2010年 02月 27日
凍てつく大地 2 |
この頃定期的にオランダを訪れていますが、やはり真冬のこの時期は寒かったです。特にメキシコ湾暖流から離れる内陸部は、全ての川や湖が凍り付いていました。先週に比べて今週はそれでもだいぶ暖かくなり、雨が降る様になりました。そのため霧が発生してほとんど写真が撮れませんでした。何時もの堤防もすっきりとしません。この写真は今週後半ですが、月曜日までは全て凍っていました。
こちらの農場は、中央部の方になりますから、かなり様子が違って来ます。 ハイウェイを下りるとそこはほとんど牧場地帯ですね。 どこをとっても絵になります。このような牧場の中に近代的な会社が点在して世界中とネットワークを結んでいるのが、現在の面白さと不思議です。 アムステルダムの市内に戻り、夕方の短い時間を利用して美術館に行って来ました。フェルメールは改修中の今は特別に4枚展示されていますが、誰にも邪魔されず絵を独占して30センチぐらいから見ているとようやく解るディテールに魅了されました。 今回は、レンブラントの絵に時間を掛けてみました。特に魅了されたのは、預言師エレミアの姿です。暗いレンブラント特有の背景の中に悲嘆にくれる預言師の疲れた皮膚と白髪の描写の見事さ、前面に置かれた金属の器の質感と輝き、絨毯の刺繍の細密さ。どれだけの才能と飽くなき探求の密度と時間に感嘆しました。あとから解説を読み、これが24歳の時の作品とは天才の持つ意味に畏敬をおぼえました。 この二枚の絵はクリックすると大きくなります。表情をじっくりとご覧ください。本物はこれとは比較にならないほど陰影に富み、質感があります。
短い時間でも濃密な絵の前に立つと目が本当に疲れます。表に出て人影も疎らな寒い公園の広さに救われました。
by TANNOY-GRF
| 2010-02-27 23:41
| 旅の空
|
Comments(5)
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KT
at 2010-02-28 02:11
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仕事とは言え、ちょっと羨ましい...
フェルメール、日本だと激込みですからね。4枚とは「牛乳を注ぐ女」「恋文」「小路」「手紙を読む青衣の女」でしょうか。日本で見たことのある作品の中では「小路」と「画家のアトリエ」が好きです。
「悲嘆にくれる預言者エレミヤ」も、以前、上野の西洋美術館で開催されたレンブラント展で見たことがあります。レンブラントの作品は、「これぞ油彩画」と、言う気がします。
フェルメール、日本だと激込みですからね。4枚とは「牛乳を注ぐ女」「恋文」「小路」「手紙を読む青衣の女」でしょうか。日本で見たことのある作品の中では「小路」と「画家のアトリエ」が好きです。
「悲嘆にくれる預言者エレミヤ」も、以前、上野の西洋美術館で開催されたレンブラント展で見たことがあります。レンブラントの作品は、「これぞ油彩画」と、言う気がします。
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TANNOY-GRF at 2010-02-28 02:51
羨ましいと思っていただけると嬉しいです(笑)一週間で二千キロあまりを移動するスケジュールの最後の一時間半です。
>4枚とは「牛乳を注ぐ女」「恋文」「小路」「手紙を読む青衣の女」でしょうか。
その通りです。「牛乳を注ぐ女」の青い衣装の絹の様な感触は奇跡としか思えません。角度を代えると光沢が浮かび上がります。ひびとは違うレイヤーにあるので。
この4枚も追加しましょう!
>4枚とは「牛乳を注ぐ女」「恋文」「小路」「手紙を読む青衣の女」でしょうか。
その通りです。「牛乳を注ぐ女」の青い衣装の絹の様な感触は奇跡としか思えません。角度を代えると光沢が浮かび上がります。ひびとは違うレイヤーにあるので。
この4枚も追加しましょう!
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UNICORN
at 2010-02-28 11:55
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>誰にも邪魔されず絵を独占して30センチぐらいから見ていると
ようやく解るディテールに魅了
不思議と写真では判明・目立たない部分が、現物を目の前のして
発見出来ると嬉しくなります、やはり現物は絵と言えども3次元表現であることが実感出来る瞬間ですね。
それにしても美術館訪問は規模の大小を問わず、人生の貴重な
1ページに加えられる瞬間です、2次元的経過ではなく、3次元的な
密度の濃さ、現物の絵からしか得られない感激と同じです!?
ようやく解るディテールに魅了
不思議と写真では判明・目立たない部分が、現物を目の前のして
発見出来ると嬉しくなります、やはり現物は絵と言えども3次元表現であることが実感出来る瞬間ですね。
それにしても美術館訪問は規模の大小を問わず、人生の貴重な
1ページに加えられる瞬間です、2次元的経過ではなく、3次元的な
密度の濃さ、現物の絵からしか得られない感激と同じです!?
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TANNOY-GRF at 2010-02-28 21:53
>やはり現物は絵と言えども3次元表現であることが実感出来る瞬間ですね。
そうです!絵も昔のスライドの写真も奥行きがあり立体的な空間を構成しています。オーディオも同じです。前後左右だけではなく上下方向にも展開する時、ステレオの進化が出て来ます。
置き方次第でスピーカーはどのようにでも展開します。残念ながら、ほとんどの皆さんはその入り口にも立っていない様ですね。
そうです!絵も昔のスライドの写真も奥行きがあり立体的な空間を構成しています。オーディオも同じです。前後左右だけではなく上下方向にも展開する時、ステレオの進化が出て来ます。
置き方次第でスピーカーはどのようにでも展開します。残念ながら、ほとんどの皆さんはその入り口にも立っていない様ですね。
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(Y)
at 2010-03-01 02:37
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>前後左右だけではなく上下方向にも展開する時、ステレオの進化が出て来ます。
やはりモノラルの体験の有る無しが大きいと思います。そこには人間の想像力や、はたまた体験や、色々なその人の今までの過去の経験値を総動員して、受け身ではなく能動的に音楽に関わると言う姿勢がなければ、創造的なステレオの世界を受け止められないと思うのです。
絵画も同様で、その世界に引きずり込まれるような印象を受けたとき、まさしくそこは三次元的世界で、そこから逃げ出せなくなったとき、人は思わずその絵画を自分のものとするに違いありません。恐ろしい世界ですが、至福の時間でもあります。
やはりモノラルの体験の有る無しが大きいと思います。そこには人間の想像力や、はたまた体験や、色々なその人の今までの過去の経験値を総動員して、受け身ではなく能動的に音楽に関わると言う姿勢がなければ、創造的なステレオの世界を受け止められないと思うのです。
絵画も同様で、その世界に引きずり込まれるような印象を受けたとき、まさしくそこは三次元的世界で、そこから逃げ出せなくなったとき、人は思わずその絵画を自分のものとするに違いありません。恐ろしい世界ですが、至福の時間でもあります。