2015年 05月 06日
連休後半訪問記 pat_mthny7205さん邸 後編 |
そのような、ゴローさんとの深い思い入れもあり、その後、ご自分で調整されてきた音が、どの様になっているかが、今回の聴きたかったポイントです。最初は、フィッシャー・ディスカウ・ブレンデルのシューマン歌曲集でした。
スッキリと音像が立ち、フィッシャー・ディスカウ特有の声が、上に抜ける感じも見事です。ピアノは、少し瘠せていますが、これは音量のバランスだけですから、調整は難しくありません。良い音です。最近導入されたSONYのSCD-1の繊細な音も聴いていますね。しかし、ATC-2の柔らかな音が少ししません。
SP群は、以前の内振りから平行配置になっていて、音の位相もほぼ合っています。後は、各ユニット間の左右と上下のバランスを整えていけば、どうにかなると思いました。またSPの置いて有る位置も部屋の一番奥まで下がり、バランスも良くなっています。
まず、最初は、少し鳴りすぎているELACのスーパーツィーターのレベルを少し落としました。クロスは反対に15KHzから12KHzに下げて、音像を濃くしました。殆ど聞こえるか聞こえないかの音量です。ユニットに耳をつけても、このあたりのレベルは殆ど聞こえないぐらいなのですが、全体できくと音色が変わります。最もクロスオーバーのポイントは、12.5KHzだそうですから、15KHZから12KHzに落としても、ほんの少しの音量調整にしかなりません。その僅かな差が、全体の雰囲気をかえるのが面白いですね。
やる気になって来ました。
次は、中音の500Hz以上をそのまま受け持っている、JBLの強力ドライバー2450J+ラジアルホーンの2380Aのバランスです。実質上、このシステムを鳴らしているのは、500Hz以下を受け持っている46センチ口径の2245Hとこの中音ホーンの2ウェイだからです。この時点では、左側に音像が寄っています。小型のSPなら、大きい左側のSPを少し後ろに下げたり、右側のSPを気持ち内振りにして音像を中央に持ってくるのですが、大型SPを地震対策も兼ねてしっかり固定してあるので、ユニットは微動だにしません。そこで、チャンネルデバイダーのアッティネッターを利用して微調整してみました。
アキュフェーズのDF-35は、クロスオーバーやスロープ、ユニットのずれを調整できるデジタルリレーもできるマルチアンプ派には夢のようなデバイダーです。現在はより細かい調整が出来るDF-55まで進化していますが、実質上は、このDF-35で充分でしょう。それに、イコライザーのDF-48でもしっかりとバランスを整えているので、以前の音とは比べものにならないほど進化しています。
ですから、今回触ったのは、0.1dbづつ調整できるレヴェルコントロールだけです。0.1dbの音の差は、トントンコツコツで言うと、1mmぐらいの動きの変化でしょうか、それが足を痛くしないで行えるのですから、堪りません(爆)。
結果は、0.8dbも左右で違うレベルになりました。ここで、その下をそっと支える、YLのホーン側も調整していました。こちらは、大口径のウーハーと広い帯域をカバーするツイーターの間を保管するように使われています。オン・オフでは雰囲気が豊かになったり、瘠せたりする効果として現れます。そのレベルは、0.1dbの差で左を少しだけ絞りました。
これでかなり、音像は中央よりになりました。そこで、実際は難しいウーハーの調整を試みました。しっかりと12dbでクロスされているウーハーからは本当の低音だけで、レベル合わせが難しくなります。そこでスーパーツィーターをならしていただき、見えないウーハーの音像をあぶり出します。ここは問題有りませんでした。
でも、全体に元気が無い音なのです。それが不思議でした。見ると、音量の変化に伴いプリアンプの下に置かれているKORGのDSD用のADコンバーターのレヴェルメーターが光ります。繋がっているのですが、問題は、REC端子から繋がっているのか、プリとチャンネルデバイダーの間に繋がっているのかを聴いてみましたが、はっきりとした返事が、かえらなかったのです。ご本人は、イコライザーも繋がっているのだから、余り影響は無いと思われていたようです。
再度、聴きながらスーパーツイーターを元のレベルに戻しました。左側のツイーターの前に、CD棚の上のラジオに影響されているような感じなので、ラジオをツイーターから少し離して貰いました。
しかし、どうしても、音が活き活きとしていないのです。
今一度、KORGのADコンバーターがどの様に繋がっているかを聴き、それをバイパスして貰いました。
その途驚くべきことがおきました
音に力がみなぎり全体的に解放感が生まれたのです
これまでの音がどれほど押さえつけられていたかがはっきりわかりました
by pat_mthnyさん
折角ののびのびとした、A&Mのプリの音が、KORGのアナログ経由で、チャンネルデバイダーヘ送られていたので、音に枠が科せられていたのです。それが無くなり本来のダイナミックレンジが復活しました。驚くほど良い音です。のびのびと、SP側全体が歌い始めました。ご本人もさぞ驚かれたことでしょう。そうなると気になるのは、左右の絵画です。特に右側のパネルは、丁度一時反射のところにあります。それを外して貰いました。一遍に音が大人の音になりました。柔らかな響きになっていきます。
そこで、再度、ツィーターとYLのスコーカーのレベル調整です。結果、ツイーターは左右同じに、スコーカーは僅か0.1dbの差まであってきました。またしばらく聴いた後に、左側の小さいけど立体的な絵画の額縁も外していただきました。これで、バランスは完全に整い、ヴォリュームを上げても違和感は無くなりました。
マーラーの第三番の第1楽章をリクエストしました。私がいつも聴いている音楽です。すごいスケールになりました。家のユニコーンを大きな部屋に持って来た音です。横浜のMさんのお宅で鳴るTroubadour 80と46センチダブルウーハーの大迫力に肉薄します。さすがに、JBLの46センチを大きな箱に入れ、マッキントッシュのアンプで鳴らしている甲斐があります。
調整の一部始終を聴かれていた i さんのご感想も、素晴らしいの一言です。壁一面にひろがる大オーケストラのダイナミックレンジが見事に再現されました。チャンネルデバイダーの使い方のご指導、この方向で間違いないから進みなさいと進言し、後押ししてくれたゴローさんの情熱が実を結んだと感じました。
私が、今日触ったのは、レヴェル調整だけです。その他のユニットの選定、配置、イコライザーのセッティング、各機器へのグレードアップそれらの効果が実を結び、今日のこの音に結集しました。今鳴っている音を、天国のゴローさんにも聞かせてあげたいと思いました。同時に、すこし、肩の荷も降ろせたかなと、安堵することが出来ました。
少し、日が翳り車の台数も減ってきた裏道を戻りながら、美しい谷間の緑を眺めて、病気から帰還されたお二人とこの様な素晴らしい音を聴けた良い日に成りました。pat_mthnyさんのご感想はどうだったのでしょうか?
スッキリと音像が立ち、フィッシャー・ディスカウ特有の声が、上に抜ける感じも見事です。ピアノは、少し瘠せていますが、これは音量のバランスだけですから、調整は難しくありません。良い音です。最近導入されたSONYのSCD-1の繊細な音も聴いていますね。しかし、ATC-2の柔らかな音が少ししません。
SP群は、以前の内振りから平行配置になっていて、音の位相もほぼ合っています。後は、各ユニット間の左右と上下のバランスを整えていけば、どうにかなると思いました。またSPの置いて有る位置も部屋の一番奥まで下がり、バランスも良くなっています。
まず、最初は、少し鳴りすぎているELACのスーパーツィーターのレベルを少し落としました。クロスは反対に15KHzから12KHzに下げて、音像を濃くしました。殆ど聞こえるか聞こえないかの音量です。ユニットに耳をつけても、このあたりのレベルは殆ど聞こえないぐらいなのですが、全体できくと音色が変わります。最もクロスオーバーのポイントは、12.5KHzだそうですから、15KHZから12KHzに落としても、ほんの少しの音量調整にしかなりません。その僅かな差が、全体の雰囲気をかえるのが面白いですね。
やる気になって来ました。
次は、中音の500Hz以上をそのまま受け持っている、JBLの強力ドライバー2450J+ラジアルホーンの2380Aのバランスです。実質上、このシステムを鳴らしているのは、500Hz以下を受け持っている46センチ口径の2245Hとこの中音ホーンの2ウェイだからです。この時点では、左側に音像が寄っています。小型のSPなら、大きい左側のSPを少し後ろに下げたり、右側のSPを気持ち内振りにして音像を中央に持ってくるのですが、大型SPを地震対策も兼ねてしっかり固定してあるので、ユニットは微動だにしません。そこで、チャンネルデバイダーのアッティネッターを利用して微調整してみました。
アキュフェーズのDF-35は、クロスオーバーやスロープ、ユニットのずれを調整できるデジタルリレーもできるマルチアンプ派には夢のようなデバイダーです。現在はより細かい調整が出来るDF-55まで進化していますが、実質上は、このDF-35で充分でしょう。それに、イコライザーのDF-48でもしっかりとバランスを整えているので、以前の音とは比べものにならないほど進化しています。
ですから、今回触ったのは、0.1dbづつ調整できるレヴェルコントロールだけです。0.1dbの音の差は、トントンコツコツで言うと、1mmぐらいの動きの変化でしょうか、それが足を痛くしないで行えるのですから、堪りません(爆)。
結果は、0.8dbも左右で違うレベルになりました。ここで、その下をそっと支える、YLのホーン側も調整していました。こちらは、大口径のウーハーと広い帯域をカバーするツイーターの間を保管するように使われています。オン・オフでは雰囲気が豊かになったり、瘠せたりする効果として現れます。そのレベルは、0.1dbの差で左を少しだけ絞りました。
これでかなり、音像は中央よりになりました。そこで、実際は難しいウーハーの調整を試みました。しっかりと12dbでクロスされているウーハーからは本当の低音だけで、レベル合わせが難しくなります。そこでスーパーツィーターをならしていただき、見えないウーハーの音像をあぶり出します。ここは問題有りませんでした。
でも、全体に元気が無い音なのです。それが不思議でした。見ると、音量の変化に伴いプリアンプの下に置かれているKORGのDSD用のADコンバーターのレヴェルメーターが光ります。繋がっているのですが、問題は、REC端子から繋がっているのか、プリとチャンネルデバイダーの間に繋がっているのかを聴いてみましたが、はっきりとした返事が、かえらなかったのです。ご本人は、イコライザーも繋がっているのだから、余り影響は無いと思われていたようです。
再度、聴きながらスーパーツイーターを元のレベルに戻しました。左側のツイーターの前に、CD棚の上のラジオに影響されているような感じなので、ラジオをツイーターから少し離して貰いました。
しかし、どうしても、音が活き活きとしていないのです。
今一度、KORGのADコンバーターがどの様に繋がっているかを聴き、それをバイパスして貰いました。
その途驚くべきことがおきました
音に力がみなぎり全体的に解放感が生まれたのです
これまでの音がどれほど押さえつけられていたかがはっきりわかりました
by pat_mthnyさん
折角ののびのびとした、A&Mのプリの音が、KORGのアナログ経由で、チャンネルデバイダーヘ送られていたので、音に枠が科せられていたのです。それが無くなり本来のダイナミックレンジが復活しました。驚くほど良い音です。のびのびと、SP側全体が歌い始めました。ご本人もさぞ驚かれたことでしょう。そうなると気になるのは、左右の絵画です。特に右側のパネルは、丁度一時反射のところにあります。それを外して貰いました。一遍に音が大人の音になりました。柔らかな響きになっていきます。
そこで、再度、ツィーターとYLのスコーカーのレベル調整です。結果、ツイーターは左右同じに、スコーカーは僅か0.1dbの差まであってきました。またしばらく聴いた後に、左側の小さいけど立体的な絵画の額縁も外していただきました。これで、バランスは完全に整い、ヴォリュームを上げても違和感は無くなりました。
マーラーの第三番の第1楽章をリクエストしました。私がいつも聴いている音楽です。すごいスケールになりました。家のユニコーンを大きな部屋に持って来た音です。横浜のMさんのお宅で鳴るTroubadour 80と46センチダブルウーハーの大迫力に肉薄します。さすがに、JBLの46センチを大きな箱に入れ、マッキントッシュのアンプで鳴らしている甲斐があります。
調整の一部始終を聴かれていた i さんのご感想も、素晴らしいの一言です。壁一面にひろがる大オーケストラのダイナミックレンジが見事に再現されました。チャンネルデバイダーの使い方のご指導、この方向で間違いないから進みなさいと進言し、後押ししてくれたゴローさんの情熱が実を結んだと感じました。
私が、今日触ったのは、レヴェル調整だけです。その他のユニットの選定、配置、イコライザーのセッティング、各機器へのグレードアップそれらの効果が実を結び、今日のこの音に結集しました。今鳴っている音を、天国のゴローさんにも聞かせてあげたいと思いました。同時に、すこし、肩の荷も降ろせたかなと、安堵することが出来ました。
少し、日が翳り車の台数も減ってきた裏道を戻りながら、美しい谷間の緑を眺めて、病気から帰還されたお二人とこの様な素晴らしい音を聴けた良い日に成りました。pat_mthnyさんのご感想はどうだったのでしょうか?
by TANNOY-GRF
| 2015-05-06 15:38
| 行ったり来たり
|
Comments(2)
Commented
by
pat_mthny7205 at 2015-05-06 18:44
GRFさん こんばんは
2回に分けての詳細レポートありがとうございます
一昨日の出来事ですがその日GRFさんが目の前で行われている作業がみるみる音に変化を与え、
最後には大変貌を成し遂げたときの興奮がまたよみがえってきました
それとは反対に過去ゴローさんとのメールのやり取りや我が家へおいでくださった時の画像も載せていたのを見て少し胸が熱くなる思いがしました
これほどの能力が我が家のシステムに潜んでいたとはいまだに信じられません
このお礼といっても私には何もできませんが、
システムを永い眠りから起こしていただいたお礼として白か赤の飲み物で如何でしょうか?(笑)
最後にGRFさんの「ユニコーン」や横浜のMさんの「Troubadour+46センチダブルウーハー」とを比較の対象として評価していただき私としてはかなり恐縮しております
最大級のお褒めのお言葉と受け止め感謝しております
またお近くにお寄りの際には是非遊びにいらしてください
改めてこの度は大変ありがとう材ました
2回に分けての詳細レポートありがとうございます
一昨日の出来事ですがその日GRFさんが目の前で行われている作業がみるみる音に変化を与え、
最後には大変貌を成し遂げたときの興奮がまたよみがえってきました
それとは反対に過去ゴローさんとのメールのやり取りや我が家へおいでくださった時の画像も載せていたのを見て少し胸が熱くなる思いがしました
これほどの能力が我が家のシステムに潜んでいたとはいまだに信じられません
このお礼といっても私には何もできませんが、
システムを永い眠りから起こしていただいたお礼として白か赤の飲み物で如何でしょうか?(笑)
最後にGRFさんの「ユニコーン」や横浜のMさんの「Troubadour+46センチダブルウーハー」とを比較の対象として評価していただき私としてはかなり恐縮しております
最大級のお褒めのお言葉と受け止め感謝しております
またお近くにお寄りの際には是非遊びにいらしてください
改めてこの度は大変ありがとう材ました
Commented
by
TANNOY-GRF at 2015-05-06 22:18
pat_mthny7205さん
ご連絡ありがとうございます。見事に化けましたね。ここまで到達する努力を続けて来られたから、今の音があるのだと思います。入力系の変化が大きいと思います。また、ELACの360度放射のツイーターの鳴らし方は、German Physiksのユニットと同じ様に、いろいろな方の参考にもなると思います。
それにしても、KORGへの接続を外した瞬間から、無重力状態になりました。ホーン型でこの様な音は、なかなか聴けません。自由闊達な音は、一緒にゴロー差のお宅へも行った横浜のMさんにもお聞かせしたいぐらいです。
私は、オールホーン+マルチアンプでは、今回の音の様な世界はでないのではと思っていました。しかし、横浜のMさんのところの、パラゴンのマルチアンプとEQの効果的な使い方、Troubadour80とTW"の46センチダブルウーハーのシステムの調整を通じて、なにかホーン型調整のコツが摑めた様な気もします。
一番良い方法は、この状態で、持って有られるCDを聞き返していただければ一番身体にいいのではと思っています。この状態で、良い音がしないCDは録音や製作の行程が間違っているのです。
今日、iさんとも連絡し合い、すごい音になった物だと、驚かれていました。そのへんかの一部始終に立ち会えて大変参考になったと言って下さいました。お礼のワインの話は、冗談ですから気にしないで下さい。お身体をこわしてお酒を断っておられるあなたに余計な心配をお掛けしたら、かえって身体に悪いですから。養生につとめて下さい。そのうち完治されて、乾杯できるようなったら、その時にご馳走になりましょう!
ご連絡ありがとうございます。見事に化けましたね。ここまで到達する努力を続けて来られたから、今の音があるのだと思います。入力系の変化が大きいと思います。また、ELACの360度放射のツイーターの鳴らし方は、German Physiksのユニットと同じ様に、いろいろな方の参考にもなると思います。
それにしても、KORGへの接続を外した瞬間から、無重力状態になりました。ホーン型でこの様な音は、なかなか聴けません。自由闊達な音は、一緒にゴロー差のお宅へも行った横浜のMさんにもお聞かせしたいぐらいです。
私は、オールホーン+マルチアンプでは、今回の音の様な世界はでないのではと思っていました。しかし、横浜のMさんのところの、パラゴンのマルチアンプとEQの効果的な使い方、Troubadour80とTW"の46センチダブルウーハーのシステムの調整を通じて、なにかホーン型調整のコツが摑めた様な気もします。
一番良い方法は、この状態で、持って有られるCDを聞き返していただければ一番身体にいいのではと思っています。この状態で、良い音がしないCDは録音や製作の行程が間違っているのです。
今日、iさんとも連絡し合い、すごい音になった物だと、驚かれていました。そのへんかの一部始終に立ち会えて大変参考になったと言って下さいました。お礼のワインの話は、冗談ですから気にしないで下さい。お身体をこわしてお酒を断っておられるあなたに余計な心配をお掛けしたら、かえって身体に悪いですから。養生につとめて下さい。そのうち完治されて、乾杯できるようなったら、その時にご馳走になりましょう!