2018年 06月 18日
German Physiks HRS-130の導入 パグ太郎さん邸 - 1 |
今年の二月にGerman PhysicsのHRS-130が我が家に滞在したことがあります。
German Physiksは、私たち友の会が直接輸入しているUNICORNとTroubadour 40と80 以外の製品は、日本に代理店がなく現在輸入されていません。そんな中、ある輸入商社が、German Physiksの現在のメイン商品である、HRS-130をサンプル輸入してテストを重ねていました。ところが通常のSPとは全く違う無指向性のサウンドが再生される関係で、通常の販売方法では、鳴らし方が難しいとの理由で、導入を取りやめたそうです。それを、また費用をかけて本国に送り返すのなら、誰か引き取り手がいないかとGerman Physiksの担当者から連絡がありました。
いままで、805が置かれていたボードの上に慎重に置いて、同じような位置にセットしました。結線をして鳴らすと、素直な良い音がそのままで出ます。慎重に位置調整を行うと、ピントは合って、今までのスピーカーとは、スケールの違う音楽が楽に出てきます。当初はエージングが必要だと言われていた音とは随分と違う印象でした。
私自身は、チタンのDDDユニットだけでシンプルに鳴らすUNICORNと、前後に低域を放射するTW3の上にTroubadour80を置く方式で満足していたので、引き取り手が見つかるまで家でお預かりして、新しいコンセプトで作られたカーボンのHRS-130の音を聴く事でお預かりすることになりました。その後、このシステムは無指向性のスピーカーに理解のある京都人さんが引き取られました。
その折り、かねてからB&Oの優れたデザインの製品を使われてきたBOさんと、偶然、その時、別な用事で家に来られたパグ太郎さんに聞いていただいたのです。すると、お二人ともデザインやサウンドもとても気に入られたようです。
私自身は、従来から使ってきたチタンの振動板と、新しいカーボンの振動板の微妙な違いがどこから来るのか興味を持って調整を重ねました。今回のHRS-130は円筒状の補強されたキャビネットの下部に下向きに取り付けられた25センチのウーファーは、新しく開発されたもので、従来からのHRS-120と比べて、カーボン振動板の低域の伸びとも重なり、繋がりも大変自然になっていました。その結果、Troubadour 80+TW3とは違った鳴らし方を発見して、お二人に聴いていただいたのです。
その結果、お二人とも従来聴いてきたCDとは、音楽の聞こえ方が全く違うと感心されて、真剣な面持ちで帰られました。その後、悩まれたお二人から、ほぼ同時に、やはり導入しようとの連絡がありました。German Physiksにも、状況と経緯をお話しして、サンプル品との価格差を協力していただきました。
それは、二月のまだとても寒い頃でした。
当初は、五月の連休頃には出来るとのことでしたが、何時ものように納期は遅れて到着は四ヶ月後の先週になったのですが、国内は急ぎ手配して、航空便が到着した翌日、翌々日には、お二人のお宅まで届けることができました。
土曜日の朝は、前日届けられていたHRS-130のセッティングのお手伝いに、まずパグ太郎さん宅へ向かいました。二階の居間まで運ばれていた大きな梱包の箱を開き、慎重にHRS-130を取り出します。箱を立てて、そのままずらせば、すぐ出せる優れた方法で梱包されているからです。
SPは鳴らす音楽で、その性格が変わっていきます。乱暴な音楽を聴いていれば、その方向に行くし、天国に近いような音楽を聴いていれば、どんどんと音は昇華されます。流す音楽次第なのですね。始めて鳴らしたHRS-130の音は、今までのSPとは、声の深さもピアノの音もまるで違います。音楽が違って聞こえるのです。この点が、パグ太郎さんが導入を決心した理由です。
これならば、エージングの必要も無い音だと、感心して安心しました。そのままお昼をいただきながらもいろいろな音楽を聴きました。これから私は紀尾井ホールに向かいます。すると、南阿佐ヶ谷駅への最短の近道をパグ太郎さんに教わりました。三角形の二辺を行く青梅街道とは全然違い、とても短い距離で南阿佐谷に着きました。
本来は、私が苦労したように、初期調整がもっと難しいと思って、演奏会が終わったら、また戻ってくるつもりだったのですが、これだけ鳴ればその必要はありませんね。このまま、お好きな音楽を聴いている内に初期のエージングは終わると思いました。私は、演奏会から戻ると、サッカーに没入して気がついたらまたソファーで寝ていました。
ところが、その翌日のBOさんのセッティングで・・・
by TANNOY-GRF
| 2018-06-18 09:10
| 行ったり
|
Comments(1)
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by
TANNOY-GRF at 2018-06-19 13:36
そのHRS-130sがお嫁に行った京都人さんのお宅が、今回の地震の震源地付近でした。震度6弱の直撃を受けて、このHRSもその他の沢山のSPも倒壊して、大変なダメージを受けられたそうです。まずは生活とお仕事場の整備からですが、オーディオ関係では、なんとかお力になれたらと願っています。