2018年 08月 10日
BOさんとLotus Rootsさんをパグ太郎さん邸にお連れして |
連日の酷暑の中、土曜日のお昼丁度に、BOさんとLotus Rootsさんが来られました。どんどん暑くなっていく日差しの中、表に出てみると、丁度お二人が別々に来られたところでした。お二人は横浜のvafanさんを通じてお会いしているそうです。
でも、私自身は、オーディオの音を一番左右するのは、SPの置き場所だと思っています。それを実験する良い方法は、大きめな机とか、食堂のテーブルの上で小型のSPを置いて、その位置を動かして見ると、どれほど音が変わるか解ると思います。
そうして、実験してみるとSPを後ろの壁から離してみることが一番楽に良い音を獲られる方法だと解ります。以前にも書きましたが、それを確信したのは、復帰前の香港の高級オーディオ店で聴かせていただいたアヴァロンのスピーカーを大きな部屋のほぼ中央で聴いた経験です。そこから、T4の床置き平行法の実験に繋がったのです。
欧米では、SPの置き場所は、壁から離すのが常識化されています。日本のせまい住宅事情では、なかなか許されないでしょうが、オーディオ専用部屋なら、たとえ六畳でもやってみるべきです。前後、左右の壁の反射から逃れる事で、どれほど音場が楽しめるのかぜひ実験してみてください。回析効果がある小型のSPが優位ですが、ここにきて各社から、無指向性のSPが出てきました。
無指向性のスピーカーからは、録音されている音場が現れてきます。無指向性でも、音場が再生されれば、ステージが現れます。PC用やテレビ用にこれから普及が進んでいく事でしょう。
和室の音を聴いていただいたあと、少しだけ大きな部屋の音も聴いていただきました。和室の部屋のクオリティが上がっても、やはり、後ろの壁はありますから、その壁がないようにも聞こえますが、やはり、大きな部屋のようなSPが消えるような音にはなりません。LotusRootsさんが面白いことを言われました。実際には、トロバドール80が音を出しているのだけれど、後方に拡がる音場を聴いていると、出しているSPが音を邪魔しているように聞こえると。これを聞いて、同じ部屋に二つのSPが入っているので、やはりピッタリと位置が合っていないと、音場が全部現れていないのでしょうね。今日の所は、このあたりで勘弁させて下さい(苦笑)。

今日は、同じHRS-130を導入されたBOさんと、先日、訪問したばかりのLotus Rootsさんを、パグ太郎さんにお引きあわせるのも大きな目的ですが、片方では、導入後、二ヶ月経ったHRSの調整も兼ねていました。音を聴くと、どこかピントが合っていない音がしています。この暑さに、やはりおとが緩んできたのでしょう。さっそく、六角レンチをお借りして、DDDユニットの締め付けをチェックします。締め付けは、余り急激な力を入れると締めすぎになります。ジワーッと力を入れていき、レンチの先端を小指の力で締めすぎないように力を入れていくのがコツです。左側のSPから始めました。
早速、中に入っていただき、冷たいお茶で一息入れていただいてから、DACが新しくなった和室の音を聴いていただきました。パグ太郎さんのお宅へお伺いする前に、いつものお蕎麦やさんによりますので、それまでの小一時間、和室と大きな部屋の方も少しだけ聴いていただきました。
和室の方は、先日のケーブルのビス事件以降、右と左のアンプの色は違ったままです。しかし、それにより発振したのは、左の方なので、壊れた右のアンプの理由にはなりません。一つ考えられるのは、出力管自体の問題です。内部の配線の接触不良等です。同じアンプを何台も使っているので、予備の球はそれなりに準備してあるのですが、大量にあった数年前と違って、数が少なくなった最近では、安定した球が少なくなってきた様です。
定格一杯に使っているので、球の寿命は短いのですが、それはゲッタの縁を見ていれば解りますね。その段階で交換すると、やはり音がリフレッシュされるのが解ります。真空管アンプは、すぐにウォーミングアップしますから、余分に暖める必要は無いし、聴かないときはスイッチを切っておくことも大事です。
今日もお二人が来られてから、電源を入れました。スイッチを投入直後は、定格 80mAのバイアス値が60mAあたりから始まります。私は、70mA前後で使っています。バイアス値で音のキャラクターが変わるからです。アンプの動作点での音の変化は大きく、球自体の差より調整の範囲は大きいと思います。固定バイアスアンプでしたらその値を変えることで、セルフバイアスでも球によって抵抗値を変えてみれば、その差の大きさに驚くでしょう。
是枝さん自身は、値段が上がってしまったヴィンテージの真空管を、びくびく使うぐらいなら新品の精度の良い球のバイアスを調整したり、前段のドライバー管をかえて音質を調整した方が良いと断言されています。
真空管アンプは、回路設計、レイアウト、部品の選定、配線の仕方、モノラルアンプの左右対称と非対称、などなど音がか有る要素は山ほどあります。既存のアンプの真空管を変えて音を楽しむのは面白いでしょうが、結局一番良い音で何時も聴いていない事でもあります。バイアスの1mAの違いを確かめながら、微調整して行けば、不安や不確定要素が減って安心して聴けるようになります。
そうして、実験してみるとSPを後ろの壁から離してみることが一番楽に良い音を獲られる方法だと解ります。以前にも書きましたが、それを確信したのは、復帰前の香港の高級オーディオ店で聴かせていただいたアヴァロンのスピーカーを大きな部屋のほぼ中央で聴いた経験です。そこから、T4の床置き平行法の実験に繋がったのです。
欧米では、SPの置き場所は、壁から離すのが常識化されています。日本のせまい住宅事情では、なかなか許されないでしょうが、オーディオ専用部屋なら、たとえ六畳でもやってみるべきです。前後、左右の壁の反射から逃れる事で、どれほど音場が楽しめるのかぜひ実験してみてください。回析効果がある小型のSPが優位ですが、ここにきて各社から、無指向性のSPが出てきました。
無指向性のスピーカーからは、録音されている音場が現れてきます。無指向性でも、音場が再生されれば、ステージが現れます。PC用やテレビ用にこれから普及が進んでいく事でしょう。
和室の音を聴いていただいたあと、少しだけ大きな部屋の音も聴いていただきました。和室の部屋のクオリティが上がっても、やはり、後ろの壁はありますから、その壁がないようにも聞こえますが、やはり、大きな部屋のようなSPが消えるような音にはなりません。LotusRootsさんが面白いことを言われました。実際には、トロバドール80が音を出しているのだけれど、後方に拡がる音場を聴いていると、出しているSPが音を邪魔しているように聞こえると。これを聞いて、同じ部屋に二つのSPが入っているので、やはりピッタリと位置が合っていないと、音場が全部現れていないのでしょうね。今日の所は、このあたりで勘弁させて下さい(苦笑)。
あっという間に一時になりました。暑い中歩いたので、いつものおそば屋さんで、冷たいビールを飲んで、つまみとせいろを頂き、急ぎ、表の街道でクシーを拾って、パグ太郎さん宅に向かいました。車ではあっという間ですが、歩けば炎天下を15分ぐらい掛かるでしょう。タクシーで正解でした。
ご挨拶を済ませ、二階からパグちゃん達を一階に移動を済ませたら、早速、HRS-130/ダースヴェイダー卿の登場です。ところが、少し迫力が足りません。余りの日本お暑さに黒い衣装の暗黒卿も夏バテしたのかしたのでしょうか。

今日は、同じHRS-130を導入されたBOさんと、先日、訪問したばかりのLotus Rootsさんを、パグ太郎さんにお引きあわせるのも大きな目的ですが、片方では、導入後、二ヶ月経ったHRSの調整も兼ねていました。音を聴くと、どこかピントが合っていない音がしています。この暑さに、やはりおとが緩んできたのでしょう。さっそく、六角レンチをお借りして、DDDユニットの締め付けをチェックします。締め付けは、余り急激な力を入れると締めすぎになります。ジワーッと力を入れていき、レンチの先端を小指の力で締めすぎないように力を入れていくのがコツです。左側のSPから始めました。
すると、しっかりと締まっています。HRSの場合、前面にSPがぶら下がるように付いているわけではなく、真上に乗っていますので無駄な力も掛からないからでしょう。小指でのチェックではほとんど動きませんでした。ところが、反対側の右側を締めたら、何の抵抗もなくすーっと締まるのです。90度を二回も締められましたから、半周ほど回ったことになりました。驚きです。
右側のネジは、すべて緩んでいたのです。しっかり締めつけてから、再度、左側に戻り、今度は力を入れて締めました。すると、先ほどはまったく動かなかったネジが、30度ぐらい動いたのです。6本ともすべて同じぐらい動きました。やはりこのところの暑さで、ネジも緩んだのでしょう。また、キャビネットが乾いてきたのかもしれません。音の振動でも、ネジは緩みますが、今回はやはり気温の変化でしょう。
作業をすると、じんわり汗が出てきます。当初は涼しかったクーラーも、四人も入ったことや、音楽のために全開で無く弱で動かしたので、熱交換しきれなく無くなり部屋の温度が上がってきました。外は、37度ぐらいでしょう。二階のこのリヴィングは、天井高も高いので、部屋のボリュームが大きいのです。普段は足りていたクーラーの容量も限界まで動いたのでしょう。
室外機の上に、濡れたタオルでも置いて、バケツにタオルの片方を浸して室外機の冷却を計らなければならないかもしれません。今年の夏が終わったら、今一台入れるか、容量の大きなタイプに変える必要もあるかもしれませんね。最近のクーラーは燃費も良くなったのですが、その為に機械も小さくなり、最大負荷が掛かるような時には、容量が足りないのかもしれません。家の三階の交換した方の新しいクーラーも同じ問題を抱えています。
さて、そのクーラーのファンを一旦止めていただき、増し締めの効果を聞いてみました。すると音は一気に抜けて、前の音が出始めたようです。その状態で、SP位置の再調整を行いました。三人とも、効果を実感していただきました。BOさんの所でも同じ状態が来るでしょうから、参考にしてください。
折角、良い音が出たので、少しだけお金の掛からない調整をしてみました。重いメインアンプの下に、ワインのコルクをはめたり、CDプレーヤーの位置をはじから真ん中に変えてみました。これは中央で聴いていたLotusRootsさんが音が動いたのには驚かれていました。デジタル機器でも、信号はアナログ信号送られます。ゆえに、筐体の震度や、SPからフィードバック信号の影響を受けて音が変わるのです。フローティングボードや磁気フロートでも効果はありますが、別の問題も発生します。簡単には置く位置をかえるのが効果的ですね。それには微小信号を扱っているプリアンプやDACが大変効果があります。
そうこう、調整しているうちに音もまとまってきました。こうなると、音楽鑑賞モードです。気がつくと何時ものように沢山のCDが並んでいました。
GRF様
先日はBOさん、LotusRootsさんのご紹介いただき、ありがとうございました。大変暑い日なのに、エアコンの効かない環境で申し訳ありませんでした。どうせ暑いなら、とことん熱気あふれるスペイン音楽で始めようと目論んだのですが、シエスタモードに突入しそうということで、完全に空振りでした。やはりやり慣れないことは、すべきではなかったですね。
実は数日前から、ヴァイオリンやピアノの高音が耳につくようになっていて、スピーカ位置がズレたとばかり思って、色々動かしている内に泥沼に嵌っていたのです。なんとDDDユニットのネジの緩みとは全く想定外で、唖然としてしまいました。締めていただいた途端に、スピーカーから音が離れて空間表現の微妙な差が判別できるようになりました。
そこから先は、スピーカー位置の再調整、アンプの初段管の変更、アンプの足元へのコルク片の差し込み、CDPの位置変更、調音パネルの撤去など次々に繰りだされる打ち手で、どんどん音が静かで自然になってくるのには、圧倒されてしまいました。
最初にユニットの緩みを解決しなければ、その後の微調整の繊細な結果を正しく認識できなかったかと思い、初めに手を付けるべき要点を特定することも大事なノウハウなのだということが判りました(それを押さえずに、スピーカー位置を動かして益々悪化させてしまったのがここ数日の悪あがきだったのです)。
いずれにしても、経験量が不足で、金を掛けずにできることは沢山あって、そういうことをもっと色々と試してみないといけないと改めて認識しました。
今回は、新しい音楽を楽しんでいただくよりも、HRS-130の二ヶ月検診がメインになってしまいましたが、当方にとっては大変貴重な体験をさせていただき感謝の言葉もありません。さらに、折角、お越しいただいた初めてのお客様にはそれにお付き合い頂くばかりで申し訳ないことをしてしまいました。
翌日、聴かせて頂いたMA-1のDACV2は、ほんの10分程度の時間でしたが、バックグラウンドの静けさと広がり、それによって聴こえてくる個々の音の厚みと深み、実体感には驚きました。以前とはまた違った別世界が広がっていました。
前日に体験させて頂いた通り、今のシステムを使いこなすところまでスキルアップすることが目の前にある課題ですが、その先にある更なる高みが見えてきて大変刺激になりました。
パグ太郎
翌日、パグ太郎さんに来ていただいたのは、前日ソファーに寄りかかっていたとき、後ろのポケットから名刺入れを落としてきたからです。暑い中、自転車で届けに来ていただいたので、ほんのさわりだけをお聞きいただきました。それでも、今後の進むべき道の方向性が見えたのは良かったです。オーディオは、入り口と出口の質の向上がすべてですから。
by TANNOY-GRF
| 2018-08-10 08:23
| 行ったり
|
Comments(3)

GRFさん
SPの置き場所のくだりは深いお話ですね。
SPと後ろの壁との距離空間を取ることを
GRFさんの長年の豊富なご経験値で述べられて
いらっしゃいます。実践すべきですね。
ハードを更新する前にまずやるべきことの一つとも
思っています。
オーディオは音楽半分、機器セッティング過程での
音の変化を楽しむことに半分と私の考えです。
六角レンチ締め付けのコツ
>余り急激な力を入れると締めすぎになります。ジワーッと力を入れていき、レンチの先端を小指の力で締めすぎないように力を入れていく・・・
とてもデリケートな感覚をお持ちの方の描写ですね!
よく解ります(笑)
SPの置き場所のくだりは深いお話ですね。
SPと後ろの壁との距離空間を取ることを
GRFさんの長年の豊富なご経験値で述べられて
いらっしゃいます。実践すべきですね。
ハードを更新する前にまずやるべきことの一つとも
思っています。
オーディオは音楽半分、機器セッティング過程での
音の変化を楽しむことに半分と私の考えです。
六角レンチ締め付けのコツ
>余り急激な力を入れると締めすぎになります。ジワーッと力を入れていき、レンチの先端を小指の力で締めすぎないように力を入れていく・・・
とてもデリケートな感覚をお持ちの方の描写ですね!
よく解ります(笑)

GRFさん
記事掲載有難うございます。
数日前から、また高域が煩い現象が再発しました。ここの所の気温変化の格差のせいでDDDユニットが緩んだのかと思いましたが、そちらはしっかりしていました。
結果的には、アンプの真空管ソケットをカバーする金属板を固定していたネジが外れていて、ぐらつく状態になっていたのを締め直したら解消しました。恐らく足下の差し替えで持ち上げた時に金属板が良からぬ位置にずれたのでしょう。本当に、些細なことで反応するのですね。
当方日記はいい加減な与太話になっております。
記事掲載有難うございます。
数日前から、また高域が煩い現象が再発しました。ここの所の気温変化の格差のせいでDDDユニットが緩んだのかと思いましたが、そちらはしっかりしていました。
結果的には、アンプの真空管ソケットをカバーする金属板を固定していたネジが外れていて、ぐらつく状態になっていたのを締め直したら解消しました。恐らく足下の差し替えで持ち上げた時に金属板が良からぬ位置にずれたのでしょう。本当に、些細なことで反応するのですね。
当方日記はいい加減な与太話になっております。

GRF さま
わが家のSPは購入時に一年落ちの中古。導入したのは去年でしたか?
数年経過の寒暖の差でネジも所有者同様、緩んでいるでしょう。
音が眠くなっているのかどうか、わたくしの駄耳では判然といたしません。( 爆)
なにしろ、ボーッと生きてますから。
秋口、パグ太郎さんとお見えになるときまでに、星型の凸型レンチを用意しておかねば。
とはいうものの、インチゲージかミリゲージかも確認していないという体たらく。
ほんとにボーッと生きてますね。( 爆)
S.Y
わが家のSPは購入時に一年落ちの中古。導入したのは去年でしたか?
数年経過の寒暖の差でネジも所有者同様、緩んでいるでしょう。
音が眠くなっているのかどうか、わたくしの駄耳では判然といたしません。( 爆)
なにしろ、ボーッと生きてますから。
秋口、パグ太郎さんとお見えになるときまでに、星型の凸型レンチを用意しておかねば。
とはいうものの、インチゲージかミリゲージかも確認していないという体たらく。
ほんとにボーッと生きてますね。( 爆)
S.Y