2014年 01月 22日
Alexander Krichel / piano |
クリスチャン・ツィメルマンの後の武蔵野文化会館でのコンサートは、新人のアレキサンダー・クリッチェルのピアノリサイタルでした。ツィメルマンの後の演奏会では正直、聴く方も荷が重いなという感じでした。でも会員価格900円はタダみたいなものです。そして、武蔵野文化会館がよぶ新人は、そのあと超有名人になっています。先物買いの天才ですね。日本にデビューするとき、武蔵野でやったというのは、ヨーロッパの演奏家のステータスになっているのでしょう。開演、45分前まで行くかどうか迷っていました。仕事が終わらなかった所為もありますが、新人で全く情報が無く、入場券が900円という安さも頭の隅にあったからです。しかし、私が行かなければ誰かが行けなかったわけですから、その人に申し訳ないとも思っていました。
思い切って出て、阿佐ヶ谷駅までタクシーに乗りました。710円です。阿佐ヶ谷駅からは、先に来た快速の方に乗りました。乗ってから、しまったと思いました。平日は阿佐ヶ谷から三鷹までは各駅停車です。総武線の方が空いているし座っていけるからです。快速の方は、満員でした。傍若無人に咳をする迷惑男もいます。マスクをしてじっとしていました。三鷹に着くと、まだ二十五分有ります。文化会館のある五日市街道まで、1.2キロ、15分ぐらいかかりますが、北風も弱いので楽に歩けました。開演12分前に着きました。全力で歩くのも気持ちいい物です。
今日は前から5列目の右側、ベストポジションです。前回の小ホールは、「シー・シャー・サワサワサワ」のハンネス・ミンナールでした。今回は、上着を脱いでくれたのか、それほどはひどい音はしませんでした。ホールの暖房温度を上げればコートは脱ぐわけですが、このホールには、クロークが無いからでしょうね。外国のホールには、必ず大きなクロークがありコートは必ず脱ぎます。
第一音が出ました。前回の自分のピアノを持ち込んだ、ツィメルマンとは違い、やはりこのホールのピアノ音がします。少し、薄っぺらな音です。気持ちチューニングがあっていないような感じです。ホールに人が入り、温度が上がるとピッチが狂うのでしょう。少し、音がちぐはぐな感じがしました。大曲はありません。デビューのピアノアルバムからの抜粋みたいな演奏で、シューベルト・リスト編曲の曲などを引きこなしていきます。リスニングミュージックみたいなピアノ曲ですね。これはこれで良いのでは無いでしょうか?第一部の最後は、シューベルトの魔王でした。これはなかなか劇的な演奏でした。気合いが入ってきたみたいです。実は、最初の二曲の段階では、第一部で聴くのを止めて、吉祥寺のお寿司屋さんでも行こうと考えていました。この魔王とその前のセレナーデで考えが変わりました。なかなか音が良くなってきたのです。
休憩時間は、ホールには何も無いので、何時も外に出て近くの酒屋でアルコールを買いに行きます。今日は、ウイスキーの水割りでした。半分ぐらいのサイズを買って、一気に流し込み、会場に戻りました。出るときに、調律の音がしていましたから、調律し直したのかもしれません。第二部の音は、最初からまとまっていました。
クララ・シューマンのロマンスは、女性のピアニストより柔らかく弾きます。その夢のような音を聴きながら、冷や汗が出始めました。休憩時間に表に出て、メールの確認をしたまま、電源を切り忘れたのに気がついたからです。先日のツィメルマンでも携帯がなりました。今度は自分がと思うと、やりきれません。おまけにその電話が入ったコートは一つ先の空いた席の上です。そういうときに、優しい曲ばかりかかります。ようやく、ロマンスが終わり、彼が舞台袖に引っ込んだタイミングで、コートを引き寄せ、電源を切りました(大汗)。
春の夢と献呈は、柔らかで優しい演奏で、何時も河村尚子さんのアンコールで聴く曲とは、まるで別の曲のように聞こえました。彼女の演奏が如何に男勝りかわかります。彼は、その意味ではひ弱な感じさえしたのですが、最後の交響的練習曲は熱演でした。人が変わったようにしっかりと音が出てきました。ご本人も、気にしていたのでしょう、第一部の最後の魔王をアンコールで今一度演奏しました。それは第一部の時のチューニングがあっていなかった時とは違って、リストの曲のように男性的な演奏でした。気分が良くなった私は、彼のCDも買いサインもして貰いました。その時、先週のツィメルマンの後だったけど、まったく違う方向で良かったと言いました。彼は、ティンマーマンは指揮者だけど?といいましたが、私の発音が悪かった所為で、ツィメルマンとティンマーマンを聞き違えたのです。同じ、クリスチャンだからでしょう。横にいたマネージャーが訂正してくれて、ようやくわかり、彼も喜んでいました。
アレクサンダー・クリッヒェル ピアノ・リサイタル
2014年1月20日(月) 午後7時開演
武蔵野市民文化会館 小ホール
出演
アレクサンダー・クリッヒェル(ピアノ)
チケット 全席指定
一般 1,000円 友の会900円
プログラム
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲op.54
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 D664
シューベルト/リスト編:「セレナーデ」、「魔王」
------
クララ・シューマン:ロマンス イ短調
シューマン/リスト編:「春の夜」、「献呈」
シューマン:交響的練習曲 op.13
アンコールは
クリッヒェル:フェアリーテール・ララバイ
シューベルト(リスト編)「魔王」
思い切って出て、阿佐ヶ谷駅までタクシーに乗りました。710円です。阿佐ヶ谷駅からは、先に来た快速の方に乗りました。乗ってから、しまったと思いました。平日は阿佐ヶ谷から三鷹までは各駅停車です。総武線の方が空いているし座っていけるからです。快速の方は、満員でした。傍若無人に咳をする迷惑男もいます。マスクをしてじっとしていました。三鷹に着くと、まだ二十五分有ります。文化会館のある五日市街道まで、1.2キロ、15分ぐらいかかりますが、北風も弱いので楽に歩けました。開演12分前に着きました。全力で歩くのも気持ちいい物です。
今日は前から5列目の右側、ベストポジションです。前回の小ホールは、「シー・シャー・サワサワサワ」のハンネス・ミンナールでした。今回は、上着を脱いでくれたのか、それほどはひどい音はしませんでした。ホールの暖房温度を上げればコートは脱ぐわけですが、このホールには、クロークが無いからでしょうね。外国のホールには、必ず大きなクロークがありコートは必ず脱ぎます。
第一音が出ました。前回の自分のピアノを持ち込んだ、ツィメルマンとは違い、やはりこのホールのピアノ音がします。少し、薄っぺらな音です。気持ちチューニングがあっていないような感じです。ホールに人が入り、温度が上がるとピッチが狂うのでしょう。少し、音がちぐはぐな感じがしました。大曲はありません。デビューのピアノアルバムからの抜粋みたいな演奏で、シューベルト・リスト編曲の曲などを引きこなしていきます。リスニングミュージックみたいなピアノ曲ですね。これはこれで良いのでは無いでしょうか?第一部の最後は、シューベルトの魔王でした。これはなかなか劇的な演奏でした。気合いが入ってきたみたいです。実は、最初の二曲の段階では、第一部で聴くのを止めて、吉祥寺のお寿司屋さんでも行こうと考えていました。この魔王とその前のセレナーデで考えが変わりました。なかなか音が良くなってきたのです。
休憩時間は、ホールには何も無いので、何時も外に出て近くの酒屋でアルコールを買いに行きます。今日は、ウイスキーの水割りでした。半分ぐらいのサイズを買って、一気に流し込み、会場に戻りました。出るときに、調律の音がしていましたから、調律し直したのかもしれません。第二部の音は、最初からまとまっていました。
クララ・シューマンのロマンスは、女性のピアニストより柔らかく弾きます。その夢のような音を聴きながら、冷や汗が出始めました。休憩時間に表に出て、メールの確認をしたまま、電源を切り忘れたのに気がついたからです。先日のツィメルマンでも携帯がなりました。今度は自分がと思うと、やりきれません。おまけにその電話が入ったコートは一つ先の空いた席の上です。そういうときに、優しい曲ばかりかかります。ようやく、ロマンスが終わり、彼が舞台袖に引っ込んだタイミングで、コートを引き寄せ、電源を切りました(大汗)。
春の夢と献呈は、柔らかで優しい演奏で、何時も河村尚子さんのアンコールで聴く曲とは、まるで別の曲のように聞こえました。彼女の演奏が如何に男勝りかわかります。彼は、その意味ではひ弱な感じさえしたのですが、最後の交響的練習曲は熱演でした。人が変わったようにしっかりと音が出てきました。ご本人も、気にしていたのでしょう、第一部の最後の魔王をアンコールで今一度演奏しました。それは第一部の時のチューニングがあっていなかった時とは違って、リストの曲のように男性的な演奏でした。気分が良くなった私は、彼のCDも買いサインもして貰いました。その時、先週のツィメルマンの後だったけど、まったく違う方向で良かったと言いました。彼は、ティンマーマンは指揮者だけど?といいましたが、私の発音が悪かった所為で、ツィメルマンとティンマーマンを聞き違えたのです。同じ、クリスチャンだからでしょう。横にいたマネージャーが訂正してくれて、ようやくわかり、彼も喜んでいました。
アレクサンダー・クリッヒェル ピアノ・リサイタル
2014年1月20日(月) 午後7時開演
武蔵野市民文化会館 小ホール
出演
アレクサンダー・クリッヒェル(ピアノ)
チケット 全席指定
一般 1,000円 友の会900円
プログラム
メンデルスゾーン:厳格な変奏曲op.54
シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番 D664
シューベルト/リスト編:「セレナーデ」、「魔王」
------
クララ・シューマン:ロマンス イ短調
シューマン/リスト編:「春の夜」、「献呈」
シューマン:交響的練習曲 op.13
アンコールは
クリッヒェル:フェアリーテール・ララバイ
シューベルト(リスト編)「魔王」
by TANNOY-GRF
| 2014-01-22 08:36
| 演奏会場にて
|
Comments(1)
Commented
by
リウー
at 2014-01-22 18:59
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良いですね。こうやって、はるばる日本まで来てくれた若手が、ベテランになって、日本での良いイメージを持って、また、来てくれるようになれば、とても素晴らしいことだと思います。