2013年 07月 20日
閑話休題 セッティングについて |
連日、パリ・ウィーンの紀行記を掲載していましたが、臨場感溢れる写真と共に、同じカメラで簡単に録れる、ヴィデオが混じっています。会場の音も同時収録されていますから、アンビエンスが伝わり、記事を整理するのに大変重宝しています。また、各写真の情報から撮影時間もはっきり解り、参加していない編集者にも時間の流れを把握することが出来ました。紀行記の写真は、フィルムからスキャニングして、より鮮明な写真に順次換えています。お時間があれば、再度、最初から眺めていただくと、新しい発見が在るやもしれません。
写真と言えば、ブログやサイトに掲載されているSPの配置を見ると、大体どういう音場が鳴っているか想像がつくようになってきました。迷人芸の一種だと秘かに自負しているのですが、何のことはありません。ただ経験を踏んできただけです。実際に音を聴かせて貰えれば、左右のSPの相対的な位置関係は、イメージできるようになってきました。これを商売にすれば、出張料が取れるのですが、私には商売にするケーブルやアクセサリーはありませんから、フリーな立場からものが言えて楽しいですね。
黙って座れば、数値が見えてきたのは、SD05が来て、クロストークが桁違いに無くなり、今までのSPの位置調整をやり直さなければなった頃ですから、今から6〜7年前です。ある日、初めて行った名古屋の友人のところで、鳴っていたSPの左右のずれが、ここをこのくらい前に出して、片方のSPの向きを少しだけ調整すれば、ピッタリ合うと感じて、自分の経験から調整すべき数値が口から出たのです。持ち主にその通りの数値で動かして頂いたところ、ピッタリと調整が合い、その瞬間に奥行きとメリハリ(音楽のダイナミック)が出て来て、全く音楽が変わりました。動かしたご本人は、当然驚いて、まるで化け物を見るような顔をされましたが、私自身数値で言ったのは初めてだったので、それには自分も驚きました。
それから、いろいろなお宅に訪問して鳴っている音を聴かせて貰うと、どの様に調整すれば、ピントが合うかが、聴くだけで解ってきたのです。未知のものは見えませんが、既知になってしまえば、同じイメージにはすぐなるのです。
先日も、SPの位置を横配置にしたのだが、奥行きがでなくなったとの連絡がありました。一緒に送られてきた写真から判断すると、左右の間隔が狭いようです。SPの幅ひとつ分横に拡げて、前にもひとつ分出すと、音が自由になるように思えました。SP自身が前に来ても、音は後ろに拡がります。左右を拡げると、音場が広まるのです。
拡げたらしなやかさが出てきて、縦方向に置いていた時と同じバランスが出てきました。感心します。前後方向にひとつ前に・・・とメールにもありましたので、やってみました。素晴らしい!奥行きが・・・出てきました。マジック見ているようです。
と言う経緯があり、どうやら満足していただいているようです。先日、彼の家に行ってきました。部屋の模様替えも進み、徐々に家全体が整理されてきました。そこで、調整法の説明を出来るだけ具体的にしてきました。具体的にと言っても、調整の過程を見ていただくしかないのですが、
メールでやり取りしたように、ほぼ良い位置に来ています。後は、左右のバランスと、部屋との相対関係です。厳密に言えば、一つの部屋には、奥向きを決めてしまえば、究極、ベストポジションは、ひとつしかありません。その場所を探せばいいのですが、ピントが合えば合うほど、その差が大きくなってくるのが、やっかいなのです。
出来上がりの、イメージがない場合は、その位置探しは文字通り五里霧中になります。しかし、まず相対的な位置関係を確立することが大切です。それには、モノラルのCDを使用します。
出来れば、人間の声が良いのです。シンプルな音源の方がやりやすいからです。人間の声は一番聞き慣れています。その意味ではソプラノより、メゾやアルトの方が聴きやすいかも知れません。その音源を使って、まず音が中央に来るように正面を向けたら、左右のSPの音の前後を調整します。どちらかが出ていたりへっこんでいると音のボリュームが変わり、結果的には前にでているSP側に寄ります。厳密に正面を向け、奥行きの違いを合わせて、音が中央付近から出て来たら、今度は、左右のSPの間隔の微調整です。間隔によって音が濃くなったり薄くなったりします。それは交互に現れますから、左右の間隔はいろいろなポイントがあるのですが、その部屋と言うことを考えると、左右の幅には限度がありますから、自ずと選ぶ範囲は限られてきます。
ゲージの様に絶対値はありません。その部屋の大きさ形状に依って変わって来ます。ただ、日本間の構成上、左右の間隔は決まった数値になる場合もありますが、江戸間や京間では当然その値も変わるのです。数値が絶対ではないのです。滑りやすい下敷きみたいなものの上にSPを載せて、下に汗防止の粉でも振って,摩擦を減らすと簡単にベストポジション探しはできます。もし、スパイクや重い石を敷いている場合は、位置が違うからそれらが必要なんだと、逆の発想にいっぺん立ってください。ほとんどの場合は、自分でつくった制約に縛られて自由度を自ら拘束しているのです。
すべての、宣伝を必要とするものは、そのように仕向けているのです。自らの発見や実験の結果を大事にしてください。人の言うことを鵜呑みにするのではなく、ましてや、雑誌やブログのような場合は、何故やっているかの見極めも大事です。私の言うことも、自らの実験で行ってください。ただし、私の場合は、何も売り込みませんが(笑)
そうやって、ピントが合ってきたら、最後は、大事な微調整です。そのイメージは、中央に寄ってきたモノラル音源の声が、平面的ならずに前後の奥行きを持った立体的な音に調整することです。二次元の写真のような声が、どちらかのSPを、0.5mm〜1mmほど僅かに内に降ったりすると変わります。微妙な調整ですが、これは部屋の影響から逃れるためと言ってもいいでしょう。ピントが合うと、音が立体的になり、ステレオ音源に戻すと、どこで聴いても良い自然な音場が構成されているのです。
音が活き活きと立体的になり、きつい音やいやな音が無くなります。もっと大きいのは、部屋の環境の影響が少なくなることです。内振りにSPを向けると音がきつくなり、後方に吸音材を必要とする場合があります。そういうときは、一度は平行法を試して見ると、いろいろなことが解ります。
私が不思議なのは、雑誌や人が言ったことを、環境も装置も聴いている音楽も違うのに、こだわっている事です。好きでやっているのだから、ほっといてくれと言われそうですが、そういう人に限って、しょっちゅう、機器の入れ替えをしているので、老婆心ながら、楽にして良いんだよと、言ってあげたいぐらいです。
写真と言えば、ブログやサイトに掲載されているSPの配置を見ると、大体どういう音場が鳴っているか想像がつくようになってきました。迷人芸の一種だと秘かに自負しているのですが、何のことはありません。ただ経験を踏んできただけです。実際に音を聴かせて貰えれば、左右のSPの相対的な位置関係は、イメージできるようになってきました。これを商売にすれば、出張料が取れるのですが、私には商売にするケーブルやアクセサリーはありませんから、フリーな立場からものが言えて楽しいですね。
黙って座れば、数値が見えてきたのは、SD05が来て、クロストークが桁違いに無くなり、今までのSPの位置調整をやり直さなければなった頃ですから、今から6〜7年前です。ある日、初めて行った名古屋の友人のところで、鳴っていたSPの左右のずれが、ここをこのくらい前に出して、片方のSPの向きを少しだけ調整すれば、ピッタリ合うと感じて、自分の経験から調整すべき数値が口から出たのです。持ち主にその通りの数値で動かして頂いたところ、ピッタリと調整が合い、その瞬間に奥行きとメリハリ(音楽のダイナミック)が出て来て、全く音楽が変わりました。動かしたご本人は、当然驚いて、まるで化け物を見るような顔をされましたが、私自身数値で言ったのは初めてだったので、それには自分も驚きました。
それから、いろいろなお宅に訪問して鳴っている音を聴かせて貰うと、どの様に調整すれば、ピントが合うかが、聴くだけで解ってきたのです。未知のものは見えませんが、既知になってしまえば、同じイメージにはすぐなるのです。
先日も、SPの位置を横配置にしたのだが、奥行きがでなくなったとの連絡がありました。一緒に送られてきた写真から判断すると、左右の間隔が狭いようです。SPの幅ひとつ分横に拡げて、前にもひとつ分出すと、音が自由になるように思えました。SP自身が前に来ても、音は後ろに拡がります。左右を拡げると、音場が広まるのです。
拡げたらしなやかさが出てきて、縦方向に置いていた時と同じバランスが出てきました。感心します。前後方向にひとつ前に・・・とメールにもありましたので、やってみました。素晴らしい!奥行きが・・・出てきました。マジック見ているようです。
と言う経緯があり、どうやら満足していただいているようです。先日、彼の家に行ってきました。部屋の模様替えも進み、徐々に家全体が整理されてきました。そこで、調整法の説明を出来るだけ具体的にしてきました。具体的にと言っても、調整の過程を見ていただくしかないのですが、
メールでやり取りしたように、ほぼ良い位置に来ています。後は、左右のバランスと、部屋との相対関係です。厳密に言えば、一つの部屋には、奥向きを決めてしまえば、究極、ベストポジションは、ひとつしかありません。その場所を探せばいいのですが、ピントが合えば合うほど、その差が大きくなってくるのが、やっかいなのです。
出来上がりの、イメージがない場合は、その位置探しは文字通り五里霧中になります。しかし、まず相対的な位置関係を確立することが大切です。それには、モノラルのCDを使用します。
出来れば、人間の声が良いのです。シンプルな音源の方がやりやすいからです。人間の声は一番聞き慣れています。その意味ではソプラノより、メゾやアルトの方が聴きやすいかも知れません。その音源を使って、まず音が中央に来るように正面を向けたら、左右のSPの音の前後を調整します。どちらかが出ていたりへっこんでいると音のボリュームが変わり、結果的には前にでているSP側に寄ります。厳密に正面を向け、奥行きの違いを合わせて、音が中央付近から出て来たら、今度は、左右のSPの間隔の微調整です。間隔によって音が濃くなったり薄くなったりします。それは交互に現れますから、左右の間隔はいろいろなポイントがあるのですが、その部屋と言うことを考えると、左右の幅には限度がありますから、自ずと選ぶ範囲は限られてきます。
ゲージの様に絶対値はありません。その部屋の大きさ形状に依って変わって来ます。ただ、日本間の構成上、左右の間隔は決まった数値になる場合もありますが、江戸間や京間では当然その値も変わるのです。数値が絶対ではないのです。滑りやすい下敷きみたいなものの上にSPを載せて、下に汗防止の粉でも振って,摩擦を減らすと簡単にベストポジション探しはできます。もし、スパイクや重い石を敷いている場合は、位置が違うからそれらが必要なんだと、逆の発想にいっぺん立ってください。ほとんどの場合は、自分でつくった制約に縛られて自由度を自ら拘束しているのです。
すべての、宣伝を必要とするものは、そのように仕向けているのです。自らの発見や実験の結果を大事にしてください。人の言うことを鵜呑みにするのではなく、ましてや、雑誌やブログのような場合は、何故やっているかの見極めも大事です。私の言うことも、自らの実験で行ってください。ただし、私の場合は、何も売り込みませんが(笑)
そうやって、ピントが合ってきたら、最後は、大事な微調整です。そのイメージは、中央に寄ってきたモノラル音源の声が、平面的ならずに前後の奥行きを持った立体的な音に調整することです。二次元の写真のような声が、どちらかのSPを、0.5mm〜1mmほど僅かに内に降ったりすると変わります。微妙な調整ですが、これは部屋の影響から逃れるためと言ってもいいでしょう。ピントが合うと、音が立体的になり、ステレオ音源に戻すと、どこで聴いても良い自然な音場が構成されているのです。
音が活き活きと立体的になり、きつい音やいやな音が無くなります。もっと大きいのは、部屋の環境の影響が少なくなることです。内振りにSPを向けると音がきつくなり、後方に吸音材を必要とする場合があります。そういうときは、一度は平行法を試して見ると、いろいろなことが解ります。
私が不思議なのは、雑誌や人が言ったことを、環境も装置も聴いている音楽も違うのに、こだわっている事です。好きでやっているのだから、ほっといてくれと言われそうですが、そういう人に限って、しょっちゅう、機器の入れ替えをしているので、老婆心ながら、楽にして良いんだよと、言ってあげたいぐらいです。
by TANNOY-GRF
| 2013-07-20 00:09
| オーディオ雑感
|
Comments(1)
Commented
by
プー博士(Dr.Pooh)
at 2013-07-20 14:31
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お教えのようにセッティングして満足していても、またあるときちょっと違うかな〜と位置を動かしています。微妙な範囲での移動ですが音が変わるので困ります(笑) CDの内容によっても違いますね。楽しんでおります。