2015年 10月 11日
今日はUNICORN邸に |
今日は、久しぶりにUNICORN邸の訪問です。午前中の法事を済ませて、神楽坂駅の心臓破りの長い階段を上ったのが、約束の時間5分前でした。高円寺駅から東西線直通ですから乗ったらあっという間に着きます。しかし、神楽坂の地下鉄の駅は上下二段に成っていて、高田馬場方面から来ると、長い階段を二回上がらないと地上に着きません。今日の午前中もお墓の長い階段を上り下りして、準備運動?してきたつもりですが、いつもながらこの駅の階段は最後のところで息が切れます。神楽坂の一番高いところにでるのですから、登ってもすぐに坂を下りはじめるのです。駅の出口が50mもずれていれば随分と階段の数も違ったことでしょう。
犬の散歩を兼ねて迎えに来てくれたUNICORNさんが、にこやかに坂を登ってきます。駅の反対側に出来た新潮社の倉庫を改造した家具屋の階段の講釈を聞いてから、いつもの裏道を通って、UNICORN邸に。今日の私は、めずらしく大きな袋を抱えています。重いのはお土産のワインですが、今日のメインテーマのレコードの聴き比べに使う、レコードを抱えているからです。
何時も整理された素敵なUNICORN邸にくると、散らかしっぱなしの自分は、お尻がむずむずするのですが、それはそれと割り切り、教会の木の椅子に座ると、早速UNICORNさんのメニューがはじまりました。第一曲目は、Bill Evance のExprorationsのオリジナル盤から、第一曲目の『Israel」です。ラファエロのベースが素晴らしく歌います。前回のときとはまったく違う音に仕上がっていました。低域は、以前よりは柔らかく、少しゆるめのチューニングですが、ゆったりとした時間が流れていき、ユニコーンもこういう音が出るのかと、とても勉強になりました。この装置で、アナログテープのファイルを聞いて見たいと思いました。
前回来たときは、音が三か所から聞こえていました。ツイーターと中音、下から低音が別々に聞こえていたのです。Jazzのレコードでは、そのような音の方が分離が良くなって聞きやすい事ともあるのでしょうが、クラシックの曲は、音の一体性が少し欠けていたように感じたのです。JAZZ再生の道とクラシックは矢張り両立しないのかもと思いました。しかし、今日は音が柔らかく包まれていて、音楽がゆったりと鳴っています。
Duke Jordan / Kiss Of Spain と言うアルバムが掛かります。ドラムが富樫雅彦、ベースが井野信義 ,ピアノがデューク・ジョーダンと言うメンバーで、渋い演奏でした。このレコードをつくっている3361Blackというのは山中湖のペンションだそうです。現在は営業されていないようですが、沢山のアルバムを製作していて、現在でもCDの購入やダウンロードは出来るようです。しかし、レコードで聞くのに適したアルバムですね。
しばらく、Jazzのお薦めを聞いてから、いよいよ今日のメインイベントのクレンペラーのマタイ受難曲のレコードの聞き比べです。事の切っ掛けは、UNICORNさんが、国産のEMIの初版盤を手に入れて愛聴されているところからはじまりました。その後、英国盤のセミサークル盤(二版)を手に入れて、その差を実感されたので、その二版とオリジナルのブルーシルバーではどのくらい差があるのかを聞いてみたいという、無謀?なリクエストにお答えして、五枚組のオリジナルと、コーラスをハイライトした盤(SAX2525)のブルーシルバーの盤をお持ちしたわけです。事のついでに、英コロンビアからEMIに変わった後のスタンプ盤とドイツ盤の最後の版もお持ちしました。今一つは、1990年のCDのオリジナルもどの様な音がするか持参したわけです。極めて、オタクの聞き比べですね。(笑)
結果は、矢張り明白でした。国産は、やはり日本盤の音で、低域が違います。英国EMIとドイツ盤はは整理された音でした。両方とも、横方向に拡がってステレオ効果を出していますが、その分奥行きが薄くなります。しかし一番の差は、二版のセミサークルと初版のブルーシルバーの差です。ハイライト盤と五枚組版の違いも、カッティングの余裕が違うので音は違います。オリジナル盤は、優しい音がします。静かで自然な音がします。奥行き、高さとも自然で強調された音が一切しません。この音を聞かなければ、二版でも充分でしょうが、一旦知ってしまうと、クレンペラーの怖さ、凄さが、演奏者の真剣度がまったく違って聞こえるので、恐ろしいほどの差が出ます。
SPU-GTEの真価がでたようです。KT-88のオリジナル球にこだわった成果が、出て来たのです。装置をどんなに良くしても、入力のソースを選ばなければダメだというのが、私の痛切な教訓でしたが、この聞き比べで、それがUNICORNさんにも、肌身に浸みてお解りになられたでしょう。困ったことです(苦笑)。
このクレンペラーのマタイには、今一枚ハイライト盤があります。それはシュワルツコップとルードウッヒのアリア集のSAX-5253です。こちらは、セミサークルが初版です
レコード盤の入手、カートリッジを含めたプレーヤー系の完全整備、吟味したアンプ、そして何よりもスピーカーの存在が大切ですね。今回、きけたアナログプレーヤーでのユニコーンの音は、とても腑に落ちました。家では、入力はデジタル系に絞っていますが、アナログレコードでユニコーンがこうなると解ったのは、とても得難い経験でした。次回は、UNICORNさんに拙宅のユニコーンをきいていただことになりました。
聞き比べが成功裏に終わったので、またジャズを聞きながらシャンペンで乾杯です。持参した重い壜のバローロも開けてから、神楽坂の街に繰り出し、夜遅くまで歓談しました。久しぶりに楽しい晩になりました。
犬の散歩を兼ねて迎えに来てくれたUNICORNさんが、にこやかに坂を登ってきます。駅の反対側に出来た新潮社の倉庫を改造した家具屋の階段の講釈を聞いてから、いつもの裏道を通って、UNICORN邸に。今日の私は、めずらしく大きな袋を抱えています。重いのはお土産のワインですが、今日のメインテーマのレコードの聴き比べに使う、レコードを抱えているからです。
何時も整理された素敵なUNICORN邸にくると、散らかしっぱなしの自分は、お尻がむずむずするのですが、それはそれと割り切り、教会の木の椅子に座ると、早速UNICORNさんのメニューがはじまりました。第一曲目は、Bill Evance のExprorationsのオリジナル盤から、第一曲目の『Israel」です。ラファエロのベースが素晴らしく歌います。前回のときとはまったく違う音に仕上がっていました。低域は、以前よりは柔らかく、少しゆるめのチューニングですが、ゆったりとした時間が流れていき、ユニコーンもこういう音が出るのかと、とても勉強になりました。この装置で、アナログテープのファイルを聞いて見たいと思いました。
前回来たときは、音が三か所から聞こえていました。ツイーターと中音、下から低音が別々に聞こえていたのです。Jazzのレコードでは、そのような音の方が分離が良くなって聞きやすい事ともあるのでしょうが、クラシックの曲は、音の一体性が少し欠けていたように感じたのです。JAZZ再生の道とクラシックは矢張り両立しないのかもと思いました。しかし、今日は音が柔らかく包まれていて、音楽がゆったりと鳴っています。
Duke Jordan / Kiss Of Spain と言うアルバムが掛かります。ドラムが富樫雅彦、ベースが井野信義 ,ピアノがデューク・ジョーダンと言うメンバーで、渋い演奏でした。このレコードをつくっている3361Blackというのは山中湖のペンションだそうです。現在は営業されていないようですが、沢山のアルバムを製作していて、現在でもCDの購入やダウンロードは出来るようです。しかし、レコードで聞くのに適したアルバムですね。
しばらく、Jazzのお薦めを聞いてから、いよいよ今日のメインイベントのクレンペラーのマタイ受難曲のレコードの聞き比べです。事の切っ掛けは、UNICORNさんが、国産のEMIの初版盤を手に入れて愛聴されているところからはじまりました。その後、英国盤のセミサークル盤(二版)を手に入れて、その差を実感されたので、その二版とオリジナルのブルーシルバーではどのくらい差があるのかを聞いてみたいという、無謀?なリクエストにお答えして、五枚組のオリジナルと、コーラスをハイライトした盤(SAX2525)のブルーシルバーの盤をお持ちしたわけです。事のついでに、英コロンビアからEMIに変わった後のスタンプ盤とドイツ盤の最後の版もお持ちしました。今一つは、1990年のCDのオリジナルもどの様な音がするか持参したわけです。極めて、オタクの聞き比べですね。(笑)
結果は、矢張り明白でした。国産は、やはり日本盤の音で、低域が違います。英国EMIとドイツ盤はは整理された音でした。両方とも、横方向に拡がってステレオ効果を出していますが、その分奥行きが薄くなります。しかし一番の差は、二版のセミサークルと初版のブルーシルバーの差です。ハイライト盤と五枚組版の違いも、カッティングの余裕が違うので音は違います。オリジナル盤は、優しい音がします。静かで自然な音がします。奥行き、高さとも自然で強調された音が一切しません。この音を聞かなければ、二版でも充分でしょうが、一旦知ってしまうと、クレンペラーの怖さ、凄さが、演奏者の真剣度がまったく違って聞こえるので、恐ろしいほどの差が出ます。
SPU-GTEの真価がでたようです。KT-88のオリジナル球にこだわった成果が、出て来たのです。装置をどんなに良くしても、入力のソースを選ばなければダメだというのが、私の痛切な教訓でしたが、この聞き比べで、それがUNICORNさんにも、肌身に浸みてお解りになられたでしょう。困ったことです(苦笑)。
このクレンペラーのマタイには、今一枚ハイライト盤があります。それはシュワルツコップとルードウッヒのアリア集のSAX-5253です。こちらは、セミサークルが初版です
レコード盤の入手、カートリッジを含めたプレーヤー系の完全整備、吟味したアンプ、そして何よりもスピーカーの存在が大切ですね。今回、きけたアナログプレーヤーでのユニコーンの音は、とても腑に落ちました。家では、入力はデジタル系に絞っていますが、アナログレコードでユニコーンがこうなると解ったのは、とても得難い経験でした。次回は、UNICORNさんに拙宅のユニコーンをきいていただことになりました。
聞き比べが成功裏に終わったので、またジャズを聞きながらシャンペンで乾杯です。持参した重い壜のバローロも開けてから、神楽坂の街に繰り出し、夜遅くまで歓談しました。久しぶりに楽しい晩になりました。
by TANNOY-GRF
| 2015-10-11 17:49
| ユニコーン
|
Comments(9)
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プー博士(Dr.Pooh)
at 2015-10-11 21:38
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きっと聴いていた時間よりも飲んでいた時間のほうが長い感じがする(ボソッ)
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UNICORN
at 2015-10-11 22:02
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今回のGRFさんのブログを読み、漸く我家でのClassic音楽再生に関しGRFさんから、それなりの評価をして頂くことが出来たようで、ここ1年近い小生の各種アプローチが無駄ではなかったようです。
それにしても異なった音楽ジャンル間での再生音楽の両立、究極的には、個人の音楽体験の深度、音楽センス(科学面、芸術面)等に帰結してしまうところが怖いのですが、それでもやはり<諦めたら終わり>であることを今回の来宅で認識させられたことも貴重な体験でした。
今後とも宜しくです!!
それにしても異なった音楽ジャンル間での再生音楽の両立、究極的には、個人の音楽体験の深度、音楽センス(科学面、芸術面)等に帰結してしまうところが怖いのですが、それでもやはり<諦めたら終わり>であることを今回の来宅で認識させられたことも貴重な体験でした。
今後とも宜しくです!!
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TANNOY-GRF at 2015-10-12 08:08
Dr.Pooh!
鋭いですね!今回は、4:6ぐらいですね〜。いつもの2:8から比べたら音楽の時間が倍もありました(爆)
鋭いですね!今回は、4:6ぐらいですね〜。いつもの2:8から比べたら音楽の時間が倍もありました(爆)
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TANNOY-GRF at 2015-10-12 08:16
UNICORNさん
マタイの聴き比べ良かったですね。最低域の出方も、左右のSPの融合も、左側のレコードケースを少し開けて音をミックスするだけで、あれほどの違いが出てくるのが、我々6畳間オーディオの怖さですね。帰って来てから、拙宅の右側の吸音部分に、紙のファイルを置いて見たところ、家の音も一気に融合が高まり、音の厚み、深みが増しました。怖いものです。
乾杯した後の、ホーキンズのテナーが素敵でした!
マタイの聴き比べ良かったですね。最低域の出方も、左右のSPの融合も、左側のレコードケースを少し開けて音をミックスするだけで、あれほどの違いが出てくるのが、我々6畳間オーディオの怖さですね。帰って来てから、拙宅の右側の吸音部分に、紙のファイルを置いて見たところ、家の音も一気に融合が高まり、音の厚み、深みが増しました。怖いものです。
乾杯した後の、ホーキンズのテナーが素敵でした!
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TANNOY-GRF at 2015-10-12 08:38
UNICORNさん
一昨日のマタイが余りにも良かったので、昨日はこのブログを書きながら一日中、マタイのCDを聞いていました。1989年の初版のCDは、2002年以降のART盤に比べて、自然でとても良い音です。ブルーシルバーのセミサークルの中間ですね。余りに素晴らしいので、三枚組のアルバムを二回以上聴いていました。この初版のCDは、是非手に入れて全曲を聞いてください。
一昨日のマタイが余りにも良かったので、昨日はこのブログを書きながら一日中、マタイのCDを聞いていました。1989年の初版のCDは、2002年以降のART盤に比べて、自然でとても良い音です。ブルーシルバーのセミサークルの中間ですね。余りに素晴らしいので、三枚組のアルバムを二回以上聴いていました。この初版のCDは、是非手に入れて全曲を聞いてください。
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UNICORN
at 2015-10-12 10:57
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追加写真見ました、Aria集、小生も持っていますがセミサークルがオリジナルと聞き安心しました、でもBlueSilverと較べると同じような差があるんでしょうね!?
ところで壁の角度調整GRFさんも実験されたようですが、想像を遥かに超える効果ですね、小生、ものは試し・・・・と先ずは気になっていたJazzソースで確認調整、その後ひょっとしたら・・・・!?で、更にマタイで追加調整した結果が今回の結果に繋がりました。
やはり諦めたら終わりですね!?
ところで壁の角度調整GRFさんも実験されたようですが、想像を遥かに超える効果ですね、小生、ものは試し・・・・と先ずは気になっていたJazzソースで確認調整、その後ひょっとしたら・・・・!?で、更にマタイで追加調整した結果が今回の結果に繋がりました。
やはり諦めたら終わりですね!?
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TANNOY-GRF at 2015-10-12 11:27
UNICORNさん
オリジナルがセミサークルの場合は、その音がオリジナルですから比較のしようがありません。私の経験ですと、初版で出たセミサークルは、ブルーシルバーと同じ音がしますね。二版で出た場合は、技術者が変わっていますから矢張り変わります。
私の場合は、壁と言うよりも、右側のタンスの上のクッションの前に、紙のファイルを置いただけです。アンプの後ろのANKHの効果の方が大きかったです。
いずれにしても、お金の掛からない調整は、積極的にしないとダメです。何ごとも諦めたら終わりです!
オリジナルがセミサークルの場合は、その音がオリジナルですから比較のしようがありません。私の経験ですと、初版で出たセミサークルは、ブルーシルバーと同じ音がしますね。二版で出た場合は、技術者が変わっていますから矢張り変わります。
私の場合は、壁と言うよりも、右側のタンスの上のクッションの前に、紙のファイルを置いただけです。アンプの後ろのANKHの効果の方が大きかったです。
いずれにしても、お金の掛からない調整は、積極的にしないとダメです。何ごとも諦めたら終わりです!
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(Y)
at 2015-10-12 13:09
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うちにもこの夏に、僕の専門のジャンルのレコードで同時レーベル/同時発売でプレス工場違いの音の差の検証をしたいということで、某レコード/オーディオ評論家の方が我が家に来られました。同一マスターからのメタルマザーのジェネレーションの違いとカッティング・エンジニアの技術と言うか傾向の違いを確認したいとのことで、これまたマニアックな相談で来られましたが、今回のGRFさんのお話同様、こういう違いは実物に当ったことが無ければ分からずじまいですね。知らなければ知らなくても済むのですが、一度知ってしまうと困ったことになります(笑)。
しかしそれにしてもお互い同じレコードをどれだけ持っているのでしょう? 御同病なんとやらです(笑)。
しかしそれにしてもお互い同じレコードをどれだけ持っているのでしょう? 御同病なんとやらです(笑)。
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TANNOY-GRF at 2015-10-13 04:30
(Y)さん プレス工場の聞き比べですか!マニアックですね〜。そんなことをされる某レコード/オーディオ評論家、それも(Y)さんの専門分野と言えば、想像が付きますね(笑)。
>しかしそれにしてもお互い同じレコードをどれだけ持っているのでしょう? 御同病なんとやらです(笑)。
いやいや、私などは足下に及びません。(Y)さんこそ、レコードコレクターの鑑です(爆)。
>しかしそれにしてもお互い同じレコードをどれだけ持っているのでしょう? 御同病なんとやらです(笑)。
いやいや、私などは足下に及びません。(Y)さんこそ、レコードコレクターの鑑です(爆)。