2010年 11月 11日
Consequenceの秘密? |
戻ってきた"Consequence"は、聴き込んで行くうちにますます好調になってきました。SPは、しばらく使わなかった時は、当たりが出てくるまで鳴らし込む事が必要です。そして、各ユニット間の締め込みによる微妙な位置調整も必要な場合があります。4mmのネジで、もし四分の一程ネジが締まったとしましょう。それは0.1mmぐらいの高さの差になります。たったそれだけの差でも二つのユニット間では音の干渉が出てきます。モアレ模様の様に音が干渉してくるのです。
"Consequence"は、コンパウンド方式と呼ばれる、ウーハーのキャビネットが二つに分かれていて、二発のSPが前後で動いているユニークなSPです。横から見ると全体が三つの箱に分かれていて、後ろの箱の上に、前から見えるウーハーの箱が乗っています。その箱を外すと、内部のウーハーが見えます。この写真の表面は何時もは決して見えません。外してみて初めて解るのです。凄いのは内部の仕上げです。まったく見えない筈の内側にも付き板が張ってあります。表と裏の仕上げを一緒にして、経年変化の伸び、縮みに備えているのです。
何故、このように分解する必要があるかと言うと、ウーハーのウレタンエッジが経年変化で劣化して作動しなくなるからです。この部分は、上のキャビネットを外さなくては出来ませんので、長年、"Consequence"を使われている方は、修理に出される必要があります。
現在発売されている、SPはゴムのエッジに変っていますからこの問題は起きませんが、初期のコンシーケンスをお使いの方は、是非、点検されてください。今思うと、10年ぐらいのところで発生していた様に思います。特にこの内部のウーハーは上向きで使われていますので、エッジに掛かる負担が大きい様に思います。
5ウェイ6スピーカーの複雑な構成ですが、各々のユニットの帯域はユニークです。ウーハー部門は最低共振周波数25Hzの少し下の20Hzから800Hzまでの領域の低域の5オクターブを鳴らしています。ピアノの最低音、ラの27.5Hzからソプラノの最高音5オクターブ上のラまでを受け持っているのです。
その上の1オクターブ・800Hz〜1,400Hz(ギターの最高音)をミッドウーハーが、スコーカーは1,400Hz〜2,700Hzも1オクターブ(フルートの最高域)を、そして、ツィーターが2,700Hz〜15,000Hzの3オクターブ以上を再現して、その上にスーパーツィーターが、15,000Hz以上の倍音再生を受け持っています。
ピアノの最高音は4,186Hzですから、現在の殆どのSPは50Hzから4,000Hzぐらいまではカバーしています。倍音成分の5,000Hz以上を受け持たす2ウェイ方式で充分音楽は再生で来ます。最低域の1オクターブ以外は、再現できているわけです。それを、あえて5分割して、小さな音から大きな音までを歪み無く再現する為に、このような大掛かりな仕組みが必要となってくるのです。ウーハーとミッドウーハーの所を6dbで繋ぎ、その他は12dbの減衰率です。楽器の一番活躍する音域は、ミッドウーハーとスコーカーが1オクターブだけを受け持つと言う贅沢な配置が、音に躍動感を与えています。
聴き込んで来ると、今まどうして聴こえなかったのかが、いぶかしくなるほどいろいろな音がしてきます。特に小さい音が聴こえるのは、眼鏡の曇りをきれいに洗い、度数も合わした様に聴こえてくるのです。そして、クレッシェンドしても一切混濁しないから、聴いていて気持ちがいい音がします。不思議なのは、83dbと音圧は低いのですが、音の立ち上がりが早い所為か、能率が高いSP特有の軽い音がするのです。
マーラーの音楽に良く登場する、ハープやカウベルの音が、実物が鳴っているかの様な実在感のある音で鳴ります。それと特筆すべき点が人間の声の再現性です。ドイツリートの密やかな音も、イタリアオペラ歌手の圧倒的な大音響の時も、音色の変化、ハーモニーが浮かび上がってきます。コーラスは、SPから放射された声が空中でハーモニーになるのは驚きです。
先日のグラモフォン111周年アルバムに入っている、Abbadoのカルメンの4曲面に出て来る子供の声のコーラスがありますが、その音を聴いて本当に驚きました。会話の部分のホールの残響感やオーケストラの遠近感が手に取る様に解ります。5.1chチャンネルの必要性がどこにあるのかと訝るほどの三次元的に奥行きのあるステージが出現します。
驚きの毎日です。
今日の七時頃です。だいぶ紅葉が進みましたね。
"Consequence"は、コンパウンド方式と呼ばれる、ウーハーのキャビネットが二つに分かれていて、二発のSPが前後で動いているユニークなSPです。横から見ると全体が三つの箱に分かれていて、後ろの箱の上に、前から見えるウーハーの箱が乗っています。その箱を外すと、内部のウーハーが見えます。この写真の表面は何時もは決して見えません。外してみて初めて解るのです。凄いのは内部の仕上げです。まったく見えない筈の内側にも付き板が張ってあります。表と裏の仕上げを一緒にして、経年変化の伸び、縮みに備えているのです。
何故、このように分解する必要があるかと言うと、ウーハーのウレタンエッジが経年変化で劣化して作動しなくなるからです。この部分は、上のキャビネットを外さなくては出来ませんので、長年、"Consequence"を使われている方は、修理に出される必要があります。
現在発売されている、SPはゴムのエッジに変っていますからこの問題は起きませんが、初期のコンシーケンスをお使いの方は、是非、点検されてください。今思うと、10年ぐらいのところで発生していた様に思います。特にこの内部のウーハーは上向きで使われていますので、エッジに掛かる負担が大きい様に思います。
5ウェイ6スピーカーの複雑な構成ですが、各々のユニットの帯域はユニークです。ウーハー部門は最低共振周波数25Hzの少し下の20Hzから800Hzまでの領域の低域の5オクターブを鳴らしています。ピアノの最低音、ラの27.5Hzからソプラノの最高音5オクターブ上のラまでを受け持っているのです。
その上の1オクターブ・800Hz〜1,400Hz(ギターの最高音)をミッドウーハーが、スコーカーは1,400Hz〜2,700Hzも1オクターブ(フルートの最高域)を、そして、ツィーターが2,700Hz〜15,000Hzの3オクターブ以上を再現して、その上にスーパーツィーターが、15,000Hz以上の倍音再生を受け持っています。
ピアノの最高音は4,186Hzですから、現在の殆どのSPは50Hzから4,000Hzぐらいまではカバーしています。倍音成分の5,000Hz以上を受け持たす2ウェイ方式で充分音楽は再生で来ます。最低域の1オクターブ以外は、再現できているわけです。それを、あえて5分割して、小さな音から大きな音までを歪み無く再現する為に、このような大掛かりな仕組みが必要となってくるのです。ウーハーとミッドウーハーの所を6dbで繋ぎ、その他は12dbの減衰率です。楽器の一番活躍する音域は、ミッドウーハーとスコーカーが1オクターブだけを受け持つと言う贅沢な配置が、音に躍動感を与えています。
聴き込んで来ると、今まどうして聴こえなかったのかが、いぶかしくなるほどいろいろな音がしてきます。特に小さい音が聴こえるのは、眼鏡の曇りをきれいに洗い、度数も合わした様に聴こえてくるのです。そして、クレッシェンドしても一切混濁しないから、聴いていて気持ちがいい音がします。不思議なのは、83dbと音圧は低いのですが、音の立ち上がりが早い所為か、能率が高いSP特有の軽い音がするのです。
マーラーの音楽に良く登場する、ハープやカウベルの音が、実物が鳴っているかの様な実在感のある音で鳴ります。それと特筆すべき点が人間の声の再現性です。ドイツリートの密やかな音も、イタリアオペラ歌手の圧倒的な大音響の時も、音色の変化、ハーモニーが浮かび上がってきます。コーラスは、SPから放射された声が空中でハーモニーになるのは驚きです。
先日のグラモフォン111周年アルバムに入っている、Abbadoのカルメンの4曲面に出て来る子供の声のコーラスがありますが、その音を聴いて本当に驚きました。会話の部分のホールの残響感やオーケストラの遠近感が手に取る様に解ります。5.1chチャンネルの必要性がどこにあるのかと訝るほどの三次元的に奥行きのあるステージが出現します。
驚きの毎日です。
今日の七時頃です。だいぶ紅葉が進みましたね。
by TANNOY-GRF
| 2010-11-11 04:56
| コンシーケンス
|
Comments(2)
Commented
by
とおりすがり
at 2010-11-12 07:30
x
私が不思議に思うのはツイーターが下にある倒立配置です。
一般的にはツイーターは耳の高さに揃えるものがおおいのに
どうしてそのようになっているのでしょう。
以前販売店で試聴させていただいたとき
何か床近くに定位しそうだと思っていたのに普通だったので
びっくりしました。
一般的にはツイーターは耳の高さに揃えるものがおおいのに
どうしてそのようになっているのでしょう。
以前販売店で試聴させていただいたとき
何か床近くに定位しそうだと思っていたのに普通だったので
びっくりしました。
Commented
by
TANNOY-GRF at 2010-11-12 07:38
この倒立配置が、DYNAUDIOの特徴ですね。実際に音を聴くと、SP全体から音が聴こえる一体感があります。そして上に音が抜けて行くのです。ウーハーを下にすると、低音のボリュームは床の反射で倍増して、迫力ある音になりますが、音はバラバラになってしまいます。15,000以上を受け持っているスーパーツィターの働きもとても顕著です。
何よりも、Confidence 5 と違うのは、音の実在感です。ピアノの共鳴している他の弦の音もリアルに再現するし、音の輪郭がしっかりしています。真鍮のリングが大きな役割を果たしている様ですね。
何よりも、Confidence 5 と違うのは、音の実在感です。ピアノの共鳴している他の弦の音もリアルに再現するし、音の輪郭がしっかりしています。真鍮のリングが大きな役割を果たしている様ですね。