてしまいます。
>アルバムと違い、その曲に掛ける関係者の熱い思いが音に現れているのではないでしょうか?
おっしゃる通りですね。けっきょく人間そのものの差が、結果としての音の差につながる気がします。理屈ではないものを感じてしまいます。