2011年 08月 16日
真夏の訪問記 pat_mthnyさん |
今年の5月、私のブログを熱心に読んで頂いている方から、ご連絡を頂きました。そこで、その方のブログを拝見したところ、大変センスのある写真とともに、オーディオに真摯に取り組まれている様子がうかがえました。
4ウェイのホーン型スピーカーシステムに取り組まれていて、マルチアンプならではのご苦労をされていました。私がオーディオを始めた頃はオールホーン型の大型システムが全盛を迎えていました。ヘビーなオーディオマニアのお宅にお伺いすると、ホーンドライバーが部屋の外まで角に様に飛び出していて、一見してオールホーンシステムだという事が解ったものです。また、ウェスタンの映画館用の大型システムも、部屋の中で、その偉容を示していた物です。
ホーン型システムは、ウーハーを除いて、能率が高い物ですから、アンプは真空管の比較的小型のアンプを3台から5台マルチアンプで使用されていました。中にはコイルを二重に巻き、それを検出コイルにしたMFBアンプを使われていた方もおられたぐらいです。ホーン型は使用できる帯域は狭いのですが、歪みが桁違いに低く、その頃盛んに標榜されたハイフィデリティ(高忠実度)再生には、もっとも適したスピーカーだったのです。
音域を網羅するために、ピアノの8オクターブと倍音を出すための2オクターブを加えた、10オクターブを出すためには、各ユニットが2オクターブずつ再生できたとして、5ウェイの構成が必要となってきます。その為、ホーン型ではどうしても、マルチSPにならざるを得ません。もっとも、コーン型でも、私の使用している、Dynaudioの"Consequence"は5ウェイやHartley のConcert VIも4ウェイになっています。問題は、そのつなぎ目にあります。6dbで切れるか、12dbまたは18db必要なのかによって音の響き(濁り?)も変わってきます。
その、pat_mthnyさんからは、一度、うちのGRFを聴きたいとご要請が来ました。でも、私の音を聴かれても、現在、オーディオ進行中のpat_mthnyさんが聴かれてもあまり参考にならないと、思いました。私の音は、40年以上試行錯誤してきた結果の音だからです。問題は、その課程にありますし、オーディオの楽しみも苦しみもその中にあるからです。家の音を聴かれても、それはあたかも外国で、景色を見ているような物で、現在、進行中の自分の山登りの参考には何ら無いのです。
そこで、私の方からお伺いして、今悩んでいる事や、これからの指針の手助けが出来たらと思い、夏休みの昨日、お邪魔することが出来ました。私の疑問は、なぜ、一気に難しいマルチSPに挑戦されたかにあります。通常の山登りではなく、一気に岸壁を登る、ロッククライミングに挑戦されているからです。ロッククライミングをしなければ登れない、本当の高峰もありますが、通常は、登頂するだけだったら、一番易しい道を見つけた方が、登頂という目的には合っているからです。
私は、ヘリコプターやケーブルカーで山に登りたいとは思いませんが、富士山の五合目までは、やはり車で上った方が合理的だと感じます。オーディオの高峰は、自分で登頂する喜びと、ある程度の苦労して、自力で高峰に登り、眼下に素晴らしい景色を眺めたい欲求も大きいと思います。登頂そのものも、大きな喜びではありますが、それと同時に、そこからでなくては、見られないパノラマが味わえることも、登頂の目的の一つだと思います。第一、視界も無いような、悪天候では、登頂すら危うくなります。オーディオと言う、登山もクレバスに落ちたり、道を誤って、霧の中をぐるぐると堂々巡りしていることがあります。そんなときの道標の代わりになればという、老婆心で訪問したのかも知れません。
横浜インターからほど近い、二俣川の試験場の近くの丘にお宅はありました。傾斜地を切り開いた視界の良いお宅ですが、坂道がきつく、家の前までは車では行けませんでした。若い世帯には問題は無いでしょうが、歳を取ってくると、家にたどり着くまでが大変だと思いました。第一、私のように大型SPを頻繁には出し入れできません。それはそれで、物理的な制限がかかり、良いことかも知れませんが(笑)。
宣言
・・・「部屋のどこに置けばどのような音がするかがようやく解ってきた」という箇所があり、それを読んだ私は、今後どのように私のシステムに取り組んでいけばよいのか少し解らなくなりました。でも、これは自分にとってとても良いことと思えます。
なぜなら、次にやるべきことはセッティングではないかということに気付くことができたからです。
Accuphaseのヴォイシングイコライザーを使用してから、空間(音場)について考えるようになりました。おかげでスピーカーの構成が変わったことによるものなのか、以前は出ていた20Hz付近までの周波数が最近はご無沙汰になっていることを知りました。(グスン)また、部屋から受ける影響を単にイコライジングしてごまかしていただけで、本当はイコライザーをOFFの状態で良いバランスでスピーカーがなる位置を探すことが大事ということも解りました。
そこまで解っていても実際に行動に移せず、「正直どれだけ音に変化が出るのかなぁ」って思うだけでした。でも、これからは違います。はっきり言って自分も感動したいし、ニヤニヤしたい!そこで新たな宣言!
イコライジングOFFで良い音を出すぞー!!!
と、ご自分のブログでも宣言されているのですが、どうしても、イコライザーに頼ってしまっているようでした。そこで、音を聴かせてもらってから、素の音がどのような物かを、聴かせていただきました。そうすると、低域の膨らみが無くなり、中音がきつい音になりました。中音は、JBLのショートホーンですが、音域がダブっているのでは思い、そのアンプを切って頂くと、充分伸びのある音がしています。
後は、低音のバランスが悪いだけなので、マッキントッシュのC33をお使いなので、そのイコライザーを使い、30Hzと150Hzを持ち上げてバランスを確かめてみました。いい音がします。残りは、左右の天井の形状から来る音の、バランスの問題なので、右側をほんの少し、音量を上げ、右側のSPを1センチほど広げてみました。これで、バランスが取れたようです。4ウェイを3ウェイにして、音の重なりもなくなり、見通しの良い音になったようです。
今日のところは、この辺りまです。私が全て調整したのでは、一番面白い、一番苦労する?、ところが無くなってしまいますから。床も窓ガラスもぴかぴかのきれいなお宅でした。後から、ブログを拝見したら、前日に奥様も手伝っていただき、きれいにされたようです。ちなみに、SPの埃を拭うだけでも、おとは好き入りとします。あたかも、車を洗車して上げると足回りが軽くなるのと同じ感覚です。
さて、今日聞かれたご感想は、いかがな物でしょうか?
4ウェイのホーン型スピーカーシステムに取り組まれていて、マルチアンプならではのご苦労をされていました。私がオーディオを始めた頃はオールホーン型の大型システムが全盛を迎えていました。ヘビーなオーディオマニアのお宅にお伺いすると、ホーンドライバーが部屋の外まで角に様に飛び出していて、一見してオールホーンシステムだという事が解ったものです。また、ウェスタンの映画館用の大型システムも、部屋の中で、その偉容を示していた物です。
ホーン型システムは、ウーハーを除いて、能率が高い物ですから、アンプは真空管の比較的小型のアンプを3台から5台マルチアンプで使用されていました。中にはコイルを二重に巻き、それを検出コイルにしたMFBアンプを使われていた方もおられたぐらいです。ホーン型は使用できる帯域は狭いのですが、歪みが桁違いに低く、その頃盛んに標榜されたハイフィデリティ(高忠実度)再生には、もっとも適したスピーカーだったのです。
音域を網羅するために、ピアノの8オクターブと倍音を出すための2オクターブを加えた、10オクターブを出すためには、各ユニットが2オクターブずつ再生できたとして、5ウェイの構成が必要となってきます。その為、ホーン型ではどうしても、マルチSPにならざるを得ません。もっとも、コーン型でも、私の使用している、Dynaudioの"Consequence"は5ウェイやHartley のConcert VIも4ウェイになっています。問題は、そのつなぎ目にあります。6dbで切れるか、12dbまたは18db必要なのかによって音の響き(濁り?)も変わってきます。
その、pat_mthnyさんからは、一度、うちのGRFを聴きたいとご要請が来ました。でも、私の音を聴かれても、現在、オーディオ進行中のpat_mthnyさんが聴かれてもあまり参考にならないと、思いました。私の音は、40年以上試行錯誤してきた結果の音だからです。問題は、その課程にありますし、オーディオの楽しみも苦しみもその中にあるからです。家の音を聴かれても、それはあたかも外国で、景色を見ているような物で、現在、進行中の自分の山登りの参考には何ら無いのです。
そこで、私の方からお伺いして、今悩んでいる事や、これからの指針の手助けが出来たらと思い、夏休みの昨日、お邪魔することが出来ました。私の疑問は、なぜ、一気に難しいマルチSPに挑戦されたかにあります。通常の山登りではなく、一気に岸壁を登る、ロッククライミングに挑戦されているからです。ロッククライミングをしなければ登れない、本当の高峰もありますが、通常は、登頂するだけだったら、一番易しい道を見つけた方が、登頂という目的には合っているからです。
私は、ヘリコプターやケーブルカーで山に登りたいとは思いませんが、富士山の五合目までは、やはり車で上った方が合理的だと感じます。オーディオの高峰は、自分で登頂する喜びと、ある程度の苦労して、自力で高峰に登り、眼下に素晴らしい景色を眺めたい欲求も大きいと思います。登頂そのものも、大きな喜びではありますが、それと同時に、そこからでなくては、見られないパノラマが味わえることも、登頂の目的の一つだと思います。第一、視界も無いような、悪天候では、登頂すら危うくなります。オーディオと言う、登山もクレバスに落ちたり、道を誤って、霧の中をぐるぐると堂々巡りしていることがあります。そんなときの道標の代わりになればという、老婆心で訪問したのかも知れません。
横浜インターからほど近い、二俣川の試験場の近くの丘にお宅はありました。傾斜地を切り開いた視界の良いお宅ですが、坂道がきつく、家の前までは車では行けませんでした。若い世帯には問題は無いでしょうが、歳を取ってくると、家にたどり着くまでが大変だと思いました。第一、私のように大型SPを頻繁には出し入れできません。それはそれで、物理的な制限がかかり、良いことかも知れませんが(笑)。
宣言
・・・「部屋のどこに置けばどのような音がするかがようやく解ってきた」という箇所があり、それを読んだ私は、今後どのように私のシステムに取り組んでいけばよいのか少し解らなくなりました。でも、これは自分にとってとても良いことと思えます。
なぜなら、次にやるべきことはセッティングではないかということに気付くことができたからです。
Accuphaseのヴォイシングイコライザーを使用してから、空間(音場)について考えるようになりました。おかげでスピーカーの構成が変わったことによるものなのか、以前は出ていた20Hz付近までの周波数が最近はご無沙汰になっていることを知りました。(グスン)また、部屋から受ける影響を単にイコライジングしてごまかしていただけで、本当はイコライザーをOFFの状態で良いバランスでスピーカーがなる位置を探すことが大事ということも解りました。
そこまで解っていても実際に行動に移せず、「正直どれだけ音に変化が出るのかなぁ」って思うだけでした。でも、これからは違います。はっきり言って自分も感動したいし、ニヤニヤしたい!そこで新たな宣言!
イコライジングOFFで良い音を出すぞー!!!
と、ご自分のブログでも宣言されているのですが、どうしても、イコライザーに頼ってしまっているようでした。そこで、音を聴かせてもらってから、素の音がどのような物かを、聴かせていただきました。そうすると、低域の膨らみが無くなり、中音がきつい音になりました。中音は、JBLのショートホーンですが、音域がダブっているのでは思い、そのアンプを切って頂くと、充分伸びのある音がしています。
後は、低音のバランスが悪いだけなので、マッキントッシュのC33をお使いなので、そのイコライザーを使い、30Hzと150Hzを持ち上げてバランスを確かめてみました。いい音がします。残りは、左右の天井の形状から来る音の、バランスの問題なので、右側をほんの少し、音量を上げ、右側のSPを1センチほど広げてみました。これで、バランスが取れたようです。4ウェイを3ウェイにして、音の重なりもなくなり、見通しの良い音になったようです。
今日のところは、この辺りまです。私が全て調整したのでは、一番面白い、一番苦労する?、ところが無くなってしまいますから。床も窓ガラスもぴかぴかのきれいなお宅でした。後から、ブログを拝見したら、前日に奥様も手伝っていただき、きれいにされたようです。ちなみに、SPの埃を拭うだけでも、おとは好き入りとします。あたかも、車を洗車して上げると足回りが軽くなるのと同じ感覚です。
さて、今日聞かれたご感想は、いかがな物でしょうか?
by TANNOY-GRF
| 2011-08-16 23:33
| 行ったり来たり
|
Comments(4)
Commented
by
pat_mthny7205 at 2011-08-17 21:49
GRFさま
今日は以前から気になっていたこと(棚を造ることと整理整頓)を朝から行っていたので実際にCDを鳴らしたのは夕方になってからでした。
でも本当はそんなことはいつでもよいことであり、
実のところ本心はいつものように気軽に音を出してみようとは思えなかったのです。
昨日GRFさんに調整していただいた音は今日聞いてもいままでとは違う(というかいままでを忘れてしまうほど)ナチュラルな音で、我が家のSPがなっているとは思えないほど大変素晴らしい音です。
ではなぜすべてを受け入れることができていないのか・・・たぶんですがこれまで自分だけの狭いエリアでしてきた人間がいきなり広大な、桁の違う場所へポンと放りだされたのでどうしてよいのかわからないだけなのかと思います。
私のブログにもありますが、暫くはこのままの状態にしてこの音をじっくり体にしみこませたいと考えております。
ちなみに文章は暗いですが気持ちは明るいままです。(-_-)
(どら焼きおいしかったです ごちそうさまでした。)
今日は以前から気になっていたこと(棚を造ることと整理整頓)を朝から行っていたので実際にCDを鳴らしたのは夕方になってからでした。
でも本当はそんなことはいつでもよいことであり、
実のところ本心はいつものように気軽に音を出してみようとは思えなかったのです。
昨日GRFさんに調整していただいた音は今日聞いてもいままでとは違う(というかいままでを忘れてしまうほど)ナチュラルな音で、我が家のSPがなっているとは思えないほど大変素晴らしい音です。
ではなぜすべてを受け入れることができていないのか・・・たぶんですがこれまで自分だけの狭いエリアでしてきた人間がいきなり広大な、桁の違う場所へポンと放りだされたのでどうしてよいのかわからないだけなのかと思います。
私のブログにもありますが、暫くはこのままの状態にしてこの音をじっくり体にしみこませたいと考えております。
ちなみに文章は暗いですが気持ちは明るいままです。(-_-)
(どら焼きおいしかったです ごちそうさまでした。)
Commented
by
TANNOY-GRF at 2011-08-18 01:49
現在使わなくなった、EL34アンプを使い、簡単な2ウェイの小形SPを鳴らして、実験されると良いですね。ただ、下のステンレスは外された方が、音が自然になると思います。
Commented
by
TANNOY-GRF at 2011-08-18 02:57
写真を撮らなかったので、以前のブログから拝借しました。ご了承ください。
Commented
by
pat_mthny7205 at 2011-08-18 08:45
GRFさま
引き続きアドバイスをいただきありがとうございます。
アンプの置き方についてですが、床材はしっかりしたものを使用していないのでじか置きよりは残っているシナ・アピトンを間に入れてみようと思います。音の違いわかりますかね。
引き続きアドバイスをいただきありがとうございます。
アンプの置き方についてですが、床材はしっかりしたものを使用していないのでじか置きよりは残っているシナ・アピトンを間に入れてみようと思います。音の違いわかりますかね。