2013年 12月 21日
文字通りの師走 |
何時ものことですが、師走に入ると忙しさが倍増します。今年は別件もあり文字通り東奔西走中です。大阪だけへの出張は、新幹線が多いのですが、年末は方々によるので、どうしても車の方が重宝します。時間に縛られないし、荷物も運べるからです。それに、冬の移動は防寒着などもあり、荷物が多くなります。冷たい雨や雪が降っているときは、重い荷物を引きづりながら、笠も差さなければなりません。車でも長い距離を走ってくると、山間部もあり、時々みぞれまじりの冷たい中を走らなければなりません。冬は日が短いのですぐ暗くなってきます。特に冬至前のこの一週間は、暗くなるのが極端に早くなります。そういう中を一人で走っているとつくづく車はありがたいなと思うのです。
月曜の夜から出たかったのですが、急用ができて、出られたのは、まだ朝くらい六時過ぎでした。暗い中でも道路は混んでいて、自然渋滞や事故渋滞に巻き込まれながら、いつもの大月の前のトンネルの間から富士山が見えて頃には、七時半頃になっていました。
そのまま一気に笹子トンネルを越えて、甲府盆地に入ると、目の前には南アルプスの山並みが迎えてくれます。今日は、先を急ぐ旅なので、風景もそこそこ、いつものパーキングにもよらずにひた走ります。移動性高気圧の後ろには、低気圧が近づいているのでしょう。高層の雲が湿気を帯びてきています。
諏訪湖も、湖岸に降った雪で冷たい冬の景色です。冬じまいの確認に茅野の家に寄りました。前回、一生懸命貼った断熱材は効果が出ており、貼り残しているサッシの部分は、氷のように冷たく結露します。この部分にも貼らないとなりません。引き違い窓なので、内側をどう貼るかが課題です。先日セッティングしたR.GRFはやはり堂々とした鳴りぷりで、感心しました。SPが大きいので、部屋が小さく見えますね。二時間ぐらい滞在して、また冬の道を、東京に戻ってきました。いつものように国立府中から高井戸ぐらいは11キロの渋滞。下に降りても、同じぐらい掛かるし、信号があるので、きょうは渋滞の中をゆっくり走ってきました。六時過ぎには、無事に到着。身体が寒さで硬くなっていました。暖かくすると眠たくなるので、20度前後に保ってきます。
寒さの中を、いつものOさんが、こられて、調子の上がったユニコーンと、久しぶりのHartleyを楽しんで頂きました。今日は、肉じゃがに赤ワインです。ゲルギエフとラトルとヤンソンスの三つの春の祭典を聴き比べました。ベルリンフィルの管楽器と打楽器の名人芸が楽しめます。 一週間前の変わらぬ部屋で、聴いた久しぶりのハートレーは、何度聞いてもハートレーだけの世界です。音楽がゆっくりと流れていくのが、気持ちいいですね。慌ただしい一週間の疲れが解きほぐされ、時間が穏やかに過ぎていきます。不思議です。
五日間、忘年会続きで、疲れも溜まってきました。週末は、アルコール抜きで過ごします。
そのまま一気に笹子トンネルを越えて、甲府盆地に入ると、目の前には南アルプスの山並みが迎えてくれます。今日は、先を急ぐ旅なので、風景もそこそこ、いつものパーキングにもよらずにひた走ります。移動性高気圧の後ろには、低気圧が近づいているのでしょう。高層の雲が湿気を帯びてきています。
いつも工事をしている恵那山トンネルも一気に越え、土岐で迷いましたが、少々遠回りでも、伊勢湾自動車道と新名神のほうが早く走れるので、豊田方面に道を取りました。しかし、思惑は外れて名古屋の湾岸を抜ける頃まで、三車線の広い道路が一杯でした。名神も走り抜け、名古屋からは全くノンストップで、梅田の近くに降りて事務所あたりにきたら、ちょうど打ち合わせ相手も地下鉄から出て来たところで遭いました。梅田近くの大阪の事務所にドアツウドアで約六時間は、かなりのペースです。新幹線を使っても4時間を切るか切らないかですので・・・。
夜は、Nagraのお師匠さんと椀方さんとのミニ忘年会。大阪風のおでん屋さんで、ちびりちびり。先月の川崎ミューザの印象を。話しも盛り上がってきたところで、河岸を変えて、いつもの立ち飲みやさんで、今度は関東煮とショウガの天ぷらを肴に、またまた、日本酒をちびりちびり。勘定が安いのが嬉しいです。
次の日も、朝一番の新幹線で来られた方と早朝の打ちあわせ。10時には戻って行かれました。文字通りどなたも師走の状況です。夕方から奈良に移動。ここでも、ミニ忘年会で、今日は焼酎でなかなか見られない「三岳」をごちそうになりました。一通り、今年の憂さを晴らした、まっとうな忘年会になりました(笑い)。
コンピューターの電源を忘れてきたので、東京からホテルに送って貰い、荷物の到着した九時過ぎにようやく充電。やはり肝心な何かを忘れます。そのまま、清掃中の中で用を済まして、11時過ぎに奈良を出れました。春日山の横を通って、名阪国道に抜ける裏道は、いつも心を休ませてくれます。何百年も変わらぬ風景が展開する、山の中です。道路も相当急な坂の連続で、いつか自転車にすれ違ったときは、ほとほと感心しました。亀山から東名阪に抜けて、名古屋方面に向かうといつも混んでいます。
帰りの道は、昨日の雪で山々は覆われていました。恵那山トンネルあたりでは、気温も氷点下に。いよいよ冬の旅になりました。南アルプスも、中央アルプスも高山の峰々は真っ白に覆われているか、雲に隠れています。
by TANNOY-GRF
| 2013-12-21 11:11
| 旅の空
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Comments(11)
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リウー
at 2013-12-21 12:28
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不思議な事に、仕事等で、走った車の窓越しの風景が、何かの時に、突然、懐かしく思い出される事が有ります。寒空の景色も独特なものが有りますね。
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(Y)
at 2013-12-21 13:27
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来阪時にご連絡があるかと思っていましたが、とんぼ返りだったんですね。お疲れ様です。年内に一度上京しようと思ってはいるのですが、そちらのご予定はいかがでしょう?
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椀方
at 2013-12-21 13:48
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関西出張お疲れ様でした。
一気に寒波が入って来たので、無事に帰宅されて安心しました(笑)
3月末にはリベンジで伺えると思うので、調子の上がったユニコーンを聴かせてください。
一気に寒波が入って来たので、無事に帰宅されて安心しました(笑)
3月末にはリベンジで伺えると思うので、調子の上がったユニコーンを聴かせてください。
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GRF
at 2013-12-21 18:34
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リウーさん 私は、考えてみると仕事を始めてから40年、少なくとも年間三万キロは走っていますから、通算120万キロ!世界一周を30したことになります。同じ風景も、40年間見続けるとその変化には驚きます。そして、もう、想い出の中にしか残っていない風景も思い出します。沢山の人に支えられてきたのです。
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GRF
at 2013-12-21 18:36
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(Y)さん いつもながら、バタバタの師走です。連絡できずに済みませんでした。今年は、これでお仕舞いです。年内の上京をお待ちしています。
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GRF
at 2013-12-21 18:37
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椀方さん 三月は当方が出たり入ったりですが、二年越しの懸案ですから、ぜひ、寄って聴いていってください。
初めまして。最初からじっくりと拝読いたしました。
なるほど、真にエポックメイキングな技術革新が起っていたのですね!デジタル機器特有の音に限界を感じ、妥協したそれなりの音に一応満足していた音楽愛好家にとっては、新たに一筋の光明が差してきた思いです。いや、むしろこれは情報収集を怠った自らの不徳というべきか。素晴らしく、また濃い内容に、いろいろな事を考えさせられながら興味深く読んでおりました。
何遍も引用されていたジイドの言葉、あら、懐かしい!久方ぶりにこの言葉に接しました。
「懐疑は、恐らくは叡智の始かも知れない、然し、叡智の始まる処に芸術は終るのだ。」
思うのですが、恐らくこれはジイド一流の反語であって、土台懐疑に基づく叡智などというものは高が知れているのであって、本当の肯定的な叡智というものはむしろ芸術と共にある、と言うよりも芸術こそが叡智そのものである、ということなのではないかという気がします。その事を生涯説き続けて死んでいったのが小林秀雄という文学者だったのではないでしょうか。いや、勝手な屁理屈を申しました。m(_ _)m
読んでいて、一つ思い出したことがあります。
なるほど、真にエポックメイキングな技術革新が起っていたのですね!デジタル機器特有の音に限界を感じ、妥協したそれなりの音に一応満足していた音楽愛好家にとっては、新たに一筋の光明が差してきた思いです。いや、むしろこれは情報収集を怠った自らの不徳というべきか。素晴らしく、また濃い内容に、いろいろな事を考えさせられながら興味深く読んでおりました。
何遍も引用されていたジイドの言葉、あら、懐かしい!久方ぶりにこの言葉に接しました。
「懐疑は、恐らくは叡智の始かも知れない、然し、叡智の始まる処に芸術は終るのだ。」
思うのですが、恐らくこれはジイド一流の反語であって、土台懐疑に基づく叡智などというものは高が知れているのであって、本当の肯定的な叡智というものはむしろ芸術と共にある、と言うよりも芸術こそが叡智そのものである、ということなのではないかという気がします。その事を生涯説き続けて死んでいったのが小林秀雄という文学者だったのではないでしょうか。いや、勝手な屁理屈を申しました。m(_ _)m
読んでいて、一つ思い出したことがあります。
長くてすいません、続きです。
あれは、もう三十年以上も前の大学生の頃の事ですが、友人の下宿を訪ねて行ったところ、奇抜な事をして音楽を聞いておりました。六畳一間の板の間の部屋でしたが、ステレオ装置を部屋のど真ん中に置いて、本人はというと部屋の隅の方で壁に凭れて聞いていたのです。その友人曰く、いろいろと置く場所を試してみて、これが一番音が良いんだ、六畳を真ん中で二つに割った二つの四角形のそれぞれの真ん中、即ち対角線が交わるところ辺りにスピーカーを置くのがどうも良いようだ、とのこと。プレーヤーとアンプ、チューナーが一体の本体にシングルコーンのスピーカー二つという安物のコンポでしたが、バッハの無伴奏チェロソナタが素晴らしく実在観を持って鳴っておりました。その鳴っていた音の記憶もまるで昨日のことの様に思い出したのです。
GRFさんの文章を読むまで全く失念していたのは、生来の懐疑的性格ゆえか、この経験からは何も学ばないでいた証左でいささかお恥ずかしい次第ですが、貴ブログの内容をじっくり咀嚼しながらGRFさんの叡智にいろいろと学ばさせていただきたいと思います。
あれは、もう三十年以上も前の大学生の頃の事ですが、友人の下宿を訪ねて行ったところ、奇抜な事をして音楽を聞いておりました。六畳一間の板の間の部屋でしたが、ステレオ装置を部屋のど真ん中に置いて、本人はというと部屋の隅の方で壁に凭れて聞いていたのです。その友人曰く、いろいろと置く場所を試してみて、これが一番音が良いんだ、六畳を真ん中で二つに割った二つの四角形のそれぞれの真ん中、即ち対角線が交わるところ辺りにスピーカーを置くのがどうも良いようだ、とのこと。プレーヤーとアンプ、チューナーが一体の本体にシングルコーンのスピーカー二つという安物のコンポでしたが、バッハの無伴奏チェロソナタが素晴らしく実在観を持って鳴っておりました。その鳴っていた音の記憶もまるで昨日のことの様に思い出したのです。
GRFさんの文章を読むまで全く失念していたのは、生来の懐疑的性格ゆえか、この経験からは何も学ばないでいた証左でいささかお恥ずかしい次第ですが、貴ブログの内容をじっくり咀嚼しながらGRFさんの叡智にいろいろと学ばさせていただきたいと思います。
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GRF
at 2013-12-23 00:01
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免努苦斎さん コメントありがとうございます。最近は歳のせいか、物事が億劫になってきました。部屋が片付かないなど典型的な老人力の増加の所為です。ご友人の発見は、私のT4の位置と酷似しています。部屋の真ん中に置くと、実在感が出て来ます。
またお便りをおまちしています。
またお便りをおまちしています。
あはは、わたしなぞは生来のぐうたらの上に老人力が加わってものぐさに益々磨きがかかっています。言ってもしようがないと諦めたのでしょうが、妻の視線が痛いこの頃です(笑)。友人は荻野という名前でしたので、このセッティング法を「オギノ式」とでも命名しましょうか(笑)。
今日は朝から晩まで一日中、モノラル音声によるスピーカーのセッティングを試しておりました。これまで十分に出ていると思っておりましたが、ほんとに微妙ですね。本当に0.1ミリ、というかピンポイントという言葉がありますが、ベストポジションはまさしくピンポイントですね。モノラルでも立体感が出るのですね。そして、決まった後のステレオ音声の特にボーカルなどは、今流行りの言葉で言えばこれは音像3Dですね。さらに、今までは聞く位置が変わるとそれに伴って音像も動いたり滲んでいたのが、位置を変えても音像は中央にピタリと定位したまま!こいつは凄い!!感動ものでした。
GRFさん、貴兄のノウハウは書籍にして残しておくべきですよ。
今日は朝から晩まで一日中、モノラル音声によるスピーカーのセッティングを試しておりました。これまで十分に出ていると思っておりましたが、ほんとに微妙ですね。本当に0.1ミリ、というかピンポイントという言葉がありますが、ベストポジションはまさしくピンポイントですね。モノラルでも立体感が出るのですね。そして、決まった後のステレオ音声の特にボーカルなどは、今流行りの言葉で言えばこれは音像3Dですね。さらに、今までは聞く位置が変わるとそれに伴って音像も動いたり滲んでいたのが、位置を変えても音像は中央にピタリと定位したまま!こいつは凄い!!感動ものでした。
GRFさん、貴兄のノウハウは書籍にして残しておくべきですよ。
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TANNOY-GRF at 2013-12-23 21:32
免努苦斎さん 追実験をありがとうございます。私のところのT4で実験している位置ですね。そうなんです、3Dで再現します。それは怖い程の空間が浮き上がります。私は、その音を経験されていない方が、マルチに行くのではとさえ思っています。
インターネット上で公開しているので、皆さんが追実験をして頂ければ、良いと思っています。要するに音楽を楽しむ手段ですので。0.1ミリの差の面白さが解れば、後は、そこに音楽会場へのどこでもドアが出現します。
インターネット上で公開しているので、皆さんが追実験をして頂ければ、良いと思っています。要するに音楽を楽しむ手段ですので。0.1ミリの差の面白さが解れば、後は、そこに音楽会場へのどこでもドアが出現します。