2013年 05月 02日
トスカニーニ全集 |
アルトゥーロ・トスカニーニは我々から上の世代の方々には、絶大な影響をあたえた指揮者です。その厳格な指揮振りはとても有名で、残された数々のレコード(記録)にその片鱗が残っています。1867年生まれですから、慶応3年ですね。本来なら戦前の指揮者ですが、その第二次世界大戦にファシズムと戦って戦中戦後も活躍されています。すべての曲を暗譜で指揮できる稀有な指揮者で、引退の切っ掛けも憶えていた曲の指揮を間違えたからでした。桂文楽の最後、「勉強し直して参ります」と重なります。ちなみに、私はトスカニーニと文楽ファンで、フルトヴェングラーと志ん生ではありません。
そのトスカニーニの録音をすべて揃えた全集は、いまから20年前、ほとんどのレコーディングに参加したJohn Pfeiffer監修でいっぺんでました。その時に購入したベートーヴェンやブラームスの全集は、何回聴いてきたでしょうか?オリジナルのテープから作られた音は、長年聴いてきた堅く、残響に乏しい音ではなく、会場の響きもしっかりと入った凝集感に優れた音でした。いまでも時々、出して聴いています。特にブラームスは、1952年の最後のヨーロッパ演奏会で振ったフィルハーモニアの渾身の演奏と比較するため何回も聴いてきました。トスカニーニが即物的だなどと、よく言えた物だと紋切り型の評論家を軽蔑しています。
トスカニーニが後進にあたえた影響は大きく、カンテルリは勿論、カラヤンから現在に繋がる指揮者でも大変な影響力を持っています。それは単に、インテンポで弾く演奏スタイルではなく、楽譜にどこまで忠実に迫れるか、その中でオーケストラにどこまで歌わせるか、演奏スタイルばかりではなく、生き方まで影響しています。そのトスカニーニの最後のヨーロッパ演奏会でのブラームスでは、フィルハーモニアのメンバーの緊張と集中力はすさまじい物があります。特にティンパニストの重圧は計り知れない物があったはずです。NBC交響楽団より切れ味のある濃い演奏を繰り広げています。
1892年トスカニーニ25歳の時にヴェルディにも指揮を聴いて貰っています。34歳の時にヴェルディが逝去。追悼演奏会を何回か指揮しました。1908年41歳の時にニューヨークのメトロポリタンの首席指揮者にマーラーと共になる。1920年ミラノスカラ座の総監督。1927年ニューヨークフィルの常任指揮者にメンゲルベルグと一緒になる。1930年ドイツ系指揮者では無く初めてバイロイトで振る。ヒトラーの影響力が強まったため、バイロイトを止め、ザルツブルグで1937年まで魔笛などを振りました。その年の暮れ、NBC交響楽団との放送をはじめ、その関係は1954年の引退まで続きました。
この全集は、それらの歴史を聴くことが出来ます。どの演奏も、力がみなぎり、常に若々しい演奏です。トスカニーニの響きを聴くと管弦楽曲の何かが解ります。それは、セルやムラヴィンスキーにも引き継がれ、ショルティやアバド、シャーイにも綿々と引き継がれています。
トスカニーニ全集と一緒に購入したマゼールの演奏も、SACD盤になったカラヤンの60年代の演奏にも色濃く残って、同じ方向の音楽を聴くことが出来ます。
そのトスカニーニの録音をすべて揃えた全集は、いまから20年前、ほとんどのレコーディングに参加したJohn Pfeiffer監修でいっぺんでました。その時に購入したベートーヴェンやブラームスの全集は、何回聴いてきたでしょうか?オリジナルのテープから作られた音は、長年聴いてきた堅く、残響に乏しい音ではなく、会場の響きもしっかりと入った凝集感に優れた音でした。いまでも時々、出して聴いています。特にブラームスは、1952年の最後のヨーロッパ演奏会で振ったフィルハーモニアの渾身の演奏と比較するため何回も聴いてきました。トスカニーニが即物的だなどと、よく言えた物だと紋切り型の評論家を軽蔑しています。
トスカニーニが後進にあたえた影響は大きく、カンテルリは勿論、カラヤンから現在に繋がる指揮者でも大変な影響力を持っています。それは単に、インテンポで弾く演奏スタイルではなく、楽譜にどこまで忠実に迫れるか、その中でオーケストラにどこまで歌わせるか、演奏スタイルばかりではなく、生き方まで影響しています。そのトスカニーニの最後のヨーロッパ演奏会でのブラームスでは、フィルハーモニアのメンバーの緊張と集中力はすさまじい物があります。特にティンパニストの重圧は計り知れない物があったはずです。NBC交響楽団より切れ味のある濃い演奏を繰り広げています。
1892年トスカニーニ25歳の時にヴェルディにも指揮を聴いて貰っています。34歳の時にヴェルディが逝去。追悼演奏会を何回か指揮しました。1908年41歳の時にニューヨークのメトロポリタンの首席指揮者にマーラーと共になる。1920年ミラノスカラ座の総監督。1927年ニューヨークフィルの常任指揮者にメンゲルベルグと一緒になる。1930年ドイツ系指揮者では無く初めてバイロイトで振る。ヒトラーの影響力が強まったため、バイロイトを止め、ザルツブルグで1937年まで魔笛などを振りました。その年の暮れ、NBC交響楽団との放送をはじめ、その関係は1954年の引退まで続きました。
この全集は、それらの歴史を聴くことが出来ます。どの演奏も、力がみなぎり、常に若々しい演奏です。トスカニーニの響きを聴くと管弦楽曲の何かが解ります。それは、セルやムラヴィンスキーにも引き継がれ、ショルティやアバド、シャーイにも綿々と引き継がれています。
by TANNOY-GRF
| 2013-05-02 17:40
| 好きなレコード
|
Comments(1)
Commented
by
プー博士(Dr.Pooh)
at 2013-05-02 21:10
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桂文楽師匠がお好きでしたか。わたしの祖父(母方)は文楽と小学校の同級生でした。NHKの「わたしの秘密」にもう一人の同級生といっしょに出ました。わたしついていきましたが、会話がすべて江戸っ子のもので「そうでやんしょ?」なんて感じでした。