2016年 09月 14日
3Dステレオの再生 3 |
京都人さんの日記から
先日のGRFさんとの語らいの中でいろいろ考えさせられることがありました。
私の個人的な考えですが、音像音場再現にはいろいろな段階があると思っております。
第一段階は、適当に置かれたペアスピーカーによるもので、確かに左右から別々の音が鳴ったり、音の広がりのようなものも感じさせますが、空間再生を語るレベルではありません。
第二段階は、指向性のあるスピーカーをある程度きちんと(cmレベルの精度)セットして鳴らしたもので、いわゆる世間で言われているような音像定位(5点定位のようなもの)は問題なくクリアしますが、音像の前後上下などの再現には問題が残されていることが多いです。
第三段階は、フルレンジコンデンサースピーカーを厳密な精度でセッティングした場合の音場で、まるで立体写真を見るように音像音場が展開されてきます。しかしながら、音像が平面的でボディ感を感じ取りにくいのと、頭を少しでも動かすと音像音場が崩れてしまうと言う欠点があります。これは立体写真の場合においても、画像の中の人物などがそれぞれの空間的前後関係はわかるものの、個々の像そのものは切り紙細工のように平面的であること、また視線を少しでも変えると立体感が失われてしまうことと通じています。
第四段階は、スピーカーから出る音波が部屋の中につくりだしてくる疎密波の分布を整えることで、元音源の音像音場をそのままの形で部屋の中に再現させようというものです。
これが私が言っている所の「真の音場」というもので、立体ホログラフィーのようにどの位置から聴いても音像音場の形は崩れませんし、音像そのものの立体感も出てきます。ここにいたって初めて演奏会場で鳴っている音がそのままの形で生々しく自分の部屋に再現されるようになります。
ただし、このレベルを実現させるためには、スピーカー同士の位置関係を本当に厳密に合わせていく必要があります。これは映像の世界で3管式のプロジェクターのRGBの各ビームのコンバージェンスをきちんと合わせなければピントが合った画像が得られないのと同じで、ほんのわずかのズレが出来上がりを大きく左右するため、よほどの根気がない限り実現させることは極めて困難です。
特に指向性の強いスピーカーでこれを行うことは困難の極みで、特に2つのスピーカーのなす角度の調整に気の遠くなるような微妙な取り組みを続けなくてはなりません。そのような理由からこの状態の再生音はなかなか体験する機会がなく、そのような音像音場があることを知っている人も極めてわずかでしかありませんでした。
ここにDDDユニットをはじめとする360度水平方向無指向性のスピーカーがいろいろ出現し、この角度調整をスキップすることが可能になりました。通常のスピーカーの場合ですと数ヶ月かかっていたセッティングの手間暇が随分省略できるため、わずかの調整で「真の音場」の一端に触れることが可能になってきたと感じています。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
さすがに音場の再現を追求されてきた方のご説明は、解りやすく整理されておられると感心致しました。
第三段階のフルレンジ型のコンデンサースピーカーというところですが、後面から逆相で音が出ている平面スピーカーの再生は、やはり大きな部屋を必要とします。また、全くの同じ位置から低音と高音が出ているESL-57では、この様に聞こえたことはありません。ESL57は音場が出ないSPだと認識しています。この経験に一番近いのは、Hartleyの後面開放型と密閉型の中音・高音SPの水平配置です。SPの中央に座った人だけが、書き割りで書かれた平面の背景が前後に並んで見える、昔のディズニーの映画の奥行き感に近い感覚です。昔のステレオ写真の様ですね。しかし、ESL57もHartleyもその立体感は出なくとも、音質は抜群です。
京都人さんが仰る第四段階の音場が、私も目指すところです。それは、よほどの偶然でもなければ、なかなかその音場は出現しません。角度を持たした配置ですと、ますます難しくなりますし、壁に近いセッティングからは、三次元の立体音響は出ないからです。その45度配置のGRFは、部屋のコーナーに置かれます。その為、前方には音は立体的に展開しますが、後方の音は、壁に反射されますから後方には奥行きを持って展開しません。私が簡単に音場を出す方法で推奨しているのは、部屋の中央になるべく出してきた、平行法の配置です。厳密に平行を出し、モノラル音源で、左右のズレを微妙に調整しますと、ある瞬間、大空間が出現します。それは、魔法のような瞬間です。
京都人さんのお宅では、50畳は有ろうかと思われる大空間の中央に、45度配置された小型SPが理想的な音場を構成しています。音場情報が入っている音源でしたら、そこは、コンサートホールにワープするのです。交差法の部屋の中央配置が、前ではなく、元のソースに入っている後方展開の音場を出している初めての経験でした。この様な大空間でなければ出現しない音だとおどろき感心致しました。
小型SPですから、低音の迫力は有りませんが、この様な音場が交差法(クロス方法)で出現する事が驚きです。出現した音像定位は、聞く場所を変えても変わりません。家でGerman PhysiksのDDDユニットが動かない定位を再現しているのと同じです。360度放射のユニットは、最初から角度の調整をする必要はなく、行うのは、SPの間隔を合わせる調整だけです。左右の間隔を、本当に0.1mm単位で動かしても音はガラガラ変わります。1mm動いたら全く別なバランスになるのです。トントン、コツコツといわれている微調整が、その音場の入り口を発見する手段なのです。
今回の訪問は、はじめてピッタリと調整された音に出会いました。 ユニコーンを導入されたプー博士のお宅ででたあの驚きの音場です。それが、三次元の音響空間=3Dステレオの世界です。勿論、装置の質やクロストークの少なさも影響されますが、どこの部屋でも出ると言っても過言ではないのです。ほとんどの場合は、制約を自分に課しているだけです。オーディオを趣味されるのなら、京都人さんの様に徹底してやらなければ、ゴールにたどり着けないとの思いを新たにしました。
先日のGRFさんとの語らいの中でいろいろ考えさせられることがありました。
私の個人的な考えですが、音像音場再現にはいろいろな段階があると思っております。
第一段階は、適当に置かれたペアスピーカーによるもので、確かに左右から別々の音が鳴ったり、音の広がりのようなものも感じさせますが、空間再生を語るレベルではありません。
第二段階は、指向性のあるスピーカーをある程度きちんと(cmレベルの精度)セットして鳴らしたもので、いわゆる世間で言われているような音像定位(5点定位のようなもの)は問題なくクリアしますが、音像の前後上下などの再現には問題が残されていることが多いです。
第三段階は、フルレンジコンデンサースピーカーを厳密な精度でセッティングした場合の音場で、まるで立体写真を見るように音像音場が展開されてきます。しかしながら、音像が平面的でボディ感を感じ取りにくいのと、頭を少しでも動かすと音像音場が崩れてしまうと言う欠点があります。これは立体写真の場合においても、画像の中の人物などがそれぞれの空間的前後関係はわかるものの、個々の像そのものは切り紙細工のように平面的であること、また視線を少しでも変えると立体感が失われてしまうことと通じています。
第四段階は、スピーカーから出る音波が部屋の中につくりだしてくる疎密波の分布を整えることで、元音源の音像音場をそのままの形で部屋の中に再現させようというものです。
これが私が言っている所の「真の音場」というもので、立体ホログラフィーのようにどの位置から聴いても音像音場の形は崩れませんし、音像そのものの立体感も出てきます。ここにいたって初めて演奏会場で鳴っている音がそのままの形で生々しく自分の部屋に再現されるようになります。
ただし、このレベルを実現させるためには、スピーカー同士の位置関係を本当に厳密に合わせていく必要があります。これは映像の世界で3管式のプロジェクターのRGBの各ビームのコンバージェンスをきちんと合わせなければピントが合った画像が得られないのと同じで、ほんのわずかのズレが出来上がりを大きく左右するため、よほどの根気がない限り実現させることは極めて困難です。
特に指向性の強いスピーカーでこれを行うことは困難の極みで、特に2つのスピーカーのなす角度の調整に気の遠くなるような微妙な取り組みを続けなくてはなりません。そのような理由からこの状態の再生音はなかなか体験する機会がなく、そのような音像音場があることを知っている人も極めてわずかでしかありませんでした。
ここにDDDユニットをはじめとする360度水平方向無指向性のスピーカーがいろいろ出現し、この角度調整をスキップすることが可能になりました。通常のスピーカーの場合ですと数ヶ月かかっていたセッティングの手間暇が随分省略できるため、わずかの調整で「真の音場」の一端に触れることが可能になってきたと感じています。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * *
さすがに音場の再現を追求されてきた方のご説明は、解りやすく整理されておられると感心致しました。
第三段階のフルレンジ型のコンデンサースピーカーというところですが、後面から逆相で音が出ている平面スピーカーの再生は、やはり大きな部屋を必要とします。また、全くの同じ位置から低音と高音が出ているESL-57では、この様に聞こえたことはありません。ESL57は音場が出ないSPだと認識しています。この経験に一番近いのは、Hartleyの後面開放型と密閉型の中音・高音SPの水平配置です。SPの中央に座った人だけが、書き割りで書かれた平面の背景が前後に並んで見える、昔のディズニーの映画の奥行き感に近い感覚です。昔のステレオ写真の様ですね。しかし、ESL57もHartleyもその立体感は出なくとも、音質は抜群です。
京都人さんが仰る第四段階の音場が、私も目指すところです。それは、よほどの偶然でもなければ、なかなかその音場は出現しません。角度を持たした配置ですと、ますます難しくなりますし、壁に近いセッティングからは、三次元の立体音響は出ないからです。その45度配置のGRFは、部屋のコーナーに置かれます。その為、前方には音は立体的に展開しますが、後方の音は、壁に反射されますから後方には奥行きを持って展開しません。私が簡単に音場を出す方法で推奨しているのは、部屋の中央になるべく出してきた、平行法の配置です。厳密に平行を出し、モノラル音源で、左右のズレを微妙に調整しますと、ある瞬間、大空間が出現します。それは、魔法のような瞬間です。
京都人さんのお宅では、50畳は有ろうかと思われる大空間の中央に、45度配置された小型SPが理想的な音場を構成しています。音場情報が入っている音源でしたら、そこは、コンサートホールにワープするのです。交差法の部屋の中央配置が、前ではなく、元のソースに入っている後方展開の音場を出している初めての経験でした。この様な大空間でなければ出現しない音だとおどろき感心致しました。
小型SPですから、低音の迫力は有りませんが、この様な音場が交差法(クロス方法)で出現する事が驚きです。出現した音像定位は、聞く場所を変えても変わりません。家でGerman PhysiksのDDDユニットが動かない定位を再現しているのと同じです。360度放射のユニットは、最初から角度の調整をする必要はなく、行うのは、SPの間隔を合わせる調整だけです。左右の間隔を、本当に0.1mm単位で動かしても音はガラガラ変わります。1mm動いたら全く別なバランスになるのです。トントン、コツコツといわれている微調整が、その音場の入り口を発見する手段なのです。
今回の訪問は、はじめてピッタリと調整された音に出会いました。 ユニコーンを導入されたプー博士のお宅ででたあの驚きの音場です。それが、三次元の音響空間=3Dステレオの世界です。勿論、装置の質やクロストークの少なさも影響されますが、どこの部屋でも出ると言っても過言ではないのです。ほとんどの場合は、制約を自分に課しているだけです。オーディオを趣味されるのなら、京都人さんの様に徹底してやらなければ、ゴールにたどり着けないとの思いを新たにしました。
by TANNOY-GRF
| 2016-09-14 16:16
| オーディオ雑感
|
Comments(8)
こんばんは、
私は4段階をまったく逆のスピーカーで実現しています。
細密再生の出来るホーンスピーカーで
しかも指向性の狭いホーンを使い、
全てのホーンを左のホーンは左の耳に向け、
右のホーンは右の耳に向け、
来るだけ左右の音が混じらない様に工夫し、
ホーンのそれぞれの位相も調整して、
初めて、音場が出現します。
少し、皆さんとは違う手法ですが
鮮明で確かな音場が出ています。
私は4段階をまったく逆のスピーカーで実現しています。
細密再生の出来るホーンスピーカーで
しかも指向性の狭いホーンを使い、
全てのホーンを左のホーンは左の耳に向け、
右のホーンは右の耳に向け、
来るだけ左右の音が混じらない様に工夫し、
ホーンのそれぞれの位相も調整して、
初めて、音場が出現します。
少し、皆さんとは違う手法ですが
鮮明で確かな音場が出ています。

いやあ、このようなことを本音で語り合える方がおられるということはまことに嬉しい限りです。
来月のGRFさん宅への訪問が本当に楽しみです。
共にお邪魔するkiki氏も、ある意味私よりもしつこくこのテーマに取り組んでいる人間です。彼は水平面の角度のみならず仰角の調整というファクターを加えて、狭い6畳間の部屋をある時はコンサートホール、ある時は録音スタジオ、ある時は鳥が飛び交う高原、ある時は夏の夜の田園風景に変えてしまいます。
彼の執念はついにあのESL57を第四段階のステージに引き上げてしまいました。
ご存知のようにESL57は裏側にフェルトや植物の繊維のようなものがぎっしりと貼り詰められていて振動板の前後の条件が全く異なっています。コンデンサー型スピーカーとしては極めて例外的です。この理由としてはモノーラル時代に開発された製品であって部屋のコーナーあるいは壁際に置かれることが多かったことから、裏から出てくる逆相の音を何とか減らそうとしたのではないかと考えられます。しかしながらステレオ時代になってその後各社から出された製品では振動板の前後の条件はかなり揃えられたものになっています。(裏の吸音はしなくても低音は十分に出るということが分かってきたのだと思います。)
私は例えばクラブサンの音の余韻が伸びやかに最後の最後まで減衰していく感じを重視して、裏の吸音材を全て除去してしまいました。この音の違いは絶大で、その後手に入れたSTAXの製品でも振動板の裏側の固定極に貼り付けられていた薄い吸音材を我慢できずに除去して聴いております。
kiki氏も私の勧めでそのように改変を加えています。
来月のGRFさん宅への訪問が本当に楽しみです。
共にお邪魔するkiki氏も、ある意味私よりもしつこくこのテーマに取り組んでいる人間です。彼は水平面の角度のみならず仰角の調整というファクターを加えて、狭い6畳間の部屋をある時はコンサートホール、ある時は録音スタジオ、ある時は鳥が飛び交う高原、ある時は夏の夜の田園風景に変えてしまいます。
彼の執念はついにあのESL57を第四段階のステージに引き上げてしまいました。
ご存知のようにESL57は裏側にフェルトや植物の繊維のようなものがぎっしりと貼り詰められていて振動板の前後の条件が全く異なっています。コンデンサー型スピーカーとしては極めて例外的です。この理由としてはモノーラル時代に開発された製品であって部屋のコーナーあるいは壁際に置かれることが多かったことから、裏から出てくる逆相の音を何とか減らそうとしたのではないかと考えられます。しかしながらステレオ時代になってその後各社から出された製品では振動板の前後の条件はかなり揃えられたものになっています。(裏の吸音はしなくても低音は十分に出るということが分かってきたのだと思います。)
私は例えばクラブサンの音の余韻が伸びやかに最後の最後まで減衰していく感じを重視して、裏の吸音材を全て除去してしまいました。この音の違いは絶大で、その後手に入れたSTAXの製品でも振動板の裏側の固定極に貼り付けられていた薄い吸音材を我慢できずに除去して聴いております。
kiki氏も私の勧めでそのように改変を加えています。

ESL57の欠点は古い製品であるためか寸法精度が大らかなことです。3本の足なども左右できちんと角度が揃っておりません。またスピーカー本体にちょっと力を加えたりするときしみ音と共に簡単に仰角が変わってしまいます。
これを使って三次元音場作りのために角度の微調整に取り組んでいると精度が出せないためイライラさせられることが多く、私は途中で放り出してしまいました。しかしながらkiki氏は所有スピーカーがこれだけだったこともあり、10年以上かけてこつこつと角度、仰角の調整に取り組んだ結果、狭い部屋の中についに三次元音場を出現させたのでした。彼の部屋ではESL57が一般の常識からはとんでもない角度でほぼ向かい合わせとなるように設置されています。
こんなことに長く取り組んでいる人間が4人も一同に会して実際の音を聴きながらいろいろ語り合えるというのは得がたい体験になりそうです。
当日はよろしくお願いいたします。
これを使って三次元音場作りのために角度の微調整に取り組んでいると精度が出せないためイライラさせられることが多く、私は途中で放り出してしまいました。しかしながらkiki氏は所有スピーカーがこれだけだったこともあり、10年以上かけてこつこつと角度、仰角の調整に取り組んだ結果、狭い部屋の中についに三次元音場を出現させたのでした。彼の部屋ではESL57が一般の常識からはとんでもない角度でほぼ向かい合わせとなるように設置されています。
こんなことに長く取り組んでいる人間が4人も一同に会して実際の音を聴きながらいろいろ語り合えるというのは得がたい体験になりそうです。
当日はよろしくお願いいたします。

ボロトレーンさんに一言
我々が言っている第四段階の空間表現では、リスナーが部屋の中を動き回っても部屋の中央付近に出来上がった音像音場は崩れないという特徴があります。
仰っておられる手法は部屋の空間というオープンフィールドの中で良質のヘッドフォン聴取と同じものをつくりあげようというものと察しますが、恐らく頭を動かしてしまうと音像音場は崩れるのではありませんか。
我々が言っている第四段階の空間表現では、リスナーが部屋の中を動き回っても部屋の中央付近に出来上がった音像音場は崩れないという特徴があります。
仰っておられる手法は部屋の空間というオープンフィールドの中で良質のヘッドフォン聴取と同じものをつくりあげようというものと察しますが、恐らく頭を動かしてしまうと音像音場は崩れるのではありませんか。

京都人さん、こんばんは。
おっしゃる通りです、
リスニングポジションの1点のみの空間が出来ます。
リスナーが部屋の中を動き回っても変わらない、
との対局に有ります。
でも、明らかに情報量は多いです、
左右のセンターから外れた場所では、
左右の位相差が出来ます、
その位相差が容認出来れば幸せです。
おっしゃる通りです、
リスニングポジションの1点のみの空間が出来ます。
リスナーが部屋の中を動き回っても変わらない、
との対局に有ります。
でも、明らかに情報量は多いです、
左右のセンターから外れた場所では、
左右の位相差が出来ます、
その位相差が容認出来れば幸せです。

京都人さん
小生の取り組みはあくまで超近接位置で聴くクラブでのLiveJazz再現です、唯9年前にGRFさん宅でのClassic再生に驚き、始めてホログラフィック&空間再生がそこに加わりました、でも両者の両立はかなり難しい!!
当日はその辺りの感想を御二方からお聞きするのが一番楽しくも怖いところです。
小生の取り組みはあくまで超近接位置で聴くクラブでのLiveJazz再現です、唯9年前にGRFさん宅でのClassic再生に驚き、始めてホログラフィック&空間再生がそこに加わりました、でも両者の両立はかなり難しい!!
当日はその辺りの感想を御二方からお聞きするのが一番楽しくも怖いところです。

ボロトレーンさん
昔、ONKYOに由井氏という方がおられましたが、各周波数の時間特性を合わせることで位相歪みの少ない再生を実現させようとGS-1というホーン型スピーカーを造られました。指向性を狭くすることで部屋の反射などの影響を極小にして純粋に左右の信号を左右の耳に伝達するというのが狙いであったと理解しております。
確かに、決められた一点に頭をもっていって聴くとフルレンジコンデンサースピーカーのスウィートスポットに入り込んだような精緻な音空間が再現されていました。
ただし、野外を飛び回る鳥の鳴き声の高さが出にくい、左右のスピーカーの幅をはるかに超えて広大に広がる音響空間が出にくい、リスニングポジションを移動するとすべて崩れてしまう、などという欠点も併せ持っていました。
由井氏はその後、独立してTimeDomain社を興し、Yoshii9という製品を開発しました。これは各周波数毎の時間軸を合わせるために小口径のフルレンジユニットを使用したものですが、位相特性の合った2本のスピーカーからの音波によるホログラフィをつくりあげようというものでした。そして一旦そのようなホログラフィが出来上がってしまえば部屋の中のどの位置から聴いても音像が移動せず安定した音場再生ができることから、GS-1における限定された一点においてのみ位相が合っていた段階から脱却して次の段階に進んだ製品として世界的な評価を受け多くの人達が買い求めました。
ボロトレーンさんの追求されている世界はGS-1の世界の延長上にあるもので、私が言っている第四段階というのはYoshii9の別ルートにおける発展形といえると思います。
由井氏が、Yoshii9で聴くことによって従来の厳密に2本のスピーカーのセンター上のみで聴く常識的リスニングからの開放を実現したと訴えておられることを見ても、位相管理を厳密に行った2本のスピーカーによる音響ホログラフィというものは現実に存在し、それはリスニングポジション限定という呪縛を解く新たなリスニングのありかたであることが分かります。
ただ、それはなかなか経験する機会がないので、世間的にはほとんど理解されておりません。
GRFさん宅ではその世界を実現されているはずですので、機会があればお訪ねされてその音に実際に触れられることをお勧めいたします。
昔、ONKYOに由井氏という方がおられましたが、各周波数の時間特性を合わせることで位相歪みの少ない再生を実現させようとGS-1というホーン型スピーカーを造られました。指向性を狭くすることで部屋の反射などの影響を極小にして純粋に左右の信号を左右の耳に伝達するというのが狙いであったと理解しております。
確かに、決められた一点に頭をもっていって聴くとフルレンジコンデンサースピーカーのスウィートスポットに入り込んだような精緻な音空間が再現されていました。
ただし、野外を飛び回る鳥の鳴き声の高さが出にくい、左右のスピーカーの幅をはるかに超えて広大に広がる音響空間が出にくい、リスニングポジションを移動するとすべて崩れてしまう、などという欠点も併せ持っていました。
由井氏はその後、独立してTimeDomain社を興し、Yoshii9という製品を開発しました。これは各周波数毎の時間軸を合わせるために小口径のフルレンジユニットを使用したものですが、位相特性の合った2本のスピーカーからの音波によるホログラフィをつくりあげようというものでした。そして一旦そのようなホログラフィが出来上がってしまえば部屋の中のどの位置から聴いても音像が移動せず安定した音場再生ができることから、GS-1における限定された一点においてのみ位相が合っていた段階から脱却して次の段階に進んだ製品として世界的な評価を受け多くの人達が買い求めました。
ボロトレーンさんの追求されている世界はGS-1の世界の延長上にあるもので、私が言っている第四段階というのはYoshii9の別ルートにおける発展形といえると思います。
由井氏が、Yoshii9で聴くことによって従来の厳密に2本のスピーカーのセンター上のみで聴く常識的リスニングからの開放を実現したと訴えておられることを見ても、位相管理を厳密に行った2本のスピーカーによる音響ホログラフィというものは現実に存在し、それはリスニングポジション限定という呪縛を解く新たなリスニングのありかたであることが分かります。
ただ、それはなかなか経験する機会がないので、世間的にはほとんど理解されておりません。
GRFさん宅ではその世界を実現されているはずですので、機会があればお訪ねされてその音に実際に触れられることをお勧めいたします。

UNICORNさん
音像音場空間を正確に再現してあれば、たとえ広い部屋での再生であっても、例えば電話ボックスなどのような狭い空間の感じを出現させることも可能です。
録音がオフマイクでホールトーンを十分にとりこんだものであれば、狭い部屋も大ホールと化し、録音が近接マイクによるものであれば、そのような近接音響空間が部屋に出現することでしょう。
このように再現される空間は録音のありかたによって決まってくる部分が多いと思っております。
来月はよろしくお願いいたします。
音像音場空間を正確に再現してあれば、たとえ広い部屋での再生であっても、例えば電話ボックスなどのような狭い空間の感じを出現させることも可能です。
録音がオフマイクでホールトーンを十分にとりこんだものであれば、狭い部屋も大ホールと化し、録音が近接マイクによるものであれば、そのような近接音響空間が部屋に出現することでしょう。
このように再現される空間は録音のありかたによって決まってくる部分が多いと思っております。
来月はよろしくお願いいたします。