2011年 02月 20日
UnicornとESL57の音場の違い |
またまた忙しい一週間を終えて帰ってくると、さっそく部屋を暖めることから始めます。空気清浄機の水を補給して、アンプのスイッチを入れ、さっそくCDを掛けました。SD05の最大の美点は、ウォーミングアップが要らないということにあります。熱損失が一割も無いという、超経済的なアンプでもあります。欠点は、どんなに大音量を出しても、いっこうに部屋が暖まらないことです。それどころか、アルミの天板の上を触っても、冷たい具合ですから(笑)。
出てきた音質はQuadの平面SPとは、音色的な点では極めて似ているのですが、音場は全く違います。というよりESL57は普通のSPのような音場は出していないのです。前にも後ろにも拡がりはしません。振動膜が音源となってその部屋に音が浸透していくのです。当然その音は、会場の残響も含んでいますから、コンサートホールのような響きはするのですが、部屋の中に音場は浮かび上がらないのです。それでも極めて美しい音質なので、音楽は充分以上楽しめます。

(GRFの部屋にESL57が有った頃の写真です。)
そのことは、音を聴きながらESL57の間を通り過ぎるとよく分かります。音が出ているのは平面上の二次元空間なのです。この感覚は、どこかで聴いたことがあります。位相の良く合ったSPで聴くモノラルの音と同じです。SPが一つなのに、会場の残響を忠実に再現しますから、ホールの音は聞こえるのです。しかし、その空間の中には入れません。SPが音源となりステージ上に並んでいるのです。しかし再現されている音は極めて質の高いいい音なのです。同じ事が、ほかの平面型SPでもいえます。Mさんのアポジーもステージの被り付きで聴いているような臨場感があります。
さて、和室でのSPはGerman Physiks のUnicorn-woodです。この原稿を書いているコンピューターもこの部屋にありますから、この記事を書いている最中も何かしらUnicornできいているので、「GRFのある部屋」で聴いているより時間が長く、実質的にはUnicornが常用機になります。このSPは当時German Physiksを使用されていたTaoさんのご紹介で訪問したUNICORNさんのお宅で初めて聴かせていただきました。驚きました。そのステージ感と音離れの良さにです。とても、シングルSPとは思えない低音の量感にも、360度方向に広がるユニークな音場にも興味を抱きました。UNICORNの音が忘れなく、再訪させていただいたときは、編集中のビッグバンドの録音(タッド氏による)をお持ちしました。そして、その位相特性の素晴らしさに驚きました。その時、これは何とかして探さなければと決意したのです。
探していたUnicornが見つかったのは、一年後のことでした。三代目のオーナーがあきらめたところだったので価格的にも幸運でした。持ち込んだ来たとき、オーディオ店の店主の「ちゃんとならせば鳴るじゃないか」といわれたのが印象的でした。前のオーナーは苦労されたのでしょう。簡単に鳴ることは鳴るのですが、UNICORNさんのお宅のような音はそう簡単にはなりません。それから、さんざん調整して、最終的には和室の指定席を得たのです。

360度音を放射するユニークなユニットと横向きに置くと前後に放射されるバックロードホーンからの低音、そして、美しいエンクロージャーからも音が鳴ります。上手くなっているときの音は、上部のユニットから音はしません。キャビネット全体から音が出ているのですが、その姿が消えているのです。左右のユニットの間に、ステージが出現します。後ろの壁も消えて、二階席からオーケストラやオペラの舞台を見下ろしているようにステージが出現します。このような経験は、『デコラ』だけです。
あたかも、三次元ホログラムのように音が出現するのです。SPの存在は消えています。その消えているという次元で、ESL57と同じなのですが、57はステージは出ません。厚みが無いのです。でも音は前にも後ろにも放射され、音楽が鳴り響きます。不思議です。ステージや舞台は出現しないのですが、臨場感はあるからです。Unicornは実在感はあるのですが、SPが鳴っているという感じはしません。
このユニークな、それでも凄く音の良いSPがもっと普及しないのは不思議です。Unicornは販売価格の設定や鳴らし方の指導がなかったからでしょう。ESL57は時代を先取りしすぎていたのです。真価が出始めたのは、CD時代に入ってからだと思います。でもその時は、ESL63に変わっていたのです。
この二つのユニークな二つのSPを所持できたのは、とてもラッキーなことだと、両方のSPへのきっかけを与えてくれたTaoさんに感謝しています。
出てきた音質はQuadの平面SPとは、音色的な点では極めて似ているのですが、音場は全く違います。というよりESL57は普通のSPのような音場は出していないのです。前にも後ろにも拡がりはしません。振動膜が音源となってその部屋に音が浸透していくのです。当然その音は、会場の残響も含んでいますから、コンサートホールのような響きはするのですが、部屋の中に音場は浮かび上がらないのです。それでも極めて美しい音質なので、音楽は充分以上楽しめます。

そのことは、音を聴きながらESL57の間を通り過ぎるとよく分かります。音が出ているのは平面上の二次元空間なのです。この感覚は、どこかで聴いたことがあります。位相の良く合ったSPで聴くモノラルの音と同じです。SPが一つなのに、会場の残響を忠実に再現しますから、ホールの音は聞こえるのです。しかし、その空間の中には入れません。SPが音源となりステージ上に並んでいるのです。しかし再現されている音は極めて質の高いいい音なのです。同じ事が、ほかの平面型SPでもいえます。Mさんのアポジーもステージの被り付きで聴いているような臨場感があります。
さて、和室でのSPはGerman Physiks のUnicorn-woodです。この原稿を書いているコンピューターもこの部屋にありますから、この記事を書いている最中も何かしらUnicornできいているので、「GRFのある部屋」で聴いているより時間が長く、実質的にはUnicornが常用機になります。このSPは当時German Physiksを使用されていたTaoさんのご紹介で訪問したUNICORNさんのお宅で初めて聴かせていただきました。驚きました。そのステージ感と音離れの良さにです。とても、シングルSPとは思えない低音の量感にも、360度方向に広がるユニークな音場にも興味を抱きました。UNICORNの音が忘れなく、再訪させていただいたときは、編集中のビッグバンドの録音(タッド氏による)をお持ちしました。そして、その位相特性の素晴らしさに驚きました。その時、これは何とかして探さなければと決意したのです。
探していたUnicornが見つかったのは、一年後のことでした。三代目のオーナーがあきらめたところだったので価格的にも幸運でした。持ち込んだ来たとき、オーディオ店の店主の「ちゃんとならせば鳴るじゃないか」といわれたのが印象的でした。前のオーナーは苦労されたのでしょう。簡単に鳴ることは鳴るのですが、UNICORNさんのお宅のような音はそう簡単にはなりません。それから、さんざん調整して、最終的には和室の指定席を得たのです。

360度音を放射するユニークなユニットと横向きに置くと前後に放射されるバックロードホーンからの低音、そして、美しいエンクロージャーからも音が鳴ります。上手くなっているときの音は、上部のユニットから音はしません。キャビネット全体から音が出ているのですが、その姿が消えているのです。左右のユニットの間に、ステージが出現します。後ろの壁も消えて、二階席からオーケストラやオペラの舞台を見下ろしているようにステージが出現します。このような経験は、『デコラ』だけです。
あたかも、三次元ホログラムのように音が出現するのです。SPの存在は消えています。その消えているという次元で、ESL57と同じなのですが、57はステージは出ません。厚みが無いのです。でも音は前にも後ろにも放射され、音楽が鳴り響きます。不思議です。ステージや舞台は出現しないのですが、臨場感はあるからです。Unicornは実在感はあるのですが、SPが鳴っているという感じはしません。
このユニークな、それでも凄く音の良いSPがもっと普及しないのは不思議です。Unicornは販売価格の設定や鳴らし方の指導がなかったからでしょう。ESL57は時代を先取りしすぎていたのです。真価が出始めたのは、CD時代に入ってからだと思います。でもその時は、ESL63に変わっていたのです。
この二つのユニークな二つのSPを所持できたのは、とてもラッキーなことだと、両方のSPへのきっかけを与えてくれたTaoさんに感謝しています。
by TANNOY-GRF
| 2011-02-20 10:07
| 和室のユニコーン
|
Comments(3)

ESL57とUnicorn、両手に花だからこそ、夫々の特徴ある音場
感の差が的確に表現されていますね!!当方もなるほど・・
と感心しきりです。
それにしても今回Unicornの移動前後の写真を見る事が出来、
久方ぶりに感傷Timeに浸ることが出来ました。
ところで日本に輸入された他のUnicorn達(8-9システム)
は今頃何処でそのUniqueで美しい姿を鑑賞されているのでし
ょうかね?
感の差が的確に表現されていますね!!当方もなるほど・・
と感心しきりです。
それにしても今回Unicornの移動前後の写真を見る事が出来、
久方ぶりに感傷Timeに浸ることが出来ました。
ところで日本に輸入された他のUnicorn達(8-9システム)
は今頃何処でそのUniqueで美しい姿を鑑賞されているのでし
ょうかね?
UNICORNさん、だんだんほかのSPとの違いが見えてきました。
同じUNICORNを使っていても、全く違うアプローチですが、来週から一段とUNICORNのレベルアップを謀るつもりです。
お楽しみに!
同じUNICORNを使っていても、全く違うアプローチですが、来週から一段とUNICORNのレベルアップを謀るつもりです。
お楽しみに!
考えてみれば、UNICORNさんをご紹介いただいたのも、UNICORN 仲間のAさんも、「QUADを聴く会」の皆さんも、Taoさんのご紹介でした。そのご本人が、German PhysiksもESL57ももう持っていないなんて、少し早とちり過ぎるような気がします。それなのに、私がお話ししたST-100の前で『背徳の極み」を演じているなんて、、、(爆)。
チューバホーンさん、今日のTaoさんのコメントはいかがでしたか?
チューバホーンさん、今日のTaoさんのコメントはいかがでしたか?