2018年 02月 17日
German Physiks HRS-130 BOさんを迎えて |
BOさんがお聞きになりたいと言われたので、当方も、出張から戻ってきて真剣に調整してベストの音を目指してきました。やはり、私の装置に比べて空間の再現力がまだ調整不足だと思ったからです。それからが大変です・・・
調整の基本は前後の位置選定と左右の間隔の二種類です。最初は、現在の80の正確な位置に置いてみました。それだけでも、従来の音に近づいてきます。やはりその部屋では、最適なポイントは一つしか無いのでしょう。
その位置において、さらに微調整をしましたが、しかし、何かが違います。80+TW3は前後に低音が放射され、仮想的な中心点に80を置いています。調整は、その上の80の置き場所の微調整で追い込んでいますが、今回の130は低域のウーファーと中高域のCarbonDDDが同心で一緒に動きます。その為、SP全体の位置調整で大変変わります。
当初のポイントから少しずつ前後して試しました。それに伴い、左右の間隔も変えてみます。しかし、自分としてしっくりするポイントがなかなか現れません。
今朝は8時前から始めましたが、約束は、午前11時ですが、もうすぐ10時になります。今一度原点に戻ろうと、出発点の位置に戻し、そこでの微調整を行いますが、音が、DDDユニットから下がり切りません。ピッタリ位置が合ってくるとDDDユニットから音が離れて、キャビネットの下の方に下がってきます。その状態で、ユニットに近づいてもドライバーからは音が聞こえなくなります。ユニコーンもそうですが、音のバランスがあってくると、ユニットの位置ではなくSPの本体のほうへ音が下がってきます。その下がり方が、少なく、まだDDDから音がします。
ふと、左右に仮に置いた80のDDDのユニットにショートピンが刺さっていないのに気がつきました。ウーファーの方は、振動が多いと影響するので最初から差してあったのですが、DDDの方は、そのままでした。
もしかしたらと、クロスオーバー用のショートピンを使ってショートしてみました。
すると、どうでしょう!
この二時間気になっていた音のにじみがいっぺんに無くなりました。チタンの振動板が共鳴して鳴っていたのです。同じ部屋にほかのSPを置くなと言うことはよく言われますが、DDDのユニットでも、いや、だからこそ、影響が大きく出ていたのですね。
どんなに広い部屋でも他の振動体の影響はあるようです。特に、同じユニットは同じように影響されるのでしょう。その差があまりにも大きかったので、DDDユニットにショートピンをさしたまま、音の影響の無い後方の物陰に置き直しました。
すると、今まで悩んでいた音のにじみと、微妙な位置調整が簡単にいくようになりました。音も、すっきりして、音場がはっきりと繋がります。この部屋のSPはGRFと後ろにしまってあるコンシーケンスですが、両方ともショートさせています。また、それを外してもそれほど大きな影響は無いのですが。
そこからは、何時ものように微調整が効くようになりました。そして、低域もどんどん音が繋がり空間が埋まっていきます。面白いほどの音の差ですね。音場が出ると言うことは、微小な音の再現が出来ていると言うことなのでしょう。
最終的には、ほとんどメイン装置と変わらない点まで、上がってきました。音色の差は、ありますが、カーボンが、チタンがと言う点は超えたようです。勿論厳密にはあります。無ければ私が困ります・・・(笑)お客さんが、来られる20分前に終わりました。
BOさんのお顔が楽しみです。
GRFさま
先日はGerman Physiks HRS-130を聴かせて頂き有難うございました。
先ず、その美麗な黒いピアノフィニッシュキャビネットが印象的です。
German Physiksといえばなんといってもユニコーンの突板キャビネットが素晴らしく、またHRS-130の姉妹機であるHRS-120突板仕上げも良いですが、このピアノフィニッシュ版は独特の美しさでカーボンユニットともよく調和しています。スクッと立ち上がったスペースファクターの良さも好印象ですね。ちょっと見たところはスピーカーというより、オブジェという感じです。
さて肝心の音のほうですが...先ずオーケストラから聴かせて頂きました。
DDDドライバー特有の有機的で自然な音色とスピーカーの周囲を取り巻く音場がみごとに展開されます。このユニットの特徴である、温かみがあってリアルな感触が心地良い。この広い部屋でも音圧の不足を感じないのは無指向性の賜物でしょうか。スケールの大きい再生音は、メインスピーカーであるトロバドール80+TW3と比較しても遜色の無い、凄いサウンドと思いました。
オーディオ的美音とはちょっと趣きが異なる、現実に近い音というか・・・聴けばわかるのだけど。
最低域の伸び(例えば大太鼓の重さや皮の質感など)はさすがにメインスピーカーの80+TW3と同じではないですし、中高音も表現力の差異はあるでしょうが、比較試聴をしなければ気がつかないレベルでしょう。このスマートな姿から充分な低音が出ており、中域との繋がりも違和感が無かったです。更に、音場感についてはトロバドール80+TW3に勝るとも劣らぬ広大なサウンドステージが再現されていました。360度放射のウーファーと八角柱のボックスが寄与しているのでしょうか。
とにかく、この美しい黒いオブジェから、通常のオーディオ装置ではちょっと体験できないリアルな演奏舞台が再生されるのには驚きます。勿論これは、GRFさんの調整の業、および最高級のアンプとプレーヤーで生み出されたサウンドなのですが・・・これは、ヤバイですよ皆さんw
ところで西独版と国内版のCDの比較も面白かったですね。Philipsのボザールトリオなど、一聴して違います。プレスラーのピアノなど全然別物という感じ。何故こういうことになるのか、不思議です。まあ、オーディオに頓着しないヒトにとっては「僅かな違い」で「微妙だし、演奏は同じでしょ?」という反応かもしれませんね。しかし、この差を知ってしまうと・・・私としては無視は出来ないw
いろいろありがとうございました。
BO
by TANNOY-GRF
| 2018-02-17 11:38
| 来たり
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