2017年 10月 28日
Oさんとプラチナ賞の日本酒を |
先週までの忙しさが一段落したOさんが、久し振りに金曜の夜に家に寄ってくれました。何が目的でもないのですが、先日来、4種類ほど揃えた、例のパリの日本酒コンテストで入賞したお酒を揃えていたので、その飲み比べです(笑)。先週来られたパグ太郎さんは飲まれないので、冷蔵庫で二週間ほど冷えていました。もっと、到着したときにグランプリを取った「七田」審査員賞の「花の香」は、飲んだのですが、何時も飲んでいる日本酒のイメージではなく、力強い九州のお酒という感じでした。Oさんのお宅のそばの日本酒専門の酒屋さんが、その「七田」を揃えているので、いままで飲んでいなかった、他の入賞作を飲むことにしました。東広島の「富久長」の純米吟醸酒です。やはり美味しいですね。この四本ですと、日本人の私の好みはグランプリの中央の二本より、両側の二本ですね(笑)。
話題は先週来られた「パグ太郎さん」の音場への感想のことについて話は始まりました。
・・GRFの部屋のGerman Physiksは、恐らく全く関心の無い人に聞かせても、その違いが判るそういうレベル、つまり「同好者の秘密の鑑賞ポイント」などというものを必要としない、ただ聴くだけの一般人には何の知識も努力も求めないという所が、他のシステムと全く違うのではないでしょうか。
GRFの部屋のGerman Physiksは確かにそうかもしれません。予断を持たないで聞くと、音場が現れているのがわかります。ところが、そのわかりやすい音場も、オーディオ道に入りすぎていると、全体ではなく部分的に聞くようになり、「音場」が聞こえなくなるようです。
家を訪れて下さる方は、最初から「音場」を感じる方と、全く違う音を聞かれる方に分かれるようです。それは和室の方での差が大きいです。私自身が驚いているのは、六畳ちょっとの狭い部屋でも、その部屋の狭さとは全く関係なく、壁の向こうにコンサートホールの二階席でステージを見下ろしているような音場が現れることです。ところがその音が聞こえる人と、感じない人に別れるのです。聞こえていてもコンサートホールで聞いている経験が無いとあまり関心は生まれません。今日のOさんも、その音に魅せられて、同じユニコーンを六畳の部屋で使うことになりました。鵠沼のT.Wさんもそうですね。一方広い部屋で使われていますが、浜松のプー博士や大阪の椀方さんもそうです。
ユニコーンの音は不思議で、ピントが合ってくると音がどんどん下におりてきます。DDDドライバーの側に行ってもそこからは音が聞こえてきません。バックロードホーンを構成する美しいキャビネットの中央付近から音が聞こえてきたのです。はじめて聴く方は、どのあたりにウーファーが入っているかとお聞きになります。実は上のチタンのドライバーが一本だけで鳴っているのだと説明すると、皆さん一様に驚かれます。
でも、SPのどこから聞こえてくるのかを聞かれる人は、まだ音場は聞こえていないのかもしれません。音場が聞こえてくると、SPからは音が聞こえてこなくなるからです。SP自身から音が出てくるホーン型のSPとは違います。でも、音にリアリティがないわけではありません。ドラムのシンバルもスネアもスタジオ録音の場合はそこでなっている音もします。そういう近接のマルチ録音には、音場の情報は入っていないからです。
解ってくることは、元々の音場情報が入っている録音なら、入っている音が万遍なく再生されたのなら、自然に音場が現れてくると言うことです。和室では、そのOさんが作られたDAコンバーターを使用しています。和室でemmとも何回も聞き比べをして音を整えていきました。特徴は、ファインメットを使った独立電源にあります。その後の工藤さんのZ型プリアンプは、完全なモノラル構成です。パワーアンプもモノラルアンプにしています。オーディオ的には、その基本構成がぶれないことが一番大事だと思っています。狭い部屋や音響的には何も考慮していない普通の和室なので、微少な信号を扱う、DAコンバーターやプリアンプなどには、磁石で浮かせるフローティングを入れていているのが、唯一のアクセサリーでしょうか。
Oさんも大事なのは、その入力の質だと言われます。さらに質を高めたDAコンバーターと、是枝さんのプリアンプを最近手に入れられました。それによる音の差が大きかったそうです。パワーアンプも、私と一緒に是枝さんにつくっていただいた6336Bp.p.ですから、和室との違いは、プリアンプと部屋そのものだけと言ってもいいぐらいです。
Oさんは、狭いながらも専用のオーディオルームを持つ幸せと、重要性を言われました。同感ですね。部屋の大きさの大小ではないのです。大げさに言うと専用の部屋を持つと言うことは、自由の確立と日常からの独立性です。そんな独立戦争のことを酔っ払ってきた二人は、話していました。
二本目は、右端の群馬のお酒の水芭蕉にしました。これは先日飲んで、おいしさを確認済みです。もっとも、二本目ですから、微妙な味の差は解らなくなっているのかもしれません(笑)。
その和室の実験と経験から、DDDユニットを制約無く使った、Troubadourに前と後ろに音が放射する新しいアイデアのウーファーを足したのが、大きな部屋の装置でした。違いは、DDDユニットを二つ使い音のダイナミックレンジを拡大したのと、300Hz以下の低音をカットして、ユニットの低域の振幅を抑えたため、より自由なヴェンディングウェーブの動きが得られるからでしょう。
ワンポイント方式で、Toddさんに録音して貰ったDSD録音を5.6MHzのまま聞ける環境がようやく整ったので聞いてみると、元の音場の儘に展開します。その音場の出現の自然さが、DSDの真骨頂でしょう。その違いを聞くために録音したのですから。12月の横浜のMさんのところで開く、第二回のGerman Physiksの会でも、その差を聞いていただくことにしています。
気がつくと、11時を回っていました。冷たい雨のなかを戻っていくOさんの背中も楽しそうでした。
by TANNOY-GRF
| 2017-10-28 11:07
| 来たり
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