2014年 06月 19日
二年ぶりのUNICORN邸 |
久しぶりにUNICORNさんのお宅を訪れました。前回は、灼熱の七月で、電車に乗る段階で、バテていたのを思い出しました。UNICORNさんのお宅に行くのには、中央線各駅停車ホームから交互に出ている地下鉄東西線に乗らなくては行けません。梅雨の晴れ間の強い日差しの中、日陰を選んで阿佐ヶ谷駅まで歩き、満員のホームに辿り着くと、すぐに黄色い電車が来ました。二年前も同じ事をしたのですが、今回も地下鉄東西線は、青い線が入っている車両だと思っていますから、入ってきた電車が西船橋行きなのに、総武線と思って見逃しました。10分待って、黄色の東西線直通を捕まえて、神楽坂の矢来町の長い階段を上ったときは、余裕を持って出たにもかかわらず、ちょうど待ち合わせ時間に成っていました。長い階段を上りきると、Sさんもちょうどついたばかり、何だか浮かない顔をしています。聞いてみると、持病の腰痛だとのこと。
この神楽坂駅は、上りと下りが、上下二段になっていて、西船橋方面行きは、一段低いホームから登ってこなければなりません。反対側の神楽坂口出口には、ホームから長いエスカレーターがあるのですが、反対側の矢来口には、より高い坂の上まで階段で上らなくてはならないのです。今日は阿佐ヶ谷駅まで歩いて、準備運動?を行ってきましたから、何とか登り切りましたが、とても息が切れる駅で堪えます。何時も元気なUNICORNさんは、全く意に介さないでしょうが、腰痛持ちと、運動不足の前期高齢者には、辛い駅です(苦笑)。
腰をかばいながら、ゆっくり歩くSさんと、UNICORN邸の方に向かっていくと、元気いっぱいのUNICORNさんが、軽快に坂を上がってきました。さだまさしのトークにある「足をかけたくなる程、何時も元気一杯」なのです。暑い日差しで到着するまでに疲れてしまうのが、いつもUNICORN邸に入るまでの光景です。
しかし、素敵なお部屋に通されると、めずらしいほど部屋が冷えています。聞けば、数日前空調機を交換したばかりで、とてもよく冷えるそうです。そういえば、前回は酷暑の中を歩き、到着した部屋も西日が差し込んできて、暑かったなあ〜と、その時のことを思い出しました。あの時は、横浜のMさんと来たことも思い出しました。
さて、最近UNICORNさんは、パワーアンプ用の真空管KT-88にご執心です。球が寿命を迎えて差し替えたのだが、以前のような音がしない!考えられるのは、真空管の個体差ではないかと、結局、5セットぐらい購入して、いまの1968年製のオリジナル球に行き着いた旨をMixiに詳しく経緯を書いています。勿論、個体差はありますが、その差がとても耳につく状態が、何か他の要素が原因ではないかと思っていました。
さっそく、聞かせていただきました。やはり、二年前とは、まったく違う音です。簡単にいうと、チタン製のツィーターと木製キャビネットに入ったウーハーの2ウェイに別れて聞こえるのです。360度無指向性のツィーターが指向性を持って聞こえるのです。一言で言うと、音が歪みっぽくツィーターがその存在位置を見せているのです。隣で聞かれているSさんも少し浮かない顔しています。
しかし、この音は、レコード調整を毎日していた私には、聞き覚えが有る音なのです。それは、レコードプレーヤーの調整です。
1.オーバーハングがあっていない。
2.カートリッジの取り付けネジが緩んでいる。
3.アームの根本の締め付けが甘い。
4.アームの根本が少し持ち上がっていて、針先の角度が合っていない。
5.針先が汚れている。
これらの可能性があるので、一つ一つ聞いてみました。そして、一番可能性があるのが、最後の針先の汚れです。毎回、スポンジ状の針先クリーナーで掃除しているのですが、それがかえって汚れを付着しているのでは?と思い、針先を高価な専用クリーニング水で掃除して貰いました。すると、いっぺんに、歪みぽい音が無くなります。私は、レコードを掛けるときには、高アルカリ水を含ました脱脂綿で、針先を軽く掃除します。40倍〜100倍のルーペで実際の針先を見ると、汚れている状態がすぐ確認できます。そして、その汚れが、針先の劣化と思われているのです。きれいに掃除をすれば、ほとんど、針は交換しなくても良いはずと思っています。
掃除した後は、音のバランスがよくなり、高域の歪みも減少したので、チタンのユニットからは、音がしなくなり、一体感が増しました。そして、インサイドフォースキャンセラーが無いアームなので、プリのバランスを1ミリほど、右に寄せさせていただきました。それで、全体のバランスが整いました。それからは、ご機嫌で、いろいろなレコードを聞かせて貰いました。ジャズのコルトレーンのエルヴィン・ジョーンズのシンバリングには、いつもながら驚かせられます。
日が落ちていく頃、Sさんから、やはりCDの音を聞かせて欲しいとの事。私も、UNICORNをお使いのUNICORNさんには、真剣にCDへ来て欲しいのですが、ご本人は、頑なにアナログに固執されています。これだけの音が出ていれば、問題なくCDも掛かるはずです。
Sさんの頼みで、しぶしぶ?腰を上げた、UNICORNさんでしたが、ご自分でも、そのまとまった音にビックリ。音は、幾分沈み込んだいるので、高域のレベルを一段上げて、フラットのレヴェルに戻しました。二年前は、その位置だったそうです。まだ、低音のほうも持ち上がっているそうですが、それもピンを抜いた一番フラットな状態が、エネルギーもでて良いと思われます。高域の歪みが、低域不足を感じさせていたのだと思われます。
より音場を出されるときは、左右のSPの間隔を今少し、1センチぐらいづつ寄せて、エネルギーを集中する。ほんの少し、5ミリ〜8ミリぐらいSPを前に持ってくる。その事で、立体的な音場が出て来て、音のバランスもがらりと変わる筈です。Sさんもご自分のSPを調整している経験から、具体的な数字が出て来たのには、ビックリ!でも、私も同感です。
しかし、この音場は、レコードでは出ません。レコードは、音質と二次元的な音像だけです。これだけの音が出ているので、ぜひ本格的にCDの三次元的な音の世界にも漕ぎ出して欲しいと感じました。バランスが整い、歪みが無くなれば、チタンのユニットからは、全く音が聞こえてこなくなります。その片鱗が、昨日の音からも聞こえていました。
しかし、ご機嫌な音と、美味しいワインで帰る頃には、Sさんの腰を相当良くなって来たようです。楽しい午後になりました。
この神楽坂駅は、上りと下りが、上下二段になっていて、西船橋方面行きは、一段低いホームから登ってこなければなりません。反対側の神楽坂口出口には、ホームから長いエスカレーターがあるのですが、反対側の矢来口には、より高い坂の上まで階段で上らなくてはならないのです。今日は阿佐ヶ谷駅まで歩いて、準備運動?を行ってきましたから、何とか登り切りましたが、とても息が切れる駅で堪えます。何時も元気なUNICORNさんは、全く意に介さないでしょうが、腰痛持ちと、運動不足の前期高齢者には、辛い駅です(苦笑)。
腰をかばいながら、ゆっくり歩くSさんと、UNICORN邸の方に向かっていくと、元気いっぱいのUNICORNさんが、軽快に坂を上がってきました。さだまさしのトークにある「足をかけたくなる程、何時も元気一杯」なのです。暑い日差しで到着するまでに疲れてしまうのが、いつもUNICORN邸に入るまでの光景です。
しかし、素敵なお部屋に通されると、めずらしいほど部屋が冷えています。聞けば、数日前空調機を交換したばかりで、とてもよく冷えるそうです。そういえば、前回は酷暑の中を歩き、到着した部屋も西日が差し込んできて、暑かったなあ〜と、その時のことを思い出しました。あの時は、横浜のMさんと来たことも思い出しました。
さて、最近UNICORNさんは、パワーアンプ用の真空管KT-88にご執心です。球が寿命を迎えて差し替えたのだが、以前のような音がしない!考えられるのは、真空管の個体差ではないかと、結局、5セットぐらい購入して、いまの1968年製のオリジナル球に行き着いた旨をMixiに詳しく経緯を書いています。勿論、個体差はありますが、その差がとても耳につく状態が、何か他の要素が原因ではないかと思っていました。
さっそく、聞かせていただきました。やはり、二年前とは、まったく違う音です。簡単にいうと、チタン製のツィーターと木製キャビネットに入ったウーハーの2ウェイに別れて聞こえるのです。360度無指向性のツィーターが指向性を持って聞こえるのです。一言で言うと、音が歪みっぽくツィーターがその存在位置を見せているのです。隣で聞かれているSさんも少し浮かない顔しています。
しかし、この音は、レコード調整を毎日していた私には、聞き覚えが有る音なのです。それは、レコードプレーヤーの調整です。
1.オーバーハングがあっていない。
2.カートリッジの取り付けネジが緩んでいる。
3.アームの根本の締め付けが甘い。
4.アームの根本が少し持ち上がっていて、針先の角度が合っていない。
5.針先が汚れている。
これらの可能性があるので、一つ一つ聞いてみました。そして、一番可能性があるのが、最後の針先の汚れです。毎回、スポンジ状の針先クリーナーで掃除しているのですが、それがかえって汚れを付着しているのでは?と思い、針先を高価な専用クリーニング水で掃除して貰いました。すると、いっぺんに、歪みぽい音が無くなります。私は、レコードを掛けるときには、高アルカリ水を含ました脱脂綿で、針先を軽く掃除します。40倍〜100倍のルーペで実際の針先を見ると、汚れている状態がすぐ確認できます。そして、その汚れが、針先の劣化と思われているのです。きれいに掃除をすれば、ほとんど、針は交換しなくても良いはずと思っています。
掃除した後は、音のバランスがよくなり、高域の歪みも減少したので、チタンのユニットからは、音がしなくなり、一体感が増しました。そして、インサイドフォースキャンセラーが無いアームなので、プリのバランスを1ミリほど、右に寄せさせていただきました。それで、全体のバランスが整いました。それからは、ご機嫌で、いろいろなレコードを聞かせて貰いました。ジャズのコルトレーンのエルヴィン・ジョーンズのシンバリングには、いつもながら驚かせられます。
日が落ちていく頃、Sさんから、やはりCDの音を聞かせて欲しいとの事。私も、UNICORNをお使いのUNICORNさんには、真剣にCDへ来て欲しいのですが、ご本人は、頑なにアナログに固執されています。これだけの音が出ていれば、問題なくCDも掛かるはずです。
Sさんの頼みで、しぶしぶ?腰を上げた、UNICORNさんでしたが、ご自分でも、そのまとまった音にビックリ。音は、幾分沈み込んだいるので、高域のレベルを一段上げて、フラットのレヴェルに戻しました。二年前は、その位置だったそうです。まだ、低音のほうも持ち上がっているそうですが、それもピンを抜いた一番フラットな状態が、エネルギーもでて良いと思われます。高域の歪みが、低域不足を感じさせていたのだと思われます。
より音場を出されるときは、左右のSPの間隔を今少し、1センチぐらいづつ寄せて、エネルギーを集中する。ほんの少し、5ミリ〜8ミリぐらいSPを前に持ってくる。その事で、立体的な音場が出て来て、音のバランスもがらりと変わる筈です。Sさんもご自分のSPを調整している経験から、具体的な数字が出て来たのには、ビックリ!でも、私も同感です。
しかし、この音場は、レコードでは出ません。レコードは、音質と二次元的な音像だけです。これだけの音が出ているので、ぜひ本格的にCDの三次元的な音の世界にも漕ぎ出して欲しいと感じました。バランスが整い、歪みが無くなれば、チタンのユニットからは、全く音が聞こえてこなくなります。その片鱗が、昨日の音からも聞こえていました。
しかし、ご機嫌な音と、美味しいワインで帰る頃には、Sさんの腰を相当良くなって来たようです。楽しい午後になりました。
by TANNOY-GRF
| 2014-06-19 20:59
| 行ったり
|
Comments(6)
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UNICORN
at 2014-06-20 08:53
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暑い中の御来宅有難うございました、早速翌日高アルカリ水を購入、ついでに赤ちゃん用綿棒を近所のドラッグStoreで購入、ウン万円の超々アルカリ水と較べ片面各にフンダンに!?使えるのが嬉しいです、それにしても良い時に来て頂いたものです、汚れにはウルサイ派・・・・を自認している小生でも、やはり習慣と言った落とし穴があることに気が付かされました。
さてUnicorn御本体に関しては、小生のMIXI日記に顛末記(ほぼ完了?)を記しています、<頭が入る??>距離に拘っていましたが、やはり音第一です!!腹を括って近ずけました(低域のバランスを考えながらですが・・・)。
これで1958年製Old-KT88の本領を本当に発揮させてやることが出来ました万歳!!
またの機会に是非確認の来宅を御願い致します。
さてUnicorn御本体に関しては、小生のMIXI日記に顛末記(ほぼ完了?)を記しています、<頭が入る??>距離に拘っていましたが、やはり音第一です!!腹を括って近ずけました(低域のバランスを考えながらですが・・・)。
これで1958年製Old-KT88の本領を本当に発揮させてやることが出来ました万歳!!
またの機会に是非確認の来宅を御願い致します。
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TANNOY-GRF at 2014-06-20 10:09
あの日までは、何ともなかったのですが、翌日、出張に行ってからいろいろとあり、この記事をなかなか上げられませんでした。今回は、いよいよ歳を感じることになってきました。今度は、もっと涼しい頃にお伺いしますね(苦笑)。
簡単にレコードや針先のクリーニングが出来るようになって、良かったですね。針圧も今少し掛けられた方が、安定した音になるように思われます。
それより、CDもあそこまで良い音がするのですから、ぜひ、本格的な参入をお待ちしています。
簡単にレコードや針先のクリーニングが出来るようになって、良かったですね。針圧も今少し掛けられた方が、安定した音になるように思われます。
それより、CDもあそこまで良い音がするのですから、ぜひ、本格的な参入をお待ちしています。
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KT88
at 2014-06-24 19:42
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いつも楽しく拝見させていただいてます。
アナログ導入して半年、いつかはと思っていた高級カートリッジを幸運にも新同品を、安価で手に入れる事が出来ました。
大切にずっと使って行きたいので針先を綺麗にしたいと思い、高アルカリ水をと思いましたがカンチレバーがボロン製なんです。
今はゼロダストのぷにゅぷにゅした樹脂に押し付けて、汚れを取ってますが粘着が針に移って余計に埃をつけないか心配です。
取説にはアルコール系は厳禁と書かれており、他に良い方法は無いでしょうか?
アナログ導入して半年、いつかはと思っていた高級カートリッジを幸運にも新同品を、安価で手に入れる事が出来ました。
大切にずっと使って行きたいので針先を綺麗にしたいと思い、高アルカリ水をと思いましたがカンチレバーがボロン製なんです。
今はゼロダストのぷにゅぷにゅした樹脂に押し付けて、汚れを取ってますが粘着が針に移って余計に埃をつけないか心配です。
取説にはアルコール系は厳禁と書かれており、他に良い方法は無いでしょうか?
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GRF
at 2014-06-25 21:57
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KT88さま 確かにボロンは、アルコール系に弱いと言われていますが、高アルカリ水は針先だけに付ければいいのではないかと思います。それに、カンチレバーに悪いと言っても、すぐボロボロンになるわけではありません。針先きれいになると、柔らかい音になりますよ。
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KT88
at 2014-06-26 08:18
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お早うございます。御返答ありがとうございます。他の二つのカートリッジは硬質アルミニウムのカンチレバーですので、早速ホームセンターへ買いに行ってみます。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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KT88
at 2014-06-28 05:30
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ドラッグストアで水の【激落ちくん】と云う100%アルカリ電解水と謳った商品を購入しました。
スプレー容器に入って¥255でした。オーディオアクセサリーとなると同成分のモノが、非常に高価になるんですね!
まさにボッタクリではないですか?
針先めがけてのクリーニングは不器用な私には、なかなか難しいですが曇りがとれて音域が広くなったように感じます。
DENONやSHELTERのカートリッジをクリーニングしましたが、ZYXだけは高価すぎて怖くてまだ出来てません。
まだ新しいのでスキルアップしたら、チャレンジします(汗)
スプレー容器に入って¥255でした。オーディオアクセサリーとなると同成分のモノが、非常に高価になるんですね!
まさにボッタクリではないですか?
針先めがけてのクリーニングは不器用な私には、なかなか難しいですが曇りがとれて音域が広くなったように感じます。
DENONやSHELTERのカートリッジをクリーニングしましたが、ZYXだけは高価すぎて怖くてまだ出来てません。
まだ新しいのでスキルアップしたら、チャレンジします(汗)