2018年 01月 19日
忘れてしまうから、、、(1) |
2006年にこのブログをはじめたきっかけの一つに、自分の備忘録と言うことがありました。老人力の付き始めを実感したからだと思います。あれから12年、干支も一回りしました。今は、ますます加速度を増した老人力に振り回されています。12年前にも忘れてしまうから、、と言う題名で理由を書きました。一番感じるのは、同じ事をするにも時間が掛かるようになり、時の経つのが早いことです。朝、何かを始めるとすぐにお昼になっています。だからといって、お昼を取りすぎるとすぐに眠くなります。昔、午後からの会議の時眠っているお年寄りをよく見かけたことを思い出します。いまは自分の番です。明日は我が身と言いますが、昨日から我が身ですね(笑)。
その時は山岳部の後輩から、部創立50周年をするので、昔の写真を提供してくれと言われ、その頃の写真を探していたのです。その時にも40年以上も前の事だったので、現在からは50年以上も経っています。今とは違い、昔の記憶は忘れないもので、その頃の写真を見ていると、思い出はどんどんあふれてきます。コンピューターと同じで、ハードディスクが壊れているわけではなく、アクセスするルートが閉ざされているのです。何かのきっかけで、その道が開くと、記憶がどんどん出てきます。同窓会などで、昔の友人に会うと、今まで全く忘れていたことを思い出しますね。記憶とは面白いものです。
今回は、中学時代の友人から、昔の中学の周りの風景などが写っている写真はないかと訊かれました。同窓会と違って同期会になると、戦後のベビーブーマーによるクラスの多さで、学年全体を万遍なく撮った写真は少なく、どうしても写真はクラス単位になってしまいます。そこで、個人の写真ではなく、その頃の学校やその回りの写真が思い出を出すのではと探し始めました。その頃始めたカラー写真がありました。1962年当時、カラースライドはまだめずらしかったのです。ネガと違って、ポジフィルムは空気感が出ますね。ただ、フィルム代が高かったので、カメラはハーフサイズのOlympus Penです。高校時代の山歩きにも随分と連れて行き愛用してました。
そうして始まった写真探しは、大変なことになりました。昔の白黒の写真のネガを入れてあった、お煎餅かクッキーのブリキの箱が見つからないのです。どこかに入ってはいるのですが、それを思い出せないのが老人力です。家捜しを始めました。B4ぐらいのよくある箱ですが、ある程度大きいので簡単に見つかると思っていました。ところが、あるべき所にありません。写真類が入っている棚にないから焦りました。レコードが入っている棚は、他のものは入れません。どこかにへそくりも隠れているはずですが、どこに入れたかは、勿論思い出せませんが。その部屋の棚はすべて見ました。いま、これを書きながら思い出すと、38/2トラのテープ類をしまったとき、中の物を出して入れ替えたのでしょう。で!それはどこに行ったのでしょう。毎日が推理小説です。
隣の部屋の押し入れも見ました。中の物を一旦すべて出して確かめます。何年も見ていなかっためずらしい物が出てきました。探していた8ビデオの機械も出てきました。充電して試しましたがやはり動きません。少しがっかりです。突っ込んであったガラクタも随分とあります。押し入れの奥の方に20年前に親父がしまった箱が出てきました。71年前に亡くなっている祖父の資料や勲章が入ってました。軍医だったので、昇進するたびに勲位も上がり、その賞状や勲章も出てきました。身体を壊して引退するときは、一等軍医正だったので、大佐ですね。現在は市長クラスの人がもらえる旭日小綬章もありました。それより価値があるのは恩賜の時計でしょう。アメリカのWaltham社の銀時計ですね。これは家宝ですから修理して磨いて置こうと思いました。
何が見つかるかわからない物です。別な箱には、ドイツに派遣されたときの絵はがきや写真も出てきました。世界恐慌の二、三年前前の頃です。中にはホテルの案内や領収書もありました。船ですから、寄港地の写真も多く、シンガポールやインドの写真もありました。ヨーロッパに入るとロンドン、パリ、ブラッセル、ベルリンのホテルの領収書や案内も出てきました。92年前の資料ですから、それらのホテルにコピーを送れば喜ばれるかもしれません。でも、100年前は彼らにはちょっと前の出来事かもしれませんね。親戚のいとこ連中、祖父から見れば孫に連絡して、これらの資料をまとめて送る仕事も出来ました。まるでファミリーヒストリー探しみたいです。
それらの資料を整理していると何故、押し入れの中を探しているか解らなくなります。老人力の特徴は、目の前に転がってきた物に気を取られて、本来の目的を忘れることもあります。なかなか、ネガが入ったブリキの箱にはたどり着けません。気がつくと、押し入れの物が部屋中に広がっていました。
by TANNOY-GRF
| 2018-01-19 23:14
| よしなしごと
|
Comments(7)
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椀方
at 2018-01-20 08:48
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親世代と同居を続けてこられた故に押入れから色んなお宝が出てくるのですね(笑)
小生の場合は押入れにはダンボール箱に詰めた結婚から子供の小さい頃までの写真アルバムが入っているだけですが。
しかし、あの山岳写真はまるでプロのような迫力がある構図ですね
小生の場合は押入れにはダンボール箱に詰めた結婚から子供の小さい頃までの写真アルバムが入っているだけですが。
しかし、あの山岳写真はまるでプロのような迫力がある構図ですね
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TANNOY-GRF at 2018-01-20 11:25
椀方さん その通りですね。親父が残してくれた貴重な資料を今まで読まなかったのには理由がありますが、大変貴重な資料ではあります。ヨーロッパからの絵はがきや写真は、戦前の行李に入れられて、茅野の家に押し入れの中にありました。中のアルバムは、遠い昔に見た覚えがありましたが、50年前からは、見たことはありませんでした。
あれは槍ヶ岳の写真です。槍の穂には都合三回登っております。これは三回目だと思います。あそこに行けば、どなたが撮られても迫力のある写真になると思います。
あれは槍ヶ岳の写真です。槍の穂には都合三回登っております。これは三回目だと思います。あそこに行けば、どなたが撮られても迫力のある写真になると思います。
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Orisuke
at 2018-01-20 22:42
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こんばんは
槍の穂先を見て、思わず反応してしまいました。私も槍は剱とともに北アルプスで最も多く登った山です。槍は洗練された形をしていて、いつ登っても気持ちの良い山ですね。30年前は超貧乏大学生だったので、2週間ほどで食糧が尽きると涸沢で一般ハイカーに托鉢(一斗缶に「要らない食料入れて下さい」と書いて置いておくと集まる)しながら、登っていました(汗)。
槍の穂先を見て、思わず反応してしまいました。私も槍は剱とともに北アルプスで最も多く登った山です。槍は洗練された形をしていて、いつ登っても気持ちの良い山ですね。30年前は超貧乏大学生だったので、2週間ほどで食糧が尽きると涸沢で一般ハイカーに托鉢(一斗缶に「要らない食料入れて下さい」と書いて置いておくと集まる)しながら、登っていました(汗)。
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TANNOY-GRF at 2018-01-20 23:06
>orisukeさん
>一斗缶に「要らない食料入れて下さい」と書いて置いておくと集まる
それ見たことあります。もっとも時代が違うから先輩連中もやっていたのでしょう。涸沢ならいろいろな食料が集まるでしょうね。
双六で、二日間ほど雨に降られて食料が減ってきたとき、回りのテントからカンパして貰ったことを急に思い出しました。その時の風景や、雨の匂いなど・・
>一斗缶に「要らない食料入れて下さい」と書いて置いておくと集まる
それ見たことあります。もっとも時代が違うから先輩連中もやっていたのでしょう。涸沢ならいろいろな食料が集まるでしょうね。
双六で、二日間ほど雨に降られて食料が減ってきたとき、回りのテントからカンパして貰ったことを急に思い出しました。その時の風景や、雨の匂いなど・・
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TANNOY-GRF at 2018-01-20 23:18
今日一日、例の写真が入ったクッキーの箱(じっさいはお煎餅の缶でした)を探していました。家中の押し入れや物置の段ボールケースをひっくり返しました。見つかりました!
よく見ればその他はゴミばかりです。来週は大掃除です。
でもようやく見つかったネガを見たら、それこそ55年前がよみがえってきました。驚きました。
よく見ればその他はゴミばかりです。来週は大掃除です。
でもようやく見つかったネガを見たら、それこそ55年前がよみがえってきました。驚きました。
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パグ太郎
at 2018-01-21 12:02
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街の風景写真は杉並近辺でしょうか?
以前の地図を眺めて想像していた感じにぴったりでした。探しモノが見つかりなによりです。
以前の地図を眺めて想像していた感じにぴったりでした。探しモノが見つかりなによりです。
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TANNOY-GRF at 2018-01-21 12:19
パグ太郎さん
そうです。1962年3月の和田堀公園(大宮公園)上の中学校の二階からの風景ですね。向こうにみえる二つの建物は、数年前に出来た松の木小学校です。
この頃は、畑が多く、春一番が吹くと家中、土埃だらけになりました。
そうです。1962年3月の和田堀公園(大宮公園)上の中学校の二階からの風景ですね。向こうにみえる二つの建物は、数年前に出来た松の木小学校です。
この頃は、畑が多く、春一番が吹くと家中、土埃だらけになりました。