2010年 05月 23日
QUAD ESL-57 |
30年以上前、QUADを購入しようと意を決して出かけた私の前に現れたGRFの箱の顛末は本ブログの二回目に書きました。その後、GRFを使っていても、DYNAUDIOを鳴らしても響きの根底に求めていたのは、そのQUADのスタティックスピーカーの響きだったのかもしれません。いわゆるBritish Soundの原点が、タンノイとクォードにあるからでしょう。
昨年、二回ほど千葉の『QUADを聴く会』に招かれて、4トラックテープを聴いていただきましたが、そのとき再確認したのは、新しいESL63の音よりも、ESL57の響きでした。音の細かさ、定位、後方への音像表現などは、明らかに20年近くの研究を重ねて発表したESL63の方が勝っています。PHILIPSの録音時のモニターに採用されている事からも解ります。それと比べるとESL57は平面波で奥行き間はでないのです。モノラル時代に設計された事が解ります。しかし、それ故に音そのもので勝負していますから、暖かさが感じられます。50年代から60年代初期の録音には抜群の相性なのは、前回の「テープを聴く会」で実証済みです。

大型のSPの替わりに軽くて移動に簡単なESL57を導入しました。30数年振りにもとの時点に戻ったのです。深夜電源を繋ぎ音を出してみました。入れた直後の音は低音が出にくかったのですが、30分ぐらい聴いて行くと音離れが良くなり、どんどん低域が伸びて行きます。オーケストラを聴いても何の遜色無く広大に響いてくるのです。すっかり満足して、夜も遅くなったので小さな音でテレサテンの昔のアルバムを聴いてみました。30年前にアパートで夜遅くスタックスのヘッドフォーン(イヤースピーカー)で聴いていた優しいテレサの声が聞こえてきました。コンデンサー型平面SPの音です。そのまま寝てしまいました。

翌朝は、まだ暗いうちから起きて(笑い)SPの位置の調整と検証です。どの位置が一番響きがいいかいろいろな場所に置いてみました。軽いから楽ですね。平行法・交差法・そのバリエーションをいろいろやってみました。かぶりつきも一番離してもどちらも良いのです。幾分上向きに立っているので音が上に上がってきます。座って聴いているより立って聴いた方が音がはっきりするぐらいです。いやー面白いですね。左右を余り離さずモノラル的にする方が音が埋まりますね。それから1mm単位の微調整もまた10センチ単位の曖昧さもどちらも音に差はありますがそれなりに鳴ってくれます。

音の傾向はやはり50年代の音ですから、SD05はタンノイを鳴らしている100wタイプが良かったです。楽器もまとまりますが、人の声がやはり良いですね。暖かくて優しいです。一方50wのクロック改造バージョンでは、音が細かくなりESL63的な音になります。63もいつか持ち込み聴き比べをしてみたいですね。先日訪れていただいた「QUADを聴く会」の会長さんはGRFの交差法が気に入り、ESL63proで45度配置を実験されている様です。すぐ動かせるのが良いです。家庭用のSPの理想型かもしれません。
追記
早速、古くからの友人を呼んで聴いてもらいました。QUADの奏でる音楽に感心してくれました。音がどうこうと言う次元でないのが良いそうです。私も声楽とバイオリンの音の鳴り方に感心しています。オーケストラも余り大きな音を出すとクリップしますが、その範囲でも充分な音がします。
昨年、二回ほど千葉の『QUADを聴く会』に招かれて、4トラックテープを聴いていただきましたが、そのとき再確認したのは、新しいESL63の音よりも、ESL57の響きでした。音の細かさ、定位、後方への音像表現などは、明らかに20年近くの研究を重ねて発表したESL63の方が勝っています。PHILIPSの録音時のモニターに採用されている事からも解ります。それと比べるとESL57は平面波で奥行き間はでないのです。モノラル時代に設計された事が解ります。しかし、それ故に音そのもので勝負していますから、暖かさが感じられます。50年代から60年代初期の録音には抜群の相性なのは、前回の「テープを聴く会」で実証済みです。



音の傾向はやはり50年代の音ですから、SD05はタンノイを鳴らしている100wタイプが良かったです。楽器もまとまりますが、人の声がやはり良いですね。暖かくて優しいです。一方50wのクロック改造バージョンでは、音が細かくなりESL63的な音になります。63もいつか持ち込み聴き比べをしてみたいですね。先日訪れていただいた「QUADを聴く会」の会長さんはGRFの交差法が気に入り、ESL63proで45度配置を実験されている様です。すぐ動かせるのが良いです。家庭用のSPの理想型かもしれません。
追記
早速、古くからの友人を呼んで聴いてもらいました。QUADの奏でる音楽に感心してくれました。音がどうこうと言う次元でないのが良いそうです。私も声楽とバイオリンの音の鳴り方に感心しています。オーケストラも余り大きな音を出すとクリップしますが、その範囲でも充分な音がします。
by TANNOY-GRF
| 2010-05-23 06:28
| オーディオ雑感
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Comments(13)

>30年以上前、QUADを購入しようと意を決して出かけた私の前に現れたGRFの箱
時は静かに且つDynamicに人間の繋がりの中を経過し、今30年前に夢見ていたシステムが眼前に!!
なにか一編の長編物語を読む思いです、こんな気持ちの高揚感は
御金を払っても経験できませんね、これぞ人生ですね!!
時は静かに且つDynamicに人間の繋がりの中を経過し、今30年前に夢見ていたシステムが眼前に!!
なにか一編の長編物語を読む思いです、こんな気持ちの高揚感は
御金を払っても経験できませんね、これぞ人生ですね!!
30年経っても、人の本質や好みは変らないものだと再確認しました。また、SPは違っても鳴らす人が同じならば、やはり似た様な音になる様です。
あの日千葉に行った事が、今に結実しました。UNICORNさんのお宅を訪問したから、今の和室のサウンドがあるわけですね。こちらはマスターテープやワンビット生録で質が上がり、とんでもない音がしています。この辺りは通常での判断は基準になりません。
あの日千葉に行った事が、今に結実しました。UNICORNさんのお宅を訪問したから、今の和室のサウンドがあるわけですね。こちらはマスターテープやワンビット生録で質が上がり、とんでもない音がしています。この辺りは通常での判断は基準になりません。
ついにを始められたのですね。Mさんから聞きました。千葉のKさんも聴きたがると思います。
ちなみに、ESLは100Vで使われているのでしょうか。
ちなみに、ESLは100Vで使われているのでしょうか。
いやはや、とうとう始めてしまいました。あの日の千葉での体験が30年来埋まっていた時限爆弾に再点火した様です。
ESLは、110V・240v両方で試してみました。ダイナミックレンジが変ります。どちらが良いかはじっくり聴いて行きます。
GRF・T4・Unicorn・ESL57という個性的なSPだけが残りました。
ESLは、110V・240v両方で試してみました。ダイナミックレンジが変ります。どちらが良いかはじっくり聴いて行きます。
GRF・T4・Unicorn・ESL57という個性的なSPだけが残りました。

近日中古esl57入手予定者です。①ESL57の音、110Vと240Vの違いもう少し聞かせて下さい。②240Vの場合、変圧器が必要ですが、機種、入手方法など知りたいです。
アンプは当面手持ちのプリ44、上杉ubros-1、パワーubros10で聞くしかないですが、何かご助言ありましたら教えて下さい。
アンプは当面手持ちのプリ44、上杉ubros-1、パワーubros10で聞くしかないですが、何かご助言ありましたら教えて下さい。

44+405で聴かれれば、110Vで充分です。240Vにすると、いくぶん音が活気づきます。活気有る音がHiFiだと思われている方が多いので、240vじゃなければ駄目だという声になるのでしょう。私は、100vで使っています。405は、数万円でゴロゴロあります是非使って下さい。

初めましてNO.028の中野と申します。(石田さん追悼でホームページに感謝!感謝!を投稿した者です)当方、昔アキュのA-50VでESL57を愛用していた事がありその素晴らしい音楽が忘れられません。ただたしかESLはインピーダンスがある音域で非常に低くなりSD05では長時間のドライブには耐えられと思っていましたが・・・使用して問題ないでしょうか?(当方SD05からアンプを変えるつもりは全くないので)。ぶしつけで申し訳ございませんがお教え頂ければ幸いです、

中野さん 問題は有りません。私も使っていました。しかし、相性から言うと、Quad44+405IIが一番合っています。II+22の真空管より良くなります。皆さん、ESL57は真空管の時代の製品だと思っているのですが、ESL57は1980年代まで製造されていたのです。

SPの設置で左右の壁からの距離でもステレオ感が変わります。
なかなか難しいですね。
私はESL57に特製のハイヒールを履かせました。このSPは床高を上げると高音が素晴らしくなります。
オランダ、フィルップス社ではいまだに音響評価SPとして活躍してるそうです。
http://community.phileweb.com/mypage/myroom/2796/
ご参考に、ここに写真を掲載しましたのげでご覧ください。
なかなか難しいですね。
私はESL57に特製のハイヒールを履かせました。このSPは床高を上げると高音が素晴らしくなります。
オランダ、フィルップス社ではいまだに音響評価SPとして活躍してるそうです。
http://community.phileweb.com/mypage/myroom/2796/
ご参考に、ここに写真を掲載しましたのげでご覧ください。
ESLファンさん コメントありがとうございます。写真を拝見しました。部屋の高さの半分ぐらいのところにSPをおくと途端に音が活き活きとしてきます。私も追加実験を行ってみます。その時は、台の上になるとは思うのですが。

亀レスです。
部屋の高さの半分というのもあります。
ポイントは、リスニングルームで聞く場合、ソファー、椅子に腰かけてすわりますので、その場合の耳の位置にESLのセンターの床高と一致させるのが重要です。音がクッキリ、すっきりとします。現在のライフスタイルに合わせてモデュファイすれば素晴らしい音響装置になります。
ではなぜESLが今のようなデザインになったかという理由があります。第二次大戦後に発売された英国のお金持ちは、深々としたソファに体を置いて聞いたからです。ですから床高はありません。それにモノラルの時代でした。
当時のESLの価格は、当時のベンツ車一台に相当します。ステレオになったときベンツの二台分の金を払わないと買えませんでした。当時にこんなSPを研究して販売する会社があったのです。戦勝連合国の英国と敗戦国家日本のギャップです。
ソニー、松下、ケンウッド、なだたる音響メーカも余裕はありませんでした。
ESLは、オーディオの歴史に残る、残すべきハイファイ音響製品です。
部屋の高さの半分というのもあります。
ポイントは、リスニングルームで聞く場合、ソファー、椅子に腰かけてすわりますので、その場合の耳の位置にESLのセンターの床高と一致させるのが重要です。音がクッキリ、すっきりとします。現在のライフスタイルに合わせてモデュファイすれば素晴らしい音響装置になります。
ではなぜESLが今のようなデザインになったかという理由があります。第二次大戦後に発売された英国のお金持ちは、深々としたソファに体を置いて聞いたからです。ですから床高はありません。それにモノラルの時代でした。
当時のESLの価格は、当時のベンツ車一台に相当します。ステレオになったときベンツの二台分の金を払わないと買えませんでした。当時にこんなSPを研究して販売する会社があったのです。戦勝連合国の英国と敗戦国家日本のギャップです。
ソニー、松下、ケンウッド、なだたる音響メーカも余裕はありませんでした。
ESLは、オーディオの歴史に残る、残すべきハイファイ音響製品です。
57は楽器と同じく平面波なので、すのこにでものせて垂直にしたら良いと思います。アンプは球でしたら、意外と何でも使えたように記憶してます。㏅なんかを鳴らしてはいけません。もったいないですから。ところで私57の丸い電源コードを引っ越しの時紛失してしまいまして20年も57が聞けません。どなたかお譲りいただけないでしょうか?
ESL-57用のACケーブルは、まるとか資格がありますが、ネットで「quad esl57 ac cable」を検索されれば沢山出て来ますね。中には本体ごと買った方が安いのものありますが。現在、全ての価格が上がっています。物で持っている方が被害が少ないかもしれません。