2012年 09月 01日
emm XDS1の試聴 |
ユニコーンのユニット交換が切っ掛けで、ヘンリーさんと知り合うことが出来ました。ヘンリーさんが以前立ち上げた会社がdcsやGerman physiks の代理店をされていたからです。私の部屋で、久しぶりにユニコーンと再会したヘンリーさんは、やはりいい音だとつぶやかれました。彼から難解なDDDドライバーの作動原理、調整やモデルの変遷などの開発の歴史の詳しいお話しを聞くことが出来ました。また、使いこなしのコツや音の改善方法も学べてとても参考になりました。DDD(Dicks Dipole Drive)の名前の由来でもあるPeter Dicks氏の事や、誰も挑戦していない新しいユニットの製造に思い切って踏み切ったGerman PhysiksのMüller氏の情熱を知ることができました。
そのヘンリーさんが、現在展開している製品の一つが、emmのSACDプレーヤーです。技術力のあるヘンリーさんが一つ一つ問題を解決して、信頼を回復して行きました。私自身は、ヘンリーさんの会社の名前はあまり好きではありません(笑)。名前が「横綱」見たく行き止まりの様な感じがするからです。まだ、上昇する余地の残っている「大関」ぐらいの方が謙虚で良いのですが。それでも性能だけがハイエンドなら良いのですが、価格だけがハイエンドの会社も沢山あります。金色のシャシーに多いと思うのは多分私の偏見でしょうが(笑)。
私自身は、そのようなハイエンド機器には縁遠いので、それほど興味がなかったのですが、岡山の是枝さんの所で聞いたKLIMAXの電源改良版と横浜のMさんの所で鳴っているKLIMAX DSとemmの音の差を聴いて、私自身はemmの音の方が好みの音だと思い、チャンスがあれば聴かせて欲しいと頼んでおいたのです。夏の終わりに新しいヴァージョンの一体型のXDS1をお借りすることが出来ました。

わたしは、CD34改やMS-1、XA55の改造品を使っているので、CDの音で満足しています。またそれらを、16/44.1KHzで収蔵できるHD1も使って、16ビットの音がしっかり出るとどの様な音になるか解っているので、SACDの必要性を余り感じませんでした。しかし、この際、現在の音がどこまで進んでいるかを、実際に聞いてみるのもと思い、試聴させていただいたのです。
お借りするとき、ヘンリーさんから、最低100時間は、通電をして充分ウォーミングアップしてから聴いて貰いたいと言われました。そして、しばらくは通電をしたままで、違いを聞き分けて欲しいとも言われました。日頃、真空管のアンプやフルデジタルの寝起きの良いアンプばかり使っているので、そんなに音が変わるのだろうかといぶかっていたのも事実です。
SACDでは日頃余り聞かないのと、持っているSACD盤も少ないので、CDモードで聞いてみました。柔らかい音で、ステージが広くなります。先日のOCTAVEのアンプにしたときのように、SPの間隔が拡がったようにも聞こえます。ただ、全体に眠たげな音がしました。ケーブルを二、三種類変えてみましたが、全体の音の傾向は同じです。次に日は、出張なので、通電したまま出かけようとしました。しかし、真夏の西日が当たる部屋で、出張中は冷房も効きませんから、あきらめて、火を落として出かけました。
三日目の夕方、茅野で泊まる予定を早めて金曜日の夜には戻ってきました。家人が、茅野で泊まってくるのではいぶかってと不思議がっていましたが、いそいそと戻る理由があるのです(笑)。さっそく、電源を入れて見ました。やはり、同じ様な感じです。エージングを早めるディスクもあるのですが、音楽以外の振動では、何だか無機的な音になるような感じがして、気が進みません。それで、夕方から、音楽を掛けて音の違いを聴き比べていました
しかし、出張の疲れや睡眠不足で、気がつくと電気を付けっぱなし、冷房はがんがん掛けっぱなし、CDは回しっぱなしで、そのまま三時過ぎまで寝ていました。この時間になると、もう寝られませんから、小さな音でもと思い、朝までまた回しっぱなしにしました。朝七時半頃になり、少しボリュームを上げると、大分音の感じが変わっています。S/Nが良くなって、音が全体に静かになってきました。細かい音が聞こえはじめ、全体のメリハリも増し、音楽のダイナミックレンジが広くなり始めました。

それでも、一対比較をしてみると、CD34改に軍配が上がります。余分な音はせず、低音の音階もはっきり出てきます。emmのほうは、まだそのあたりが混然としています。でも霧が晴れるようにだいぶ見通しが良くなってきているのも事実です。10時頃になると大きな音で掛け始めました。大音量になると、まだまとまりが今一です。細かな音がまだマスキングされているのからでしょう。
音が変わりはじめたのは、午後三時を回った頃からです。二時過ぎから、突然の集中豪雨が降りました。一昨日、東名阪道で遭った大雨のようです。前が見えなくなるほど降ってきます。南洋のスコールと同じです。その雨が終わり、また西日が、部屋一面に降り注ぐようになると、音が活き活きとし始めました。SACD盤も掛けてみました。細かい音が聞こえはじめます。大分良くなってきました。
シャーシーのゴム足を使わずに浮かしたり、置き場所の位置を変える微妙な調整でも音が変わりはじめました。一番違うのは、ボリュームの位置です。最初は11時頃が限界でしたが、全体に静かになり演奏のダイナミックレンジが拡がってくると、一時半頃でもうるさくなくなってきました。
先日来られた、夜香さんがアレキサンドライトさんのお宅で、emm(前のヴァージョン?)とMPS5を比較したとき、音が積極的に前に出てくるのがMPS5でお二方ともその方が好きだと言われていました。その意味は良くわかります。でも、私の好みは、奥に引くタイプの方が好きなようです。GRFの部屋では聞いていませんので、より音場が拡がるemmのタイプが良いのではと感じています。もっとも、MPS5の方も同じように聞いてみなくては解りませんが、以前のモデルの CDSAとDCC2の時代に、emmに在籍していた技術者が、違うベクトルで作ったものですからベースの技術は同じでも音が違うのは当たり前だと思います。emmもそれから、二世代変わっているし、その最新のモデルは、五月のミュンヘンでお披露目されただけで、まだ日本には来ていないようです。

ここにあるXDS1もまだ誰も日本では聴かれていないヴァージョンだそうです。機会があれば最新モデル同士で聞き比べをしてみたいですね。と、このあたりまで書いてきて、ヤンソンスのRCOのマーラーの三番を聞いていますが、最終章の盛り上がりが、まったく変わってきました。いままで聞こえにくかった最低音の領域もどんどん出てきてフィナーレは圧倒的です。もうそろそろ、電源を入れて回し始めてから一昼夜経ちます。この分では明日の深夜頃から本格的になるのでしょうか?(爆)。でも、今年の暮れに出てくるセパレートタイプは、まだ二回りほど良くなると言います。これで、価格がハイエンドでなくなれば充分考慮範囲に入ってくるのですが・・(苦笑)。
そのヘンリーさんが、現在展開している製品の一つが、emmのSACDプレーヤーです。技術力のあるヘンリーさんが一つ一つ問題を解決して、信頼を回復して行きました。私自身は、ヘンリーさんの会社の名前はあまり好きではありません(笑)。名前が「横綱」見たく行き止まりの様な感じがするからです。まだ、上昇する余地の残っている「大関」ぐらいの方が謙虚で良いのですが。それでも性能だけがハイエンドなら良いのですが、価格だけがハイエンドの会社も沢山あります。金色のシャシーに多いと思うのは多分私の偏見でしょうが(笑)。
私自身は、そのようなハイエンド機器には縁遠いので、それほど興味がなかったのですが、岡山の是枝さんの所で聞いたKLIMAXの電源改良版と横浜のMさんの所で鳴っているKLIMAX DSとemmの音の差を聴いて、私自身はemmの音の方が好みの音だと思い、チャンスがあれば聴かせて欲しいと頼んでおいたのです。夏の終わりに新しいヴァージョンの一体型のXDS1をお借りすることが出来ました。

わたしは、CD34改やMS-1、XA55の改造品を使っているので、CDの音で満足しています。またそれらを、16/44.1KHzで収蔵できるHD1も使って、16ビットの音がしっかり出るとどの様な音になるか解っているので、SACDの必要性を余り感じませんでした。しかし、この際、現在の音がどこまで進んでいるかを、実際に聞いてみるのもと思い、試聴させていただいたのです。
お借りするとき、ヘンリーさんから、最低100時間は、通電をして充分ウォーミングアップしてから聴いて貰いたいと言われました。そして、しばらくは通電をしたままで、違いを聞き分けて欲しいとも言われました。日頃、真空管のアンプやフルデジタルの寝起きの良いアンプばかり使っているので、そんなに音が変わるのだろうかといぶかっていたのも事実です。
SACDでは日頃余り聞かないのと、持っているSACD盤も少ないので、CDモードで聞いてみました。柔らかい音で、ステージが広くなります。先日のOCTAVEのアンプにしたときのように、SPの間隔が拡がったようにも聞こえます。ただ、全体に眠たげな音がしました。ケーブルを二、三種類変えてみましたが、全体の音の傾向は同じです。次に日は、出張なので、通電したまま出かけようとしました。しかし、真夏の西日が当たる部屋で、出張中は冷房も効きませんから、あきらめて、火を落として出かけました。
三日目の夕方、茅野で泊まる予定を早めて金曜日の夜には戻ってきました。家人が、茅野で泊まってくるのではいぶかってと不思議がっていましたが、いそいそと戻る理由があるのです(笑)。さっそく、電源を入れて見ました。やはり、同じ様な感じです。エージングを早めるディスクもあるのですが、音楽以外の振動では、何だか無機的な音になるような感じがして、気が進みません。それで、夕方から、音楽を掛けて音の違いを聴き比べていました
しかし、出張の疲れや睡眠不足で、気がつくと電気を付けっぱなし、冷房はがんがん掛けっぱなし、CDは回しっぱなしで、そのまま三時過ぎまで寝ていました。この時間になると、もう寝られませんから、小さな音でもと思い、朝までまた回しっぱなしにしました。朝七時半頃になり、少しボリュームを上げると、大分音の感じが変わっています。S/Nが良くなって、音が全体に静かになってきました。細かい音が聞こえはじめ、全体のメリハリも増し、音楽のダイナミックレンジが広くなり始めました。

それでも、一対比較をしてみると、CD34改に軍配が上がります。余分な音はせず、低音の音階もはっきり出てきます。emmのほうは、まだそのあたりが混然としています。でも霧が晴れるようにだいぶ見通しが良くなってきているのも事実です。10時頃になると大きな音で掛け始めました。大音量になると、まだまとまりが今一です。細かな音がまだマスキングされているのからでしょう。
音が変わりはじめたのは、午後三時を回った頃からです。二時過ぎから、突然の集中豪雨が降りました。一昨日、東名阪道で遭った大雨のようです。前が見えなくなるほど降ってきます。南洋のスコールと同じです。その雨が終わり、また西日が、部屋一面に降り注ぐようになると、音が活き活きとし始めました。SACD盤も掛けてみました。細かい音が聞こえはじめます。大分良くなってきました。
シャーシーのゴム足を使わずに浮かしたり、置き場所の位置を変える微妙な調整でも音が変わりはじめました。一番違うのは、ボリュームの位置です。最初は11時頃が限界でしたが、全体に静かになり演奏のダイナミックレンジが拡がってくると、一時半頃でもうるさくなくなってきました。
先日来られた、夜香さんがアレキサンドライトさんのお宅で、emm(前のヴァージョン?)とMPS5を比較したとき、音が積極的に前に出てくるのがMPS5でお二方ともその方が好きだと言われていました。その意味は良くわかります。でも、私の好みは、奥に引くタイプの方が好きなようです。GRFの部屋では聞いていませんので、より音場が拡がるemmのタイプが良いのではと感じています。もっとも、MPS5の方も同じように聞いてみなくては解りませんが、以前のモデルの CDSAとDCC2の時代に、emmに在籍していた技術者が、違うベクトルで作ったものですからベースの技術は同じでも音が違うのは当たり前だと思います。emmもそれから、二世代変わっているし、その最新のモデルは、五月のミュンヘンでお披露目されただけで、まだ日本には来ていないようです。

ここにあるXDS1もまだ誰も日本では聴かれていないヴァージョンだそうです。機会があれば最新モデル同士で聞き比べをしてみたいですね。と、このあたりまで書いてきて、ヤンソンスのRCOのマーラーの三番を聞いていますが、最終章の盛り上がりが、まったく変わってきました。いままで聞こえにくかった最低音の領域もどんどん出てきてフィナーレは圧倒的です。もうそろそろ、電源を入れて回し始めてから一昼夜経ちます。この分では明日の深夜頃から本格的になるのでしょうか?(爆)。でも、今年の暮れに出てくるセパレートタイプは、まだ二回りほど良くなると言います。これで、価格がハイエンドでなくなれば充分考慮範囲に入ってくるのですが・・(苦笑)。
by TANNOY-GRF
| 2012-09-01 17:09
| オーディオ雑感 CD 篇
|
Comments(12)

光沢の無い色<銀色<金色というような感じでハイエンド価格に成る様に私も思います。笑
使用までに長時間電源を入れておくというのは、安定性?みたいなものと関係するのでしょうか?
何れにしても、ハイエンド価格には縁がないので、ごまめの歯ぎしり常態ですが。苦笑
使用までに長時間電源を入れておくというのは、安定性?みたいなものと関係するのでしょうか?
何れにしても、ハイエンド価格には縁がないので、ごまめの歯ぎしり常態ですが。苦笑
リウーさん ご心配なく、今のところ私のCD34改の方に軍配が上がっています。もっとも、そのCD34の方が本当は手に入らない機器なのですが・・・。
いい音がし始めるまで、長時間電源を入れなければならないのは、不可思議ですが、一旦電源が切れるとリセットされるのでしょうか?
いい音がし始めるまで、長時間電源を入れなければならないのは、不可思議ですが、一旦電源が切れるとリセットされるのでしょうか?
でもオケ物は、だんだん調子が上がってきましたね。
明日になるとどうなるか楽しみですが、72時間経つと聞いている方の耳が順応するという説もあります(笑)。
明日になるとどうなるか楽しみですが、72時間経つと聞いている方の耳が順応するという説もあります(笑)。

8/28の写真に写っていたので、またまた何かな? と思っていましたが、こういうことでしたか。しかし最近はお仕事の忙しさと正比例してオーディオが熱いですね。今年の夏みたいです。

XDS1の価格を調べてみて、真夏の暑さが急に真冬の寒さ、といっては大げさですが、一気に部屋の温度が下がった感じです(笑)。さすが社名が社名だけのことはありますね。
(Y)さん 仕事は、忙しいのではなく、忙しくしているので、その分のバランスがこちらの方に来ているのでしょう。誰かさんの音楽活動も同じ理由だと推察しますが・・(苦笑)。
(Y)さん 酷暑対策には効くでしょう(笑)。寒くなったら使えないかも!
ほんとうはこの上のセパレートタイプを聴きたいのですが・・・
ほんとうはこの上のセパレートタイプを聴きたいのですが・・・
連続通電後、40時間経ちました。相当変わってきています。音にエネルギーが満ちてきたのと、私が大事にしている、音の粒立ちとダイナミックさが現れてきました。通電が効くとしたら、単純になったディスクリートのアナログアンプが変わるのでしょうか?そういえば、家のCD34もずーっと通電しっぱなしですね。

私がアレキサンドライト伯爵邸でMPS5と聴き比べたのは伯爵の愛機であるEMMのセパレート&クロノス&dcs992、総額700万を越えるSACDプレーヤシステムです。伯爵は愛機に軍配を挙げました。MPS5は他所で聴く極上のサウンドを出してくれたのですが、EMMにすると、我が家に帰ってきたような、ホッとするサウンドになりました。それでも半額以下でEMMシステムにも匹敵するクオリティを聴かせるMPS5には大いに感心しましたが。私のところでMPS5を聴いた後は、その記憶を消し去るのに、膨大な時間を必要としました(苦笑)
さすがは、伯爵邸ですね!emmのセパレート&クロノス&dcs992ですか!私の感覚では、emmのDSD方式には、外付けのクロックはいらないのではないかと思っています。そのクロノスを作ったH氏自身もそのようにいっていました!?いずれにしても、emmのセパレートの最新ヴァージョンを聴いてからの判断ですね。横浜のMさんも、セパレートでなければと言われています。でも、伯爵邸の装置でAudioではないAUDIのA6が買えるのですね!

そうですよね(笑)ところが試してみるとクロノスの効果は明確で、ネガティブな変化が全くなく、すべてが好ましく変化してしまいます。特に低域の変化が顕著で、これはクロック系を改善したことに共通の変化で、骨格がしっかりとしてきて、音場感が広がります。これがクロノスを愛用する方がこの機器から逃れられない理由だと思います。ただ、私は外部入力にはあまり興味がなく、本質的にクロックジッターを改善するよう、内蔵クロックそのものを改善する手法を支持しています。海外製の機器は超高級機であっても、このあたり大したケアが施されていません。TADのSACDプレーヤが最高ですよ。
私も、内部でのジッター対策をするべきであって、外部のクロックには懐疑的です。音質が硬調になり輪郭がすっきりと聞こえるだけではとさえ、思っています。作ったH氏もそういっています。本当の音は柔らかく、いわゆるHiFi調ではないと、、、。