2012年 02月 12日
ESL57で聴くモノラル |
QUADのESL57で聴くモノラルは、両方のSPが一体化して、巨大な平面パネルとなって同相で鳴ります。逆に言うと、左右を空けすぎず、モノラルが一体化して聞こえる間隔に設置するとステレオも良く鳴ってくれます。ESL57は、構造上音場の再現は出来ないのですが、パネルその物が発音体となって音楽を奏でるのです。勿論、一緒に録音されている残響音も見事に鳴りますから、コンサートホールの二階席で聴いている感覚になれるのです。昨日は、フルトヴェングラーのブラームスの2番を聴いていて、今更の様に確認しました。
このユニークなスピーカーが世に出たのは、1957年と言われていますが、私のところの製品は、70年代後半です。余程の大音量を出すと時々ノイズが出ますが、実用上はほとんど問題有りません。茅野は一年を通じて湿気のないところです。特に乾燥した冬場はESLには理想的なところですね。しかし、ESLの音を聴かれている人は、一様に高音はきれいだけれど、低音が弱く、室内楽や人の声に向くと言われています。小音量で近くで限定した音源を聴くのには適しているが、フルオーケストラは向かないとも言われています。

インターネットをざっと見ても、以上のような感想や使いこなしの方法が書かれています。私も、茅野の家で以前より使っている Quad44+405II で聴くまではそう思っていました。しかし、ESL63が1982年に発売されるまでは、 ESL57が主役でした。そして、真空管時代のQUAD IIより、遥かにダイナミックな音がする、405IIが主力のメインアンプだったのです。通常のダイナミックSPを405で鳴らすと、とても元気のいい音がします。しかし、ESL57を聴くと一転して迫力があるけど、柔らかい音で鳴り始めるのです。そしてESLがオーケストラに向かないと言われている理由の一つである、金管や打楽器群が過不足無い迫力で鳴り始めます。
従来の実験で44+405II の音が硬いと言われるほとんどの原因は、送り出しのCDプレーヤーに起因すると思っています。CDプレーヤーの質を高めれば、驚くほどの迫力としなやかさでESLは鳴り始めます。ESL57の時代は、勿論レコードの音に標準が合わしています。しかし、その時代にもFM放送はありましたし、当然マスターテープの音も聴いていたでしょう。レコード一辺倒ではないのです。バイアスの電圧は、普通では低音がでないので、230v仕様でなければ駄目だと言われますが、まったくそんな事はありません。
マーラーなどの大編成のオーケストラの重低音や迫力ある金管、そして大活躍の大太鼓までESL57はまったく問題なく再生するのです。その中でも、アルトやメゾの声の美しいこと。コーラスのハーモニーが見事です。そして、定評ある弦楽器が浮かび上がります。またピアノソナタなどは実物大で低域も鳴ります。本当に見事です。昨日はクラウディオ・アラウのシューベルト・D664を聴いていました。
何遍も言いますが、私の装置で一つだけ持って行けと言われたら、このESL57を選ぶでしょうね。
このユニークなスピーカーが世に出たのは、1957年と言われていますが、私のところの製品は、70年代後半です。余程の大音量を出すと時々ノイズが出ますが、実用上はほとんど問題有りません。茅野は一年を通じて湿気のないところです。特に乾燥した冬場はESLには理想的なところですね。しかし、ESLの音を聴かれている人は、一様に高音はきれいだけれど、低音が弱く、室内楽や人の声に向くと言われています。小音量で近くで限定した音源を聴くのには適しているが、フルオーケストラは向かないとも言われています。

インターネットをざっと見ても、以上のような感想や使いこなしの方法が書かれています。私も、茅野の家で以前より使っている Quad44+405II で聴くまではそう思っていました。しかし、ESL63が1982年に発売されるまでは、 ESL57が主役でした。そして、真空管時代のQUAD IIより、遥かにダイナミックな音がする、405IIが主力のメインアンプだったのです。通常のダイナミックSPを405で鳴らすと、とても元気のいい音がします。しかし、ESL57を聴くと一転して迫力があるけど、柔らかい音で鳴り始めるのです。そしてESLがオーケストラに向かないと言われている理由の一つである、金管や打楽器群が過不足無い迫力で鳴り始めます。
従来の実験で44+405II の音が硬いと言われるほとんどの原因は、送り出しのCDプレーヤーに起因すると思っています。CDプレーヤーの質を高めれば、驚くほどの迫力としなやかさでESLは鳴り始めます。ESL57の時代は、勿論レコードの音に標準が合わしています。しかし、その時代にもFM放送はありましたし、当然マスターテープの音も聴いていたでしょう。レコード一辺倒ではないのです。バイアスの電圧は、普通では低音がでないので、230v仕様でなければ駄目だと言われますが、まったくそんな事はありません。
マーラーなどの大編成のオーケストラの重低音や迫力ある金管、そして大活躍の大太鼓までESL57はまったく問題なく再生するのです。その中でも、アルトやメゾの声の美しいこと。コーラスのハーモニーが見事です。そして、定評ある弦楽器が浮かび上がります。またピアノソナタなどは実物大で低域も鳴ります。本当に見事です。昨日はクラウディオ・アラウのシューベルト・D664を聴いていました。
何遍も言いますが、私の装置で一つだけ持って行けと言われたら、このESL57を選ぶでしょうね。
by TANNOY-GRF
| 2012-02-12 10:11
| オーディオ雑感
|
Comments(11)
先週ほどではありませんが、まだ茅野の朝は氷点下5度くらいです。今少し暖かくなったら、QUAD好きの皆さんをお呼びして、温泉とお蕎麦とESL57のツアーをやりますか!おっと、美味しい日本酒も!

私もESLを聴いていてそう思います。個人差はあるでしょうが、交響曲を聴いていても、十分な音だと感じます。
もっとも、ステージ最前列の席は好みではないというのもあるでしょうが。
もっとも、ステージ最前列の席は好みではないというのもあるでしょうが。
リウーさん、ESL57は、私が何時も聴いているUNICORNと対称的な音だと言えましょう。UNICORNは、空間に漂う音場をきくSPです。しかし、ESL57は、演奏会場の中に入れるSPなのです。入力の質を向上されると、どんどん別な世界が開けていきます。古さも迫力の無さも感じません。充分な大音量で低音も再生するのです。世の中のESL57評はどこかで間違った使い方をしているのか、ご自分で使わずに聞きかじりの感想を述べているだけかも知れません。まずは良いCDプレヤーと44+405IIで聴いて欲しいですね。

はじめまして。いつも愛読させていただいています。
私もESL57を愛用し,CD12を送り出しに使っていますが,GRFさんが仰るように入力の質が向上すると,リニアに反応しているのが判り,このSPには音質向上の上限はないのではないかと思うことがあります。低音もかなりの量感が出ているのが感じられ,ESL57をフローリング床に直置きで設置していますが,マーラーなどでは,低音の振動が床に伝わっているのが素足だと感じられるほどです。
GRFさんがハートレーのスピーカーボードとしてウェルフロートを使用されていますが,ESL57に使用しても効果があるものでしょうか。
ESL57は設置面積が3本の脚だけなので,いまひとつウェルフロートの導入に踏み切れないでいます。
GRFさんのご意見をお聞かせ頂けると幸せます。
私もESL57を愛用し,CD12を送り出しに使っていますが,GRFさんが仰るように入力の質が向上すると,リニアに反応しているのが判り,このSPには音質向上の上限はないのではないかと思うことがあります。低音もかなりの量感が出ているのが感じられ,ESL57をフローリング床に直置きで設置していますが,マーラーなどでは,低音の振動が床に伝わっているのが素足だと感じられるほどです。
GRFさんがハートレーのスピーカーボードとしてウェルフロートを使用されていますが,ESL57に使用しても効果があるものでしょうか。
ESL57は設置面積が3本の脚だけなので,いまひとつウェルフロートの導入に踏み切れないでいます。
GRFさんのご意見をお聞かせ頂けると幸せます。
mimoriさん、初めまして。いつも読んで頂きありがとうございます。送り出しにCD12とは〜。いい音していると思います。このSPは本当に大した物で、言われるように音質向上の限界がないように思えます。アンプは何をお使いですか?
私の家の床は相当しっかり作ってあるので、本来ならフローティングボードは要らないのですが、このHartleyは、横に展開する4ウェイなので、リスニングポイントが限定されます。その点を改善するためにボードを使用してみました。
ESL57には、無い方が好ましいと思います。低音の振動が床に伝わっているのが、楽しいです。平面SPはそれ自体が発音源ですから、低音をフロートすると面白くなくなるように思えます。
先日、茅野で聴いていたフルトヴェングラー・ウィーンフィルのブラームスの2番は、押し寄せてくる低域に感動しました。オーディオは、私にとっての「どこでもドア」です。
私の家の床は相当しっかり作ってあるので、本来ならフローティングボードは要らないのですが、このHartleyは、横に展開する4ウェイなので、リスニングポイントが限定されます。その点を改善するためにボードを使用してみました。
ESL57には、無い方が好ましいと思います。低音の振動が床に伝わっているのが、楽しいです。平面SPはそれ自体が発音源ですから、低音をフロートすると面白くなくなるように思えます。
先日、茅野で聴いていたフルトヴェングラー・ウィーンフィルのブラームスの2番は、押し寄せてくる低域に感動しました。オーディオは、私にとっての「どこでもドア」です。

貴重なご意見ありがとうございます。
お尋ねのアンプですが,プリにJRDGのCOHERENCE(Sr1)をパワーにGOLDMUNDのMIMESIS18.4,AプレーヤにLP12+3009Ⅱを使っています。
また別室で,マランツCD23(鍋蓋),QUAD33+303で,セレッションSL700を鳴らしています。
もともとESL57は33+303用でしたが,SPを入れ替えたときのESL57の音の変化に驚くとともに,あらためてESL57の可能性に気がつき,以後メインSPとして愛用しています。その後パワーアンプやケーブルの変更等を経て,現システムになりました。
お尋ねのアンプですが,プリにJRDGのCOHERENCE(Sr1)をパワーにGOLDMUNDのMIMESIS18.4,AプレーヤにLP12+3009Ⅱを使っています。
また別室で,マランツCD23(鍋蓋),QUAD33+303で,セレッションSL700を鳴らしています。
もともとESL57は33+303用でしたが,SPを入れ替えたときのESL57の音の変化に驚くとともに,あらためてESL57の可能性に気がつき,以後メインSPとして愛用しています。その後パワーアンプやケーブルの変更等を経て,現システムになりました。
ESL57は振動膜が薄いので、左右のSPの位置調整は本当にシビアなところまで追い込めます。私の経験ですと、左右の間隔は、当然部屋の大きさに左右されますが、写真の様な幅二間ですと、間にESLが一台入るか入らないところに、ポイントが有ります。正確には、木の枠を入れないぐらいの幅です。そのあたりで、最初は2mmぐらいづつ拡げたり狭めたりすると一体化するポイントが見つかると思います。内振りにしないで、完全に平行にしてみてください。

貴重なアドバイスありがとうございます。
左右の間隔は,視聴位置との関係もあると思うのですが,GRFさんのセッティングでは,視聴位置はSPまで概ね1.5mくらいのニアフィールドに近い聴き方になるのでしょうか?
タイトルのようにモノラルを聴くのであれば,一体化するポイントがよいのは判るのですが,ステレオの場合には,音の広がりというか,部屋に音楽が満ちる或いは漂うような感じがでないように思うのですが?
ESL57は少し動かすだけで,かなり音が変わるので,時間をかけて色々試してみたいと思います。
左右の間隔は,視聴位置との関係もあると思うのですが,GRFさんのセッティングでは,視聴位置はSPまで概ね1.5mくらいのニアフィールドに近い聴き方になるのでしょうか?
タイトルのようにモノラルを聴くのであれば,一体化するポイントがよいのは判るのですが,ステレオの場合には,音の広がりというか,部屋に音楽が満ちる或いは漂うような感じがでないように思うのですが?
ESL57は少し動かすだけで,かなり音が変わるので,時間をかけて色々試してみたいと思います。
mimoriさん
試聴位置は、4メートルぐらい離れています。この位置でも、ステレオの一体化が図れます。音は、浪のように打ち寄せますよ(笑)
最適ポイントのすぐ隣は、面白くない音なのです。不思議ですね。
試聴位置は、4メートルぐらい離れています。この位置でも、ステレオの一体化が図れます。音は、浪のように打ち寄せますよ(笑)
最適ポイントのすぐ隣は、面白くない音なのです。不思議ですね。
こんにちは。「ひとつだけ選ぶならESL-57』にぐっと来て、思わずESL-57を入手してしまいました(笑)。モノラルで聞いています。麻薬的なボーカルものやソロ楽器や、素晴らしいグルーブの打楽器群に感動しております。50、60年代のギターを数本所有しておりますが、あの頃の音が出せるのはESL-57だけじゃないか、と思ってます。ありがとうございました。
>「ひとつだけ選ぶならESL-57』にぐっと来て、思わずESL-57を入手してしまいました(笑)。
Bigpapaさん コメントありがとうございます。そうですか、ESL57でロックを聴かれているのですね。低音が良いでしょう?あの迫力有る音を残念ながらほとんどの方が聴かれていないのです。とても残念ですね。
Bigpapaさん コメントありがとうございます。そうですか、ESL57でロックを聴かれているのですね。低音が良いでしょう?あの迫力有る音を残念ながらほとんどの方が聴かれていないのです。とても残念ですね。