2015年 08月 29日
第二夜 ハイティンク ヨーロッパ室内管弦楽団 II |
イザベル・ファウストとハイティンクが、孫とおじいちゃんの様に入ってきます。目の前、数メーターで、イザベル・ファウストの名バイオリンの音が聴けるのは嬉しいです。編成も小さくなったようです。席が前過ぎて、ステージの後ろの方がよく見えないのです。
モーツァルトは、やはりモーツァルトですね。ハ長調からイ長調への変化も見落とせません。イ長調も明るい曲が多く、音の透明度も上がってきます。先ほど気になった、ピリオッド奏法的な感じは無くなりました。しかし、普通の協奏曲のオーケストラのバランスより大きい感じがします。オーケストラが支えには回らず、しっかりと主張しているのです。
イザベル・ファウストは、バッハを中心に何回か聴いていますが、今日のオーケストラとヴァイオリンの掛合いが、何かおかしい感じがします。でも、先ほどのシューベルトよりは、だいぶ聴きやすくなりました。金曜日にハーディングとメンデルスゾーンの協奏曲を演奏します。それを聴いてからの評価ですね。なんだか、未消化のまま、曲が終わりました。
困りました。一番期待してきた演奏会が、思わぬ展開になったからです。最近のハイティンクは、どこのオーケストラからも引っ張りだこです。86歳で現役の指揮者は、そういるものではありません。レパートリーもマーラーからベートーヴェン、私の好きなショスタコヴィッチへと広がっています。もともとオールラウンドプレーヤーなのです。何を演奏しても、破綻なくまとまり、もともとその音楽に備わっていた、骨格や姿勢が浮かび上がってきます。フォルテの迫力も大したもので、マーラーの演奏の時はしびれました。今日のメインはシューベルトのグレートです。
休み時間に気付の白ワインを飲んできました。

いよいよ私の大好きな『グレート』が始まります。いつかも書いた様に、このグレートが数ある交響曲の中でも一番好きな曲かもしれません。しっかりとしたテンポで、丁寧に繰り返しも演奏していきます。当然、演奏は長くなっていきます。高齢のハイティンクは、楽章の合間には、用意された椅子に座り、息を整えています。そして、すくっと立って、指揮をするのです。さすがに86歳の年齢は、隠し様もなく、演奏を終えた時の安堵した顔は、忘れません。ステージに近い三列目の中央席でしたから、盛大な拍手に応える、ハイティンクの顔は、忘れまいと目に刻みました。高校生の時から50年間親しんできた名前です。彼の演奏スタイルは、まったく変わりません。相手のオーケストラの特徴もそのまま出てきます。
最近は、コンセルとへボウオーケストラとは、方針が合わず演奏されないのですが、ベルリンフィルでも、ウィーンフィルにも、はたまた、九月に一緒に来日する予定のロンドン交響楽団とも、積極的に演奏活動をおこなっています。コンセルトヘボウの会場には、今日のヨーロッパ室内管弦楽団とも、公演を行うようです。休憩時には、息を切らせていますが、演奏中のダイナミックな指揮ぶりは、まったく変わっていないと言えましょう。
ヨーロッパ室内管弦楽団の響きは、第一曲目程の目立った感じではありませんが、エッジのたったピリオッド奏法的な感じはあります。そこが好きかどうかで、評価が変わるのだと思います。個人的な希望では、昨日のマーラー室内楽団、明日のコンセルトヘボウ楽団のどちらかで演奏されたら、もっと感銘したのにと、思ったりしていました。準・メルクル 水戸室内楽団の演奏の方が、音響的にもしっくりしていたのは、事実です。もしかしたら、このかぶりつきの席ではなく、もっと、後方で聴けば良かったのかもしれませんが、演奏後のハイティンクの顔を真近に見えただけ良かったです。ハイティンクの写真はあえて撮りませんでした。目に焼き付けたかったのです。九月のロンドン交響楽団と来日してくれればいいのにと願っていました。
長い曲ですが、隅々まで堪能していましたので、あっという間に終わりました。私のヨーロッパ室内管弦楽団の評価は、マーラー室内管弦楽団ほどには行きませんでしたが、ルツェルン祝祭楽団としても、また先のアンスネスとの世界ツアーでも、成長を続けているマーラー室内管弦楽団の方が、レヴェルが高くなっているというが、私の結論でした。その感じは、翌日のバンベルグ交響楽団、その次の、コンセルトヘボウの演奏に接し確信になりました。
モーツァルトは、やはりモーツァルトですね。ハ長調からイ長調への変化も見落とせません。イ長調も明るい曲が多く、音の透明度も上がってきます。先ほど気になった、ピリオッド奏法的な感じは無くなりました。しかし、普通の協奏曲のオーケストラのバランスより大きい感じがします。オーケストラが支えには回らず、しっかりと主張しているのです。
イザベル・ファウストは、バッハを中心に何回か聴いていますが、今日のオーケストラとヴァイオリンの掛合いが、何かおかしい感じがします。でも、先ほどのシューベルトよりは、だいぶ聴きやすくなりました。金曜日にハーディングとメンデルスゾーンの協奏曲を演奏します。それを聴いてからの評価ですね。なんだか、未消化のまま、曲が終わりました。
困りました。一番期待してきた演奏会が、思わぬ展開になったからです。最近のハイティンクは、どこのオーケストラからも引っ張りだこです。86歳で現役の指揮者は、そういるものではありません。レパートリーもマーラーからベートーヴェン、私の好きなショスタコヴィッチへと広がっています。もともとオールラウンドプレーヤーなのです。何を演奏しても、破綻なくまとまり、もともとその音楽に備わっていた、骨格や姿勢が浮かび上がってきます。フォルテの迫力も大したもので、マーラーの演奏の時はしびれました。今日のメインはシューベルトのグレートです。
休み時間に気付の白ワインを飲んできました。

いよいよ私の大好きな『グレート』が始まります。いつかも書いた様に、このグレートが数ある交響曲の中でも一番好きな曲かもしれません。しっかりとしたテンポで、丁寧に繰り返しも演奏していきます。当然、演奏は長くなっていきます。高齢のハイティンクは、楽章の合間には、用意された椅子に座り、息を整えています。そして、すくっと立って、指揮をするのです。さすがに86歳の年齢は、隠し様もなく、演奏を終えた時の安堵した顔は、忘れません。ステージに近い三列目の中央席でしたから、盛大な拍手に応える、ハイティンクの顔は、忘れまいと目に刻みました。高校生の時から50年間親しんできた名前です。彼の演奏スタイルは、まったく変わりません。相手のオーケストラの特徴もそのまま出てきます。
最近は、コンセルとへボウオーケストラとは、方針が合わず演奏されないのですが、ベルリンフィルでも、ウィーンフィルにも、はたまた、九月に一緒に来日する予定のロンドン交響楽団とも、積極的に演奏活動をおこなっています。コンセルトヘボウの会場には、今日のヨーロッパ室内管弦楽団とも、公演を行うようです。休憩時には、息を切らせていますが、演奏中のダイナミックな指揮ぶりは、まったく変わっていないと言えましょう。
ヨーロッパ室内管弦楽団の響きは、第一曲目程の目立った感じではありませんが、エッジのたったピリオッド奏法的な感じはあります。そこが好きかどうかで、評価が変わるのだと思います。個人的な希望では、昨日のマーラー室内楽団、明日のコンセルトヘボウ楽団のどちらかで演奏されたら、もっと感銘したのにと、思ったりしていました。準・メルクル 水戸室内楽団の演奏の方が、音響的にもしっくりしていたのは、事実です。もしかしたら、このかぶりつきの席ではなく、もっと、後方で聴けば良かったのかもしれませんが、演奏後のハイティンクの顔を真近に見えただけ良かったです。ハイティンクの写真はあえて撮りませんでした。目に焼き付けたかったのです。九月のロンドン交響楽団と来日してくれればいいのにと願っていました。
長い曲ですが、隅々まで堪能していましたので、あっという間に終わりました。私のヨーロッパ室内管弦楽団の評価は、マーラー室内管弦楽団ほどには行きませんでしたが、ルツェルン祝祭楽団としても、また先のアンスネスとの世界ツアーでも、成長を続けているマーラー室内管弦楽団の方が、レヴェルが高くなっているというが、私の結論でした。その感じは、翌日のバンベルグ交響楽団、その次の、コンセルトヘボウの演奏に接し確信になりました。
by TANNOY-GRF
| 2015-08-29 05:06
| 音楽旅行
|
Comments(2)

家人の評価とは逆になってしまったのですね。とはいえ世界の頂点にある2つの室内オーケストラの連夜の聴き較べです。思わずため息が出てしまう。やはり演奏というのは常に一期一会なのですね。
ヨーロッパ室内とマーラー室内は、奏法の差が好きかどうかでしょうね。技術的には、マーラー室内の方が、ルツェルン祝祭としても活躍して演奏の機会も多いので、実力が向上しているのでしょう。いずれにいても、その二つのオーケストラを連日聴けるところはありません。Bellwoodさんも、来年はぜひご一緒しましょう!