2015年 10月 18日
ヤルヴィ・N響 R・シュトラウス 後半 |
やはりN響の定期のお客さんは、高齢者が多い所為か、売店にはそれほど並びません。長蛇の列は、トイレですね。男性用も外にはみ出し長蛇の列を作っています。今日は比較的美味しい白ワインを頂きながら、トイレの列を眺めていました。入れたのは予鈴がなってからでした。でてくると廊下には誰もいない状態でした。
まだドアは開いているから実際は余裕があるのですが、席に着く頃には、団員が入ってきました。さすがは、ティルの演奏数です。ホルンを数えると9本でています。木管も多いですね。この曲に使用されるD管のクラリネットは、女性の奏者です。バスクラリネットの加藤さんの奥さんでしょうか?ティルでは大事な役割で、演奏が始まると彼女がとても上手かったです。
ヤルヴィが自信たっぷりで、ゆっくりと棒を振り始めると、弦楽器がティルの最初のテーマを奏ではじめます。その瞬間、やはりN響はドイツ系の楽団なのだと思いました。それも少し古めかしい、そして、少しボヘミアの香りがする音なのです。私の記憶では、先日のバンベルグとか、ライプツッヒ・ゲバントハウスだとか、懐かしい響きがします。でも、ベルリンフィルの音ではなく、どちらかと言えば、ウィーン系です。その柔らかな弦のあとには、福川君のほれぼれとするホルンが待っていました。彼のホルンは、先日のロンドン響のホルン奏者と同じ音がします。デニス・ブレインの伝統なのでしょう。音色はすこし暗く、でも音程はしっかりとしていて、気持ち良く音が良く伸びます。
それに応えて、弦楽器が、オーボエが、フルートが、そして低弦群がテーマを奏でるのです。音の抑揚がヤルヴィの棒に乗ってとても豊かです。フルートの音色が、木管ではなく金管の方が好みですが、クラリネットも先程とは、違った音色で揃っています。私の場所からだと、少し弦楽器が小さく聞こえますが、正面の席ではどうなのでしょうか?ウィーンフィルとの違いは、やはりコンサートマスターの牽引力ですね。伊藤さんは、上手いのですが、牽引力が出るところまで入っていません。
ヤルヴィの演奏スタイルだと、管楽器や打楽器の音量に負けないような弦楽器群の検討が必要ですね。その点が、先のロンドン響のような超一流オーケストラとの差です。でも、ラグビーではありませんが、ヤルヴィの指導の下、20位以内には入ってきている気がします。サイトウキネンは管楽器や打楽器はほぼ外人部隊ですから、N響のがんばりは特筆ものです。
それにしても、管楽器のがんばりは見事ですね。このティルは、本当に良い演奏です。音のダイナミクスも充分以上あり、演奏者が乗っています。楽しんでやっているのです。こんな演奏は、N響からはなかなか聴けなかった音です。マゼール、プレヴィン、デ・ワールドなど変身した演奏はありますが、こんなに自信がみなぎっている演奏はありませんでした。後は、打楽器奏者の音色のコントロールと、余裕でしょうか。大きな音を出せば良いというものでもありませんから。ホルン、トランペットは見違えるように良くなりました。後はトロンボーンの一層の力強さですね。それが終わったら、木管類の見直しですね。まだまだ良くなると思います。ティルは、感激している内に終わりました。
次は少し編成を少なくしての『薔薇の騎士』組曲です。私は、薔薇の騎士はやはり歌手が出て来ての曲だと思いますので、映画の予告編みたいなつぎはぎだらけの曲の構成も好きになれません。スターウォーズのようなホルンの鳴らし方は、見事でしたが、曲は、欲求不満になるだけなので、余り感想はありません。ただ、ティルに比べて、指揮者の棒と演奏が乖離するところがありました。棒を振っても音が、特に弦楽器が付いてい行かないのです。矢張り、歌い手がいない組曲だと、その点の求心力が無くなるようです。そこでも、コンサートマスターの存在が大事ですね。このまま熟成していけば、来年の上野の春祭でのキュッヘルが引っ張るワーグナーが楽しみです。
改めてサントリーホールの演奏会場を眺めてみると、やはりミューザに比べても、箱の大きさが小さいですね。本家のベルリンフィルハーモニーを二回りほど小さくした感じです。ワインヤードと呼ばれる形式では、新潟のリュートピアや札幌のキタラホールが、大きさも適度で良いと思いました。先日のルツェルンは、大きさそのものは、サントリーホール程度なのですが、一階が沈み込んでいるのと、五階の深さが違い音が響いていきます。サントリーは、入れ物の容積が小さいので、本当に実力なるオーケストラでは音が飽和してしまうようです。N響もNHKホールの定期を半分にして、日本中、特に関西地区を回って、良い音を探して欲しいと思いました。
まだドアは開いているから実際は余裕があるのですが、席に着く頃には、団員が入ってきました。さすがは、ティルの演奏数です。ホルンを数えると9本でています。木管も多いですね。この曲に使用されるD管のクラリネットは、女性の奏者です。バスクラリネットの加藤さんの奥さんでしょうか?ティルでは大事な役割で、演奏が始まると彼女がとても上手かったです。
ヤルヴィが自信たっぷりで、ゆっくりと棒を振り始めると、弦楽器がティルの最初のテーマを奏ではじめます。その瞬間、やはりN響はドイツ系の楽団なのだと思いました。それも少し古めかしい、そして、少しボヘミアの香りがする音なのです。私の記憶では、先日のバンベルグとか、ライプツッヒ・ゲバントハウスだとか、懐かしい響きがします。でも、ベルリンフィルの音ではなく、どちらかと言えば、ウィーン系です。その柔らかな弦のあとには、福川君のほれぼれとするホルンが待っていました。彼のホルンは、先日のロンドン響のホルン奏者と同じ音がします。デニス・ブレインの伝統なのでしょう。音色はすこし暗く、でも音程はしっかりとしていて、気持ち良く音が良く伸びます。
それに応えて、弦楽器が、オーボエが、フルートが、そして低弦群がテーマを奏でるのです。音の抑揚がヤルヴィの棒に乗ってとても豊かです。フルートの音色が、木管ではなく金管の方が好みですが、クラリネットも先程とは、違った音色で揃っています。私の場所からだと、少し弦楽器が小さく聞こえますが、正面の席ではどうなのでしょうか?ウィーンフィルとの違いは、やはりコンサートマスターの牽引力ですね。伊藤さんは、上手いのですが、牽引力が出るところまで入っていません。
ヤルヴィの演奏スタイルだと、管楽器や打楽器の音量に負けないような弦楽器群の検討が必要ですね。その点が、先のロンドン響のような超一流オーケストラとの差です。でも、ラグビーではありませんが、ヤルヴィの指導の下、20位以内には入ってきている気がします。サイトウキネンは管楽器や打楽器はほぼ外人部隊ですから、N響のがんばりは特筆ものです。
それにしても、管楽器のがんばりは見事ですね。このティルは、本当に良い演奏です。音のダイナミクスも充分以上あり、演奏者が乗っています。楽しんでやっているのです。こんな演奏は、N響からはなかなか聴けなかった音です。マゼール、プレヴィン、デ・ワールドなど変身した演奏はありますが、こんなに自信がみなぎっている演奏はありませんでした。後は、打楽器奏者の音色のコントロールと、余裕でしょうか。大きな音を出せば良いというものでもありませんから。ホルン、トランペットは見違えるように良くなりました。後はトロンボーンの一層の力強さですね。それが終わったら、木管類の見直しですね。まだまだ良くなると思います。ティルは、感激している内に終わりました。
次は少し編成を少なくしての『薔薇の騎士』組曲です。私は、薔薇の騎士はやはり歌手が出て来ての曲だと思いますので、映画の予告編みたいなつぎはぎだらけの曲の構成も好きになれません。スターウォーズのようなホルンの鳴らし方は、見事でしたが、曲は、欲求不満になるだけなので、余り感想はありません。ただ、ティルに比べて、指揮者の棒と演奏が乖離するところがありました。棒を振っても音が、特に弦楽器が付いてい行かないのです。矢張り、歌い手がいない組曲だと、その点の求心力が無くなるようです。そこでも、コンサートマスターの存在が大事ですね。このまま熟成していけば、来年の上野の春祭でのキュッヘルが引っ張るワーグナーが楽しみです。
改めてサントリーホールの演奏会場を眺めてみると、やはりミューザに比べても、箱の大きさが小さいですね。本家のベルリンフィルハーモニーを二回りほど小さくした感じです。ワインヤードと呼ばれる形式では、新潟のリュートピアや札幌のキタラホールが、大きさも適度で良いと思いました。先日のルツェルンは、大きさそのものは、サントリーホール程度なのですが、一階が沈み込んでいるのと、五階の深さが違い音が響いていきます。サントリーは、入れ物の容積が小さいので、本当に実力なるオーケストラでは音が飽和してしまうようです。N響もNHKホールの定期を半分にして、日本中、特に関西地区を回って、良い音を探して欲しいと思いました。
by TANNOY-GRF
| 2015-10-18 10:15
| 演奏会場にて
|
Comments(1)
Commented
by
椀方
at 2015-10-18 11:37
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N響は大阪ではNHK大阪ホールで演奏会をしますが、公開収録用の多目的ホールなので、新しいのにここも音響が悪いです。
シンフォニーホールも経営母体が朝日放送から某学校法人に移ってから、益々招聘能力が落ちてしまいました。
良いホールはやはり東京に集中していますね〜。
シンフォニーホールも経営母体が朝日放送から某学校法人に移ってから、益々招聘能力が落ちてしまいました。
良いホールはやはり東京に集中していますね〜。