2013年 06月 13日
Nagra T-Audioで4trテープを |
先日、マスターテープの38cmでの1対1のダビングと、DSD5.6MHzファイルへの変換を行いました。5.6MHzへのダビングも、12分で1Gも必要とする贅沢な仕様ですが、1テラのハードディスクが、数千円で買える時代になりましたから、1アルバム4G使用しても250枚分のアルバムが収納可能です。一枚分の価格は40円掛かりません。安い時代になりました。しかし、38cmでの1対1を行おうとすると、昔の潤滑に出回っていた時代でも1巻3000円以上していた10インチリールは、現在では1卷10,000円を超えるようになってきました。38/2trはとても贅沢な趣味になったのです。
38センチ録音された音は、DSD5.6MHzでようやく遜色のない音に変換できるようになりました。PCMでは、いくらビットレートを上げても、音が丸まったり、反対に瘠せて、38センチの圧倒的な情報量を変換しきれなかったのです。近い将来、DSDが今の倍の11.2MHzまで上がれば、音質的にも全く問題ない媒体になります。

Nagraの先輩であるCさんが、定年退職されて、時間が出来たので、膨大な量のミュージックテープの1ビットファイル化をお願いしています。いままでも、コツコツと数百枚分のテープの変換を終えました。残された時間を考えると、日暮れ道遠しの感はありますが、毎日、少しづつでも変換されてきたファイルをお聞きすると、その苦労が忍ばれます。変換と同時に、その演奏が聴ける喜びがないと,中々つづくものではありません。その意味でも良い演奏でないと作業その物が、苦行になってしまいます。山の参道の落ち葉を丁寧に掃いて数百段分を振りかえると、また落ち葉が落ちている情景でしょうか、有り難いことです。
なぜ、このような膨大な作業をしているかと言えば、次の世代に程度の良い、テープのアナログサウンドを残しておきたいからです。レコード会社のマスターテープは、ほとんどが96KHz/24Bitに変換されています。丁寧に作業されている一方で、テープヒスや音の劣化を防ぐために、編集されていて、本来のアナログが持つ柔らかな音が、均一化された、明快な音に変換されいます。元の音を知らないエンジニアが瑕疵を直す作業を行うと、元の、ある意味味わいがある凸凹道ではなく、きれいに舗装された道になっているのです。また、レコード用にイコライザーされた音が、アナログだと思われている用ですが、オリジナルのミュージックテープを聴かれると、レコードの缶詰ではない、のびのびとした世界が収録されていたのだと,驚かれることでしょう。
ミュージックテープのほとんどは、4トラックです。4トラックテープは、元々2トラックだったテープのトラック幅をもっと細くして使用しているので、2トラックに比べると安定感に欠けるきらいがありました。しかし、Nagraを4トラック用に改造した事を切っ掛けに、見捨てられていた4トラックテープが復活して活躍し始めたのです。この改造は、その後、雑誌にも取り上げられて、かなりの方々が、昔の4トラックテープを復活されて楽しんでいるようです。今回は、IVシリーズではなく、T-AudioにNAGRAの純正の4トラックヘッドを換装させた機器を使用して、DSDファイル化を進めているのです。

昨日も、その作業中に出張で上京された(Y)さんが来られて、聴いていただきました。マイルス・デイビスの迫力有る音と、音の素晴らしさに感動して頂きました。
38センチ録音された音は、DSD5.6MHzでようやく遜色のない音に変換できるようになりました。PCMでは、いくらビットレートを上げても、音が丸まったり、反対に瘠せて、38センチの圧倒的な情報量を変換しきれなかったのです。近い将来、DSDが今の倍の11.2MHzまで上がれば、音質的にも全く問題ない媒体になります。

Nagraの先輩であるCさんが、定年退職されて、時間が出来たので、膨大な量のミュージックテープの1ビットファイル化をお願いしています。いままでも、コツコツと数百枚分のテープの変換を終えました。残された時間を考えると、日暮れ道遠しの感はありますが、毎日、少しづつでも変換されてきたファイルをお聞きすると、その苦労が忍ばれます。変換と同時に、その演奏が聴ける喜びがないと,中々つづくものではありません。その意味でも良い演奏でないと作業その物が、苦行になってしまいます。山の参道の落ち葉を丁寧に掃いて数百段分を振りかえると、また落ち葉が落ちている情景でしょうか、有り難いことです。
なぜ、このような膨大な作業をしているかと言えば、次の世代に程度の良い、テープのアナログサウンドを残しておきたいからです。レコード会社のマスターテープは、ほとんどが96KHz/24Bitに変換されています。丁寧に作業されている一方で、テープヒスや音の劣化を防ぐために、編集されていて、本来のアナログが持つ柔らかな音が、均一化された、明快な音に変換されいます。元の音を知らないエンジニアが瑕疵を直す作業を行うと、元の、ある意味味わいがある凸凹道ではなく、きれいに舗装された道になっているのです。また、レコード用にイコライザーされた音が、アナログだと思われている用ですが、オリジナルのミュージックテープを聴かれると、レコードの缶詰ではない、のびのびとした世界が収録されていたのだと,驚かれることでしょう。
ミュージックテープのほとんどは、4トラックです。4トラックテープは、元々2トラックだったテープのトラック幅をもっと細くして使用しているので、2トラックに比べると安定感に欠けるきらいがありました。しかし、Nagraを4トラック用に改造した事を切っ掛けに、見捨てられていた4トラックテープが復活して活躍し始めたのです。この改造は、その後、雑誌にも取り上げられて、かなりの方々が、昔の4トラックテープを復活されて楽しんでいるようです。今回は、IVシリーズではなく、T-AudioにNAGRAの純正の4トラックヘッドを換装させた機器を使用して、DSDファイル化を進めているのです。

昨日も、その作業中に出張で上京された(Y)さんが来られて、聴いていただきました。マイルス・デイビスの迫力有る音と、音の素晴らしさに感動して頂きました。
by TANNOY-GRF
| 2013-06-13 05:47
| 好きなテープ
|
Comments(9)

先日、マスターテープをHD1に入れてみたのですが、男性ボーカルの渋さ、ドスのきいた低音などがなくなり原音よりもまろやかになってしまったのはPCM録音だったからでしょうか?送り出し側のデッキ性能にもよるでしょうがボーカルだと音の違いがすぐにわかりますね。

昨晩はありがとうございました。まさしく興奮の一夜でした。禁じ手とは知りつつも(笑)、その音の洪水に身を任せると、至福以外の言葉でしか表現できない世界に連れて行ってくれます。しかしブラックホークのマイルスがあんな音で鳴ってはいけません(笑)。そして我々が失ったものはあまりに大き過ぎますね。

いつ観てもT-AUDIOはカッコいいですね〜。これを複数所有され、日々使っていらっしゃるのだから、羨ましい限りです。

プー博士 アナログ音源をHD1に移すと、内部のADコンバーターを使用することになります。音の変化は、その部分に追うことが多いようです。HD1はCDのストック用だとお考え下さい。アナログ音源をそのまま、収録されたいのなら、私達が行っているDSD録音になります。

(Y)さん T-Audioによる、オリジナルテープの再生は、別次元の世界になりますね。特に4トラックテープであれほどの音がすると、レコードのでも、CDでも決して聴けない世界になります。それ故に、DSD化を急いでいるのです。

夜香さん あの音源は素晴らしい音でした。柔らかく、暖かく、優しい音ですね。30年間に失ってきた物の大きさを考えさせられます。久しぶりにT-Audioを三台そろい踏みで鳴らしました。理由はお解りでしょう(笑)。

GRF様 そういえば僕も何年か前に、何百本とあるベータテープをせっせとパソコンに取り込んでDVDにしたことを思い出しました。そう言う作業って、ハマり出すと楽しいんですよね。知り合いにブルーノートの1500番台フルセットをせっせとデジタル化している人がいますが、その人も「たいへんだ」と言いながら楽しそうに作業しています。こういうのって、何なのでしょうね(笑)。

>こういうのって、何なのでしょうね(笑)。
(Y)さん それこそ、コレクター魂ですね(笑)。
(Y)さん それこそ、コレクター魂ですね(笑)。

わたしもたいした本数ではありませんがテープがあります。息子たちはきっとオープンリールの操作やメンテナンスは出来ないでしょう。デジタル化しておけば少しは聴いてくれるかもしれません。
今度お会いしたらそのDSDとやらのシステムをぜひ教えてくださいませ。少しずつ変換作業する時間はありそうですから(笑)
今度お会いしたらそのDSDとやらのシステムをぜひ教えてくださいませ。少しずつ変換作業する時間はありそうですから(笑)