2015年 10月 25日
ホログラフの音を求めて-2 |
最初にGerman PhysiksのDDDユニットの音を聴かせていただいたのは、現在のヴィンテージからは想像もつかないハイエンド路線を走っておられたTaoさんのお宅でした。2006年のことですから、もう9年も前の事になります。石井式の専用ルームに、黒い鉛筆みたいなSPが置かれていました。HRS-120 CARBONと言う機種です。
あの頃の時代の最先端だったカーボンの仕上げでした。上の方の銀色の円錐形が、中高音ユニットで、低音はそのカーボンの筒状の中に仕込まれているそうです。360度放射の高域の音は驚かされましたが、正直低音とは、文字通り木に竹を繋いだ感じで、重い低音が時間がずれて鳴っているという感じをぬぐえませんでした。
そのTaoさんのご紹介で、はじめてUNICORNさんのお宅を訪れたのが、2007年の4月でした。その時の衝撃は本当に大きく、もうユニコーンは発売をしていなかったので、何とか中古品を探そうと、方々手を尽くしました。何に驚いたかと言えば、そのリアリティ溢れる音と音場です。音が部屋中を埋めるのです。シンバルでも、サックスでもSPからではなく、空間から音が生まれ、溢れ出してくるのです。手品を見ているような驚きです。
その中古品が出たのは、翌年2008年の5月になっていました。初期のタイプで、私の前に二人のオーナーがいたそうです。二人目のオーナーには、小さいお子さんがいて、興味盛りの年頃ですから、触るなと言ってもどうしても触ってしまい、少しだけコーン紙に凹みがありました。それと、見えにくいのですが、かすかな傷もあり、その代わり価格は、UNICORNさんが新品で買われた価格の三分の一以下でした。ユニットは何時か補修をして貰えばと言う価格でした。実際に実物が来たら、聞きしに勝る美しさで、すぐに魅了されました。
それからの経緯は、ご承知の通りです。一体型故の限界もあります。またバックロードホーンの構造から来るカットオフ周波数から、45Hz以下は出ていません。しかし、浜松のプー博士の音は、家ではでなかった奥行きもだしてコンサートホールの空間を出現させています。T4を手放せない理由は、そこにあります。それが、前後方向の奥行きも完全に出ることをプー博士のところで実感しましたから、もう、言い訳は言えないのです。
和室でユニコーンの音を追求していく過程では、狭い部屋なので、どうしても入力の質をシビアに問われて来ます。CD34改も二十年ぶりに新しいヴァージョンの二台目になり、合わせて三年前からは、emmのセパレートタイプを使用しています。現在は輸入品は大変高価になってしまいましたが、購入したときは、まだ円が高かったときだったので、現在の価格に比べたら五割も安く購入出来たのは、僥倖でした。今年、DAコンバーターのファームソフトをヴァージョンアップしていただき、ますます音に磨きが掛かりました。外部クロックに頼らない方式は、柔らかく自然な音がして、とても気に入っています。横浜のMさんも、テープの館のHさんも使われています。そのソースを入力源にして、細部を詰めているのです。
その横浜のMさんは、家のユニコーンの音を聴かれて、部屋が大きさからユニコーンではなく菅野さんがお使いのTroubadour 80を導入されました。そして愛機のパラゴンを凌駕する音を目指して、Troubadour 80の強力なエネルギーに見合う専用ウーファーの製作をPSDの大山さんに依頼されたのです。開発は、Mさんの80をお借りして、エネルギーに見合った試作費の製作から始まりました。その調整もカットアンドトライの連続でしたが、最低域の再現を目指して46センチウーハーの直列駆動でストロークを大きく取り、マルチアンプで音量の合う点を探し、クロスオーバーの微妙な調整を行いました。
試作機を私のところにも持ちこみ、空間や床の強度を上げて実質的な追い込みにも協力させていただきました。最終的には、車好きなMさんの好みや、素敵な部屋のインテリアにも似合う、素晴らしいフォルムで、Mさんのお宅に導入されました。それからも、部屋の特性に合わせたイコライザーやクロスオーバーの調整等、音響技術者の経験を持たれるMさんだから出来る高度な調整で、今までに無い音の次元を切り開いたのです。その音が開花して行く様子を間近で見聞きして、私自身が、GRFのある部屋で、ようやく"Consequence"を凌駕する新しいSPシステムの可能性を見いだしたのです。
我が家にも、このTroubadour 80 を導入して、今少し小型のウーファーを開発して、コンサートホールの空間の再現を目指すという道です。この夏のルツェルンのコンサートホールで、この音なら再現可能だと、極めて個人的な感覚ですが、再現に自信がわいてきました。DDDユニットによる360度サウンド+ 特別なウーファーの組み合わせなら、コンサートホールのあの空気感を再現出来ると確信したからです。勿論、部屋のどこに置くかが最大の調整ポイントになるのですが・・・。
あの頃の時代の最先端だったカーボンの仕上げでした。上の方の銀色の円錐形が、中高音ユニットで、低音はそのカーボンの筒状の中に仕込まれているそうです。360度放射の高域の音は驚かされましたが、正直低音とは、文字通り木に竹を繋いだ感じで、重い低音が時間がずれて鳴っているという感じをぬぐえませんでした。
そのTaoさんのご紹介で、はじめてUNICORNさんのお宅を訪れたのが、2007年の4月でした。その時の衝撃は本当に大きく、もうユニコーンは発売をしていなかったので、何とか中古品を探そうと、方々手を尽くしました。何に驚いたかと言えば、そのリアリティ溢れる音と音場です。音が部屋中を埋めるのです。シンバルでも、サックスでもSPからではなく、空間から音が生まれ、溢れ出してくるのです。手品を見ているような驚きです。
その中古品が出たのは、翌年2008年の5月になっていました。初期のタイプで、私の前に二人のオーナーがいたそうです。二人目のオーナーには、小さいお子さんがいて、興味盛りの年頃ですから、触るなと言ってもどうしても触ってしまい、少しだけコーン紙に凹みがありました。それと、見えにくいのですが、かすかな傷もあり、その代わり価格は、UNICORNさんが新品で買われた価格の三分の一以下でした。ユニットは何時か補修をして貰えばと言う価格でした。実際に実物が来たら、聞きしに勝る美しさで、すぐに魅了されました。
それからの経緯は、ご承知の通りです。一体型故の限界もあります。またバックロードホーンの構造から来るカットオフ周波数から、45Hz以下は出ていません。しかし、浜松のプー博士の音は、家ではでなかった奥行きもだしてコンサートホールの空間を出現させています。T4を手放せない理由は、そこにあります。それが、前後方向の奥行きも完全に出ることをプー博士のところで実感しましたから、もう、言い訳は言えないのです。
和室でユニコーンの音を追求していく過程では、狭い部屋なので、どうしても入力の質をシビアに問われて来ます。CD34改も二十年ぶりに新しいヴァージョンの二台目になり、合わせて三年前からは、emmのセパレートタイプを使用しています。現在は輸入品は大変高価になってしまいましたが、購入したときは、まだ円が高かったときだったので、現在の価格に比べたら五割も安く購入出来たのは、僥倖でした。今年、DAコンバーターのファームソフトをヴァージョンアップしていただき、ますます音に磨きが掛かりました。外部クロックに頼らない方式は、柔らかく自然な音がして、とても気に入っています。横浜のMさんも、テープの館のHさんも使われています。そのソースを入力源にして、細部を詰めているのです。
その横浜のMさんは、家のユニコーンの音を聴かれて、部屋が大きさからユニコーンではなく菅野さんがお使いのTroubadour 80を導入されました。そして愛機のパラゴンを凌駕する音を目指して、Troubadour 80の強力なエネルギーに見合う専用ウーファーの製作をPSDの大山さんに依頼されたのです。開発は、Mさんの80をお借りして、エネルギーに見合った試作費の製作から始まりました。その調整もカットアンドトライの連続でしたが、最低域の再現を目指して46センチウーハーの直列駆動でストロークを大きく取り、マルチアンプで音量の合う点を探し、クロスオーバーの微妙な調整を行いました。
試作機を私のところにも持ちこみ、空間や床の強度を上げて実質的な追い込みにも協力させていただきました。最終的には、車好きなMさんの好みや、素敵な部屋のインテリアにも似合う、素晴らしいフォルムで、Mさんのお宅に導入されました。それからも、部屋の特性に合わせたイコライザーやクロスオーバーの調整等、音響技術者の経験を持たれるMさんだから出来る高度な調整で、今までに無い音の次元を切り開いたのです。その音が開花して行く様子を間近で見聞きして、私自身が、GRFのある部屋で、ようやく"Consequence"を凌駕する新しいSPシステムの可能性を見いだしたのです。
我が家にも、このTroubadour 80 を導入して、今少し小型のウーファーを開発して、コンサートホールの空間の再現を目指すという道です。この夏のルツェルンのコンサートホールで、この音なら再現可能だと、極めて個人的な感覚ですが、再現に自信がわいてきました。DDDユニットによる360度サウンド+ 特別なウーファーの組み合わせなら、コンサートホールのあの空気感を再現出来ると確信したからです。勿論、部屋のどこに置くかが最大の調整ポイントになるのですが・・・。
by TANNOY-GRF
| 2015-10-25 14:40
| オーディオ雑感
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Comments(4)
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プー博士(Dr.Pooh)
at 2015-10-25 15:23
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(・_・;) 目が点!
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椀方
at 2015-10-25 16:08
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遂に!と言うか漸く此処まで辿り着いた感が有りますね。
次の訪問の際は、ホログラムの音を聴かせてください。
次の訪問の際は、ホログラムの音を聴かせてください。
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UNICORN
at 2015-10-26 15:34
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お忙しい中、間をぬっての作業になるのでしょう!?GRFさんを含めたうるさ方達を納得させるところまで追い込むのには、大変な時間と閃きを必要とするのでは・・・・・先ずは体と精神の維持に努めて下さいね!!
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TANNOY-GRF at 2015-10-26 15:38
UNICORNさん 不思議な事に、ユニコーンが鳴らなかった分、実験機はとんでもない音を出しはじめたのです。事前に聞いて貰った調整がダメだったので、反対を試したところ、大変な結果に!その顛末は、ぼちぼちと・・・・。