2015年 11月 15日
Trobadour40+ウーファーの感想 |
GRF さま
せんだっては図らずもジャーマンのTroubadour40+ウーファーのプロトタイプを聴くことができました。
Harubaruさんが僕と同じタイプのスピーカーをお使いとの件で、GRFさんと電話でお話ししているうちに、なんとなく、今日ならばまだTroubadour40+ウーファーの試作機があるよとのこと、さらに雑談しているうちに、なんとなく「家、来る?」ということになっていましたね。
朝から冷たい雨が降り続ける、オーディオには過酷な条件の日でした。まずはユニコーンのある和室に招じ入れられ、しばし雑談。坐ってから、あれっと思ったのは、この部屋で音楽が鳴っていないのは初めてだったからです。
なるほど、この部屋の基調となる静寂性はこうしたものなのかと、変なところで関心しています。ごく普通の六畳強の和室と思えるのですが、静かで、なおかつ無響室のような圧迫感がありません。これがユニコーンの土台となっているわけですね。この上に精緻なサウンドが積み重ねられて、あの音場が出現するということなのでしょう。
是枝アンプの導入後は初見参です。といっても、この日でお邪魔したのは三度目でしょうか。前二回は根っからの引っ込み思案と人見知りのため、極度の緊張から聴力は落ち、血圧も上がる、というような塩梅で、果たして至宝のオーディオを正確に鑑賞できたかどうか、はなはだ不安のあるところでした。
しかし、GRF さんの気さくなお人柄もあり、今日はすっかりリラックスして音楽に浸ることができます。前回までは当方もネガティブ・オーラならぬ緊張モードでしたが、この日は初めてリラックス・モードを発揮できたのでは?
GRF さんもそれと知ってか、矢継ぎ早に秘蔵のソフトを聞かせてくださいます。もしかしたら、ブログで拝読するかぎり、ある高みに到達されたご様子の安堵感がGRF さんのほうにもあったのではと拝察されます。
それかあらずか、和室のユニコーンの音も前回にも増して、空間の広がりと安定感、落ち着きをもって朗々と鳴り響くといった有り様です。
では、とおもむろにGRF さんが席をたたれて、いよいよジャーマンのTroubadour40+ウーファーのある「GRFのある部屋」に席を移します。もしかしたらこちらの是枝アンプが温まるまでの前座だったのでは。あのユニコーンを前座などといったらバチが当たりますね。しかし、その例えは、まんざら外れていません。
「ジャーマンのTroubadour40+ウーファー」を一聴、僕は飛び上がりました。顎の骨がはずれたという例えが真実であると、このときほど確信したことはありません。ただ、だらしなくあんぐり、ポカンと口を開けて、力なくアハハハハ、と小さく笑うばかりです。
なんという音でしょうか!
これはもうオーディオがなんとかとか、やれアクセサリーだ電源だとかいう類の話ではありません。
自宅で再生音楽を聴く、という概念そのものをひっくりがえしてしまったような、大事件です。
いままでも、たとえば「ユニコーンのある部屋」でホノグラム的な音場は聞かせて聴いただいていますし、我が家の「なんちゃって平行法」でも、GRF さんに調整していただいて、音場のなんたるかは、多少なりとも体感しているつもりでした。
しかし、これは、まったくの別物!
優雅にして雄弁な上半身と、ダービー馬もかくやという俊敏にして力強い下半身、この天駈けるユニコーンをなんと形容していいものでしょうか?ユニコーンがまさに一角獣から馬力のある下半身も得て、神話の半神半馬となった瞬間でした。
だからといって目から火が出るようなシンバルの衝撃音とか、心臓に悪い超低音とかいうたぐいの虚仮威しの爆音ではありません。そこにあるのは等身大の音楽です。単にそれだけのことなのですが、それがいかに難しいことであるか・・・・。
和室のユニコーンでも二階席から聴くコンサートー・ホールが出現します。
しかし、「Troubadour40+ウーファー」の再現する音場は、これとはまったく質が違います。距離でいえばコンサートホールの前から十列目ぐらいで聴いている感じです。音量、音圧、そして指揮者までの距離、弦楽器の人数分の広がり、後方に展開する打楽器や管楽器までの距離感。すべてが、ありのままの距離というか実際の広がりのなかに展開しています。
GRF さんに促されて、スピーカーの後ろ側に回ってみます。驚きました。コンサートホールの向こう正面席から聴いている音場が展開します。それもきちんと急な傾斜がある向こう正面席からオーケストラを見下ろすように展開しています。前からならば座席に坐って見上げるようにオーケストラが展開します。
小編成はといえば、リートではグランドピアノが実物大で部屋の後方に配置され、その手前の上手側に歌手が起立している。ただそれだけのことなのですが、そこに本当にピアノを置いて演奏者と歌手に来てもらって、この場で弾いて歌ってもらっても、たぶん、今、聴いているのと同じ音量、音色、音圧でしょう。
まったくただそれだけの話です。それが奇跡であることをオーディオを多少は知っている、聴いている方ならば、理解できるでしょうし、戦慄せざるをえないでしょう。
ここにいたまるでには、GRF さんの何十年にもわたる研鑽の日々があったればこそです。一朝一夕にはできないことです。究極の音を体験する機会に立ち会えたことに、改めて感謝する共にに恐縮しております。どうも、まさに筆舌に尽くしがたい体験でした。舌足らずのところは、ひらにご容赦を。
S.Y
冷たい雨が降り続きますが、今週の月曜日も一日雨が降り続く日でした、先週訪問させていただいたHarubaruさんと同じSPをお使いのSYさんとその話をしている内に、実験中のプロトタイプの話しになり、説明するより実際に聴いていただいた方が速いと言うことで、雨の中、馳せ参じていただきました。
そして、私が、毎日感じている驚きを追体験していただきました。ホログラムが出現するとどういう音になるのか、SYさんのご感想はその驚きをよく伝えておられます。360度に音を出すTroubadourに前後180度づつ音を出すウーファーを組み合わせると、二つのSPからコンサートホールの空間が出現します。
今までも、T4による床置き平行法でも二階席から見下ろす空間は出ていましたが、今回は、それが一階席に下りてきて、空間が回りを包みます。最大の驚きは、SPの後ろ側に回ると、あたかもP席でステージを見下ろしている音も聞こえることです。
我ながら、驚きの音がなっています。このプロトタイプでこの水準ですから、大山さんが作る本番品の音が今から楽しみです。SYさん、雨の中ありがとうございました。
せんだっては図らずもジャーマンのTroubadour40+ウーファーのプロトタイプを聴くことができました。
Harubaruさんが僕と同じタイプのスピーカーをお使いとの件で、GRFさんと電話でお話ししているうちに、なんとなく、今日ならばまだTroubadour40+ウーファーの試作機があるよとのこと、さらに雑談しているうちに、なんとなく「家、来る?」ということになっていましたね。
朝から冷たい雨が降り続ける、オーディオには過酷な条件の日でした。まずはユニコーンのある和室に招じ入れられ、しばし雑談。坐ってから、あれっと思ったのは、この部屋で音楽が鳴っていないのは初めてだったからです。
なるほど、この部屋の基調となる静寂性はこうしたものなのかと、変なところで関心しています。ごく普通の六畳強の和室と思えるのですが、静かで、なおかつ無響室のような圧迫感がありません。これがユニコーンの土台となっているわけですね。この上に精緻なサウンドが積み重ねられて、あの音場が出現するということなのでしょう。
是枝アンプの導入後は初見参です。といっても、この日でお邪魔したのは三度目でしょうか。前二回は根っからの引っ込み思案と人見知りのため、極度の緊張から聴力は落ち、血圧も上がる、というような塩梅で、果たして至宝のオーディオを正確に鑑賞できたかどうか、はなはだ不安のあるところでした。
しかし、GRF さんの気さくなお人柄もあり、今日はすっかりリラックスして音楽に浸ることができます。前回までは当方もネガティブ・オーラならぬ緊張モードでしたが、この日は初めてリラックス・モードを発揮できたのでは?
GRF さんもそれと知ってか、矢継ぎ早に秘蔵のソフトを聞かせてくださいます。もしかしたら、ブログで拝読するかぎり、ある高みに到達されたご様子の安堵感がGRF さんのほうにもあったのではと拝察されます。
それかあらずか、和室のユニコーンの音も前回にも増して、空間の広がりと安定感、落ち着きをもって朗々と鳴り響くといった有り様です。
では、とおもむろにGRF さんが席をたたれて、いよいよジャーマンのTroubadour40+ウーファーのある「GRFのある部屋」に席を移します。もしかしたらこちらの是枝アンプが温まるまでの前座だったのでは。あのユニコーンを前座などといったらバチが当たりますね。しかし、その例えは、まんざら外れていません。
「ジャーマンのTroubadour40+ウーファー」を一聴、僕は飛び上がりました。顎の骨がはずれたという例えが真実であると、このときほど確信したことはありません。ただ、だらしなくあんぐり、ポカンと口を開けて、力なくアハハハハ、と小さく笑うばかりです。
なんという音でしょうか!
これはもうオーディオがなんとかとか、やれアクセサリーだ電源だとかいう類の話ではありません。
自宅で再生音楽を聴く、という概念そのものをひっくりがえしてしまったような、大事件です。
いままでも、たとえば「ユニコーンのある部屋」でホノグラム的な音場は聞かせて聴いただいていますし、我が家の「なんちゃって平行法」でも、GRF さんに調整していただいて、音場のなんたるかは、多少なりとも体感しているつもりでした。
しかし、これは、まったくの別物!
優雅にして雄弁な上半身と、ダービー馬もかくやという俊敏にして力強い下半身、この天駈けるユニコーンをなんと形容していいものでしょうか?ユニコーンがまさに一角獣から馬力のある下半身も得て、神話の半神半馬となった瞬間でした。
だからといって目から火が出るようなシンバルの衝撃音とか、心臓に悪い超低音とかいうたぐいの虚仮威しの爆音ではありません。そこにあるのは等身大の音楽です。単にそれだけのことなのですが、それがいかに難しいことであるか・・・・。
和室のユニコーンでも二階席から聴くコンサートー・ホールが出現します。
しかし、「Troubadour40+ウーファー」の再現する音場は、これとはまったく質が違います。距離でいえばコンサートホールの前から十列目ぐらいで聴いている感じです。音量、音圧、そして指揮者までの距離、弦楽器の人数分の広がり、後方に展開する打楽器や管楽器までの距離感。すべてが、ありのままの距離というか実際の広がりのなかに展開しています。
GRF さんに促されて、スピーカーの後ろ側に回ってみます。驚きました。コンサートホールの向こう正面席から聴いている音場が展開します。それもきちんと急な傾斜がある向こう正面席からオーケストラを見下ろすように展開しています。前からならば座席に坐って見上げるようにオーケストラが展開します。
小編成はといえば、リートではグランドピアノが実物大で部屋の後方に配置され、その手前の上手側に歌手が起立している。ただそれだけのことなのですが、そこに本当にピアノを置いて演奏者と歌手に来てもらって、この場で弾いて歌ってもらっても、たぶん、今、聴いているのと同じ音量、音色、音圧でしょう。
まったくただそれだけの話です。それが奇跡であることをオーディオを多少は知っている、聴いている方ならば、理解できるでしょうし、戦慄せざるをえないでしょう。
ここにいたまるでには、GRF さんの何十年にもわたる研鑽の日々があったればこそです。一朝一夕にはできないことです。究極の音を体験する機会に立ち会えたことに、改めて感謝する共にに恐縮しております。どうも、まさに筆舌に尽くしがたい体験でした。舌足らずのところは、ひらにご容赦を。
S.Y
冷たい雨が降り続きますが、今週の月曜日も一日雨が降り続く日でした、先週訪問させていただいたHarubaruさんと同じSPをお使いのSYさんとその話をしている内に、実験中のプロトタイプの話しになり、説明するより実際に聴いていただいた方が速いと言うことで、雨の中、馳せ参じていただきました。
そして、私が、毎日感じている驚きを追体験していただきました。ホログラムが出現するとどういう音になるのか、SYさんのご感想はその驚きをよく伝えておられます。360度に音を出すTroubadourに前後180度づつ音を出すウーファーを組み合わせると、二つのSPからコンサートホールの空間が出現します。
今までも、T4による床置き平行法でも二階席から見下ろす空間は出ていましたが、今回は、それが一階席に下りてきて、空間が回りを包みます。最大の驚きは、SPの後ろ側に回ると、あたかもP席でステージを見下ろしている音も聞こえることです。
我ながら、驚きの音がなっています。このプロトタイプでこの水準ですから、大山さんが作る本番品の音が今から楽しみです。SYさん、雨の中ありがとうございました。
by TANNOY-GRF
| 2015-11-15 02:01
| 行ったり来たり
|
Comments(4)
Commented
by
プー博士(Dr.Pooh)
at 2015-11-15 09:48
x
なにか劇場用のスピーカー(の高性能版)を想像してしまいます。これで映像見ながら聴くと最高でしょうね。これまでこのようなものはなかったのか、あるいはあっても性能が低かったのか、これが一般人の手の届く範囲で出たら、、、(あとは省略)
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TANNOY-GRF at 2015-11-15 15:06
Pooh博士 違うんです。劇場用のスピーカーではなく、コンサートホールの音がするのです。今までは有りませんでした。発想の転換ですね。
Commented
by
プー博士(Dr.Pooh)
at 2015-11-15 15:56
x
そうか〜これだと録音の良し悪しもはっきりと再現されそうですね、感嘆!
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by
TANNOY-GRF at 2015-11-15 21:04
お宅ででている音の実写版とでも言うのでしょうか(笑)。プー博士の家の音にインスパイアーされたのが切っ掛けです。