2011年 03月 23日
ハートレーを聴いて |
GRFさま
先日は遅くまでありがとうございました。私自身は、オーディオマエストロさんで何度かハートレーを聴いており、音の素晴らしさは確認済みです。でも普通に入手するにはタマ数が少なすぎて現実的ではないスピーカーでした。
今回GRFさんと訪問した是枝さんのオーディオマエストロでは、ハートレーのコンサートマスタータイプが2台ありました。これは是枝さんが新品のハートレーユニットで組み上げたものです。私個人は昔から是枝ファンであり、同邸を何回か訪問しておりますが、以前はGRFさんのものと同じオリジナルのタイプのものがあり、その際に試聴することが出来ました。
是枝邸では常に左右のスピーカーは大きく離されておりますが、全く中抜けすることはありません。是枝さんご本人も左右を離したセッティングがお好きであるとおっしゃっておりました。現在GRFさんがセッティングされている方法と同じです。
僭越ながら是枝邸の個人的な感想を申し上げますと、圧倒的な美音です。真空管アンプから想像される古い音では全くありません。広帯域・高解像度で音が四方に大きく拡がります。特に上下の拡がりは特筆出来ると思います。音に実在感があって実に気品があります。特徴的なのは高音部で、決して丸まることはなく、少しきつめの突き刺さるか突き刺さらないかの絶妙なバランスを保ちながら、音がキラキラと空間を舞います。私にとってはツボに嵌る音です。
そんな経験を踏まえて、今回の感想をまとめてみました。といっても余りまとまっておりませんが(笑)時間をかけてなどと思ったのですが、瞬間芸術は直ぐに抽象化されて個人のイメージに曲げられてしまうので、この程度でお許し下さい。
「音楽の神は常に我々のそばにいる」
横配置で置かれたハートレーは、長年の風雪に耐えた威厳を持って静かに迎えてくれました。最初はGRFさんもおっしゃっているとおり、若干の内振りで鳴らし始めました。最初はレコードで森山良子さんの「セフィニ」です。少し口が大きいのですが、何しろこの中域から高域にかけて、ヴィヴィッドで色気のある音味に先ずやられてしまいます。そして60cmウーハーの低域の下支えはステージをみごとに具現します。そして録音スタジオそのままの気配が再生されます。私が思うに、フルレンジ帯域をカバーしているミッドのMS220が本当に素晴らしい働きをしていると思います。もちろんそれらを繋ぐネットワークも本当に秀逸なのでしょう。
フルオケになると、もう目の前がコンサートホールです。あれだけスピーカーを離して設置しているのですが全く中抜けしません。ボーカルは歌手が真ん中にスッと立ち、指揮者のタクトが見えそうな実在感です。
再び申し上げますが、この音を言葉にするならば、「解像度が高く広大に音場が拡がり、ヴィヴィッドで色気のある中高域と深い低音が、いとも簡単に出る」、という感じでしょうか?言葉に置き換える作業は難しいですね。オーディオ評論家には慣れないでしょう(笑)
レコード、CD、デジタルデータと聴き、少しだけ掟破りの2tr/38のテープをかけると、もう絶句です!!再生装置のクオリティで、音がごろごろと変わります。コンシークェンスの音と確かに似ていますが、音が軽々と、そして実在感を伴いながら少しだけ鮮やかに脚色されて出てくるのです。アンプ選びもコンシークェンスのように難しくはないでしょう。鳴らし易いのは圧倒的にハートレーだと思います。
最後に内振りを無くして平行にすると、少し気になっていたボーカルの口の大きさが等身大になり、奥行き感が更に出て立体的になりました。左右の干渉が減ったのでしょうか、本当に自然です。
何かとりとめの無い感想ですが、GRFさんには「あがりの音ですね」と申し上げました(笑)。自宅に帰る道すがら、少しアルコールの入った身体を冷ましながら、「後はキワもの、危なっかしいものしかないかもしれない」などと思いを巡らせていました。でもこのハートレーはもっともっと進化すると思います。ハートレーの酸いも甘いもかみ分けた是枝さんのアンプという魔法が残っています。更に期待しましょう!
*******************************
Oさん
ご感想をありがとうございます。私もまったく同じ感想ですね。何しろ音が、何のストレスも無く、楽々と鳴っているのが印象的です。そして、レコードもテープもCDもよいところだけが聞こえてきて本当に楽しいです。鳴らしどころを知っているというか、SPは正統的にストレートで勝負すれば良いのだと言っているようです。子供野球教室で村田兆治が140キロのストレートを投げ込んでくるのと同じ感覚ですね。本物を味合わせないと解らない怖さと楽しさがあります。
この非常時に、二人して何をやっているのだ!とおしかりの言葉も聞こえそうですが、この状況だからこそ今やっておかなければ!との気持ちもあります。2006年の4月からはじめた本ブログも、その五年の間に、GRF→ PSD T4→ UNICORN→ ESL-57→ Consequence→ Hartley Concert Master VI と変遷を重ねてきましたが、Oさんネーミングの『神様が舞い降りた』コンシーケンス以降は、まるで何かに追われるように、スピードが加速してきました。各々全てが個性的なSPばかりですが、鳴らしている人間が同じですから、同じような音にしかならないのは仕方有りません。しかし、今回のHartleyはその枠を、見事に取り壊してくれたようです。
吝嗇で欲張りな性格から、これらを全て併用して鳴らしています。当然物理的に一時はお休みせざるを得ないSPも有りますが、AからBへと飛び回るのではなく、UNICORNさん風に言うと、アラブ的な大家族主義で、個性ある美人を常に侍らせておこうと思っています。今回のハートレーは、これからじっくりと熟成していくつもりです。音の変化の課程とどこまで行き着けるかを見届けてください。
先日は遅くまでありがとうございました。私自身は、オーディオマエストロさんで何度かハートレーを聴いており、音の素晴らしさは確認済みです。でも普通に入手するにはタマ数が少なすぎて現実的ではないスピーカーでした。
今回GRFさんと訪問した是枝さんのオーディオマエストロでは、ハートレーのコンサートマスタータイプが2台ありました。これは是枝さんが新品のハートレーユニットで組み上げたものです。私個人は昔から是枝ファンであり、同邸を何回か訪問しておりますが、以前はGRFさんのものと同じオリジナルのタイプのものがあり、その際に試聴することが出来ました。
是枝邸では常に左右のスピーカーは大きく離されておりますが、全く中抜けすることはありません。是枝さんご本人も左右を離したセッティングがお好きであるとおっしゃっておりました。現在GRFさんがセッティングされている方法と同じです。
僭越ながら是枝邸の個人的な感想を申し上げますと、圧倒的な美音です。真空管アンプから想像される古い音では全くありません。広帯域・高解像度で音が四方に大きく拡がります。特に上下の拡がりは特筆出来ると思います。音に実在感があって実に気品があります。特徴的なのは高音部で、決して丸まることはなく、少しきつめの突き刺さるか突き刺さらないかの絶妙なバランスを保ちながら、音がキラキラと空間を舞います。私にとってはツボに嵌る音です。
そんな経験を踏まえて、今回の感想をまとめてみました。といっても余りまとまっておりませんが(笑)時間をかけてなどと思ったのですが、瞬間芸術は直ぐに抽象化されて個人のイメージに曲げられてしまうので、この程度でお許し下さい。
横配置で置かれたハートレーは、長年の風雪に耐えた威厳を持って静かに迎えてくれました。最初はGRFさんもおっしゃっているとおり、若干の内振りで鳴らし始めました。最初はレコードで森山良子さんの「セフィニ」です。少し口が大きいのですが、何しろこの中域から高域にかけて、ヴィヴィッドで色気のある音味に先ずやられてしまいます。そして60cmウーハーの低域の下支えはステージをみごとに具現します。そして録音スタジオそのままの気配が再生されます。私が思うに、フルレンジ帯域をカバーしているミッドのMS220が本当に素晴らしい働きをしていると思います。もちろんそれらを繋ぐネットワークも本当に秀逸なのでしょう。
フルオケになると、もう目の前がコンサートホールです。あれだけスピーカーを離して設置しているのですが全く中抜けしません。ボーカルは歌手が真ん中にスッと立ち、指揮者のタクトが見えそうな実在感です。
再び申し上げますが、この音を言葉にするならば、「解像度が高く広大に音場が拡がり、ヴィヴィッドで色気のある中高域と深い低音が、いとも簡単に出る」、という感じでしょうか?言葉に置き換える作業は難しいですね。オーディオ評論家には慣れないでしょう(笑)
レコード、CD、デジタルデータと聴き、少しだけ掟破りの2tr/38のテープをかけると、もう絶句です!!再生装置のクオリティで、音がごろごろと変わります。コンシークェンスの音と確かに似ていますが、音が軽々と、そして実在感を伴いながら少しだけ鮮やかに脚色されて出てくるのです。アンプ選びもコンシークェンスのように難しくはないでしょう。鳴らし易いのは圧倒的にハートレーだと思います。
最後に内振りを無くして平行にすると、少し気になっていたボーカルの口の大きさが等身大になり、奥行き感が更に出て立体的になりました。左右の干渉が減ったのでしょうか、本当に自然です。
何かとりとめの無い感想ですが、GRFさんには「あがりの音ですね」と申し上げました(笑)。自宅に帰る道すがら、少しアルコールの入った身体を冷ましながら、「後はキワもの、危なっかしいものしかないかもしれない」などと思いを巡らせていました。でもこのハートレーはもっともっと進化すると思います。ハートレーの酸いも甘いもかみ分けた是枝さんのアンプという魔法が残っています。更に期待しましょう!
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Oさん
ご感想をありがとうございます。私もまったく同じ感想ですね。何しろ音が、何のストレスも無く、楽々と鳴っているのが印象的です。そして、レコードもテープもCDもよいところだけが聞こえてきて本当に楽しいです。鳴らしどころを知っているというか、SPは正統的にストレートで勝負すれば良いのだと言っているようです。子供野球教室で村田兆治が140キロのストレートを投げ込んでくるのと同じ感覚ですね。本物を味合わせないと解らない怖さと楽しさがあります。
この非常時に、二人して何をやっているのだ!とおしかりの言葉も聞こえそうですが、この状況だからこそ今やっておかなければ!との気持ちもあります。2006年の4月からはじめた本ブログも、その五年の間に、GRF→ PSD T4→ UNICORN→ ESL-57→ Consequence→ Hartley Concert Master VI と変遷を重ねてきましたが、Oさんネーミングの『神様が舞い降りた』コンシーケンス以降は、まるで何かに追われるように、スピードが加速してきました。各々全てが個性的なSPばかりですが、鳴らしている人間が同じですから、同じような音にしかならないのは仕方有りません。しかし、今回のHartleyはその枠を、見事に取り壊してくれたようです。
吝嗇で欲張りな性格から、これらを全て併用して鳴らしています。当然物理的に一時はお休みせざるを得ないSPも有りますが、AからBへと飛び回るのではなく、UNICORNさん風に言うと、アラブ的な大家族主義で、個性ある美人を常に侍らせておこうと思っています。今回のハートレーは、これからじっくりと熟成していくつもりです。音の変化の課程とどこまで行き着けるかを見届けてください。
by TANNOY-GRF
| 2011-03-23 20:22
| ハートレー
|
Comments(4)
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by
seibo
at 2011-03-24 00:03
x
おっと!先日Consequenceで確かに神の舞い降りた音、オーデイオの範疇で語れない音を聞かせていただいたのですが、また神の臨幸ですか!これはただ事ではありませんね。落ち着いたらまたぜひ聞かせてください。結局これはオーデイオではない!という感想になりそうですけど!ちなみに幸いなことに私のほうにも
小さな神、かまどの神とか台所の神とか、そんなレベルですが、そんな神が舞い降りたようで、思わずほほが緩んでにっこりしてしまうような音で鳴るようになりました。おい家でこんな音で鳴っていいのかよ!みたいな感じです。要因は先日のSPの後方解放と乾電池アンプ、そしてWEのトランス、金田式DAコンバーター、石田さん改造のCDPなどいろんなものが積み重なった結果の偶然でしょう。後は日本中に平安の神が舞い降りてくれるといいのですが!
小さな神、かまどの神とか台所の神とか、そんなレベルですが、そんな神が舞い降りたようで、思わずほほが緩んでにっこりしてしまうような音で鳴るようになりました。おい家でこんな音で鳴っていいのかよ!みたいな感じです。要因は先日のSPの後方解放と乾電池アンプ、そしてWEのトランス、金田式DAコンバーター、石田さん改造のCDPなどいろんなものが積み重なった結果の偶然でしょう。後は日本中に平安の神が舞い降りてくれるといいのですが!
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TANNOY-GRF at 2011-03-24 06:48
seiboさん
神様は沢山おられるようですよ。要は気の持ち方ですね。
悪魔は神、神は悪魔とも言いますが、、、。後手後手の人災は避けたいモノです。現状の打開は中長期的視野に立たないと大変です。これはオーディオにもいえるのですが!
(こんなに揃えてどうするのよ?)という家人の声も聞こえてきます・・・・・。
神様は沢山おられるようですよ。要は気の持ち方ですね。
悪魔は神、神は悪魔とも言いますが、、、。後手後手の人災は避けたいモノです。現状の打開は中長期的視野に立たないと大変です。これはオーディオにもいえるのですが!
(こんなに揃えてどうするのよ?)という家人の声も聞こえてきます・・・・・。
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UNICORN
at 2011-03-24 18:57
x
Oさんの感想Mailで徐々に感じが掴めて来ました、個性的な
美女から、アラブ的な大家族とはGRFさんの現状を良く表現
したものだと思います。
<家人の声が聞こえて・・・>も、これはこれで、又楽しい
状況ですね!?
美女から、アラブ的な大家族とはGRFさんの現状を良く表現
したものだと思います。
<家人の声が聞こえて・・・>も、これはこれで、又楽しい
状況ですね!?
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TANNOY-GRF at 2011-03-24 19:56
UNICORNさん
横須賀の大先生のような大奥状態には到底行きつきませんが、徐々にハーレム的な大家族主義の領域に近づいてきました。
結局、部屋が一番大事だと言うことですね、、。
横須賀の大先生のような大奥状態には到底行きつきませんが、徐々にハーレム的な大家族主義の領域に近づいてきました。
結局、部屋が一番大事だと言うことですね、、。