2015年 10月 03日
イブラギモヴァ モーツァルト ヴァイオリンソナタ |
現代活躍している個性派のヴァイオリニストは、イザベル・ファウスト、パトリツィア・コパチンスカヤ、そしてアリーナ・イブラギモヴァだと言われています。イザベル・ファウストは、フィリア・ホールでバッハを聴き、先日のルツェルンでは、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲をハイティンク・ヨーロッパ室内管弦楽団、そして、ハーディング・コンセルトヘボウで、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴いてきました。コパチンスカヤは、テレビでしか見たことがありません。裸足で演奏していました。個性的で、情熱的で是非、実際に聴いてみたいです。
そして、三人目のイブラギモヴァのモーツァルトのヴァイオリンソナタの演奏会が連続で開かれるというので、銀座の王子ホールまで、地下鉄を乗り継ぎやってきました。三越の裏側なので、久しぶりに三越の中を通ってました。すると地下も一階も宝石の高級店ばかりで、きらきらと輝いています。高価なジュエリーを、真剣にショーウィンドーをのぞいている女性だけの不思議なコーナーを通り抜け、ようやく裏通りに出ました。
三越の裏側にある王子ホールは、明かりも落としてあり地味で暗い感じでした。一階の売店で、白ワインを頼むと、まだ封を開けていないくて、フレッシュで美味しいワインでした。これで400円は、東京の演奏会場でも一番安く、美味しいワインだと感心しました。サンドイッチにクロワッサンが入っているのは、口の中がガサガサになっていけません。サンドイッチだけにして欲しいです(苦笑)。
さて今日は三日連続の演奏会の第二夜です。
第32番 ヘ長調 K.376(374d)
第10番 変ロ長調 K.15
第37番 イ長調 K.402(385e)
第1番 ハ長調 K.6
第14番 ニ長調 K29
第4番 ト長調 K9
第2番 ニ長調 K7
第29番 イ長調 K.305(293d)
レコード慣れ親しんでいる、40番や41番は今日は含まれていませんが、最初期の1番、2番がどの様な曲なのかを聴くのも楽しみでした。今日の演奏会はNHKが入っていましたから、その内放送されることでしょう。武蔵野文化会館小ホールやフィリアホールでは、何回も見ていますが、遠隔操作の小型のカメラが、二台ピアノの後方と上手にあります。人が操作しているのは、一番後ろの席で、その周りは、人が入れませんから、カメラがくると20人ぐらいは入れなくなります。
黒のパンタロン姿で、イブラギモヴァが入ってきました。動きやすく演奏しやすいと思います。私は、諸肌を出したドレス姿が嫌いです。半分ヌードのような状態で音楽を聴きたくありません。肩が冷えるのではと余計な心配もするからです。今時、あのようなイブニングドレスを着ているのは、その関係の仕事しかありません。イブラギモヴァのような機能的な服が一番です。共演のセドリック・ティベルギアンは長身痩躯のフランス人です。イブラギモヴァは小さいので、二人並ぶと不思議な感じがします。
最初の曲は、まだ様子見という感じでした。私の耳にはピアノの調律がずれているような、ギクシャクした感じがします。それに合わせるためにヴァイオリンも、どことなく重い感じがしました。音を探っている様子で、音楽が流れません。ヴァイオリンの音色とピアノの音が乖離しているのです。だんだん調整してきましたが、第一部、その感じは続き、落ち着かない感じがぬぐえませんでした。
第一部が終わり、休憩中はロビーは混んでいるので、さっき白ワインを飲んだ一階の売店で、今度は赤ワインを頼みました。また封開けです。誰も飲まないのですね。今日のお薦めという方ですが、こちらでも500円です。でもさっきより量が少なかったので、ちょっぴり不満が出ました。どこまでも、意地汚い自分におかしくなり、笑ってしまいました(苦笑)。そのワインをちびりちびり飲んでいると、天井から調律の音がします。これはSPの音だろうと思いましたが、かなり大掛かりに調律しています。
小ホールなので、トイレが小さく休憩時間ギリギリまで列をなしていました。これは高齢者には深刻な問題です。
第二部の演奏がはじまりました。驚きました。さっきまでのもたもた感が無くなり、ピアノが快活にまた雄弁に歌い始めたのです。ようやくモーツァルトの音楽に成りました。その音に乗りイブラギモヴァのヴァイオリンも歌い始めます。音の調整はこれほど大事なのですね。しかし、前半は勿体なかったと思いました。テレビで聴くときも、前半の曲目と後半の曲目を両方放送されたらその差は、すぐ解るともいます。
演奏は、スムーズになり、二人の呼吸も合ってきました。しかし、今日演奏されているソナタは、K6,7,9番です。モーツァルト7歳から8歳の時の作品です。天才という言葉では表しきれない才能です。イブラギモヴァは各曲の特徴を捉え、ときには奏法も変えて弾き分けていきます。何人ものイブラギモヴァがいるようです。残念ながらピアノのティベルギアンでは、その多様性について行けない気もしました。第二部のピアノの音は整音されてきれいなのですが,何かが足りないと感じました。
しかし、気持ち良い音楽に身を任している至福の時間は何ごとにも変えられませんが、気持ちの良い第二部はあっという間に終わり、アンコールには、翌日演奏される、24番の第二楽章が演奏されました。演奏に深さと柔らかさが生まれ、集中度もこの曲が一番良かったです。
終わったら、もう九時二十分です。西銀座駅までゆっくり銀ブラをしました。歩いているのは中国観光客ばかりで、ドラッグストアは集蛾灯のように煌々と灯りを付け中国人の爆買いツアーの人が集まっていました。そのひとごみをかき分け、5丁目方面にみゆき通りを曲がり、いつものバーで軽く一杯飲んで戻ったのが敗因でした。金曜日の夜の11時台の地下鉄は、中野坂上までラッシュアワーの超満員でした。
そして、三人目のイブラギモヴァのモーツァルトのヴァイオリンソナタの演奏会が連続で開かれるというので、銀座の王子ホールまで、地下鉄を乗り継ぎやってきました。三越の裏側なので、久しぶりに三越の中を通ってました。すると地下も一階も宝石の高級店ばかりで、きらきらと輝いています。高価なジュエリーを、真剣にショーウィンドーをのぞいている女性だけの不思議なコーナーを通り抜け、ようやく裏通りに出ました。
三越の裏側にある王子ホールは、明かりも落としてあり地味で暗い感じでした。一階の売店で、白ワインを頼むと、まだ封を開けていないくて、フレッシュで美味しいワインでした。これで400円は、東京の演奏会場でも一番安く、美味しいワインだと感心しました。サンドイッチにクロワッサンが入っているのは、口の中がガサガサになっていけません。サンドイッチだけにして欲しいです(苦笑)。
さて今日は三日連続の演奏会の第二夜です。
第32番 ヘ長調 K.376(374d)
第10番 変ロ長調 K.15
第37番 イ長調 K.402(385e)
第1番 ハ長調 K.6
第14番 ニ長調 K29
第4番 ト長調 K9
第2番 ニ長調 K7
第29番 イ長調 K.305(293d)
レコード慣れ親しんでいる、40番や41番は今日は含まれていませんが、最初期の1番、2番がどの様な曲なのかを聴くのも楽しみでした。今日の演奏会はNHKが入っていましたから、その内放送されることでしょう。武蔵野文化会館小ホールやフィリアホールでは、何回も見ていますが、遠隔操作の小型のカメラが、二台ピアノの後方と上手にあります。人が操作しているのは、一番後ろの席で、その周りは、人が入れませんから、カメラがくると20人ぐらいは入れなくなります。
黒のパンタロン姿で、イブラギモヴァが入ってきました。動きやすく演奏しやすいと思います。私は、諸肌を出したドレス姿が嫌いです。半分ヌードのような状態で音楽を聴きたくありません。肩が冷えるのではと余計な心配もするからです。今時、あのようなイブニングドレスを着ているのは、その関係の仕事しかありません。イブラギモヴァのような機能的な服が一番です。共演のセドリック・ティベルギアンは長身痩躯のフランス人です。イブラギモヴァは小さいので、二人並ぶと不思議な感じがします。
最初の曲は、まだ様子見という感じでした。私の耳にはピアノの調律がずれているような、ギクシャクした感じがします。それに合わせるためにヴァイオリンも、どことなく重い感じがしました。音を探っている様子で、音楽が流れません。ヴァイオリンの音色とピアノの音が乖離しているのです。だんだん調整してきましたが、第一部、その感じは続き、落ち着かない感じがぬぐえませんでした。
第一部が終わり、休憩中はロビーは混んでいるので、さっき白ワインを飲んだ一階の売店で、今度は赤ワインを頼みました。また封開けです。誰も飲まないのですね。今日のお薦めという方ですが、こちらでも500円です。でもさっきより量が少なかったので、ちょっぴり不満が出ました。どこまでも、意地汚い自分におかしくなり、笑ってしまいました(苦笑)。そのワインをちびりちびり飲んでいると、天井から調律の音がします。これはSPの音だろうと思いましたが、かなり大掛かりに調律しています。
小ホールなので、トイレが小さく休憩時間ギリギリまで列をなしていました。これは高齢者には深刻な問題です。
第二部の演奏がはじまりました。驚きました。さっきまでのもたもた感が無くなり、ピアノが快活にまた雄弁に歌い始めたのです。ようやくモーツァルトの音楽に成りました。その音に乗りイブラギモヴァのヴァイオリンも歌い始めます。音の調整はこれほど大事なのですね。しかし、前半は勿体なかったと思いました。テレビで聴くときも、前半の曲目と後半の曲目を両方放送されたらその差は、すぐ解るともいます。
演奏は、スムーズになり、二人の呼吸も合ってきました。しかし、今日演奏されているソナタは、K6,7,9番です。モーツァルト7歳から8歳の時の作品です。天才という言葉では表しきれない才能です。イブラギモヴァは各曲の特徴を捉え、ときには奏法も変えて弾き分けていきます。何人ものイブラギモヴァがいるようです。残念ながらピアノのティベルギアンでは、その多様性について行けない気もしました。第二部のピアノの音は整音されてきれいなのですが,何かが足りないと感じました。
しかし、気持ち良い音楽に身を任している至福の時間は何ごとにも変えられませんが、気持ちの良い第二部はあっという間に終わり、アンコールには、翌日演奏される、24番の第二楽章が演奏されました。演奏に深さと柔らかさが生まれ、集中度もこの曲が一番良かったです。
終わったら、もう九時二十分です。西銀座駅までゆっくり銀ブラをしました。歩いているのは中国観光客ばかりで、ドラッグストアは集蛾灯のように煌々と灯りを付け中国人の爆買いツアーの人が集まっていました。そのひとごみをかき分け、5丁目方面にみゆき通りを曲がり、いつものバーで軽く一杯飲んで戻ったのが敗因でした。金曜日の夜の11時台の地下鉄は、中野坂上までラッシュアワーの超満員でした。
by TANNOY-GRF
| 2015-10-03 11:32
| 演奏会場にて
|
Comments(3)
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リウー
at 2015-10-03 13:05
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イブラギモア。行きたかったんですが、都合がつきませんでした。バッハの無伴奏、シマノフスキなどの録音を持っていますが、バッハを一番聴きます。
王子ホールは、良い感じのホールですね。椅子は、トッパンホールの方が良いですが。
王子ホールは、良い感じのホールですね。椅子は、トッパンホールの方が良いですが。
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TANNOY-GRF at 2015-10-04 08:51
リウーさん 前評判が高かったので、期待していったのですが、イザベル・ファウストや五嶋みどりのような、圧倒的な形式美は感じませんでした。ファウスト・メルニコフのような、集中度が見られなかったのが残念です。先日のロンドン交響楽団のコンサートマスターのような集中度がありませんでした。
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Bellwood
at 2015-10-08 13:49
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イブラギモヴァは、震災の年の秋に聴きました。生涯に何度聴けるかどうかというような感動を受けました。バッハの無伴奏の演奏としてはファウストと双璧、いや、その集中度と純潔無垢という点ではファウストをはるかに上回るものでした。CDでは、ルクーのソナタ、ベートーヴェンのソナタがよいですね。ベートーヴェンではやっぱりファウストとの比較になってしまいますが、初期のものやスプリングソナタなどはやっぱりイブラギモヴァがよいですね。モーツァルトは、バッハのように即興性の余地が少ないので集中を高めるには助走が必要なのかもしれません。このひともウィグモアホールで聴いてみたいひとのひとりです。