2015年 12月 10日
大阪平野を一望 |
定年を迎えた後のNagraのお師匠さんのCさんの日課は、現在540巻を越した4トラックテープのDSD再ファイル化です。再と言うのは、新しいヘッドと金田式アンプに変更する前にも、ファイル化を行っていたからです。それを破棄してまでも、やり直すだけの音の差がありました。実際にテープの再生をされた方はお解りの通り、50年近く経った、旧いオリジナル4トラックテープの裏表を再生するだけでも大変な作業です。ヘッドの汚れや、テープ走行にも常に気を使わなければなりません。再生中は、その場所に張り付いて走行を確認しなければならないからです。
テープの長さは、レコードと同じ内容の物が多いので、一巻45分ぐらいです。長時間物の薄いテープを使ったダブルテープは、テープの強度も弱いので要注意です。それだと、一時間半張り付かなければなりません。アーカイブを作るのですから、ジャケットのスキャンとか題名の打ち込みだとか、その間に毎回する作業も沢山あります。一日、5巻ぐらいが限度です。それを毎日続けても一月に100巻ですから、単純に計算しても1000巻のテープを仕上げるのは、それだけに専念しても一年以上掛かるハードワークですね。
4トラックテープばかりではなく、2トラックのテープもありますし、昔エアーチェックされていた38/2トラックもいわゆるマスターダブと言われている高音質のテープもあります。中には、経年変化や材質の影響で、テープが劣化して音飛びを起こしたり、剥離するような状態のものも有るのです。それらの機嫌を取りながら、DSDファイル化をされていました。テープには、まだ80〜90年代プロの現場で使われていたDATも有ります。それらのテープ媒体の劣化に備えて、DSDによるファイル化を進めているのです。
4トラックでも、テープの音はレコードやCDとは全く次元が違う音がするのは、聞かれた人全員の共通した驚きです。現在、我々がDSDへのファイル化をしておけば、後世にも伝わっていくと確信しています。
4トラックよりも2トラックの方が面積は倍以上有りますし、19センチと38センチではやはり格段の違いがあるのです。しかし、驚くのは4トラックの9.5センチ盤です。聞いてみて、9.5センチだからと言うことは全く解らないでしょう。カセットから比べれば、幅も速度も倍有るのですから。テープの世界は、大排気量車がそのトルクを最大限に活かして、悠々と疾走する姿とダブります。ターボ車よりも自然吸気の大排気量車が気持ちいいのと同じなのかも知れません。
その、Cさんの今一つの日課は、テープのダビング作業の前に、近所の裏山、中山寺・奥の院に毎日登って身を清めています。まるで千日行ですね。毎朝ですから凄いことです。そのCさんから写真が送られてきました。今週は高気圧に覆われて、近畿地方も見渡しが良かったようです。まだ、PM2.5は到達していないのでしょう。今回は、九州と北海道方面に流れる予想ですね。
今朝は冬晴れで、奥の院帰りに近畿最高峰の八経ヶ岳がよく見えていました。右奥が八経ヶ岳(1915m)、中央左奥が大台ヶ原山系、左手前の低いダブルピークが二上山でその下が梅田のビル群です。右の一番高いビルはあべのハルカス(300m)です。
毎朝、このお寺に参拝し、それから始める DSD化の音は、素晴らしい音です。Cさんの精進があって聴ける有り難いテープの音ですね。
テープの長さは、レコードと同じ内容の物が多いので、一巻45分ぐらいです。長時間物の薄いテープを使ったダブルテープは、テープの強度も弱いので要注意です。それだと、一時間半張り付かなければなりません。アーカイブを作るのですから、ジャケットのスキャンとか題名の打ち込みだとか、その間に毎回する作業も沢山あります。一日、5巻ぐらいが限度です。それを毎日続けても一月に100巻ですから、単純に計算しても1000巻のテープを仕上げるのは、それだけに専念しても一年以上掛かるハードワークですね。
4トラックテープばかりではなく、2トラックのテープもありますし、昔エアーチェックされていた38/2トラックもいわゆるマスターダブと言われている高音質のテープもあります。中には、経年変化や材質の影響で、テープが劣化して音飛びを起こしたり、剥離するような状態のものも有るのです。それらの機嫌を取りながら、DSDファイル化をされていました。テープには、まだ80〜90年代プロの現場で使われていたDATも有ります。それらのテープ媒体の劣化に備えて、DSDによるファイル化を進めているのです。
4トラックでも、テープの音はレコードやCDとは全く次元が違う音がするのは、聞かれた人全員の共通した驚きです。現在、我々がDSDへのファイル化をしておけば、後世にも伝わっていくと確信しています。
4トラックよりも2トラックの方が面積は倍以上有りますし、19センチと38センチではやはり格段の違いがあるのです。しかし、驚くのは4トラックの9.5センチ盤です。聞いてみて、9.5センチだからと言うことは全く解らないでしょう。カセットから比べれば、幅も速度も倍有るのですから。テープの世界は、大排気量車がそのトルクを最大限に活かして、悠々と疾走する姿とダブります。ターボ車よりも自然吸気の大排気量車が気持ちいいのと同じなのかも知れません。
その、Cさんの今一つの日課は、テープのダビング作業の前に、近所の裏山、中山寺・奥の院に毎日登って身を清めています。まるで千日行ですね。毎朝ですから凄いことです。そのCさんから写真が送られてきました。今週は高気圧に覆われて、近畿地方も見渡しが良かったようです。まだ、PM2.5は到達していないのでしょう。今回は、九州と北海道方面に流れる予想ですね。
今朝は冬晴れで、奥の院帰りに近畿最高峰の八経ヶ岳がよく見えていました。右奥が八経ヶ岳(1915m)、中央左奥が大台ヶ原山系、左手前の低いダブルピークが二上山でその下が梅田のビル群です。右の一番高いビルはあべのハルカス(300m)です。
毎朝、このお寺に参拝し、それから始める DSD化の音は、素晴らしい音です。Cさんの精進があって聴ける有り難いテープの音ですね。
by TANNOY-GRF
| 2015-12-10 08:39
| 好きな風景
|
Comments(4)
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(Y)
at 2015-12-10 23:30
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いかに好きで始めたテープ・ソースのDSD化であっても、三桁・四桁の数のテープとなれば話は違います。自分の手持ちのテープを連続して数本取り込んだだけで、僕はぐったりしました(笑)。テープの挙動を凝視するだけでもくたびれます。録音レベルに失敗してやり直さなきゃいけない、なんてなるとがっかりします。ああ、それなのにCさんはそれを毎日の勤行のように積み重ねられているとは。しかも一度ファィル化したものを破棄してやり直すとは、驚きを通り越して、ただただ有り難いことに思えます。
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TANNOY-GRF at 2015-12-10 23:40
(Y)さん 凄いでしょう。ただただありがたいの一言ですね。私の回りには、こういう方がおられて支えてくれているのだと、今更の様に皆さんに感謝しています。
この勤行は、将来、世界的な遺産に昇華すると確信しています。
この勤行は、将来、世界的な遺産に昇華すると確信しています。
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C
at 2015-12-11 07:46
x
逆光の悪い画像で恐縮です。
また、みなさんの呆れ顔が目に浮かようで恥ずかしい次第です。
自分のためのファイル化からスタートしたDSD化ですがGRFさんに聴いてもらい、甘い言葉で囁かれ泥沼(!?)にはまり込んでしまいました(笑)。
レベル設定やテープトラブルで録り直しは常ですが、目の前に数十年前の名演が蘇る瞬間に苦労を忘れてしまいます。
それにしても、入力ソースがシステムをドライブするのでもないのにわが家のC級プア装置から迫力ある音楽空間が出現するのは、テープオーディオの醍醐味でしょうか。
裏山歩きは「行」ではありません。あれこれと考えを巡らしながらの散歩です。
また、みなさんの呆れ顔が目に浮かようで恥ずかしい次第です。
自分のためのファイル化からスタートしたDSD化ですがGRFさんに聴いてもらい、甘い言葉で囁かれ泥沼(!?)にはまり込んでしまいました(笑)。
レベル設定やテープトラブルで録り直しは常ですが、目の前に数十年前の名演が蘇る瞬間に苦労を忘れてしまいます。
それにしても、入力ソースがシステムをドライブするのでもないのにわが家のC級プア装置から迫力ある音楽空間が出現するのは、テープオーディオの醍醐味でしょうか。
裏山歩きは「行」ではありません。あれこれと考えを巡らしながらの散歩です。
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TANNOY-GRF at 2015-12-11 08:14
Cさん 毎日の「行」ありがとうございます(笑)。私から見れば、精進しなければ出来ない難行です。近くに、山があるのも偶然ではないのでしょう。東京でいえば、高尾山のそばに住んでおられるのと同じですね。
>C級プア装置から迫力ある音楽空間が出現するのは、テープオーディオの醍醐味でしょうか。
決して、プアではありませんが、装置を選ばないテープ本来の音をきかれれば皆さん驚くでしょう。50年間何をやってきたのかと!
>C級プア装置から迫力ある音楽空間が出現するのは、テープオーディオの醍醐味でしょうか。
決して、プアではありませんが、装置を選ばないテープ本来の音をきかれれば皆さん驚くでしょう。50年間何をやってきたのかと!